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一般道路と高速道路におけFる電気自動車(EV)の電費の違い

電気自動車(EV)の電費は、平均6km/kWhとされています。1kWhあたりで走行可能な距離が大きいほど電費が大きいと判断できますが、走行状況によって当然電費は異なります。

特に電費の差が顕著になり、かつ電費を比較したいと考えるのは、一般道と高速道路との違い。今回は、一般道と高速道路、EVの電費が良いのはどちらなのか?という疑問について触れていきます。
EVの電費が悪くなる要因や、EVの航続距離を長くする運転のコツも解説しているので、電費の視点からEVの購入を検討したい方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 一般道路と高速道路、EVの電費が良いのはどっち?
  2. EVの電費が悪くなる要因
  3. EVの航続距離を長くする運転のコツは?
カースモーラちゃんポイント
  • 一般道路と高速道路では、一般道路の方がEVの電費が良いとされているんだ。
  • 走行距離や一般道路と高速道路を組み合わせた場合のルートによっても変動するよ。
  • 急ブレーキや暖房の使用など、一般道路でも電費が悪くなる原因はあるんだ。
  • できるだけ急加速や加速の繰り返しを避けると、EVの航続距離を伸ばすことができるよ。

一般道路と高速道路、EVの電費が良いのはどっち?

一般道路と高速道路、EVの電費が良いのはどっち?

一般道と高速道路では、一般道路の方がEVの燃費が良いとされています。速度の上がる高速道路では、電力の消費量が大きくなるのに比例し、EV本体にかかる空気抵抗も増えることが理由です。


EVの電費が悪くなる原因については後述しますが、比較的低速で運転を継続しやすい一般道路に比べ、アクセルをベタ踏みすることの多い高速道路での走行は、EVの電費を悪化する要因になるでしょう。


一方で、一般道路と高速道路の両方を使用して走行する場合においては、トータルの電費は高速道路の方が少ない場合も。スバルのソルテアで約350kmのルートを、一般道・高速道路を組み合わせて走行したパターンと、高速道路のみで走行した場合のデータを見てみましょう。


一般道・高速道路で走行したパターン

高速道路のみで走行したパターン

  • 高速道路区間:5.9km/kWh
  • 一般道路区間:6.2km/kWh
  • トータルの電費:12.1km/kWh
  • 8.9km/kWh

このことから、一般道路と高速道路どちらがEVの電費において優れているかは、一概に言い切れないと判断できます。


後ほど解説する「EVの電費が悪くなる要因」が関連してくることも多いため、あくまで「状況に応じて変動すること」を前提に一般道路と高速道路の電費を比較してみましょう。

EVの電費が悪くなる要因

EVの電費が悪くなる要因

ここでは、EVの電費が悪くなる主な4つの要因について解説します。

急加速や坂道の走行、重量増加による負担

EVは、急加速する、坂を登る、または重い荷物を運ぶときに多くの電力を消費します。これらの行為はモーターへの大量の電力供給を必要とし、電費を悪化させるため、一般道でも必要以上にバッテリーが減少するかもしれません。

急ブレーキ

急ブレーキも、EVの電費を悪化させる原因です。


EVの大きな特徴の一つが回生電力であり、これは走行中のエネルギーを電気に変換して電費を改善するのが特徴です。しかし、急ブレーキの使用は回生電力の回収効率を下げ、結果として電費を悪化させることになります。

暖房の使用

EVの電費は、その日の気象状況やエアコンの使用有無によっても変動します。特に、EVの暖房は電気エネルギーを消費するため、使用するとバッテリーの電力を大量に使い、航続距離が短くなる可能性があります。

渋滞時の走行

EVは、渋滞中の頻繁な発進とブレーキの繰り返しにより電費が悪化します。


特に、停車時間が長い渋滞では、走行ではなくエアコンの使用によってバッテリーの電力を消費しやすい傾向にあります。さらに、雪による渋滞では、発進・ブレーキの繰り返しに加えて寒さ対策として暖房を稼働させることにより電力消費が増加するでしょう。

EVの航続距離を長くする運転のコツは?

EVの航続距離を長くする運転のコツは?

EVの航続距離を延ばすための運転のコツには、急加速や急減速を避け、アクセルをゆっくり踏み込むことでスムーズに運転することが挙げられます。これにより、電気モーターをより効果的に使用し、余分な電力消費を抑えることが可能。


また、加速の繰り返しを控えることで、駆動用電池の残量を保ち、電費の悪化を防げます。特に高速道路では、速度を抑え、アクセル操作を一定に保つことで航続距離を伸ばすことができるでしょう。


さらに、空調の送風量を抑える、不要な荷物を減らすこともEVの航続距離を長くするうえで有効です。


信号待ちや渋滞時にはシフトポジションをDにし、駐車時はPに設定することで、EVの充電が行われない状態を避けることもおすすめ。

カースモーラちゃんまとめ

一般道路と高速道路では、一般道路の方がEVの電費は良くなるとされているんだ。速度が上がるほど電力の消費も大きくなり、空気抵抗も強くなることが理由だよ。

でも、一般道路と高速道路を組み合わせて走った場合など、状況に応じて電費は変わるから、高速道路だから「燃費が悪い」というわけではないんだ。実際、急ブレーキや暖房の使用で電費が悪化することもあるから、一般道路と高速道路の電費量の違いはあくまで参考程度の情報として認識しておこうね。

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