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最大150kW!急速充電3種類を実際に使ってみた!

日本でもEVの充電施設の普及が徐々に広まってきました。特に高速道路の主要なSAでは、台数にばらつきはありますが、ほとんどの場所で充電施設があります。また地方の山奥に行っても、場所によっては急速充電スポットがあり、「こんなところまで...!」と驚いてしまうこともしばしばです。

さてこの充電スポットですが、場所によって充電の出力が異なるのをご存知でしょうか?すでにEVに乗られている方は既知の通りかと思いますが、筆者はEVに乗るまでどこも同じように充電されるものだと勘違いしておりました。

一般的な急速充電と呼ばれるスポットの出力は30-50kWほど。筆者の体感ですと、高速道路やディーラーにおいてあるCHAdeMO方式の充電器ですと50kWが多い印象です。

以前初めてEVに乗って遠出をした際、充電の出力をあまり理解しておらず、3.2kWhの充電器に繋ぎ「早く充電されないかな〜」と待っていたところ、全く充電されておらず勝手にショックを受けていたことがありました。

そこでの学びは「移動先での充電は急速充電に限る」ということ。

そこで今回は、「出力別 急速充電3種類を徹底比較」してみたいと思います!

目次

  1. まずはテスト充電
  2. 検証1つ目【50kW】
  3. 検証2つ目【90kW】
  4. 検証3つ目 【150kW】
  5. データまとめ

まずはテスト充電

出力=kWhが増えるほど、どれだけ早く充電できるのか、BMW iX M60を使ってテストしてきました!この車の総電力量 (kWh)は111.5kWhとなっています。


EVの充電は1回30分となっているので、計測するのはシンプルに1つ。


【30分間でどれくらい充電されるのか】


特に出先では短時間でたくさん充電されればされるだけ嬉しいものです!kWなんてなんぼあってもいいですからね!

検証1つ目【50kW】

いわゆる一般的な急速充電の出力です。ディーラーなどに置いてあるものだと20-50kW程度が多いかと思います。

BMW iX M60

充電前の状態


渡航可能:118km


充電残量:32%

カーナビ
充電画面

充電後


渡航可能:239km(+121km)


充電残量:51% (+19%)

カーナビ
充電画面

結果は30分で19%充電されました。まあこのくらいだろうと予想してた通りです。距離に換算すると121kmプラスで走れるようになりました。ちょっとした移動なら心配なさそうですね。

検証2つ目【90kW】

急速充電としてはかなりハイパワーです。充電したい時にこれを見つけたらラッキーですね。場所によってはディーラーでも90kWの充電設備を置いてあるところがあります。

BMW iX M60

充電前の状態


渡航可能:286km


充電残量:48%

カーナビ

充電後


渡航可能:453km(+167km)


充電残量:77%(+29%)

カーナビ
カーナビ

【50kW】


渡航可能:+121km


充電残量:+19%



【90kW】


渡航可能:+167km


充電残量:+29%



50kWと90KWで約10%の差が生まれました。90kWの方がもう少し多く充電されるかなと期待していたのですが、そこまで変わらないのかもしれません。
ちなみにこのiX M60は、メーカー公式サイトで「90kWの充電をした場合、10%→42%まで充電が可能」と表記されていました。3%ほどブレはありますが概ねメーカー公表値に近い数字が出てると言えるでしょう。

一充電走行距離(WLTCモード)は615km*を実現。公共の急速充電ステーションでの30分の急速充電で、充電開始時10%の状態から42%まで充電が可能****。****外気温26℃の条件下で最大出力90kWの急速充電器を使用した場合における、BMW Japanによる実測値(参考値)。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて数値は大きく異なります。

引用:THE ix M60

検証3つ目 【150kW】

ラストは脅威の150kWです。通常の50kWの3倍の出力を誇ります。3倍と聞いただけでワクワクしてきました。


今回利用したのは新東名のNEOPASA浜松と駿河湾沼津SAの2ヶ所。普段の生活圏内ではあまり見かけないレア度☆☆☆☆☆ではないでしょうか。幻のポケモンに遭遇したかのようにテンションが上がります!!


注意点としては2台繋いでしまうと自動的に90kWまでパワーダウンしてしまう点。つまり他に利用者がいなく、150kWで充電できた方はとてもラッキー!

充電スポット

運良く利用者は私一人のみでした。それでは、150kWの力、見せてもらいましょう...!

カーナビ

充電前の状態


渡航可能:130km


充電残量:26%

充電中

着々と充電されております。130kWの表示が心地よい。

カーナビ

途中様子を見てみると、出力が81kWと半分ほどになっていました。これは仕様なのでしょうか?バッテリー保護的な意味合いがあるのでしょうか?


あとあと調べてみると、車の充電がされればされるほど充電の速度は遅くなるようです。リチウムイオン電池の充電特性らしく、より詳細なことが知りたい方は「充電カーブ」というワードで調べてみてください!

カーナビ

完了です!


充電後の状態


渡航可能:413km(+283km)


充電残量:71%(+45%)



圧倒的すぎました。今まで何回かEVを乗っていて、充電の待ち時間に「ガソリン車だったらなあ」と思ってしまうことがたまにありましたが、150kWの充電スピードであれば全くもって問題なさそうです。たった30分で半分近くバッテリーが回復したことになり、+283km航続距離が伸びたことになりました。

150kW、恐ろしや...!全部これがいいな...。


今回念のため、150kWを2回検証しました。帰り道の途中に150kWの超高速充電施設がもう一ヶ所あるんだもの。これは寄っていかなければ!2度目の充電開始です。

BMW iX M60
充電スポット

充電前の状態


渡航可能:260km


充電残量:48%

カーナビ

充電後の状態


渡航可能:484km(+224km)


充電残量:90%(+42%)

充電スポット
カーナビ
カーナビ

やはり圧倒的。これは最強と言わざるをえないです。これで電欠を心配することなく家まで帰ることができそうです。ありがとう150kWさん。

今回テストした50kW / 90kW / 150kW、3つの充電器の結果をまとめるとこのようになりました。

50kW → +19% (+121km)


90kW → 29%(+167km)


150kW → 42-45%(+224km-283km)



見た目的には2倍近い出力の差があるのでもう少し劇的な変化があるのかなと思っていましたが。50kWと90kWにそこまでの差が生まれなかったのが意外でした。実際には150kWの出力がないと、一度の充電で40%以上バッテリーを充電することは難しいということがわかりました。


逆に言うのであれば、150kWが使えれば、たった一度の充電で半分近くまで充電が完了してしまうとのこと。これなら出先や長距離の移動でも、充電を気にすることなく行けそうです。


ぜひとも150kWの急速充電を始め、大容量の充電施設ががもっと身近に広まってほしいですね!(※テスラは最大250kWhだそう。すごい...!)

データまとめ

50KW

充電前状態充電後の状態
渡航可能118km

239km(+121km)

充電残量32%51% (+19%)

90KW

充電前状態充電後の状態
渡航可能286km

453km(+167km)

充電残量48%77%(+29%)

150KW 1回目

充電前状態充電後の状態
渡航可能130km

413km(+283km)

充電残量26%71%(+45%)

150KW 2回目

充電前状態充電後の状態
渡航可能260km

484km(+224km)

充電残量48%90%(+42%)

著者プロフィール

【あんどりゅー】幼少期から親の影響で車に興味を持ち、自転車やバイクを含む乗り物全般が好きな人間に。地元の友人たちと夜な夜な車やバイクを乗り回し、山の中を駆け回る10代後半-20代前半を過ごす。初めて買った内燃機関は原付のホンダトゥデイ。近頃はゆるゆるとバイクに乗って林道を巡ったり、車中泊をしながら日本のあちこちを探検したりしています。将来の夢はカプリスワゴンに柴犬を乗っけて海辺をドライブすること。

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    日本ではメルセデス・ベンツに次ぐ高級輸入車メーカーとして定着しているドイツのBMWは、ライバルに対し若々しくスポーティなイメージを持ち味としており、昔ながらのセダンやクーペ、ワゴンのみならず、X5など各種SUV、スポーツカーのZ4や「M」ブランドの高性能モデルがイメージの主流と言えます。高級感あふれるフィーリングと雑味のない吹け上がりでファンの多い直列6気筒エンジンを継続してきた、珍しいメーカーなこともスポーティなイメージに一役買っていますが、近年はBEVなど電動化モデルも拡充しています。2000年代以降は傘下ブランドとしたMINIの影響で、実用的なFF車もラインナップするようになりました。

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