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どうして車が水素で走るの?水素社会と連携していく車のこれから

水素エネルギーは、水素をエネルギー源として利用する形態のエネルギーです。化石燃料に比べて環境への負荷が非常に少ないため、地球に優しいクリーンエネルギーとして大きな注目を集めています。

日本ではトヨタ自動車が2014年に世界初の量産燃料電池自動車「MIRAI」を発売し、水素社会の実現に向けた先駆的な取り組みを推進しています。トヨタ自動車に続く形で、ホンダ自動車や日産自動車などの国内メーカーも水素自動車の開発・普及に力を入れています。

地球温暖化の影響を抑制した脱炭素社会の実現に向けて水素エネルギーの利用が非常に期待されていますが、水素エネルギーの普及にはいくつかの課題が存在します。その中でも、水素ステーションの整備は大きな課題の一つ。

本記事では、水素と自動車の関係性を軸に、水素エネルギーの可能性と課題について解説していきます。

目次

  1. 水素エネルギーってなんだろう?どうやって車を動かすの?
  2. さまざまな国で水素エネルギーの導入が進行中
  3. 水素エネルギーが注目される理由
  4. 水素社会の実現のために求められる水素ステーションの整備
カースモーラちゃんのPICK UP
  • 水素エネルギーはクリーンで環境に優しいエネルギー源として世界中で注目されているよ。
  • 水素は多様な資源から生成が可能で、利用先もたくさんあるんだ。
  • 水素ステーションを普及させるための活動が今後の課題だね。

水素エネルギーってなんだろう?どうやって車を動かすの?

水素エネルギーってなんだろう?どうやって車を動かすの?

水素エネルギーは、その名の通り「水素」を燃料として活用するエネルギーです。車を動かすために水素エネルギーを利用する場合は、燃料電池自動車(FCV)が使用されます。


FCVは水素と酸素の化学反応から生じる電気エネルギーでモーターを駆動させます。具体的には、燃料電池に供給された水素が酸素と反応することで電気を生成し、この電気がモーターの動力源となる仕組みです。


FCV走行時にCO2を排出せず水のみを排出することから、クリーンで環境に優しいエネルギー源として注目されています。

さまざまな国で水素エネルギーの導入が進行中

さまざまな国で水素エネルギーの導入が進行中

水素エネルギーを使った自動車の普及について、日本や欧州、中国などの国や地域で取り組みが進められています。日本においては、トヨタ自動車を始めとする自動車メーカーや関連企業が水素エネルギーの研究開発とFCVの普及推進に力を入れている状況です。


一方、中国では国家発展改革委員会が水素エネルギー産業の中長期計画を策定し、カーボンニュートラル実現に向けて水素エネルギーが重要な役割を果たすと位置づけています。


加えて欧州でも、水素エンジンの研究開発が精力的に進められるなど、水素エネルギー導入への取り組みが活発化しているようです。


こうした各国・地域の取り組みにより、水素エネルギー自動車の普及は着実に前進していると言えるでしょう。

水素エネルギーが注目される理由

水素エネルギーが注目される理由

水素エネルギーが世界中から注目される理由として、以下の三つが挙げられます。

脱炭素特性

地球温暖化の問題が叫ばれる昨今、温室効果ガスの排出抑制への貢献が期待されています。水素エネルギーは、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない非常にクリーンなエネルギーなため、これからの活用に注目が集まっています。

多様な資源から生成できる

実は水以外の資源からも生成可能な水素エネルギー。例えば、石油や天然ガス、バイオマス(メタノールやエタノール)、さらには下水汚泥や廃プラスチックからも水素を生成することができるのです。


多様な資源から生成できる点も、注目を集める理由の一つと言えるでしょう。

多様な利用先

FCVを始めとして、バスなどの輸送手段の動力源としても利用されています。


また、同時に大規模な水素発電所での利用などにも活用されており、単なるFCVのエネルギー源という役割を超え、多岐にわたる分野での活躍が期待されています。

水素社会の実現のために求められる水素ステーションの整備

水素社会の実現のために求められる水素ステーションの整備

水素社会の実現に向けて、水素ステーションの整備は極めて重要な役割を担っています。従来のガソリン車ではインフラが先行し、その後に本格的な普及が進んできました。


FCVの普及においても、官民が連携して水素ステーションの整備を推進していくことが重要だと考えられます。しかしまだまだ整備は十分とは言えない状態です。水素ステーションの整備に関しては、例として以下のような取り組みが行われています。

整備・運営コストの低減

水素ステーションの整備・運営コストの低減が求められています。


例えば、規制改革実施計画に基づいた規制の見直しや、水素関連設備の大型化、コスト削減、新たな水素需要の広がりに対応した水素供給インフラの整備などが挙げられます。

水素ステーション整備事業費補助金

燃料電池自動車の普及を促進するため、水素ステーションの導入、整備費用に関する補助金、技術開発補助金、関連する活動費用の補助も用意されています。

技術開発

現在、水素ステーションの整備・運営コスト削減に向け、さまざまな技術開発事業が進行中です。


例えば「超高圧水素インフラ本格普及技術研究開発事業」では、2025年以降の水素ステーションの本格普及・自立化を見据え、水素ステーションの整備費や運営費低減に関する研究が行われています。

カースモーラちゃんのまとめ

水素自動車が普及するには、水素ステーションなどのインフラ整備が課題と言えそうだね。水素ステーションの数はまだまだ十分とは言えないみたいだけど、今後もさまざまな取り組みを通じて水素社会の実現に向けた基盤の整備が進んでいくはず。

政府は水素社会の実現に向けたロードマップを策定したり、自動車メーカーがFCVの開発を進めていたりと、水素と自動車の関係は今後さらに加速していくんじゃないかな。環境負荷の少ないクリーンな自動車の選択肢として、より広く普及していくと良いね。

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