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電気自動車(EV)は中古も補助金対象になる?税制優遇措置も紹介

電気自動車を新車で買う時には国からのCEV補助金を頼りにできるため、電気自動車を中古で買う時には「補助金もらって新車を買った方がいいのでは?」と悩むユーザーもいるかと思います。それでは中古の電気自動車を購入する時に、補助金は全く出ないのでしょうか?税制優遇措置の対象になるかどうかも含めて紹介します。

目次

  1. 電気自動車の購入時に利用できる主な補助金
  2. 電気自動車を中古で購入しても補助金対象になる?
  3. 電気自動車は補助金あり/なしで購入費用はどれくらい変わる?
  4. 電気自動車の中古車を補助金以外で安く購入するには?
  5. 【結論】電気自動車の中古車は、基本的に補助金の対象外

電気自動車の購入時に利用できる主な補助金

電気自動車の購入時に利用できる主な補助金

ここでは、まず新車か中古車に関わらず電気自動車の一般論として、「購入時に利用できる主な補助金」を紹介します。


中古車の購入には使えないものもありますので、ご注意ください。

国の補助金(CEV補助金)

電気自動車を購入する際の補助金として代表的なものが、国から出る「CEV補助金」で、新車のピュアEV(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を購入する時のみ、申請に応じて車種ごとに決められた額が、予算のある限り出ます。


ただし2024年4月1日以降に新規登録された車に関しては、そのメーカーが充電設備の設置など、「電気自動車の普及にどれだけ貢献したか」という貢献度で補助金の額が大きく左右されるようになりました。


そのため、まだ日本市場に参入して間もないメーカーや、充電設備の設置にあまり熱心でなかったメーカーの車種は従来より補助金が減額されており、長く電気自動車を販売し、ディーラーや公共施設などで充電設備を設置しているメーカーが有利となっています。

地方自治体の補助金

国の補助金とは別に、都道府県、市区町村といった自治体単位で補助金を設定しているケースも多く、CEV補助金と合わせて最大で100万円以上の補助になるほか、中には中古車でも補助が出るケースもあるため、ユーザーにとって住んでいる地域で大きな差が出ます。


特に、市区町村単位で「ゼロカーボンシティ」を宣言し、予算に余裕のある自治体では補助金を設定していることが多く、中には宮城県東松島市のように、「バッテリー容量(kWh)×1/2×4万円で、CEV補助金を上限に補助する」という、ユニークな取り組みもあります。

電気自動車を中古で購入しても補助金対象になる?

電気自動車を中古で購入しても補助金対象になる?

国や自治体から購入にあたって補助金が出る電気自動車(ピュアEV、プラグインハイブリッド)ですが、中古の電気自動車でも補助金は出るのでしょうか?


補助金以外に税制優遇措置についても紹介します。

補助金対象になるのは国だと新車のみ。中古は対象外だが…?

中古の電気自動車について、購入時に国のCEV補助金は残念ながら出ませんし、新車同然の「登録済み未使用車」であろうと、同様です。


ただし自治体レベルだと必ずしも全くダメということはなく、宮城県の「令和6年度太陽光発電を活用したEV利用モデル導入支援事業費補助金」のように、太陽光発電とV2H充放電設備を利用した電気自動車の導入を推進する事例があります。


県内に本拠を置く法人や団体、個人事業主に限定されているとはいえ、「走る蓄電池」役を担う電気自動車は中古でも新車の半額を補助するというもので、皆さんのお住まいになっている地域でも同様の施策がないか、調べてみる価値はありますよ!

中古の電気自動車も適応となる税制優遇措置

国は全く、自治体レベルでも補助金だと大抵は門前払いとなってしまう中古の電気自動車ですが、購入時やその後にかかるさまざまな税金に対する税制優遇措置は受けられる場合があります。

エコカー減税


新車購入時(新規登録時)と、3年後の初回車検(継続車検)で支払うべき自動車重量税が100%免税になるほか、その後も非対象車より税金の額が安く済む「エコカー減税」。


継続的に恩恵を受けられるため、ピュアEVやプラグインハイブリッドの中古車を購入しても、新規登録から3年以内の高年式車なら最初の継続車検では100%免税、その後も安い自動車重量税で済みます。


大容量バッテリーを積んで車重が非常に重たいですから、自動車重量税が免税、あるいは安くなる恩恵を受けられるのは非常に助かるので、中古で電気自動車を買おうと思っているユーザーには大きなメリットです。

グリーン化特例


新車登録時の翌年度に自動車税のおおむね75%を減税するのが「グリーン化特例」で、中古の電気自動車だと、まだ新しい登録済み未使用車や展示車、試乗車上がりを購入する場合に、このグリーン化特例の恩恵を受けられるかもしれません。


これは国の制度ですが、他にも東京都の「ZEV導入促進税制」や、愛知県でも東京都の同種の税制があって、新規登録から5年間は自動車税の課税を免除する自治体ごとの制度もあるため、住んでいる地域の税制はチェックしておくのがオススメです。


ピュアEVだとエンジンを積んでいないため、元から安い排気量1リットル未満の自動車税ですが、プラグインハイブリッド車では大排気量エンジンを積む車種もあるので、高年式の中古車を購入するなら大いに役立ちます。

環境性能割


かつては「自動車取得税」と言われていたように、購入価格の最大3%を徴収し、環境性能に応じて課税割合を減らし、ピュアEVやプラグインハイブリッドでは非課税となる「環境性能割」は、中古車の購入時にも有効です。


同クラス車の中ではもっとも高額になる電気自動車には非課税で、趣味性は高くとも環境に厳しいハイパワースポーツなどはしっかり課税する上手い仕組みで、ピュアEVやプラグインハイブリッドと、通常のガソリン車の実質価格差を縮めるのに貢献しています。


中古の電気自動車は、たいていの場合において新車より安いため恩恵は少ないものの、V2H充放電設備への補助拡充などで中古の電気自動車需要が増え、価格が上がり気味ですから、助かることには変わりありません。

参考:EV充電設備の設置に利用できる補助金はある

電気自動車の充電設備を設置する際の補助金ですが、2024年5月現在においては、管理組合での同意が必要で、電気自動車を所有していない家庭には負担ばかりでメリットが少ないなど、ハードルの高いマンションなど集合住宅への設置が優先されています。


そのため個人宅に設置する場合、国からの補助金はV2H充放電設備に限られているものの、自治体レベルではV2H以外も対象にしている場合があるため、お住まいになっている都道府県や市区町村の補助金制度は、よく確認してみましょう。

電気自動車は補助金あり/なしで購入費用はどれくらい変わる?

電気自動車は補助金あり/なしで購入費用はどれくらい変わる?

電気自動車の補助金について、住んでいる地域によって異なる自治体の補助金ではなく、国のCEV補助金で考えた場合は最大で85万円(軽自動車では55万円)もの補助が出ます。


ただし、税別840万円以上の高額車しか販売せず、V2Hも非対応、充電設備の設置にも熱心ではないメーカーでは最低で12万円しか出ないケースもあり、補助金の有無でどの程度変わるかはメーカーや車種によってさまざまなので、以下に一部の例を表にしてみました。


税別840万円以下の比較的購入しやすい価格帯の車なら、10~15%程度安くてより購入しやすくなり、安い軽自動車なら20%ほど安くなるので、さらに買いやすくなっています。


メーカー

車種・グレード名

価格(税込)

補助金額

補助金込み価格

割引率

日産

アリア B6

659万100円

85万円

574万100円

約13%引き

アリア NISIMO B9 e-4ORCE

944万1,300円

68万円

876万1,300円

約7%引き

サクラ G

304万400円

55万円

249万400円

約19%引き

アウディ

Q4 40 e-tron

638万円

65万円

573万円

約10%引き

Q8 50 e-tron quattro Sline

1,099万円

36万円

1,063万円

約3%引き

ジャガー

I-PACE R-Dynamic HSE エアサスペンション

1,517万1,000円

12万円

1,502万1,000円

約1%引き

テスラ

モデル3 AWD ロングレンジ

621万9,000円

85万円

536万9,000円

約14%引き

電気自動車の中古車を補助金以外で安く購入するには?

電気自動車の中古車を補助金以外で安く購入するには?

一部の自治体を除けば補助金で安く購入するのは難しい中古の電気自動車ですが、それ以外の方法で安く購入する方法がないわけではなく、ここではその方法を紹介していきます。

未使用車(中古車)を購入する

まず第一に考えるのが、昔は「新古車」とも呼ばれていた「登録済み未使用車」で、簡単に言えば販売店が実績を上げるため自社登録して在庫していたものの売れ残りです。


電気自動車の場合は税制優遇があるので、そういった恩恵を受けられない車を除けばマシとはいえ、自社敷地内などに売れる状態で保管しておく手間はかかりますし、資産扱いで税金が増えるなど在庫期間が伸びるほどデメリットが増え、早く手放したがっています。


そのため、登録だけして全く使っていないにも関わらず安く販売されており、それでいて未使用ですからコンディションは大変良好、特にバッテリーが急速充電を繰り返して劣化しているおそれもないため、中古車としてはかなりお買い得でしょう。


ただし、現行モデルの場合は「補助金込みなら新車の方が安いのでは?」と思える値付けをされている場合があるため、その点だけは注意が必要です。

モデルチェンジで型落ちした車種を購入する

特に輸入車の電気自動車で多いのですが、モデルチェンジで型落ち、あるいは生産終了でカタログ落ちした車種が売れ残っているケースが見られます。


それでも正規販売店なら新車としてまだ高値で売っていますが、いよいよ古くなってくると中古市場に出回るでしょうし、性能的にも最新モデルと比べれば見劣りするとはいえ、自分の用途では問題ないレベルならば、手頃な価格で電気自動車を手に入れるチャンスです。


もちろん高性能の最新鋭モデルを買えれば言うことはありませんが、自分のゲタ車や子供が乗るような、リセールバリューを考慮しないセカンドカー的な目的なら、型落ちもアリでしょう。

【結論】電気自動車の中古車は、基本的に補助金の対象外

今回は中古の電気自動車は補助金の対象になっているのか否か、対象外ならせめて税制優遇は受けられるのか、他に安く中古を買う方法がないのかについて、紹介しました。


残念ながら国のCEV補助金では全くの対象外、自治体レベルなら場合によっては設定されているものの、基本的には対象外という結論になりますが、税制優遇は受けられますし、補助金以外でも安く中古車を買う方法もあります。


セカンドカーや、太陽光発電&V2H充放電設備と組み合わせた蓄電池需要で、中古の電気自動車を安く買いたいというユーザーは、参考にしてください。

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