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急速充電を使うと電気自動車(EV)のバッテリー劣化が加速するのはなぜ?
公開日:2024/04/01更新日:2024/04/01
特に急速充電器は、バッテリーに負荷を与えるという話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。今回はEV充電の基礎知識として、バッテリーが劣化するメカニズムや急速充電を使用する際のバッテリー劣化への懸念点などについてお伝えします。
目次
カースモーラちゃんポイント
- EVの心臓部であるバッテリーには、リチウムイオン電池が使用されているの。
- 急速充電器は、短時間で充電できる反面、バッテリーの劣化を早める可能性があるんだ。
- EVバッテリーが劣化するメカニズムを知って、普通充電器と急速充電器を使い分けることが大切だよ。
そもそも、なぜEVバッテリーは劣化するの?
ここでは、EVバッテリーが劣化する主な原因についてまとめています。
充放電の繰り返しによる影響
EVの心臓部であるバッテリーに使用されているのは、リチウムイオン電池です。この電池は、充放電を繰り返すことで容量が低下し、EVバッテリーの劣化につながります。
リチウムイオン電池は、充電時にリチウムイオンが負極から正極へ移動し、放電時には正極から負極へ移動します。この移動を繰り返すことで、電極の構造が変化し、バッテリーの性能が低下するのです。
高温の影響
EVバッテリーは高温に弱いことも特徴の一つ。高温環境での使用は劣化を進め、特に充電中の高温はバッテリーに大きな負荷をかけてしまいます。
リチウムイオン電池は、使用温度範囲が4℃〜46℃であれば劣化がしにくくなるように設計されています。しかしEVを高温条件下で充電すると、電池の動作温度が最適温度を超えて上昇し、経年劣化が加速し電池の劣化につながります。
また、周囲温度が高い状態では、バッテリーの熱管理システムが多くのエネルギーを消費するため、航続距離が短くなることも影響の一つです。
過充電・過放電による影響
EVバッテリーが劣化する原因の一つに、過充電や過放電が挙げられます。過充電は、電池の容量が100%を超えても電圧をかけ続けることで起こる状態。この状態では、電池の正極が許容量を超えるリチウムイオンを放出します。そのため電池内の状態が不安定になり、劣化を進行させてしまいます。
一方、過放電は電池容量が0%を下回るまで放電してしまう状態です。リチウムイオン電池は「自己放電」と呼ばれる、使用していない状態でも電池の容量が減っていく特性をもちます。この状態が続くと、負極の銅箔が溶けだし、最終的には充電ができない状態になることも。
また過充電や過放電が長期間続くことも、EVバッテリーを劣化させてしまう原因です。長期間放置する場合は、満充電や空充電を避け、20~80%の範囲で充電することがポイント。適切な充電管理を心がけることで、EVバッテリーの寿命を延ばすことができます。
EV急速充電器の利便性とバッテリー劣化の懸念点について
EVを充電する際は、主に普通充電もしくは急速充電を使用します。急速充電は、普通充電に比べて圧倒的に短時間で充電できることが最大の魅力です。しかしながら、頻繁な使用を続けることでのバッテリーの劣化も忘れてはいけません。
急速充電は高出力で充電するため、バッテリーにどうしても大きな負荷がかかります。そのため、頻繁に急速充電器を使用すると、バッテリーの寿命が短くなるでしょう。EVバッテリーが劣化する原因でもお伝えした通り、バッテリーは高温に弱い特徴があります。
急速充電によって高出力の電力供給を受けると、バッテリーが高温になり、劣化リスクが高まります。高速道路での連続使用は、特に注意が必要です。
EVの普及とともにバッテリーも進化を遂げています。そのため、今後は影響も少なくなることが期待されますが、現段階では急速充電器の頻繁な使用は避けた方がいいでしょう。
EVバッテリーの劣化を防ぐには?
EVバッテリーは「バッテリー劣化の原因」につながる状態から遠ざけることで劣化を防止できます。
例えば充電が完了した段階ですぐ充電器からバッテリーを取り外すことで、過放電によるバッテリー劣化を軽減することが可能です。過放電対策として、長時間EVに乗らない場合は適度な充電状態で保管することも挙げられます。
また、バッテリーが温度による影響で劣化しないよう、適正温度での保管や急激な温度変化から遠ざける配慮も大切です。
カースモーラちゃんまとめ
急速充電器は短時間で充電できる一方、バッテリーに負荷がかかりやすいの。頻繁に使用すると、バッテリーの劣化を加速させてしまうから注意してね。日常的な充電には普通充電器を使用し、長距離移動など必要な場合は急速充電器を使用するなど使い分けることが大切だよ。
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