NEW

V2Hで何ができる?導入を検討する前に確認しておくべきポイント

EVのメリットとしてよく挙げられるV2Hは、Vehicle to Homeの略称のことで、車から家へを意味しています。

EVバッテリーに貯められている電力を自宅でも利用できることがV2Hの最大の魅力です。そのため、台風や地震などの災害時の備えとしても利用できるため注目を集めています。

その他にV2Hを導入することでのメリットはあるのでしょうか。また導入する際の初期費用も気になるところ。

今回は、V2Hを導入することでのメリットや、導入する際の初期費用などについてお伝えします。

目次

  1. V2Hの仕組み
  2. V2Hを導入することでの四つのメリット
  3. V2Hを導入する際の初期費用
カースモーラちゃんポイント
  • V2Hは、Vehicle to Homeを略したもので、車から家へという意味なの。
  • V2Hを導入することで、電気代の節約や災害時のトラブル回避などが期待できるんだ。
  • ただし、V2H機器にかかる初期費用は高額になりがちなの。
  • 導入を検討する際は、国の補助金や各自治体が交付する補助金を確認しておこうね。

V2Hの仕組み

V2Hの仕組み

V2Hで使用できる電気はEVのバッテリー、電力会社から供給された電気です。また太陽光発電を設置している場合は、使用することができます。


V2Hは非系統連系型と、系統連系型の2種類に分類されます。


非系統連系型は、前述した三つの電気を切り替えて使用するタイプなので、全て同時に利用することはできません。


例えばEVから自宅に給電しているタイミングでは、電力会社から供給された電気は利用できないということです。また停電時のケースでは、太陽光発電からEVに充電できないことも覚えておきましょう。


一方、系統連系型の場合、全ての電気を同時に使用できることが最大の特徴です。また停電した際も、太陽光発電からEVへと充電できることもポイント。


そのため電気をEVに貯めておけば、停電などの災害時でも自宅へと給電することができます。

V2Hを導入することでの四つのメリット

V2Hを導入することでの四つのメリット

電気代の節約

V2Hの利用プランによりますが深夜帯や夕方、早朝など、特定の時間帯に電力量料金が安くなるプランが用意されており、電気料金を節約することができます。


電力料金が安い時間帯に充電し、通常料金の時間帯に電気を自家消費していくという流れです。


さらに太陽光発電を組み合わせると、より効果的。日中に使いきれなかった太陽光発電の電力をEVに充電し、電気代をさらに節約することができるでしょう。

災害·停電時のトラブル回避

V2Hは、台風や地震などの災害発生時に非常電源としても活用できます。


EVのバッテリーは直流の電気で稼働する仕組みです。しかし、電化製品などは交流電気で稼働します。つまりEVの電力はそのままでは、交流電気で稼働する製品には使用することができません。


V2Hであれば直流電気を交流電気へ変換させる機能が搭載されているため、このような悩みも解消することができます。また太陽光発電と併用することで、日中に発電した電力を貯められるため、より安心感が高まります。

充電スピード

V2Hのメリットは、EV充電設備の普通充電器よりも充電速度がスピーディで、短時間でEVを充電できることです。


V2Hは出力6kWと200V普通充電器3kWの2倍あるので、充電時間がおよそ半分で済みます。これは普通充電器で16時間かかる充電が、V2Hなら8時間に短縮される計算です。

V2Hを導入する際の初期費用

V2Hを導入する際の初期費用

V2Hを導入する際は、当然ながら初期費用が必要です。


メーカーやモデルによって金額は異なりますが、V2H機器の費用だけで数十万円かかります。また別途、設置工事費用が必要になるため、高額になりがちです。


メリットでお伝えした通り、電気代の節約などランニングコストを抑えられますが、初期費用の負担はできる限り抑えたいところ。


そこで検討しておきたいのがV2H補助金。


V2Hの導入には「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」を略して、「CEV普及インフラ補助金」と呼ばれる補助金制度が設けられています。


2024年度の補助金予定は、V2H充放電設備に対して1/2補助率で上限75万円、工事費に対して上限40万円(個人)の最大115万円。予算は50億円程度とされています。予算がなくなり次第、受付終了となるので、検討する際はあらかじめ確認しておくといいでしょう。


また、CEV普及インフラ補助金とは別に、お住まいの自治体によっては補助金を交付しているケースも少なくありません。


CEV普及インフラ補助金との併用可能な場合も多いので、事前にお住まいの地域が交付する補助金について調べておくといいでしょう。

カースモーラちゃんまとめ

今回は、EVのメリットとも言われているV2Hについて触れてきたよ。電気代の節約や災害時のトラブル回避など、V2Hのメリットは実にさまざまなの。

ただし、V2Hを導入する際は初期費用は高額になりがちだよ。

国の補助金やお住まいの自治体もV2Hに関する補助金を交付している場合もあるから、導入を検討する場合はチェックしておこうね。

新着記事

  • NEW

    EUのEV施策は日本の自動車産業にも影響を与えるのか?

    欧州連合(EU)はこれまで、2035年以降の新車でのガソリン車を含むエンジンを搭載した車の販売を原則禁止とする方針で基本合意していました。ところが2023年3月、合成燃料(e-fuel)を使用することを条件にエンジン搭載車の販売容認に方針転換したのです。...

    2024/07/04

  • NEW

    アメリカのEV普及は今後どうなるの?

    世界最大級の市場規模を誇るアメリカ。電気自動車(EV)メーカーの頂点に君臨するテスラを生み出したことでも知られています。 しかしながら近年ではEV普及率の伸びは緩やかになり、諸外国と比較すると今ひとつです。そんなEVに替わって現在、アメリカ...

    2024/07/03

  • NEW

    市場を席巻するBYDのEV戦略

    2023年第4四半期の販売台数において、EV界のトップに君臨するテスラを上回ったことで知られるBYD。現在世界中で広がるEVの価格競争を牽引する優位性を確立したことも、販売台数において首位となった要因の一つと言えるでしょう。 開発から製造まで一貫...

    2024/07/02