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東京-大阪間 500kmをEVで走破したら充電は何回必要なのか!?
公開日:2024/08/14更新日:2024/08/14
筆者「あ、いいですよ。いつですか?明日ですか?」
勢いで決まった本企画。東京-大阪間をEVで実際に走ってみたら、充電など含めガソリン車とどれくらい違いがあるのかを検証することになりました!実は東京から大阪までが大体500kmらしく、意外と歯切れの良い距離なんですね。
行くとは言ったものの、「そもそもEVでそんな長距離行けちゃうんですか?あんまり走れないイメージがどうしてもありますが...。」
半信半疑ですが、怒涛の長旅スタートです!
目次
さてすこし歴史のおさらい。
日本経済における主要都市、東京-大阪間の移動は、交通の歴史から見ても大きな役割を果たしてきました。
遡ること150年以上前、江戸時代に活躍した飛脚は東京-京都間を3日から4日で繋ぎました。
明治時代には東海道線が開通。新橋-神戸間の約600kmを20時間まで短縮することに。
東京オリンピックと同時に開通した、東京-新大阪間の東海道新幹線は、世界初の高速鉄道であり、4時間にまでその時間を縮めました。
そして現在の新幹線「のぞみ」は2時間半程度で行けてしまいます。
現在構想されているリニアモーターカーは新幹線の半分程度の67分で、東京-新大阪間を結ぼうとしています。こうしてみると東京-大阪間の移動の歴史は、日本の交通の発展を窺える重要な役割を担っていると言えるのではないでしょうか!
鉄道の歴史は上記の通りですが、自動車はどうなのでしょう?
1963年7月に日本初の高速道路「名神高速道路」が開通したのを皮切りに、日本の道路は発展を遂げます。
1969年(昭和44年)に東名高速道路が開通。2012年には記憶に新しい、新東名が開通し、2027年に全線開通を目指しています。この国の高速道路もまだまだ発展途上です。
新幹線も発展をしてきて、リニアという新たなステージに進もうとしています。一方、自動車も同様に、今まで原動機のメインとされてきたガソリンエンジンから、EVをはじめとした電気へとシフトの動きが世界中で見られるようになりました。
「ならEVでも歴史ある500km走ってみなきゃ!」ということで、東京から大阪まで電気の力で行ってみたいと思います!先人の皆様よろしくお願いいたします!
今回使用する車両はこちら。BMW iX M60です
EVのシリーズであるiの中でもSUVタイプで最も大きいモデルとなります。またM60ということで走りにも期待できるとのこと。これなら500kmなんて一瞬でしょう!
BMWには走行モードが数パターン選べるのですが、今回はデフォルトのPERSONALにしてテストを行います。また乗員は1名。エアコンは23°で固定です。
出発時のバッテリー状況は以下の通りです。
バッテリー残量 | 92% |
航続可能距離 | 471km |
今回は目的地を特に設定しているわけではなく、大阪に入ってからメーターが500kmぴったりになる地点で停車し、検証終了としたいと思います。
使用するルートは、首都高速→新東名→伊勢湾岸道を通り大阪へ入るルートを選びました。基本的に速度の縛りは設けず、流れに合わせた走行で目的地を目指したいと思います。
出発時の時刻が15時前。カーナビで到着予定時刻は21時半過ぎを予定していますが、途中で充電しないとバッテリー容量的に目的地には辿り着けないので、23時前到着を目標に安全運転で行きます。
いざ、出発!
実は筆者は何回も大阪に車で行っていますが、やはり一人は寂しい...!
高速道路の合流に差し掛かりました。M60のポテンシャルを知る上でも、少しアクセルを開け加速していきます。
(うげっ...。速すぎて首が...持ってかれる!!!)
深めにアクセルを踏んだ瞬間、フルパワーでトルクが発生するEV特有のフィーリング。2600kgもある大柄なボディをもろともせず、一気に流れに乗って合流をすませます。
iX M60のスペックはこちら。
システム・トータル最高出力 (kW〔ps〕)397〔540〕
※スポーツモード時、一時的なパワーアップ(10秒以内)により最高出力455kW〔619ps〕での作動が可能。
システム・トータル最大トルク(Nm〔kgm〕)1,015〔103.5〕
※ローンチコントロールを作動させた場合は1,100Nm〔112.2kgm〕まで上昇します。
0-100km/h 加速性能(秒)
※ヨーロッパ仕様車値(自社データ)3.8秒
引用:BMW iX M60
有り余るパワーのおかげで全くストレスを感じません。車内の静音性もさることながら、1つの堅牢な部屋にいるかのような剛性感。路面の繋ぎ目も心地よくいなしてくれます。
ステアリングフィールも個人的には好みで、舵角に対してリニアに反応してくれます。大きさがある車ですが、それ故の怖さは全く感じないです。
540psのパワー、103kgのトルクでの加速は、かなり強烈。もし同乗者がいる際にアクセルを開けることがあれば、必ず一声かけてあげましょう。景色をのんびり眺めている人は首を痛めかねませんし、ジュースを飲もうとしている人はびしょ濡れになってしまう可能性が大有りです。
今回の撮影は安全面を考慮して、アクションカムをくくりつけて撮影しております
走行している間に休憩地点、「駿河湾沼津SA」に到着しました!
ここは珍しく150kWの急速充電設備があるので、爆速で充電ができるのが魅力です。今回は90kWでの充電を行いました。
充電の比較検証はこちら
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スタート地点から140km走って、バッテリーは92%→68%まで減りました。時間にして2時間ほどです。
早速充電していきます。平日の夕方ということもあり空いていました。
30分で68%→88%まで充電することができました!+20%。これで精神的に余裕を持って大阪を目指すことができそうです。
目的地までが375km。実際はスタート地点から500kmちょうどを目指すのでもう少し少なくなりそうです。残り458km走れると現時点ではディスプレイに表示されているので、ここからノンストップで大阪まで目指したいと思います!
果たしてこのまま充電たったの1回で大阪まで行けてしまうのか?
ノンストップで行くぜ!とはいったものの、長い長い静岡を抜けたあたりで若干疲れてきました。毎回思うのですが静岡大きすぎませんか?新東名に乗るたびにずっと静岡走ってると思っているような気がします。
ちょうど日も落ちてきたので名港潮見の夜景が見られるのを楽しみに進んでいきます。疲労はあるものの運転自体に疲れるというのは全くなく、クルコンを使い上手く力を抜いて運転していきます。
はっ、暗い!気づいたら到着していました!
あっという間に大阪に入ったのは本当なのですが、ここからが大変でした。メーター500kmぴったりで停めなければなりません。大阪に入ってから500kmまであと2,30km手前のICで高速を降り、安全に停車できるポイントを探し、メーターがぴったりになるまで調整するという、不思議な行為をしておりました。
おかげで...
うおおおおおおお!ピッタリ!!!これを見るために僕は6時間近く運転して西の地まではるばるやってきたんだ!
時刻は21:12。特に渋滞に巻き込まれることもなく、すんなり進んだのでかなり早く到着しました。出発が14:51だったので所要時間は6時間半かかってないくらいです。
バッテリー残量も88%あった140km地点の駿河湾沼津SAから、360kmで63%を消費しました。思ったよりも持ちが良かったので、特に充電の心配なく移動することができました。全然行けちゃうじゃないか!
【検証結果】
東京-大阪間は1回の充電で行けることがわかりました!
そして500km走るのに消費したバッテリーはトータルで87%でした!
(スタート地点からSAまで24%消費。SAから500km地点まで63%消費)
本当は100%まで充電してから出発したかったのですが、どうしても充電スポットまでの移動などで100%スタートというのは難しかったです。仮に100%充電で出発したとしても、大阪到着直前には残量もかなり減っているのが予測できるので、心の余裕を持つためにも早目に充電するのがおすすめでしょう。
今回初めてEVで東京大阪間を移動してみましたが、全く不便な点は感じなかったです。特に高速道路では主要なSAのほとんどで充電施設があります。また場所によっては90kWや150kWといった超高速で充電できる場所もあるので、充電にはほとんど困ることはないでしょう。
ただし長期連休や場所によってはSAの充電施設も埋まっていて、充電できない可能性も否めません。ガソリン車だとガソリンを入れれば解決ですが、EVになるとどうしても待ち時間が発生してしまいます。なおさら余裕を持ってバッテリーを充電するのが良いですね。
今回のような長距離の移動では、ほぼ間違いなくどこかのSA・PAでトイレや食事など長めの休憩をするので、その時間で充電をすれば時間を無駄にすることなく航続距離を伸ばすことができるなと感じました。のんびり休んでいる間に気づいたら充電がされているので、気持ち的にはお得感があります。
またガソリン車だと、かなり値段の高い高速道路のガソリン料金のせいで、燃料を入れるのに躊躇ってしまう...なんてこともよくあるのではないでしょうか。そういった点ではEVは充電の値段も変わらないですし、高速を使った長距離の移動にかなり向いているなぁと感じました。もし今後、長距離を乗る予定がある際は、候補にEVが間違いなく上がってくるなと感じさせる利便性でした。
これで終わりかと思いきや…。
編集部「どうせなら1000km走ってみれば?」
筆者「あ、確かに。行ってきます!!」
このまま東京に帰れば500kmなので往復1000km達成ですが、それでは面白くない。iX M60の返却が月曜日中なのでそれまで西の地で使い倒して、大台の1000km走破してみましょう!!
1000km走ってみた記事はコチラ
著者プロフィール
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