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ボルボの電気自動車(EV)ラインナップ全3車種|価格・スペック比較
公開日:2024/05/11更新日:2024/05/11
目次
ボルボの電気自動車(EV)ラインナップ一覧
Mike Mareen - stock.adobe.com
2024年4月現在、スウェーデンの自動車メーカーであるボルボが日本で販売している電気自動車(EV)3車種は全てSUVで、C40 Recharage、XC40 Recharage、EX30、それぞれの概要やスペック、価格を紹介します。
ボルボ C40 Rechargeのスペック・価格
日本で発売するボルボ車として初の電気自動車が、2021年11月に発表、翌2022年1月にオンライン販売を開始したC40 Recharageです。
C40自体は同クラスのワゴンタイプSUV、「XC40」のクーペルックSUV型姉妹車ですが、純エンジン車から始まって電動化(ハイブリッド化)を経たXC40とは異なり最初から電気自動車として販売、ボルボのグローバル戦略によりオンライン販売専用となっています。
当初販売されたのは前後ツインモーターのAWD車「Twin」のみ、後にFWD車の「Ultimate Single Motor」、AWD車の「Plus Twin Motor」をラインナップしましたが、2023年3月の改良でリアの1モーターのみでRWD車の2グレードのみとなりました。
元をたどれば純エンジン車がベースとはいえ、当初からBEV化を想定した設計ゆえか良好な電費でWLTCモード航続距離590km、最初から高出力の150kW急速充電にも対応して、最新モデルでは73kWhのバッテリーを80%まで充電するのに約40分とされています。
2024年4月現在の価格は699~739万と少々高めですが、航続距離と実用性を両立した最新の輸入ミドルクラス電動SUVとしては、現時点で妥当と言えるでしょう。
なお、2024年に車名を「EC40」へと改称すると発表し、日本仕様もいずれ変更されると思われます。
メーカー | ボルボ(VOLVO) |
車種 | C40 Recharge |
モデル・グレード | ■Plus Single Motor ■Ultimate Single Motor |
全長×全幅×全高 | 4,440×1,875×1,595mm |
車両重量 | 2,010kg |
乗車定員 | 5人 |
最小半径 | 5.7m |
駆動方式 | RWD |
電力消費率 | 143Wh/km(WLTCモード) |
一充電走行距離 | 590km(WLTCモード) |
総電力量 | 73kWh |
最高出力 | 175kW(238PS) |
最大トルク | 418N・m(42.6kgf・m) |
価格(税込) | ■Plus Single Motor:699万円 ■Ultimate Single Motor:739万円 |
公式サイト |
ボルボ XC40 Rechargeのスペック・価格
C40 Rechargeのベースになった日本ではボルボ第2の電気自動車で、C40より少し遅れて2022年5月発表、同7月にオンライン販売で発売されました。
基本的にプラットフォームやパワートレインはC40 Rechargeと共通の、CMAプラットフォームを電気自動車向けに最適化するため、フロントセクションやフロア構造を専用設計としたものですが、ワゴンタイプのボディでキャビンやラゲッジの余裕はやや広めです。
当初からAWD車とFWD車の2本立てで、2023年3月にC40 RechargeともどもRWD化されており、1モーター化の代わりに出力は向上、バッテリー容量も増やされて73kWhとなり航続距離は590km、150kW急速充電により約40分で80%まで充電可能となっています。
価格帯は679万?719万円とC40 Rechargeより20万円安く、やや手頃な価格で実用性の高い電動SUVに仕上がりました。
なお、2024年に車名を「EX40」へと改称すると発表し、日本仕様もいずれ変更されると思われます。
メーカー | ボルボ(VOLVO) |
車種 | XC40 Recharge |
モデル・グレード | ■Plus Single Motor ■Ultimate Single Motor |
全長×全幅×全高 | 4,440×1,875×1,650mm |
車両重量 | 2,030kg |
乗車定員 | 5人 |
最小半径 | 5.7m |
駆動方式 | RWD |
電力消費率 | 143Wh/km(WLTCモード) |
一充電走行距離 | 590km(WLTCモード) |
総電力量 | 73kWh |
最高出力 | 175kW(238PS) |
最大トルク | 418N・m(42.6kgf・m) |
価格(税込) | ■Plus Single Motor:679万円 ■Ultimate Single Motor:719万円 |
公式サイト |
ボルボ EX30のスペック・価格
ボルボ最小の電気自動車として日本では2023年8月に発表、同11月にオンライン販売が始まったコンパクトSUVで、全長、全幅とも日本で扱いやすいサイズを実現したうえ、日本でもまだ多くが残る全高制限が厳しい駐車場でも利用可能な全高1,550mmが特徴。
それでいて69kWhの大容量バッテリーを積み、空気抵抗の少ない小型軽量ボディでWLTCモード航続距離は560kmと長距離ドライブでも十分な性能を誇り、150kW急速充電では充電率10%から80%への充電は約32分とされています。
2024年4月時点で日本に導入されているのは1モーターのRWD車のみ、559万円と輸入SUVとしては手頃な価格とサイズで、今後は日本におけるボルボ電気自動車の普及を担う主力モデルとなるでしょう。
メーカー | ボルボ(VOLVO) |
車種 | EX30 |
モデル・グレード | ■Ultra Single Motor Extended Range |
全長×全幅×全高 | 4,235×1,835×1,550mm |
車両重量 | 1,790kg |
乗車定員 | 5人 |
最小半径 | 5.4m |
駆動方式 | RWD |
電力消費率 | 143Wh/km(WLTCモード) |
一充電走行距離 | 560km(WLTCモード) |
総電力量 | 69kWh |
最高出力 | 200kW(272PS) |
最大トルク | 343N・m(35.0kgf・m) |
価格(税込) | ■Ultra Single Motor Extended Range:559万円 |
公式サイト |
ボルボの電気自動車(EV)の価格比較
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C40 Recharge、XC40 Recharge、EX30と3種類あるボルボ電気自動車(EV)はいずれもSUVで、ここではそれぞれの価格を比較しやすいよう、表で紹介します。
車種 | 価格(税込) |
C40 Recharge | ■Plus Single Motor:699万円 ■Ultimate Single Motor:739万円 |
XC40 Recharge | ■Plus Single Motor:679万円 ■Ultimate Single Motor:719万円 |
EX30 | ■Ultra Single Motor Extended Range:559万円 |
ボルボの電気自動車(EV)の特徴・魅力
bortnikau - stock.adobe.com
2030年に電気自動車(EV)メーカーへの完全以降を計画しているスウェーデンの自動車メーカー、ボルボが作る電気自動車には、自動車ファンでも納得するZEV(排出ガスゼロ車)というだけではない、環境保護派にも好まれそうな特徴や魅力があります。
電気自動車ならではの「FWDからRWDへの大転換」
「生産・販売中のモデルを前輪駆動から後輪駆動へ転換する」…純エンジン車でもハイブリッド車でも容易なことではありませんが、ボルボのC40 RechargeやXC40 Rechargeは改良時、いとも簡単にFWD車からAWD車への転換を果たしました。
これは1箇所に配置されたエンジンから駆動力を取り出すのと異なり、それぞれの駆動軸へモーターを配置した電気自動車だからこその話で、簡単に言えばAWD車のモーターを前後どちらか残すという選択を変更するだけです。
しかし他に同種の試みをしたメーカーはまだなかったようで、ボルボ電気自動車のRWD化は業界から驚かれました。
商談のわずらわしさから開放するオンライン販売
ボルボは電気自動車の販売をオンラインに限定するグローバル戦略を取っており、日本でも最終的な契約にまだディーラーを必要とするとはいえ、3種類の電気自動車はいずれもオンラン販売です。
昔からの習慣で営業マンと触れ合う商談を重視するユーザーがまだ多いものの、海外メーカーだけではなく日本でもオンライン販売が試行されつつあり、ボルボ電気自動車はその先駆けのひとつとなりました。
もちろん、オンラインに不慣れなユーザーのため全国のディーラーにはアシスタントが常駐していますし、試乗車も用意されていますから従来に近い車選びやオーダーも可能ですが、「商談がわずらわしいと感じるユーザー」はもっとも恩恵を受けそうです。
素材から進める環境対策
ボルボの電気自動車はもちろんそれ自体が排出ガスを出さないZEVですが、ボルボでは電気自動車の走行時だけではなく、生産時からサステナルブル(持続的な発展)を配慮した内装へのリサイクル材活用など、より積極的な環境対策を推し進めてきました。
それは車体を構成する鋼材や生産、輸送にも及び、環境対策が進んだ工場で生産された高品質の鋼材、世界中のボルボ各工場でも排出ガス実質0%達成、大陸間海上輸送の86%をバイオ燃料に切り替えるなど、あらゆる分野へ及んでいます。
ボルボの電気自動車(EV)の選び方・比較ポイント
3車種ある全てがSUVのボルボ電気自動車(EV)ですが、それぞれボルボ車同士、またはライバルに対して比較するのに参考となる選び方のポイントを、ここでは紹介していきます。
クーペルックでスポーツ路線のC40 Recharge
輸入電動SUVの中で、ボルボにとって最大のライバルとなりそうなのがアウディなどフォルクスワーゲングループの電気自動車ですが、スポーティなクーペルックのC40 Rechargeはアウディ Q4 スポーツバック e-tronが最大のライバルとなるでしょう。
C40 Rechargeは元がFWDベースで完全に専用プラットフォームではなく、最小回転半径は5.7mと大きめですが、全長はやや短めで日本向きのサイズ、同等の航続距離、そして40万~50万円ほど安い価格がライバルに対抗するポイントとなります。
実用性の高いワゴンタイプのXC40 Recharge
C40 Rechargeの姉妹車でワゴンボディのXC40 Rechargeは、同じくワゴンボディのRWD電気自動車、アウディのQ4 e-tronやフォルクスワーゲンのID.4がライバルとなります。
ワゴンボディではラゲッジ容量が重要ですが、後席使用時にQ4 e-tronは520L、ID.4は543Lに対しXC40Rechargeは519L、フロントのフランク(フロントラゲッジ)容量もQ4 e-tronより小さく、寸法以上に電気自動車専用プラットフォームとの差があるようです。
XC40 Rechargをライバルと比較した場合、性能が同程度のQ4 e-tronに対しては10万~20万ほど安価で、安いID.4に対してはややコンパクトなボディサイズで、さらにどちらに対しても150kW高速充電対応な事を、選択のポイントと考えましょう。
EX30など背の低いコンパクト電動SUVは貴重!
2024年4月現在、日本で市販されている電気自動車で、昔ながらのタワーパーキングなど、全高制限が1,550mmと寸法の制約が厳しい駐車場を使えるコンパクトSUVはそう多くはありません。
国産車ではレクサスUX(1,540mm)、輸入車でもプジョー e-2008(1,550mm)、シトロエンE-C4(1,530mm)が他にあるくらいで、全高1,550mmのボルボ EX30は、「日本では貴重な、駐車場も道も選ばず普通に使える電動SUV」なのです。
この事実だけでも、EX30がいかに「日本向きのSUV」であるかがわかります。
ボルボの電気自動車(EV)に適用される補助金・減税
電気自動車(EV)は国や自治体が積極的に乗り換えを促すための優遇政策によって、さまざまな減税、免税、非課税制度や補助金が設定されており、ボルボ車も例外ではありません。
グリーン化特例によって、自動車税はいずれも減税
電気自動車は「グリーン化特例」によって新車登録の翌年度に自動車税の概ね75%が減税となっており、排気量1L以下(そもそもエンジンを積んでいない)のため本来25,000円の自動車税がかかるボルボの電気自動車は、一律18,750円が減税となります。
さらに東京都や愛知県は独自の制度で5年間の全額免除となっており、住んでいる地域によっては自動車税が大幅減税されるのが特徴です。
車種 | 新車登録の翌年度が減税となる自動車税 |
C40 Recharge | 全て18,500円 (東京都は令和7年度分まで・愛知県は令和7年3月31日までの新規登録車は5年間全額免除など、地域ごとの制度あり) |
XC40 Recharge | |
EX30 |
自動車税のグリーン化特例の概要(国土交通省)
エコカー減税により、重いほど自動車重量税も免税
「エコカー減税」制度で新車登録時と初回車検(継続車検)時の自動車重量税は免税となっており、車重によっても異なるため、姉妹車で車重がほぼ同じC40 RechargeとXC40 Rechargeはほぼ同額、EX30はやや軽いため少なめの免税となります。
重い方がメリットがあるように思えるものの、いずれにせよ「免税で0円」には変わりありません。
車種 | 新規登録時と初回継続車検で免税となる自動車重量税 |
C40 Recharge | 6万1,500円 |
XC40 Recharge | |
EX30 | 4万9,200円 |
エコカー減税の概要(国土交通省)
環境性能割は当面、全て100%非課税!
車両本体価格の3%が課税される環境性能割は、2024年4月現在で令和8年(2026年)3月31日まで電気自動車に対する非課税が決まっており、ボルボの3車種もグレードごとに価格あ異なるため恩恵を受ける金額も異なりますが、以下のようになっています。
車種 | 非課税となる環境性能割 |
C40 Recharge | ■Plus Single Motor:17万1,500円 |
■Ultimate Single Motor:18万1,300円 | |
XC40 Recharge | ■Plus Single Motor:16万6,600円 |
■Ultimate Single Motor:17万6,400円 | |
EX30 | ■Ultra Single Motor Extended Range:13万7,200円 |
環境性能割の概要(国土交通省)
その他:国や各自治体による電気自動車の購入補助金
電気自動車は税制面での優遇以外に、購入のための補助金も国や補助金から予算が出ており、ボルボ車の場合はV2H/V2L外部給電機能の欠如や充電設備増加への貢献度という面で満額85万円に対して厳しい査定となっていますが、それでも45万円出ます(以下表)。
車種 | 国からのCEV補助金(令和6年/2024年4月1日以降登録車) |
C40 Recharge | 全て45万円 |
XC40 Recharge | |
EX30 |
さらに住んでいる地域の自治体単位で同様の補助金制度が設定されている場合もあるため、NeV(一般社団法人 次世代自動車振興センター)のHPをチェックすれば、より安価に購入する道が見つかるかも知れません。
NeV(一般社団法人 次世代自動車振興センター)
【Q&A】ボルボの電気自動車(EV)について多い質問
Taina Sohlman - stock.adobe.com
ここでは、ボルボの電気自動車(EV)について、特に多い質問をまとめてみました。
ユーザーの皆さんが電気自動車を購入するうえで気になるのは、高額な車両価格や、スペックの中でも一充電走行距離のようで、各車種ごとに紹介します。
Q. ボルボ C40 Rechargeの車両本体価格と一充電走行距離は?
C40 Rechargeの一充電走行距離はWLTCモード590kmと、約500kmから600km前後が多い同クラス電動SUVの中では長い部類に入ります。
車両本体価格は699万~739万円と輸入車の中では標準的ですが、2024年4月現在は円安が進行中のため、値上げに踏み切るか、戦略的な据え置きまたは値下げになるかが注目されそうです。
車種 | C40 Recharge |
一充電走行距離 | 590km(WLTCモード) |
価格(税込) | ■Plus Single Motor:699万円 ■Ultimate Single Motor:739万円 |
Q. ボルボ XC40 Rechargeの車両本体価格と一充電走行距離は?
XC40 Rechargeの車両本体価格は679万~719万円と、ライバルの同クラスワゴンタイプ電動SUVに対してはラゲッジ容量が少々少なめで価格は同等あるいはやや高めといったところ。
一充電走行距離はWLTCモード590kmでボディサイズの割に長めの部類ですから、何に重きをおくかでコストパフォーマンスへの考え方は変わってくるでしょう。
C40 Recharge同様に、円安の振興で今後どのように価格が変化するかも気になります。
車種 | XC40 Recharge |
一充電走行距離 | 590km(WLTCモード) |
価格(税込) | ■Plus Single Motor:679万円 ■Ultimate Single Motor:719万円 |
Q. ボルボ EX30の車両本体価格と一充電走行距離は?
EX30はコンパクトSUVでありながらWLTCモード一充電走行距離が560kmと長く、価格も559万円と輸入車としては安いので、コストパフォーマンスに優れた電動SUVとして歓迎されるバランスの良さが魅力です。
気になるのは円安による価格の変化のほか、海外には存在する前後2モーターのAWD車を導入するかどうかですが、まだ電気自動車の普及期、それも初期にあたる日本では時期尚早かもしれません。
車種 | EX30 |
一充電走行距離 | 560km(WLTCモード) |
価格(税込) | ■Ultra Single Motor Extended Range:559万円 |
ボルボの電気自動車(EV)を試乗予約してみよう
2024年3月現在、日本で市販されているボルボの電気自動車(EV)3車種を紹介しましたが、そろそろ実際に触れてみたい!乗ってみたい!というユーザーには、ボルボ公式の「試乗予約」や、全国各地のディーラーで市場申込みが可能です。
他にボルボ独自の面白い試みとしては、「VOLVO e TRAVEL Program」があり、期間ごとに72時間モニターと48時間モニターが各2組/月、24時間モニターが500名/月と枠にもかなり余裕があるため、応募してみても面白いかもしれません。
2024年4月現在では4月?6月に1ヶ月単位の開催ですが、2030年までの電気自動車メーカー完全移行を宣言しているボルボですから、今後も似たような取り組みに期待が持てそうです。
このブランドについて
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VOLVO
ボルボ
スウェーデンのボルボは、1980年代後半から日本でも走行性能や安全性能に秀でたスタイリッシュな北欧系メーカーとして高い評価を受けるようになり、レースでの活躍やステーションワゴンブームの火付け役、衝突安全性能といった面で日本の自動車メーカーにも大きな影響を与えました。21世紀に入ると環境問題に敏感な国情も反映してHEVやPHEVなど電動化技術でも他の欧米系メーカーとは一線を画すほど熱心に取り組み、2020年代はじめに全車種の電動化を終えると、続けて2030年代には全車種のBEV化を宣言しました。派手なパフォーマンスよりも「シンプルにより良く安全に」という姿勢に好感を持つユーザーも増えています。