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【安い順10選】電気自動車(EV)おすすめランキング|メリット・デメリットも紹介
公開日:2024/03/27更新日:2024/03/05
ガソリン車と比べると燃料コストが安い、購入の際に補助金が利用できる、減税制度があるなどEVならではのメリットも魅力的です。
ところがいざEVについて調べてみると、同クラスのガソリン車と比較して高額な車両価格に驚く方も多いはず。ユーザーにとっては自動車の性能だけではなく、その価格も重要なポイントです。
そこで本記事ではEVのメリットやデメリットを交え、おすすめのモデルを安い順にお伝えします。
目次
EVを選ぶことで得られる5つのメリット
燃料コストが安い
EVのメリットとしてまず挙げられるのが燃料コストの安さです。
そもそもガソリン車の燃費は1リットルあたりの走行距離はkm/Lで表現されます。一方でEVの燃費にあたるのは、電力の消費効率を示す交流電力量消費率。一般的には「電費」と呼ばれています。
そんな電費の表記は1km走行するのにどれだけの電力量が必要かを示すWh/kmと、1kWhあたりの走行距離を示すkm/kWhの2種類。本項では燃費と同様に1kWhあたりの走行距離を表した電費(km/kWh)を例に燃料コストの違いについて比較します。
それぞれの現時点の燃料コストは、ガソリンの全国平均価格は1Lあたりおよそ170円、電気代の全国平均価格は1kWhあたり31円が目安。ガソリン車の平均燃費は22km/L、EVの場合は平均電費6km/kWh程度です。
1km走行するのに必要な金額はガソリン車でおよそ8円、EVでおよそ5円程度。自動車ユーザーの1年間あたりの平均走行距離とされる1万kmから月・日平均を出すと、1か月でおよそ830km、1日では約28km運転することになります。
つまり1日あたりの燃料費はガソリン車で224円、EVで140円ということ。1か月ともなるとガソリン車で6,640円、EVで4,150円と、2,490円の差が生まれます。
普段から車を利用するユーザーほど、この差の恩恵を受けやすいと言えるでしょう。
国や自治体が交付する補助金の活用
補助金や減税制度が用意されている点も、EVのメリットとして挙げられます。
EVの補助金制度の中でも広く知られているのが、日本政府が環境性能の高い自動車の購入を支援するために交付しているクリーンエネルギー自動車導入促進補助金、通称「CEV補助金」です。2024年度のCEV補助金の上限額は、2023年度と同じく85万円。小型・軽EVに関しては55万円が上限金額となっています。
加えてEVの補助金制度を独自に実施している県や市町村などの地方自治体にお住まいの場合、CEV補助金と併用できるのもポイント。
あくまで自治体の方針や予算の余裕に左右されるため、住んでいる地域によっては全く出ないか、出ても雀の涙程度というケースも少なくありません。
しかしながら、補助が少しでもあるとないとでは大違いです。補助金制度の有無や内容については、各自治体のホームページ等で確認できます。EVの購入を検討する際は調べてみましょう。
グリーン化特例とエコカー減税の二つの減税制度
EVはグリーン化特例とエコカー減税の二つの減税制度により、税金面でも優遇されています。
グリーン化特例とは、車の燃費・環境性能に応じて新車登録年度と翌年度分の自動車税が軽減される制度のこと。適用期間中にEVを購入した場合、25,000円からおよそ75%が軽減され、翌年度の税額は6,500円になります。軽EVに関しても同様の軽減率が適用されます。
一方でエコカー減税は、排出ガス性能および燃費性能に優れた車に対する自動車重量税を免税・軽減する制度です。当初は2023年4月30日までが期限とされていましたが、2026年4月30日まで3年間の延長が決まりました。
自動車重量税の軽減率は、燃費基準の達成割合に応じて25%から100%までの間で変動。EVを含む燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、天然ガス自動車(NGV)の場合、新車登録時と初回車検時が免税となります。
車両価格が高額とされているEVですが、減税制度を適切に利用することで、お得に購入可能です。
税金の種類 | 税制優遇策 | 優遇内容 |
環境性能割 (旧・自動車取得税) | EVは非課税対象 | 2026年3月31日まで非課税 |
自動車重量税 | エコカー対象 | 2026年4月30日まで免税 |
自動車税 | グリーン化特例 | 2026年4月30日まで、概ね75%減税 |
軽自動車税 |
優遇期間は今後、延長など変更される可能性があります。
静音性とパワフルな走りの両立
エンジンの代わりにモーターを用いて走行するため、ガソリン車と比べて静音性に優れるのもEVが持つメリットの一つ。早朝や夜間に車を利用する機会の多いユーザーも、エンジン音を心配することなく運転が可能です。ガソリン車と比べて振動も少ないことも、車酔いしやすい方にとっては嬉しいメリットと言えるでしょう。
そしてEVはエンジンの回転数によってトルクを得るガソリン車とは異なり、アクセルを踏んだ瞬間に最大トルクを発揮します。そのため加速性能に優れ、パワフルな走行が可能です。
また、ガソリンを燃焼することにより動力を得るガソリン車と比べて、アクセルと加速のタイムラグが少ないのも特徴です。振動が少なくリニアな加速が体感できます。
非常用電源としての活用できるモデルも
EVはV2Hに対応しているモデルに限り、蓄電池としての活用も可能です。そもそもV2HとはVehicle to Homeの略称のこと。EVのバッテリーの電力を自宅で利用する仕組みや、太陽光充電などで自宅に蓄えた電力を使ってEVを充電する仕組みを指します。
EVは大容量のバッテリーを搭載していることから、災害発生時の非常用電源としての活用方法も注目を集めているV2H。車種や世帯数によってEVで賄える電力は異なるものの、2〜4日分程度の電力を確保できるとされています。太陽光発電と組み合わせることで、日中に蓄えた電力を夜間利用するなど、より安定した運用が可能です。
また、V2Hを用いてEVを充電する場合は、EV充電設備の普通充電器と比べて充電速度が早いのも特徴。V2Hの出力は6kWと、普通充電器の3kWの倍の出力を持ちます。そのため、通常の充電のおよそ半分の時間でEVの充電が可能です。
ガソリン車と比べた際に考えられる3つのデメリット
EVの主なデメリットとして挙げられるのは以下の三つ。
- 車両価格が高額
- 航続距離が短い
- 充電時間が長い
まずはじめに挙げられるのが、ガソリン車と比較して高額な車両価格です。補助金を利用することである程度金額は抑えられるものの、同クラスのガソリン車と比較するとまだまだ高額な印象を受けます。
二つ目に挙げられるデメリットは、航続距離が短い点。ガソリン車の場合は1度満タンに給油をすると軽自動車であっても500km以上継続して走行できるのは当たり前です。
一方でEVの平均航続距離は普通車でおよそ400〜500km程度、軽で200km未満ほどです。近年では航続距離が長くなってきてはいるものの、頻繁にロングドライブをするユーザーにとっては、まだまだ充分とは言えません。
そして航続距離が短いEVにおいて、重要視されるのが充電時間です。EVの充電時間は充電器の出力とバッテリーの容量で決まります。
現在広く普及しているEV充電器の出力は、家庭用やホテル、商業施設などに設置されている普通充電器で3〜6kW、高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電器で40〜150kWほどの出力です。
バッテリー容量が40kWhの日産「リーフ」のベースモデルを例に挙げると、出力3kWの普通充電器で充電した場合およそ13時間。50kWの急速充電器で充電した場合はおよそ48分でフル充電できます。
急速充電器は3kWの普通充電器と比較すると10倍以上もの出力があるため、充電時間は速くなるものの、多くの場合1回の充電利用時間は30分に設定されています。そのためバッテリー容量の大きいモデルの場合、一度の充電で充分に充電できないこともあると覚えておきましょう。
価格が安いEVおすすめ車種10選
No | メーカー | 車種 | グレード | 年式 | 税込価格(円) | 一充電走行距離(WLTCモード) | 駆動用バッテリー総電力量(kWh) | 交流電力量消費率 (Wh/km)(WLTCモード) | 電動機最高出力 (kW[PS]) | V2H対応 |
1 | トヨタ | C+pod | X | 2020年12月発売モデル | 1,665,000 | 150 | 9.06 | 54 | 9.2[12.5] | - |
2 | トヨタ | C+pod | G | 2020年12月発売モデル | 1,731,000 | 150 | 9.06 | 54 | 9.2[12.5] | - |
3 | GLM | MiMoS | ベースグレード | 2023年8月発売モデル | 2,134,000 | 131 | 17.8 | - | 34[46] | - |
4 | 日産 | サクラ | S | 2022年6月発売モデル | 2,333,100 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
5 | 三菱 | eKクロスEV | G | 2022年6月発売モデル | 2,398,000 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
6 | 日産 | サクラ | X | 2022年6月発売モデル | 2,399,100 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
7 | 日産 | サクラ | S | 2022年12月発売モデル | 2,493,700 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
8 | 三菱 | eKクロスEV | G | 2023年2月発売モデル | 2,546,500 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
9 | 日産 | サクラ | X | 2022年12月発売モデル | 2,548,700 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
10 | 日産 | サクラ | X 90周年記念車 | 2023年12月発売モデル | 2,658,700 | 180 | 20 | 124 | 47[64] | 〇 |
トヨタ「C+pod」
トヨタ「C+pod」は2人乗りの超小型モビリティ。販売価格は標準グレードXの166万5,000円からと、軽EVと比較してもおよそ100万円程度割安に購入できます。全長2,490mm、全幅1,290mm、全高1,550mmの非常にコンパクトなサイズや樹脂製の軽量ボディが特徴です。
超小型モビリティに分類されるため、最高速度は60km/hと、高速道路や自動車専用道路の走行はできません。航続距離に関しても150kmと、軽EVに見られる180kmと比べても今ひとつな印象。
しかしながらホイールベースが1,780mmということもあり、その取り回しのしやすさは群を抜くレベル。加えて充分な収納を備えているため、買い物や通勤をはじめとした日常的な近距離の移動に特化したモデルと言えるでしょう。
GLM「MiMoS」
「MiMoS」は京都府京都市に本社を置き、EVを開発する企業「GLM」が販売する軽EVです。販売価格は標準グレードの213万4,000円から。同じ軽EVカテゴリの日産「サクラ」や三菱「eKクロスEV」と比較すると、およそ20万円程度割安な価格設定です。
その特徴は4人乗りのスペースを確保しながら全長2,998mm、全幅1,478mm、全高1,555mmと、一般的な軽自動車よりもコンパクトなボディサイズ。しかしながら満充電時の最大航続距離に関しては131kmと、今回ご紹介するモデルの中では最下位。
馬力に関しては46PSと、軽EVには届かないものの、C+podを上回る性能です。最高速度も100km/hなので、高速道路も問題なく走行できます。そのため、買い物や通勤をはじめとした日常的な移動がメインかつ、高速道路の利用や、4人乗りの必要性があるユーザーにおすすめのモデルです。
日産「サクラ」
日産「サクラ」は、三菱自動車との共同開発で知られる軽EV。軽自動車で初めて「2022–2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことでも知られています。2023年度の販売台数は3万4,083台とEV販売台数のおよそ41%を占め、現在国内で最も売れているEVです。
軽自動車の中でも一般的なモデルと比べて背が高く、居住性、荷室容積の点で優れるトールワゴンに分類されます。販売価格はビジネス向けのグレードSの233万3,100円から。同様のプラットフォームやEVシステムを共有する姉妹車、三菱「eKクロスEV」の販売価格と比べて、約6万5,000円安く購入できます。
V2Hにも対応しているため、非常用電源としての活用も可能です。フル充電時の航続距離は、先にご紹介した2車種と比べて僅かながらに増えた180km。ロングドライブには向かないものの、普段使いや通勤には充分と言える距離を実現しています。
最大出力は一般的な軽自動車の基準値と同じく64PS、最高速度に関しては130km/hです。EVのアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮する特性もあり、高速道路や有料道路もストレスなく利用できるのではないでしょうか。
三菱「eKクロスEV」
「eKクロスEV」は日産「サクラ」の姉妹車として知られる三菱の軽EVです。サクラと同じく、軽自動車で初めて「2022–2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことでも知られています。販売価格はエントリーグレードGの239万8,000円から。
eKクロスEVとサクラは全く同じプラットフォームやEVシステムを採用していることから、走行性能に関する違いはほとんどありません。
サクラとの主な違いはデザイン。サクラがEVらしい先進的なデザインをしているのに対して、eKクロスEVは「EVを選択肢のひとつに気軽に入れてほしい」との思いから、三菱のeKシリーズを踏襲したデザインを採用しています。
EV購入時は補助金や減税制度を活用するのがおすすめ
今回はEVのメリット・デメリットと共に、おすすめのEVを安い順にお伝えしました。
EVのメリットは以下の四つ。
- 燃料コストの安さ
- 購入時に補助金や減税制度を活用できる点
- 静音性に優れ、振動が少ない点
- 非常用電源としての活用ができる点
対してデメリットとされているのは以下の三つです。
- 車両価格が高額
- 航続距離が短い
- 充電時間が長い
車両価格が高額とされているEVですが、燃料コストがガソリン車と比べて安く、補助金や減税制度も用意されているのが特徴です。ご検討の際はご自身の生活や利用状況はもちろんのこと、希望車種の補助金や税金も考慮しつつ購入・運用コストを計算してみましょう。
メリット・デメリットを正しくおさえ、ライフスタイルに合った車種を選択することで、比較的低コストでの運用も可能なのではないでしょうか。