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電気自動車(EV)の価格相場(平均)はいくら?価格帯別車種一覧も紹介
公開日:2024/05/12更新日:2024/05/12
目次
電気自動車の価格は平均いくら?
2024年4月23日現在、日本で一般的に市販されている電気自動車のうち、軽自動車登録以上の乗用車で全車種・全グレードの新車価格(税込)から平均を出すと、「約960万円」ほどになります。
もちろん、下は最も安いトヨタの超小型モビリティ(型式指定車)「C+pod」の166万5,000円から、上はロールス・ロイスの超高級クーペ「スペクター」の4,800万円と、電気自動車と一口に言っても車格はピンキリ。
高価になりがちなため1,000万円以上の高価格モデルが多いものの、比較的安価で実用的なモデルも出てきており、ユーザーの大多数が狙うのは平均価格以下のモデルだと思います。
電気自動車の価格相場【新車・中古車】
ここでは、2024年4月現在の日本における、電気自動車の価格相場を新車、中古車それぞれで見ていきましょう。
ここ数年で販売車種が急増したうえに性能も新しいほど大きく向上しているため、新車で販売されている車種と中古車が出回っている車種には大きな開きがありますが、参考にはなるはずです。
新車の電気自動車の価格相場
電気自動車の新車価格を、車格やある程度のカテゴリーに分けて以下の表にまとめてみました。
同じような分類になっても低価格の新興ブランドや高級ブランド、性能差もあり、かなり幅があるとわかりますが、日本でも比較的扱いやすいサイズのミドルクラスまでの実用車なら、純ガソリン車/ハイブリッド車の高騰で、だいぶ価格差は縮まってきています。
カテゴリー | 価格帯 |
超小型モビリティ | 約150万~180万円 |
軽自動車 | 約210万~310万円 |
コンパクトカー(実用ハッチバック車) | 約360万~580万円 |
コンパクトカー(スポーツ/高性能系) | 約460万~730万円 |
コンパクトSUV | 約400万~900万円 |
ミドルクラスSUV | 約480万~1,000万円 |
ミドルクラスセダン/ワゴン | 約560万~1,300万円 |
大型SUV | 約1,100万~2,000万円 |
大型ラグジュアリー系セダン | 約1,560万~2,200万円 |
SUV(スポーツ/高性能系) | 約1,160万~2,590万円 |
スポーツセダン | 約1,300万~2,380万円 |
スポーツカー | 約1,370万~4,800万円 |
中古車の電気自動車の価格相場
電気自動車の中古車ですが、大手中古車情報サイトで検索すると4,018台(2024年4月23日現在)もあり、ミニカー登録車や特殊車両も多少含むとはいえ、意外と数が多いことに驚かされます。
もちろん価格や程度もバラバラで、下は「タイヤのついた蓄電池としてならまだ使えそう」という日産の初代リーフ初期型15万円から、上は展示車か試乗車だったのか、走行距離が極端に少ない2021年式ポルシェ タイカン ターボSの2,710万円まで。
日本では2009年から初代リーフや三菱のi-MiEVを販売していましたから、約500台ほどある100万円以下の格安中古車はほとんどがこの2台とミニカー登録のコムス(トヨタ車体)で、90万円台から現行の2代目リーフや、BMWが以前販売していたi3なども出てきます。
もっともタマ数が豊富なのは100〜250万円あたりで、サクラやeKクロスEVなど国産軽EVの低走行高年式車もありますが、中古車の購入には国のCEV補助金が出ませんから、むしろ初代リーフや2代目リーフ初期の程度良好車が狙い目かもしれません。
電気自動車の価格帯別車種一覧
ここでは価格帯別に電気自動車の車種一覧を紹介していきましょう。
価格だけではなくバッテリー容量も表に記載しているため、車格だけではなくバッテリー容量と価格の関連性も見えてくると思います。
なお、テスラ車だけは現行モデルのバッテリー容量を公式HPなどに記載していないため、不明としました。
200万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
GLM MiMoS | 17.8kWh | 213万4,000円~ |
日産 サクラ | 20kWh | 249万3,700円~ |
三菱 eKクロスEV | 20KWh | 254万6,500円~ |
300万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
BYD ドルフィン | 44.9~58.56kWh | 363万円~ |
ヒョンデ コナ | 64.8kWh | 399万3,000円~ |
400万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
日産 リーフ | 40kWh | 408万1,000円~ |
BYD ATTO3 | 58.56kWh | 450万円~ |
マツダ MX-30 e-SKYACTIV EV | 35.5kWh | 451万円~ |
MINI ミニクーパー | 41~54kWh | 463万円~ |
プジョー e-208 | 50kWh | 469万4,000円~ |
ヒョンデ アイオニック5 | 58~72.6kWh | 479万円~ |
500万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
フォルクスワーゲン ID.4 | 52~77kWh | 514万2,000円~ |
日産 リーフ e+ | 60kWh | 525万3,600円~ |
テスラ モデル3 | - | 531万3,000円~ |
テスラ モデルY | - | 533万7,000円~ |
トヨタ bZ4X | 71.4kWh | 550万円~ |
フィアット 500e | 42kWh | 553万円~ |
シトロエン E-C4 | 50kWh | 554万8,500円~ |
ボルボ EX30 | 69kWh | 559万円~ |
プジョー e-2008 | 50kWh | 576万4,000円~ |
MINI ミニカントリーマン | 66.45KWh | 593万円~ |
600万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
アバルト 500e | 42kWh | 615万円~ |
スバル ソルテラ | 71.4kWh | 627万円~ |
アウディ Q4 e-tron | 82kWh | 638万円~ |
レクサス UX300e | 72.8kWh | 650万円~ |
日産 アリア B6 | 66kWh | 659万0,100円~ |
ボルボ XC40リチャージ | 73kWh | 679万円~ |
ボルボ C40リチャージ | 73kWh | 699万円~ |
700万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
BMW iX1 | 66.5kWh | 718万円~ |
アウディ Q4 スポーツバック e-tron | 82kWh | 730万円~ |
日産 アリア B9 | 91kWh | 738万2,100円~ |
BMW IX2 | 66.5kWh | 742万円~ |
メルセデス・ベンツ EQA | 70.5kWh | 771万円~ |
800万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
レクサス RZ | 71.4kWh | 820万円~ |
メルセデス・ベンツ EQB | 66.5kWh | 822万円~ |
BMW i4 | 83.9kWh | 874万円~ |
900万円台の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
BMW iX3 | 80kWh | 922万円~ |
メルセデス・ベンツ EQC | 80kWh | 991万円~ |
BMW i5セダン | 83.9kWh | 998万円~ |
1,000万円台以上の電気自動車
車種 | バッテリー容量 | 価格 |
BMW i5ツーリング | 83.9kWh | 1,040万円~ |
アウディ e-tron | 71~95kWh | 1,070万円~ |
BMW iX | 76.6~111.5kWh | 1,098万円~ |
アウディ Q8 e-tron | 95~114kWh | 1,099万円~ |
メルセデス・ベンツ EQE | 90.6kWh | 1,251万円~ |
テスラ モデルS | - | 1,266万9,000円~ |
メルセデス・ベンツ EQE SUV | 89kWh | 1,292万円~ |
アウディ Q8 スポーツバック e-tron | 114kWh | 1,317万円~ |
ポルシェ タイカン | 89~105kWh | 1,370万円~ |
アウディ e-tron S スポーツバック | 95kWh | 1,397万円~ |
テスラ モデルX | - | 1,416万9,000円~ |
アウディ SQ8 スポーツバック e-tron | 114kWh | 1,492万円~ |
アウディ e-tron GT | 93.4kWh | 1,494万円~ |
ポルシェ タイカンクロスツーリスモ | 105kWh | 1,507万円~ |
ジャガー I-PACE | 90kWh | 1,517万1,000円~ |
メルセデス・ベンツ EQS SUV | 107.8kWh | 1,549万円~ |
メルセデス・ベンツ EQS | 107.8kWh | 1,563万円~ |
メルセデスAMG EQE SUV | 89kWh | 1,593万円~ |
BMW i7 | 105.7kWh | 1,598万円~ |
アウディ RS e-tron GT | 93.4kWh | 1,899万円~ |
メルセデスAMG EQE | 90.6kWh | 1,925万円~ |
ロータス エレトレ | 112kWh | 2,332万円~ |
メルセデスAMG EQS | 107.8kWh | 2,375万円~ |
ロールスロイス スペクター | 102kWh | 4,800万円~ |
電気自動車の価格とバッテリー容量の関係
「電気自動車の価格はほとんどがバッテリー容量で決まる」とはよく言われますが、実際のところはどうでしょうか?
価格帯別の車種一覧と、それぞれのバッテリー容量からわかることを考えてみました。
バッテリー容量が大きいと価格も高くなる傾向
基本的には「バッテリー容量が大きいほど高価」なのは確かで、純エンジン車で言えば大排気量の高性能エンジンを積むのに相当すると考えてよいでしょう。
その傾向がハッキリしているのは800万円台までの電気自動車で、おおむね価格の上2ケタと同じ数値の前後、あるいは10kWh程度プラスした容量となっています。
ただし、900万円台を超えるとバッテリー容量以外に内外装のクオリティや装備の充実度、動力性能といった他の要素が絡んでくるため、必ずしもバッテリー容量と価格が比例しているとは限らず、容量自体も115kWhくらいで頭打ちのようです。
バッテリー容量は用途やライフスタイルに合わせて選ぶ
バッテリー容量が大きく、電費が良いほど一充電走行距離は大きくなりますが高価になるほか、それだけ高価な車を購入できるユーザー向けにと品質や装備、性能も充実が図られて、単に「長く走れる車」では済まなくなります。
一方で車の用途は通勤や買い物など短距離のみ、それも自宅で毎日充電できる環境があるというユーザーなら、日常的な走行距離+α程度を想定すれば良いので、闇雲に大容量バッテリー車を選ぶ必要はありません。
車両価格だけでなく充電設備の設置費用も合わせて考えよう
車両価格は「代表的な導入費用」ではあるものの、電気自動車の場合は給油して使う自動車とは異なり、「自宅で充電できる」という特徴があるため、充電設備の設置費用も重要な導入費用となります。
最近は最初から充電設備が設置されたマンションやアパート、戸建て住宅も増えていますが、それ以外では充電設備を新たに導入せねばなりませんから、「車の購入費用」というより「電気自動車の導入費用」として充電設備の設置費用も含めた検討を心がけましょう。
電気自動車の価格や自動車税が安くなる補助金・税制優遇制度
まだまだ高価な電気自動車ですが、そもそもは地球温暖化対策のため従来の「給油して乗る車」からの買い替えを推進する目的があり、国や自治体から税制優遇や補助金といった制度が多数あり、有効に使えば純ガソリン車より安く買えるケースもあります。
国や地方自治体のEV補助金
電気自動車への買い替え促進策で代表的なのが国の「CEV補助金」で、電気自動車や燃料電池車、プラグインハイブリッド車の新車購入にあたって、車の種類や機能、充電器設置など普及に向けたメーカーの努力などによって決められた補助金を申請できます。
電気自動車の場合は最大85万円(軽自動車は最大55万円)ですが、他にも自治体単位で補助金の申請を受け付けているケースもあり、太陽光発電設備の設置などもセットにすれば、国からと合わせて100万円以上の補助を受けられる場合も!
各制度についてはNeV(一般社団法人 次世代自動車振興センター)のHPで最新情報が掲載されていますから、ぜひともチェックしてみてください。
NeV(一般社団法人 次世代自動車振興センター)
「グリーン化特例」や「エコカー減税」などの税制優遇制度
国や自治体からの補助金以外にも、「グリーン化特例」による自動車税の減税や、「エコカー減税」による自動車税の免税、さらに通常なら新車価格の3%も取られる環境性能割の非課税など、電気自動車にはさまざまな税制優遇措置があります。
特に自動車重量税の免税や、環境性能割の非課税は、バッテリーを大量に積むため、「重くて高価」な電気自動車にとって、大変ありがたい制度です。
自動車税(グリーン化特例) | 新車登録の翌年度におおむね75%減税されるほか、東京都や愛知県では5年免除など自治体別の制度もあり。 |
自動車重量税(エコカー減税) | 新車登録時と初回の継続車検時に免税。 |
環境性能割(旧・自動車取得税) | 令和8年(2026年)3月31日まで非課税(2024年4月現在) |
自動車税のグリーン化特例の概要(国土交通省)
エコカー減税の概要(国土交通省)
環境性能割の概要(国土交通省)
電気自動車の価格は将来的に安くなる?
手厚い補助金や税制優遇措置が受けられる電気自動車ですが、裏を返せばそれほどに高価、しかし地球温暖化対策のためには、少しでも早く従来の自動車から買い替えてもらわねば…という差し迫った事情があるのも事実です。
純ガソリン車程度には安い電気自動車が発売されれば解決するものの、むしろ安全面を強化するために各種装備の義務化、そのための半導体を含む各部品の不足、さらに円安で輸入部品の価格高騰もあって、自動車の価格そのものが大幅に値上がりしています。
その結果、「従来からの自動車は大幅に値上がり」、「普及したい電気自動車は戦略的価格で値下げ」となって、電気自動車の価格が安くなったように感じる現象すら起きているほどですが、価格そのものが安くなるのは当面難しいでしょう。
発展途上ゆえに次世代バッテリーなど最新技術の投入が続くこともあり、将来電気自動車が安くなるとしてもかなり先の話で、それまでは補助金や税制優遇が重要となりそうです。
電気自動車(EV)の価格相場(平均)についておさらい
今回は電気自動車の価格相場(平均)について紹介しましたが、改めて「電気自動車は高い」と思った方は、従来からの純ガソリン車やハイブリッド車の価格が現在どうなっているかも、確認してみることをオススメします。
自動車そのものの価格が上昇する一方、電気自動車は安価なモデルの投入や中国・韓国など新興ブランドの参入による低価格化、税制優遇や補助金などの普及促進策で以前ほどには「高すぎる買い物」ではなくなっており、十分に検討対象となるはずです。
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