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EV充電の規格ってどんな違いがあるの?

電気自動車(EV)ユーザーのカーライフに必要不可欠な充電。

普通充電と急速充電の、2種類の充電方法が用意されています。メリット・デメリットはあるものの、シーンに応じて使い分けることが大切です。

そんな二つの充電方法ですが、日本で利用できる普通充電器の規格は「J1772」、急速充電には「チャデモ(CHAdeMO)」が主に採用されています。

また海外に目を向ければ、さまざまな規格が用意されています。今回はEV充電器にスポットをあて、採用されている規格について触れていきます。

目次

  1. EVユーザーを支える二つの充電インフラ
  2. EV急速充電器の五つの規格
カースモーラちゃんポイント
  • EV充電器には普通充電と急速充電が用意されているよ。
  • 日本では普通充電にはJ1772、急速充電にはCHAdeMOが主な規格だよ。
  • 海外では他の規格もあって、それぞれ特徴が異なるんだ。

EVユーザーを支える二つの充電インフラ

EVユーザーを支える二つの充電インフラ

普通充電

マンションやオフィスビル、屋外駐車場といった場所に設置されている普通充電器。EVユーザーの日常的な充電を支える重要なインフラです。


主に交流単相200Vを電源に用いられ、交流充電方式が採用されています。連続して一定の充電電流がかけられることが特徴。満充電にかかる時間は、電池容量や車種などにもよりますが6〜12時間以上です。


日本に設置されている普通充電器の主な規格はJ1772。日本に限らず、アメリカにおける普通充電の標準規格でもあります。日本で提供されている全てのEVは、J1772の規格に対応しています。


その他では、欧州はMennekesを採用しており、中国はGB/Tが主要な普通充電規格です。


普通充電は1kW(100V)~3kW(200V)程度の出力までを上限とした「コンセントタイプ」と、6kWの「倍速充電」の二つに分類されます。


どちらも「J1772」の規格ですが、EVは車体側が受け入れられる出力に上限が定められています。そのため軽EVなどの一部のモデルは、3kWまでの出力しか受け入れられないケースも少なくありません。


このような場合、6kWの倍速充電を利用しても、3kWの充電器と同様のパフォーマンスしか出せないということです。

急速充電

急速充電は、長距離運転が中心となる高速道路のサービスエリアやパーキングエリアを中心に、道の駅や商業施設、ガソリンスタンドなどに設置される充電インフラです。


50kW程度の高出力の充電方法なので、普通充電に比べ充電時間が短くなることがポイント。


日本における、急速充電器の規格はCHAdeMOが主流です。


CHAdeMOは、2010年に日本が主導し規格化を実現しました。世界基準の急速充電方式として知られており、日本ばかりでなく、海外にも多く普及している規格です。2014年にはIEC (国際電気標準会議)で、電気自動車用急速充電規格の国際標準として承認されました。


交流三相200V/400Vを電源に用い、直流による急速充電を行います。充電時間は、80%を充電するのに20〜30分程度で済みます。充電率が上がると時間の経過とともに充電電流が自然と低下していくことが特徴です。

EV急速充電器の五つの規格

EV急速充電器の五つの規格

日本で普及している急速充電規格のCHAdeMO。海外に目を向ければ、CHAdeMO以外にも国際標準規格として承認されている充電方式があります。


ここではCHAdeMOを含む、EV急速充電の規格を五つ紹介します。

日本で最も普及しているCHAdeMO

前述した通り、CHAdeMOは日本が主導し規格化を実現したものです。


正式名称は「CHArge de MOve = 動く、進むためのチャージ」「de = 電気」「充電中にお茶でも」の三つの意味を込めた造語です。


2010年に規格化され、制定したのはCHAdeMO協議会。その他にトヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、富士重工業(現SUBARU)、 東京電力の5社が参画しています。


2018年時点では CHAdeMO式充電器は世界に約1万8000基設置され、 このうち日本に7,000基程度、ヨーロッパに約6,000基強、 アメリカに約2,300基設置されています。

北米や欧州で利用されるCCS

CCSはコンバインド充電システム(Combined Charging System)の略称で、「コンボ」と呼ばれることもあります。


現在はCCS1とCCS2に分派しており、CCS1は主に北米の自動車メーカーや電力会社が標準化を進めています。一つの充電口で普通充電と急速充電の両方に対応しているのが、CHAdeMOとの大きな違いです。


また、充電前に支払方法や契約情報を対象EVに、セットしておく必要があることもCHAdeMOとの違いとして挙げられます。


基本的には「充電ステーションへの直接支払い」と「EVへの自動課金」のどちらかを選択することが多く、電気自動車(EV)をEV急速充電器にセットしたタイミングで支払方法が送信されます。


CHadeMOは充電ステーションでの支払いはできないため、複数の支払い方法が選択できるCCSはEVユーザーにとってメリットといえるでしょう。

中国全土で普及しているGB/T

GB/Tは中国で普及するEV急速充電規格。


GB規格には「GB/T」と「GB」の2種類があります。GB/Tは中国政府が準拠を推奨している規格であり、強制力は高くはありません。一方、GB規格は「強制GB規格」と呼ばれるもので、対象製品やサービスに対して強制的に適用されます。そのため中国国内で販売する際は、必ず規定に準拠しなければなりません。


CHAdeMOに使用された技術を応用していることから、充電口の形状やCAN(Controller Area Network)と呼ばれる通信方式を採用しています。

テスラ専用の急速充電規格NACS

テスラ専用の急速充電規格として普及しているのがNACS。急速充電の規格はさまざまですが、その中で唯一企業が推進していることがポイント。


専用の急速充電器スーパーチャージャーは、日本国内では最大出力250kWの「V3」が多くを占めており、それ以外でも120kWの「V2」が設置されています。


充電時にプラグを挿すだけで充電ができ、認証や支払いなどの手間が不要ないわゆる「プラグ&チャージ」を実現している充電規格です。


テスラはアメリカを主戦場としているため、NACSはアメリカにおける標準規格と言えます。

今後、普及が期待されるチャオジ(ChaoJi)

ChaoJiは、日本のCHAdeMOと中国の電力業界団体である中国電力企業連合会が共同開発したEVの次世代充電規格です。


中国が正式に国家規格として承認し、GB/Tに変わる規格として期待されています。2024年4月から採用される予定ですが、まずは大容量の電池を搭載するEVバスやEVトラックなどの商用車で利用されます。


ChaoJiの最大の特徴は、大容量の充電を可能にしており出力900kWを実現。現行の日本のCHAdeMO規格、中国のGB/T規格の6倍以上のスピードで充電を可能にします。充電口の変換アダプターを変更すれば、日中の現規格とも使用できることが特徴です。


世界の中でもEV普及が最も推進されている中国がChaoJiを採用したことで、世界的なEV充電規格の標準化にも影響を与えるかもしれません。


今後の動向に注目を集めるEV急速充電規格です。

カースモーラちゃんまとめ

世界的にEVの普及が進められ、必要不可欠なEV充電器の整備も推進されているよ。

日本における普通充電の規格はJ1772が採用されていて、急速充電にはCHAdeMOが主流だよ。海外にはさまざまな規格が存在していて、それぞれ国際標準規格として承認されているの。

新たな急速充電規格も登場してきているから、将来的にはより使い勝手の良い充電環境が整備されるといいね。

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