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【2024年版】一挙紹介!軽自動車以外でなるべく小さな車に乗りたいユーザー向け!電気自動車のコンパクトカー10車種
公開日:2024/10/26更新日:2024/10/26
目次
どれくらいがコンパクト?電気自動車のコンパクトカーとは?
日本で「コンパクトカー」とは、1989年の税制改正で3ナンバー車の税金が安くなって各車種の大型化が進む一方、「全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m」の枠内に留まり続けた小型自動車(5ナンバー/4ナンバー車)を指す時代が長く続きましたが、今はどうでしょう?
昔と異なり、今や全幅1.8m超えであろうとコンパクトカー扱いも
昔ながらの日本の道路(あるいは車線)や駐車場は、それ以前からこの枠内で最適化されていたので、「日本で乗りやすいのは小型車だ」という声はまだ根強いものの、主に安全性の観点から世界的には全幅が広くなっていき、今や全幅1.8m超えでもコンパクトカー扱い。
それでもICE(エンジン車)からHEV(ハイブリッドカー)までは小型車枠に収まる車が多いものの、日本で販売しているBEV(バッテリー式電気自動車)となると、小型車枠は輸入車のフィアット500e/アバルト500eくらいしかありません。
全高1,550mm以下のフルBセグメントまでは「コンパクトカー」
そこで今回はヨーロッパ発祥で世界的にも通用する「セグメント」という分類方法から、全長4.5mまでの「フルBセグメント」に収まる車種で、全幅は1,850mmまで許容し、SUVはほとんどの立体駐車場に対応した全高1,550mmまでを「コンパクトカー」と定義しました。
この電気自動車のコンパクトカー、2024年10月現在では国産1車種、輸入9車種(うち4車種はSUV)が販売されています。
電気自動車のコンパクトカー(ハッチバック)6車種
ひと昔前なら「5ナンバー(小型乗用車)じゃなきゃコンパクトカーじゃない!」と言われたものですが、今は3ナンバー(普通乗用車)だから贅沢品という風評も過去のものになっており、全幅が1.8mを超えなければ「運転しやすければそれでよし」という雰囲気です。
ただし全長は4.5mくらいに抑えないと、取り回しの良さというコンパクトカーならではの良さが得られませんし、必然的に全てハッチバック車、またはハッチバックベースのオープントップ車になりました。
日産 リーフ
2024年10月現在、まだまだ販売されている車種が限定された日本では、電気自動車といえば軽自動車、SUV、商用車がほとんどですが、唯一コンパクトなハッチバック車として市販されているのが日産の「リーフ」です。
2010年に初代発売、2017年にモデルチェンジした2代目も2024年で7年目を迎えるという、国産輸入問わず近代的な電気自動車では長い歴史を誇るモデル。
ただし、現行モデルは408万1,000円(「X」)からと比較的安価なものの、40kWhバッテリー車の航続距離は322kmと2020年代半ばの電気自動車としてはやや物足りない性能で、航続距離458kmの60kWhバッテリー車は525万3,600円からと高価です(「e+X」)。
CEV補助金が満額の85万円出て、V2H/V2L外部給電対応車が300万円台前半から狙えて、自治体からの補助金も合わせればさらに安くなるとはいえ、「国産車」ですから、輸入コンパクトカーより安くてよく走る(この場合は航続距離)電気自動車が欲しくなります。
さらに技術の進歩が早い電気自動車の世界では、「7年前に発売された車」というだけでかなり古い車と考えざるを得ませんから、早急なモデルチェンジが望ましい状況です。
ただ、今では多少コストパフォーマンスに難があるとはいえ、全国各地に多数ある販売店(ディーラー)で購入やサービスが受けられる、電気自動車としては貴重な国産コンパクトカーというだけで購入する意義が今でも十分にあると言えます。
実際、「同じ日産の電気自動車でも、航続距離が180kmしかない4人乗り軽自動車のサクラではあまりに用途が限定されすぎる」というユーザーにとって、リーフは唯一の選択肢なのです。
SUVを好むユーザーばかりではありませんし、できれば同じコンセプトで3代目へモデルチェンジ、あるいは正統な後継車が登場してくれることを願います。
メーカー | 日産自動車(NISSAN) | |
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車種 | リーフ | |
40kWhバッテリー車 | 60kWhバッテリー車 | |
モデル・グレード | ■X ■X Vセレクション ■X Vセレクション 90周年記念車 ■G ■NISMO ■AUTECH | ■e+X ■e+X 90周年記念車 ■e+G ■e+ AUTECH |
全長×全幅×全高 | 標準:4,480×1,790×1,540mm NISMO:4,510×1,790×1,550mm | 4,480×1,790×1,545mm |
車両重量 | ■G:1,060kg ■P:1,080kg | |
乗車定員 | 5人 | |
最小回転半径 | ■X:5.2m それ以外:5.4m | ■e+X:5.2m それ以外:5.4m |
電力消費率(WLTCモード) | 標準:155Wh/km NISMO:177Wh/km AUTECH:159Wh/km | 標準:161Wh/km e+ AUTECH:164Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | 標準:322km NISMO:281km AUTECH:314km | 標準:458km e+ AUTECH:443km |
総電力量 | 40kWh | 60kWh |
最高出力 | 110kW(150PS) | 160kW(218PS) |
最大トルク | 320N・m(32.6kgf・m) | 340N・m(34.7kgf・m) |
価格(税込) | ■X:408万1,000円 ■X Vセレクション:431万8,000円 ■X Vセレクション 90周年記念車:441万2,100円 ■G:444万8,400円 ■NISMO:464万2,000円 ■AUTECH:444万4,000円 | ■e+X:525万3,600円 ■e+X 90周年記念車:558万4,700円 ■e+G:583万4,400円 ■e+ AUTECH:561万6,600円 |
公式サイト | 日産自動車(NISSAN)公式サイト |
フィアット 500e
2000年代以降は輸入車で数少ない5ナンバー枠だったフィアット 500(チンクエチェント)の4代目で、2代目の通称「ヌォーバ・チンク」(1957年)のデザインテイストを色濃く残したセルフリメイク版、3代目の後継車種が4代目「500e(チンクエチェントイー)」。
電気自動車専用車種として2022年に日本で発売したものの、400万円台で購入できたエントリーグレード「pop」を廃止し、残る標準版「Icon」(553万円・2024年10月現在)、キャンバストップ版「Open」(570万円・同)も値上げが続いたため、販売は苦戦中。
2026年にはMHEV(マイルドハイブリッド)版の「500イブリダ」が追加される予定です。
電気自動車のコンパクトカーとしては、ヌォーバ・チンク以来となる伝統のクラシックデザインを基本とする3ドアハッチバック車で、デザインとコンパクトさを優先として後席スペースや乗降性はミニマムで実用性は二の次という、あくまでオシャレや走りで買う車。
ただし、小さいだけあって小回り性能は抜群(最小回転半径5.1m)、42kWhバッテリーで航続距離335kmと、リーフの40kWh車並となる航続性能は確保し、1,360kgの車重に22.4kgf・mの最大トルクを発揮するモーターですから、狭い山道でもヒラヒラと走ります。
「どのみち1~2人乗車がメインだし、コンパクトカーらしいサイズと取り回しのよさが最優先!」というユーザーには、軽自動車よりパワフルですし、オススメです。
メーカー | フィアット(FIAT) |
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車種 | 500e |
モデル・グレード | ■Open ■Icon |
全長×全幅×全高 | 3,630×1,685×1,530mm |
車両重量 | ■Open:1,360kg ■Icon:1,330kg |
乗車定員 | 4人 |
最小回転半径 | 5.1m |
電力消費率(WLTCモード) | 128Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | 335km |
総電力量 | 42kWh |
最高出力 | 87kW(118PS) |
最大トルク | 220N・m(22.4kgf・m) |
価格(税込) | ■Open:570万円 ■Icon:553万円 |
公式サイト | フィアット(FIAT)公式サイト |
アバルト 500e
フィアット御用達となって久しいイタリアの名チューナー、「アバルト」が手掛けたフィアット 500eの高性能版で、最高出力155馬力、最大トルク24.0kgf・mとパワフルなモーターと、鳴り響く仮想排気音が走りを求めるユーザーのハートを熱く揺さぶります。
実用性その他は変わらないものの、アバルトらしい「サソリの毒」を感じさせるスポーティな内外装や、「スコーピオンモード」でアクセルを踏み込んだ時のレスポンスと迫力ある加速で、電気自動車となってもアバルトの健在をアピールしました。
その分だけお値段も高めですし、カブリオレ(キャンバストップ)では航続距離が300kmを切ってはいるものの、「輸入電気自動車のコンパクトなホットハッチに乗れる!」と思えば、大きなデメリットには感じないでしょう。
メーカー | アバルト(ABARTH)) |
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車種 | 500e |
モデル・グレード | ■スコーピオニッシマ カブリオレ ■ツーリズモ カブリオレ ■スコーピオニッシマ ハッチバック ■ツーリズモ ハッチバック |
全長×全幅×全高 | 3,675×1,685×1,520mm |
車両重量 | カブリオレ:1,380kg ハッチバック:1,360kg |
乗車定員 | 4人 |
最小回転半径 | 5.1m |
電力消費率(WLTCモード) | カブリオレ:158Wh/km ハッチバック:152Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | カブリオレ:294km ハッチバック:303km |
総電力量 | 42kWh |
最高出力 | 114kW(155PS) |
最大トルク | 235N・m(24.0kgf・m) |
価格(税込) | ■スコーピオニッシマ カブリオレ:660万円 ■ツーリズモ カブリオレ:645万円 ■スコーピオニッシマ ハッチバック:630万円 ■ツーリズモ ハッチバック:610万円 |
公式サイト | アバルト(ABARTH)公式サイト |
MINI ミニクーパー
イギリスの至宝、「ミニ」のブランドをBMWが買い取り、NEWミニとしてデビューさせてから4世代目のモデルは、外観こそほぼ同じなものの、プラットフォームをエンジン車/ハイブリッド版と電気自動車版で別々にするという、なかなか凝った車です。
「ミニのクーパー」改め、「ミニクーパー」と改名された3ドアモデルの電気自動車版は、日本でも2024年3月にエントリーモデルの「E」と、上級版「SE」が設定され、高性能版「JCW(ジョンクーパーワークス)」もヨーロッパでは発表済み。
フィアット/アバルト500eと同じ3ドア電動ホットハッチとはいえ寸法は一回り大きく、上級版「S E」では54kWhバッテリーで航続距離446kmと実用性も良好(「E」はそれぞれ41kWh、344km)。
「SE」で最高出力218馬力、最大トルク33.7kgf・m(「E」でも184馬力、29.6kgf・m)と、車重1,560~1,640kgに対しては十分なスペックを誇る、いかにも「ミニクーパー」らしい痛快な電動ホットハッチで、実用性とスポーツ性のバランスは最高です。
それでいて価格は「E」で463万円、「S E」でも531万円に抑えられ、日本で使うのに嬉しいV2H/V2L外部給電も完備していますから、より本格スポーツの「JCW」が後から登場するとはいえ、コストパフォーマンスも文句なしでしょう。
メーカー | MINI(MINI) |
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車種 | ミニクーパー |
モデル・グレード | ■S E ■E |
全長×全幅×全高 | 3,860×1,755×1,460mm |
車両重量 | ■S E:1,640kg ■E:1,560kg |
乗車定員 | 4人 |
最小回転半径 | 5.1m |
電力消費率(WLTCモード) | ■S E:133Wh/km ■E:127Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | ■S E:446km ■E:344km |
総電力量 | ■S E:54kWh ■E:41kWh |
最高出力 | ■S E:160kW(218PS) ■E:135kW(184PS) |
最大トルク | ■S E:330N・m(33.7kgf・m) ■E:290N・m(29.6kgf・m) |
価格(税込) | ■S E:531万円 ■E:463万円 |
公式サイト | MINI(MINI)公式サイト |
BYD DOLPHIN
航続距離400kmのベースグレードが363万円、476kmのロングレンジでも407万円と格安!
かつて日本車は円安ドル高時代に「安いのによく走る」とされて世界中に羽ばたきましたが、現在同じ道をたどっている中国車の日本における代表的存在がBYDで、そのエントリーモデルたるコンパクトカーが、DOLPHIN(ドルフィン)です。
最新の電気自動車が操作系を中央の大型タッチパネルに集約しつつあるのとは対象的に物理スイッチが多く、それが保守派ユーザーには安心感を与えるとともに、センターのタッチパネルは解像度が控えめなど、無理に背伸びしない姿勢で低価格を実現しています。
購入するならパワフルでバッテリー容量が多く、航続距離も長いロングレンジがオススメですが、ベースグレードでもV2H/V2H外部給電や、85kWまでの急速充電対応など装備面では十分のため、総合評価では国産車のリーフを上回るかもしれません。
BYD日本法人の方針で全国へのディーラー網展開も積極的なため、試乗やサービスを利用しやすいのも特徴です。
メーカー | BYD(BYD) |
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車種 | DOLPHIN(ドルフィン) |
モデル・グレード | ■Long Range ■ベースグレード |
全長×全幅×全高 | 4,290×1,770×1,550mm |
車両重量 | ■Long Range:1,680kg ■ベースグレード:1,520kg |
乗車定員 | 5人 |
最小回転半径 | 5.1m |
電力消費率(WLTCモード) | ■Long Range:138Wh/km ■ベースグレード:129Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | ■Long Range:476km ■ベースグレード:400km |
総電力量 | ■Long Range:58.56kWh ■ベースグレード:44.9kWh |
最高出力 | ■Long Range:150kW(204PS) ■ベースグレード:70kW(95PS) |
最大トルク | ■Long Range:310N・m(31.6kgf・m) ■ベースグレード:180N・m(18.4kgf・m) |
価格(税込) | ■Long Range:407万円 ■ベースグレード:363万円 |
公式サイト | BYD(BYD)公式サイト |
プジョー e-208
プジョーのコンパクトハッチバック、208の電気自動車版で、同社はエンジン車(あるいはハイブリッドやPHEV)と電気自動車を同一プラットフォームで作る方針のため、最高出力136馬力、最大トルク26.5kgf・m、航続距離395kmとスペックは控えめ。
「GT」グレードで512万4,000円という価格も性能面で考えれば少々コストパフォーマンスに難を感じるものの、日本では2020年に発売されて少々古い事を考えれば仕方ないところで、購入のポイントとなるのは純粋にプジョー車のデザインでしょう。
一時、斬新で奇抜な方向に走っていた同社のデザインは、近年大人でシックなものへと方向転換しており、スペックやコスパはソコソコでも、デザインの好みで選びたいユーザー(あるいはフランス車ファン)向けです。
メーカー | プジョー(PEUGEOT) |
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車種 | e-208 |
モデル・グレード | ■GT |
全長×全幅×全高 | 4,095×1,745×1,465mm |
車両重量 | 1,500kg |
乗車定員 | 5人 |
最小回転半径 | 5.4m |
電力消費率(WLTCモード) | 144Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | 395km |
総電力量 | 50kWh |
最高出力 | 100kW(136PS) |
最大トルク | 260N・m(26.5kgf・m) |
価格(税込) | 512万4,000円 |
公式サイト | プジョー(PEUGEOT)公式サイト |
電気自動車のコンパクトカー(SUV)4車種
SUVはコンパクトカーに含まれるのか?と疑問に感じる方がいるかもしれませんが、世界的にこれだけSUVが人気ですと、むしろSUVこそ「最低地上高と乗車時のアイポイントが高いだけの、普通の車」とも言えます。
ここではそんなSUVでも、サイズがフルBセグメント(全長4.5m以下)までで、全高が1,550mm以下に抑えられ、タワーパーキングなどほとんどの立体駐車場で利用に困らない4車種を「コンパクトSUV」と考えてチョイスしました。
MINI ミニエースマン
日本では2024年6月に発売されたばかりという第4世代NEWミニの最新鋭モデルで、(オールド・ミニを含む)ミニ史上最大サイズとなったSUV、ミニカントリーマンを補完するコンパクトSUVであると同時に、ミニ史上初の「電気自動車専用モデル」でもあります。
基本的には、まだ電気自動車版が登場していないミニ5ドアの電動クロスオーバーSUV版と言えるモデルで、全長こそ3ドアのミニクーパーより少々長い(4,080mm)ものの全幅1,755mmは同じで、全高も1,515mmに押さえて日本でも扱いやすいのが特徴。
まさしく「ミニ」の名にふさわしいSUVであり、価格もエントリーモデルの「E」(航続距離337.6km)で491万円、上級モデルの「S E」(同398.2km)でも556万円と、SUVとしては比較的安価に抑えられ、こんな電動ミニを待っていたというユーザーも多いのでは?
メーカー | MINI(MINI) |
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車種 | ミニエースマン |
モデル・グレード | ■S E ■E |
全長×全幅×全高 | 4,080×1,755×1,515mm |
車両重量 | ■S E:1,740kg ■E:1,670kg |
乗車定員 | 5人 |
最小回転半径 | 5.4m |
電力消費率(WLTCモード) | ■S E:144Wh/km ■E:140Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | ■S E:414km ■E:327km |
総電力量 | ■S E:54.2kWh ■E:42.5kWh |
最高出力 | ■S E:160kW(218PS) ■E:135kW(184PS) |
最大トルク | ■S E:330N・m(33.7kgf・m) ■E:290N・m(29.6kgf・m) |
価格(税込) | ■S E:556万円 ■E:491万円 |
公式サイト | MINI(MINI)公式サイト |
プジョー e-2008
e-208のクロスオーバーSUV版、あるいは2008の電気自動車版であるe-2008は、最低地上高が高くてやや重く、航続距離が多少犠牲になってはいるものの、基本的にe-208と同スペックです。
寸法もe-208より数値上はやや大きい程度で、全高が1,550mmに抑えられていますから、立体駐車場の利用でも困ることはなく、日本の、特に都市部でのコミューター用途に使うシティオフローダーとしては良好な使い勝手と、必要にして十分な性能のバランスが持ち味。
長距離ドライブにはやや物足りない航続距離ではあるものの、近代的な街中で乗るのにデザインへコダワリを持ちたいというユーザー向けのコンパクトSUVと言えます。
メーカー | プジョー(PEUGEOT) |
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車種 | e-2008 |
モデル・グレード | ■GT |
全長×全幅×全高 | 4,305×1,770×1,550mm |
車両重量 | 1,905kg |
乗車定員 | 5人 |
最小回転半径 | 5.4m |
電力消費率(WLTCモード) | 149Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | 380km |
総電力量 | 50kWh |
最高出力 | 100kW(136PS) |
最大トルク | 260N・m(26.5kgf・m) |
価格(税込) | 576万4,000円 |
公式サイト | プジョー(PEUGEOT)公式サイト |
ボルボ EX30
ボルボ初の電気自動車専用モデルであり、ミドルクラスSUV「EX40(旧名XC40リチャージ)」の弟分的なコンパクトSUV。
EX40と同様、リア1モーター式のRWD(後輪駆動)車なのが特徴で、今回紹介する「電気自動車のコンパクトカー」が同車以外すべてFWD(前輪駆動)車という中、唯一のRWDです。
歴史的に、冬季の積雪や凍結へ不安を感じるユーザーがAWD(全輪駆動)車やFWD車に頼る傾向が強い日本だとRWD車は不利なものの、海外仕様に存在するAWD車が追加されると、コンパクトSUVの中でも面白い存在になるかもしれません。
もっとも現状でRWD車のメリットである「素直で安定した操縦性」という面ではライバルに比べて卓越しており、FWD車が電気自動車特有のモーターによる大トルクで前輪の負担が大きく、時に操縦安定性で気を使うのに対し、EX30は走りの心地よさが別格!
車両本体価格559万円に対し、CEV補助金が45万円に留まるため、500万円を切れない少々お高いコンパクトカーではあるものの、航続距離560km、最高出力272馬力、最大トルク35.0kgf・mのスペックは申し分なく、コストパフォーマンスで考えれば秀逸です。
メーカー | ボルボ(VOLVO) |
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車種 | EX30 |
モデル・グレード | ■ウルトラシングルモーター エクステンデッドレンジ |
全長×全幅×全高 | 4,235×1,835×1,550mm |
車両重量 | 1,790kg |
乗車定員 | 5人 |
最小回転半径 | 5.4m |
電力消費率(WLTCモード) | 143Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | 560km |
総電力量 | 69kWh |
最高出力 | 200kW(272PS) |
最大トルク | 343N・m(35.0kgf・m) |
価格(税込) | 559万円 |
公式サイト | ボルボ(VOLVO)公式サイト |
シトロエン E-C4
同じPSA(プジョーシトロエン)グループのプジョー e-2008とは、ホイールベースなど寸法こそ若干異なるものの、動力性能その他のスペックはほぼ同一の姉妹車という関係の電動コンパクトSUVで、C4の電気自動車版という成り立ちも同じ。
ただし、好みこそ分かれるもののクリエイティブ系や意識高い系にウケそうな、奇抜で忘れがたい複雑な内外装デザインを最大の特徴としており、コンパクトSUVでありながら、そのデザインだけで存在感や車格は1クラス上の車に匹敵または圧倒します。
561万3,000円(CEV補助金は45万円)という価格はむしろe-2008より少し安いため、「シトロエンのデザインが気に入った!」というユーザーならば、同社が日本で販売する唯一の電気自動車として、非常に価値ある一台となるでしょう。
メーカー | シトロエン(CITROEN) |
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車種 | E-C4 |
モデル・グレード | ■MAX |
全長×全幅×全高 | 4,235×1,835×1,550mm |
車両重量 | 1,790kg |
乗車定員 | 5人 |
最小回転半径 | 5.6m |
電力消費率(WLTCモード) | 140Wh/km |
一充電走行距離(WLTCモード) | 405km |
総電力量 | 50kWh |
最高出力 | 100kW(136PS) |
最大トルク | 260N・m(26.5kgf・m) |
価格(税込) | 561万3,500円 |
公式サイト | シトロエン(CITROEN)公式サイト |
電気自動車のコンパクトカー、メリットやおすすめの人
超小型EVや軽の電気自動車と異なり、国産車はまだリーフくらいで輸入車の独壇場に近い「電気自動車のコンパクトカー」ですが、そのメリットやオススメしたいユーザーを紹介します。
小さな電気自動車に乗りたいけど、軽は嫌!という人向け
最近の日本ではホンダ N-BOXを筆頭とする軽スーパーハイトワゴン、さらにそれらをベースとした派生車種を含むクロスオーバーモデルも増えている「軽自動車ブーム」の真っ盛り、上級グレードでは200万円超えの車種も多く、「軽自動車は貧乏」など過去の話です。
ただし、日本でも多少はある「階級社会」や「ご近所などへの体面」、さらに昔ながらの価値観をまだ持っているユーザーにとって、「軽自動車」はできれば避けたい…軽より安くてもいいから、せめて軽じゃない小型車に乗りたいという考え方は根強いものがあります。
しかしまだまだ高価な電気自動車では見栄を張るにも限界が…というのも事実で、手頃な価格と十分な性能のコンパクトカーは、抵抗感なく受け入れられる存在なのでしょう。
寸法からの制約が大きい軽より大容量バッテリーで、航続距離が長い
日本では「もうこれで必要十分!」とばかりに車内スペースが広くて性能も十分な車種が多い軽自動車ですが、代わりに「エンジンなどメカ部分はミニマムなスペースに押し込めた」状態で、電気自動車とした場合は大容量バッテリーを積めないのがネックです。
そうなると、軽自動車ほど寸法の制約は厳しくないコンパクトカーは「大容量バッテリーが積めて航続距離はほとんどが軽自動車の倍以上、しかも64馬力自主規制がないためパワフルなモーターを積める」という大きなメリットがあります。
最新の電気自動車専用モデルなら、最適化された設計や、効率化を極めた動力系によって電費が良好、1クラス上のヘタなモデルより航続距離が長いケースすらあるので、純粋に電気自動車として2024年時点では非常に効率的なジャンルと言えるでしょう。
特に輸入車としては、比較的安くてコストパフォーマンス良好
主にバッテリー価格の問題で、まだまだ高価な電気自動車ではありますが、効率的で性能と実用性のバランスが取れた最小限の構成であるコンパクトカーは、電気自動車として軽自動車より大幅に高価とはいえ「コストパフォーマンス」で見れば大変優れています。
何しろ、多少高くとも軽の電気自動車には真似できない航続距離や動力性能を実現しており、ロングドライブにも耐え、何より現在では「最新の急速充電と言える最低ライン」である90kW充電対応も、何かと妥協が必要な軽や超小型車に真似できないところ。
あくまでシティコミューターや近場のレジャーに限られる軽自動車に対し、はるかに多用途に使えるという点は、電気自動車のコンパクトカーが軽自動車を圧倒しています
電気自動車のコンパクトカー、デメリットや注意点
軽自動車よりちょっとお高いもののメリットも大きく、オススメできるユーザーも多そうな「電気自動車のコンパクトカー」ですが、当然ながらデメリットや注意点が全くないわけでもなく、ここで紹介しておきます。
安心して買える「国産車」はリーフただ1車種のみ
トヨタなど一部を除けば昔ほど勢いがないとはいえ、今も世界に誇る自動車王国ニッポンですから、心情的にも、信頼性の面でも、メンテナンスおよび修理時の部品価格の面でも、販売やサービス拠点の多さでも、国産車を選びたいユーザーは多いはずです。
実際そのような事情で、一時期は日産のリーフが、特に2代目発売時にちょっとしたスマッシュヒットになる人気でしたが、問題はリーフ以外に電気自動車のコンパクトカーが登場していないことです(2024年10月現在)。
むしろ現在の国産メーカーで力を入れているのは、軽自動車や商用車という「手堅い需要」に応えたモデルでしょう。
CEV補助金も自治体の補助金も多くは軽自動車での申請が多いらしいので仕方がないものの、これだけ輸入車が増えると国産車にも頑張ってほしいと思います。
輸入車がほとんどのため、信頼性やサービス体制に難がある
今回紹介した10車種のうち9車種が輸入車、それも輸入車として考えれば比較的お手頃とも言える価格で上陸してくれるのはよいのですが、問題は国産車に対して圧倒的に少ない販売/サービス拠点の少なさです。
各都道府県の県庁所在地、あるいは大都市に1店舗くらいはあるものの、店舗数が比較的多いMINI以外だと、急速に店舗を増やしているBYDが今後期待できるのを除けば、地方都市にまでなかなか手が回りません。
そうなると購入前の試乗から遠方の店舗へ行かねばならず大変ですし、メンテナンスなどサービス面でも、電気自動車はタイヤや足回りを除けば、そのへんの整備工場で適当にというわけにはいかないでしょう。
せっかく手頃な価格で輸入電動コンパクトカーがあっても、それが理由で手を出しにくいというユーザーも多そうです。
エンジン車やハイブリッドに対する、コスパで埋めきれない価格差
中国車や韓国車を除き、輸入車は日本へ運んで売るだけでも大仕事で高価になりがちですから、電気自動車になっても国産車ほどの価格差は感じず、コンパクトカーなら「手頃な価格でいいじゃない」と考えてしまいます。
しかし、ふと立ち止まって考えれば、国産コンパクトカーならエンジン車でもハイブリッドでも、はるかに安い価格で燃費も良好、販売/サービス拠点もそこら中にあるという実情があり、やはり「高い買い物」になるのは避けられません。
もちろん、性能は必要にして十分以上、ガソリンスタンド過疎地なら自宅で充電できるからむしろ便利なほどという電気自動車は、コンパクトカーだからこそ活きる面があるためコストパフォーマンスで考えればヒケは取らないものの、それでもなおまだ高価すぎます。
電気自動車のコンパクトカー、選び方|購入時のチェックポイント
コンパクトカーとはいえ昔より大柄なので、駐車スペースの確認は必須
確実に昔ながらの「5ナンバー(小型車)枠」に収まるフィアット/アバルト500eを除けば、コンパクトカーと言っても全幅は1,700〜1,800mmの堂々たる3ナンバーサイズばかりのため、駐車スペースには気を使います。
特に複数台所有のセカンドカーとして購入する場合、自宅で充電するなら充電コンセントや充電スタンドとの位置関係に無理がない場所へ止められるか、コンパクトカーだからと公共充電スポットを利用するなら、集合住宅や月極駐車場のスペースに無理がないか。
軽なら大抵は問題のない話ですが、すっかり大柄になった今どきのコンパクトカーそのままなサイズの電気自動車では、駐車場をしっかり確認してからの購入をオススメします。
スペース効率は軽に劣るので、後席の使い勝手は要確認
スペース効率で激しいライバル争いが繰り広げられている軽自動車では、アルトやミライースなど昔ながらのベーシックモデルを除けば今やリヤシートスライドは当たり前、荷室を狭くする代わりに後席は足を組めるほど広々としています。
しかし、「単純に安価なエントリーモデル」として作られていることが多いコンパクトカーにはそのような配慮がない車種もあり、国産車ではほぼ絶滅した3ドアハッチバック車すら存在するくらいで、後席のスペースは多少余裕がある車種でも軽より狭いと思うべきです。
中には大人が乗れてもヒザが後席に当たったり、余裕があっても握りこぶしひとつ程度で、「基本は1~2名乗車、後席は倒しても立てても基本は荷物スペースか、常時乗せるとしても子供や小柄な大人」という車種もあるので、事前に乗ってみての確認は必須です。
そのような車種の場合、用途としてはファミリーカーより、あくまで1〜2人用がメインのパーソナルカーと考えるべきでしょう。
充電の最大出力やV2H/V2H対応でも選択肢は分かれる
軽自動車ほどではありませんが、電気自動車のコンパクトカーもコストなどの要因で装備面では多少妥協しているモデルもあり、土台からして高級高性能車の800Vシステムなど使えず(2024年10月現在)、充電器の対応も少々チープとなります。
それもリーフのように古い(2017年発売)車では、40kWhバッテリー車だと急速充電50kW、普通充電3kW(6kWはメーカーオプション)が上限と、かなり寂しいスペックの場合もありますから、せめてドルフィンのように急速85kW/普通6kW上限を選びたいものです。
また、日本の場合は一軒家で家屋と接続して非常電源に使うV2Hや、レジャーなどで外部給電するV2L対応もカーライフを大きく左右する要素ですから、用途としてV2H/V2Lが必要ならば、対応している車種を選びましょう。
電気自動車のコンパクトカーを購入しようと検討しているなら、まずは試乗を!
今回は「電気自動車のコンパクトカー」について紹介してきましたが、対象となるユーザーは「ゲタ車、アシ車的に頻繁に乗って使い倒せる車を電気自動車でも欲しいけど、軽自動車は嫌だ」と考えている場合が多いかと思います。
そうなると、日常の走りや使い勝手で購入後の満足感は大きく異なりますし、ほとんどが輸入車であればなおさら、しっかり試乗して決めましょう。
最新車種では1日から1週間程度の長期試乗キャンペーンを行っている例も多いですから、ディーラーが遠くても足を運んで乗って帰ってジックリ試したり、1日試乗でもその日は長距離ドライブでジックリ味わうこともできるはずです。