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ハイパワーEV、BMW i5 M60 xDriveを丸1日乗り倒してみました!果たして日常使いにアリなのか?電費&EVの特徴を徹底チェック!
公開日:2024/05/27更新日:2024/05/27
わたくし、生まれて初めてEV車を運転するということもあり、運転のフィーリングや充電の方法など、実際に初めて触れるユーザーの目線でレビューできればと思います!
目次
あんどりゅー:96年生まれ。愛車は2008年製 SUBARU レガシィツーリングワゴン 2.0 GT Spec.B。バイクはセロー250。車中泊で九州へ一人旅や週末のサーフィンなど、移動自体が大好きです。
BMW i5 M60 xDriveのスペックは以下の通り
- システム・トータル最高出力:442kW〔601ps〕
- システム・トータル最大トルク 795Nm:〔81.1kgm〕
- 0-100km/h 加速性能:3.8 秒 ※ヨーロッパ仕様車値(自社データ)
- 全長:5,060mm
- 全幅:1,900mm
- 全高:1,505mm
※メーカー公式HPより抜粋
さすがMの称号を冠しているだけあってとてつもないパワーとトルク。それに加え車体の大きさも迫力満点です。ここまでの馬力やトルクを持つ車を運転するのも初めてなので、ワクワクと同時にいつもの三倍は安全運転を意識していきたいと思います。
本日の目的地はつくるまサーキット那須。
以前は丸和オートランドの名前で知られていました。友人たちと全日本ダートトライアル選手権を見に行く予定があったので、「せっかくならi5 M60 xDriveに乗っていっちゃおう!」ということで、ばっちり日常使いしていきたいと思います!
そして車内を盛り上げてくれるメンバーはこちら。
やぎ:筆者の高校の同級生。愛車はIS-F &デミオディーゼル。今回のカメラマンも担当してくれます。EVに乗るのは初めて。
かい:筆者の中学の同級生。愛車はGRBインプレッサ Spec.C。普段は大型のトレーラー運転手。彼もまた初めてのEV。
ますだ:やぎの大学の同級生。大学時代は自動車部。愛車はDC2→ACURA CL→現在は原付。もちろん彼も初EV。
なんと全員が初めてのEVとなった今回のメンバー。野郎四人、はじめてのEV旅スタートです!
さて、今回ドライブですが、以下の3つを検証します。
1:東北道 136km 実電費テスト!
実際に高速道路を走った際の燃費=電費はどれほどのものなのか?
2:坂道をアクセルオフで下ったら、回生ブレーキでどれくらい充電されるのか?
EVやハイブリッドで使われている、ブレーキをかけるとモーターによって充電される回生ブレーキ。坂道を下ったらどれくらい充電されるのでしょうか?
3:EV初心者、初めての充電!
今回乗車するメンバー全員が初めてのEVということもあり、充電のやり方をチェック。果たして無事チャージできるのでしょうか?
日常使いでEV車をつかったらどういった結果が出るのか。
これからEV車に乗ってみようと考えている方、そしてBMW i5 M60 xDriveを実際に検討されている方も、ぜひ参考にしてください!
東北道 136km 実電費テスト!
今回の行程は東北道は浦和インターチェンジから栃木県は西那須野塩原インターチェンジまでの約136km区間。ここを走行して実際の電費をチェックしていこうと思います。
ここでテスト条件とスタート時の状況をざっと整理しましょう。
- 残充電:75%
- 航続可能距離:309km (充電75%時)
- 走行モード:パーソナル
- 走行スピード:主に走行レーンの流れに合わせて
- 乗車人数:4人 (+80kg+83kg+73kg+67kg)
- 増重量:300kg (偶然ピッタリ。私たちはバラストだったのでしょうか..?)
- 途中休憩:なし
- 気温 :19度(メーター表示)
- A/C:ON 20度 風量最小
- 出発場所:In 東北道 浦和IC Out 東北道 西那須野塩原IC
・合計距離:136km
走行モードについてですがBMW i5 M60 xDriveには、Personal、Sports、Efficientの3モードに加え、Degital Art、Relaxの2モード、合計5つのモードがあります。電費に影響するのは先述の3モードで、Personalが一番バランスの取れたデフォルトのモードになっています。
車本来のポテンシャルを測る上でも、今回はデフォルトのPersonalモードで走ることにしました。
※Persoal = コンフォート重視のモード。1番スタンダードな設定で、バランスのとれた快適な乗り心地と走り心地が特徴。
東北道浦和ICのETCゲートを通過したタイミングで、メーターをリセットします。
これで西那須野塩原ICを降りた際の残充電と、走行距離から実際の電費を出していく形です。ハイパワーEVの実電費はいかがなものでしょうか!?
出発前の充電残量75% 航続可能距離309km。さて行ってみましょう!
走り出し。前後合わせて601馬力のパワーでグイグイと進んでいきます。CVTとも一味違ったシームレスな加速フィーリング。
気づいたらあっという間に高速道路の流れに乗っていました。同乗者たちも「おお...!これがEVか!」と大盛り上がりです。
日中でもアンビエントライトも上質な雰囲気を醸し出しています
しばらくは直線が続くので、有り余るパワーで余裕のドライブを楽しみたいと思います。もちろん無理な加減速はせず、周りの流れについて走って行きます。東北道は制限速度120km区間があるので、MAXの速度は120kmです。
天気予報では雨のマークが付いていて心配だったのですが、日差しも出てきて天気が良くなってきました。特に渋滞もなく順調に進んでいます。
サンフルーフのおかげで車内も明るく、開放的な雰囲気でドライブを楽しめています!
BMW i5 M60 xDrive 高速での走り
BMW i5 M60 xDriveの車としてのインプレッションですが、圧倒的な剛性感があるので前後共にどっしりとした乗り味です。かと言って2,360 kgの重さはちっとも感じさせず、有り余るパワーがスイスイと車体を押してくれるので、ドライバーにとっても疲れを感じさせない。
特に足回りはさすがBMW、Mの名がついたグレードということだけはありました。スポーツ向きとも言える少し硬めな印象。突き上げ感は全くと言って良いほどなく、路面の継ぎ目で発生するギャップをコクコクといなしてくれる心地よさがあります。
エレガントな大人セダンの中にしっかりと垣間見えるスポーティーさのバランスは、さすがといったところでしょうか。路面のインフォメーションを不快感なくしっかりと伝えてくれるのが運転していて楽しさと安心感を感じました。
ただ少し気になる意見が後部座席から出てきました。ワインディングを走った際に、思いのほか左右に振られる印象があるとのことです。
スピードも流れに合わせて走っていたのですが、後部座席に座っている友人の印象を聞いたところ「曲がってる時に少しだけ踏ん張らないといけない。意外と横Gを感じる」という意見が返ってきました。
前に乗っていた2名はそこまで感じなかったのですが、後ろの2人は特に感じたらしく、この辺りは意外な印象を聞くことができました。
初めはシートの形状かと思ったのですが、ホールド感もあるシートなので、もしかしたらインクレイデットアクティブステアリング(4WS:前輪だけでなく、後輪も左右に向きを変える機構)の影響なのかもしれません。
「高速走行時には走行安定性の向上に貢献」と公式HPで謳っていただけに、後部座席からの意見は予想外でした。
しばらく走っていると...?
周囲の景色も緑が多くなり、いよいよ目的地の西那須野塩原ICが近づいてきました。「ん???思ったより充電の減りが早くないですか?」
家を出た時の充電が75%、航続距離が309kmだったので、今回の旅路はギリギリ充電なしで往復できるかと思っていたら、想定外な減りの速さに驚きました。どうやら那須に着いてから追加で充電が必要になりそうです。これから行く那須に充電スポットなんてあるのかな...。なかなか心配になってきました。
ガソリンスタンドならどこかにあるだろうと、そこまで不安にはならないですが、まだインフラが整いきっていないEVとなると、こういった心配事も起こり得そうです。
これは乗ったからこそ気づいたポイントだと思いました。これはフツーに困ったぞ!
そんなこんなで無事、西那須野塩ICに到着しました。気になる結果は。。。。。
走行距離:133.8km
後続可能距離変化:309km→156km
出発時、75%で309km 走る予定だったので1%あたり約4.12 kmの電費で走行が可能ということでしたが、実際に133.8km走って、35%の電力消費だったので、電力1%あたり約3.8229 kmの電費で走行してきました。
つまりこのペースで行くと、フル充電で382km走れるということになります。思ったよりも少ない...か?
モーターやバッテリーを使うハイブリッドカーが高燃費なイメージのため、電気だけで走るEVも電費が良いと勝手に想像していました。
1回の充電で東京-名古屋間は余裕で往復できてしまうくらい走るのかな、なんて思っていましたが、実際は埼玉から那須の往復もギリギリな結果に。こういった遠出にはまだまだハードルを感じさせる結果となりました。
また今回の検証ではSportsモードを使用していないため、EVの中でも特に走りに振ったi5 M60の性能は100%活かしきれているとは言い難いです。もちろんSportsモードにすれば電費も悪くなるので、この辺りは運転の仕方や場所によって大きく変化しそうです。
坂道をアクセルオフで下ったら、回生ブレーキでどれくらい充電されるのか?
EV車の特性として回生ブレーキというものがあります。
回生ブレーキとは、減速時に駆動輪につながっているモーターを発電機として回転させ、その負荷によってブレーキをかけるシステムです。発電した電気エネルギーはバッテリーに蓄電され、加速時などに駆動用のモーターを動かすことができます。
引用:JAF
つまりブレーキを踏む、もしくは減速すればするほどバッテリーが充電されるというわけです。これはハイブリッドなどにも使われている技術で、プリウスを始め日本の多くのハイブリッド車にも備わっています。これが燃費の良さに一躍買っているわけですね。
そこである疑問が思い浮かびました...。
「坂道をほぼアクセル踏まず回生ブレーキをかけまくって下ったら、一旦何%充電されるんだろうか...!?」
ひょっとして、下っただけでたくさん充電されて、この後一回も充電せずに埼玉に帰れちゃうんじゃないの〜!永久機関じゃん〜!と淡い希望を抱き始めました。アホすぎですね。
せっかく山が近い那須に来たんだ!いますぐやるしかない!
どん!!!
というわけで、ダートトライアルそっちのけで山にやってきました。目の前を爆速するダート車をみていたら、僕も442kW〔601ps〕の車で走りたくなってきてしまいました。
と言っても、今回もアクセルはほとんど踏めません。回生ブレーキを駆使してワインディングを下って行きたいと思います。ぐぬぬ...。なんという縛りプレイ...!
次のステージは栃木県那須塩原市にある八方道路の下り、3.5km区間で検証スタートです。それにしても山の中に佇むi5 M60 めちゃくちゃカッコよくないですか?
対向車が来たら、絶望の淵に叩き落とされるようなタイトコーナーを、神様に祈りながらパスして行きます。
前後に積んだモーターから生まれる四駆のパワフルな力が、急な坂道と車重2,360 kgをもろともせずに引っ張って行きます。
高速道路とはまた違った印象で、EV特有のスムーズな加速は特に峠で感じられました。MTやATだとどうしても変速ショックや上りでの失速を感じてしまうことがありますが、EV特有の下からマックスで発生するトルク感により、「え?本当に坂道ですかここ?」と混乱してしまうほどグイグイと登って行きます。とても楽!
また多少速度を出した状態でコーナに侵入しても、ベッタリと吸い付いてくれる足回り。ロール感もほどほど抑えられており、サスペンションがキビキビと仕事をしてくれます。かなり激しい路面の凹凸やヘアピンカーブでも、運転手、助手席ともに気持ちよくコーナーをクリアすることができます。
そして直線でドカンとくる加速感。ここまでのデカい車体で、こんなにもテンポよくワインディングを走れると思っていなかったので、ここで一気にこの車の素性の良さに触れることができた気がしました。高速ではあまり感じられなかったですが、さすがMの名がついているだけのことはある。たとえEVであっても、その運動性能はドライバーに走りの楽しさを感じさせてくれるものに仕上がっています。
さて、下りに切り替えるポイントに到着しました。ここで改めてテスト条件を整理しておきましょう。
- 残充電:26%
- 航続可能距離:84km (家に帰れないですね...)
- 走行モード:パーソナル
- 乗車人数:2人 (80kg+67kg)
- 増重量:147kg
- 気温:15度前後(メーター表示)
- A/C:ON 20度 風量最小
- 下り距離:3.5km
BMW i5 M60 xDriveは回生ブレーキの強さを
- アダプティブ
- 標準
- 高
の三段階から選ぶことができます。
アクセルを離した際に下り坂では、「高」だと進まず止まってしまい、「アダプティブ」だと逆に弱すぎて止まらないので、今回の検証では「標準」でテストしました。
対向車よ、今回も来ないでください...!
※今回はワンペダルモード=Bレンジは使用せず、Dレンジに入れ検証
下りでもコーナーでの素晴らしさは感じられ、車速が乗った状態での制動力にほとんど車体の重さを感じさせませんでした。
フロントに荷重が乗った状態で、スイスイとコーナをクリアしていく心地よさ。ステアリングを切れば、クイッと思い通りの方向に曲がってくれる回頭性。これはまさしくインクレイデットアクティブステアリングの恩恵とも言えるでしょう。
全長5,060mm、全幅は1,900mmの大柄な車格でも、怖さなしに峠を走り抜けることができました。
3.5kmという短い区間だったので、あっという間にゴール地点。ほぼアクセルを踏まずに下ってくることができました。
さて気になる結果は...
航続可能距離も84km→87kmに!
つまり3.5kmをほぼノーアクセルで下ると、ほとんど同じ距離の3km走れる距離が増えるということになります!
思ったよりも回生ブレーキの力って凄いんですね。正直これくらいの距離じゃ、このハイパワーEVのバッテリーなんて充電されないだろうと思っていましたが、しっかりと充電されていたのに驚きました。
対向車は来ませんでした。一安心です。
しっかりと充電もできしたし、なによりワインディングがすこぶる楽しい!
上手に回生ブレーキを使ってあげることで、さらにエコドライブが期待できそうでした。
EV初心者、初めての充電!
高速道路での電費検証、下り坂での充電検証も終え、つくるまサーキットに戻ってきました。
現在の残充電は22%。先ほどの検証で、1%あたり訳4km走れることが分かったわけですが、80km足らずの航続距離では埼玉に帰ることすらできません。
初めてのEVということは初めての充電。せっかくなら充電して帰ろう!
ということで高速に乗り、EV QUICK Charging Point(急速充電スポット)がある、上川内SAまで向かいたいと思います。そもそもこの状態で上川内SAまでの約40kmを走り切れるのかとても不安です。
残充電的には問題なく行ける計算なのですが、もし途中で渋滞や何らかのアクシデントが発生した場合のことを考えると、もっと充電に余裕を持っておくべきだと思いました。
そんな不安をよそに、夜もアンビエントライトは光り輝く...
しかし真夏や真冬に渋滞にハマったりしたら、アイドリングだけでかなり電力を消費してしまうので、たどり着くのは不可能だったでしょう。
EV恐ろしや...。
SAに入った時に充電スポットが見つかるか不安でしたが、思いの外簡単に見つかりました。至る所に青い看板の案内が立っているので、見つけやすかったです。
ただここでも懸念が1つ。それは充電可能な台数がたったの1台分しかないということ。通常このようなEV QUICK形式の充電スポットは30分で自動的に充電が終了するらしく、もし先に車が入っていた場合は30分は待たないといけないということになります。今回はたまたま誰もいなかったので、すぐに充電できました。
今回は一番近くで急速充電ができるのが、たまたまこの上川内SAだったのですが、場所によっては複数充電スポットがあるところも増えてきたようです。
んんん。思ったより不便ですね。ガゾリンならものの数分で満タンになりますが、30分も待つとなるとどこかで時間を潰さないといけません。
兎にも角にも、初めての充電スタート!
ケーブルは伸びているけど、コネクタが収納されており、パッと見で見つけることができません。初見さんお断りでしょうか?
充電したいだけで脱出ゲームしに来たわけじゃないんですけどね?
が、ここからがさらに試練でした。コネクターを差し込むだけでは充電は開始されないのです。
またもや初めて見る機械。ぐぬぬぬ。脱出ゲームはまだ終わらないようです。
ちなみに近くに駅なんてあるわけなかったです。
EV車の充電において、会員カードというものが必要になってきます。
通常は、充電ごとにお金を払うシステムか、月額プランでまとまったお金を払い、カードを発行して充電する2種類の形があります。調べてみると、自動車メーカーが各自発行してるカードのプランがあったり、日本のほとんどの充電スポットのネットワークを管理しているe-Mobility Power(eMP)でのプランなどがあるそうです。
都度充電する形は割高であったり、できる場所が限られていたりと、通常は月額プランで払う方が多いとのことです。また現在は利用したkWhに応じて課金される従量課金ではなく30分いくらという形で課金されるので、バッテリー容量が小さい車や受け入れられるkWh数が少ないと、都度支払いはよりお得感が減ってしまう、なんてこともあるそう。
月額プランによっても充電できる回数が異なったり、メーカーのよって発行しているカードがあったりなかったり、とてもややこしい構造になっている印象を受けました。ガソリンスタンドならお金払って終了なので、この辺りは煩雑に感じる人も多そうです。
一体30分でどれだけ充電できるのでしょうか。
ここまで意外と時間がかかってしまったのと、慣れない操作と充電を気にしていたせいか、どっと疲れがきました。
あとは30分サービスエリアで時間を潰そうかと思います。いやーここまで長かった...!
せっかく気温も風も気持ち良かったので、外のベンチで完了を待つことに。こんなこともあろうかと、トランプを持ってきたのですが、メンバー全員が共通で認識している大富豪のローカルルールがバラバラだったため諦めました。やりたかったな大富豪。
ここで感じたのは、帰りの30分というのは結構大きいなということ。出勤前の30分にも似た時間の重さがあります。みんなでワイワイ話していたら、友人一人の終電がなくなってしまいました。あと30分早く帰れていたら...。そんなこと思ってもしょうがありません。このままでは帰ることすらできないのですから、僕たちは充電を待つしかないのです。
なんて話をしていたら、30分が経ちました。気を取り直して急速充電の力、見せていただこう!
充電スタート時16%ほどの充電残量だったので、20%ほどしか充電されていない結果になりました。あまりにショックで膝から崩れ落ちそうです。急速充電という名前に囚われ、もっと爆速で充電されるかと勝手に期待を膨らませていました。ここで友人の終電は完全になくなりました。ベンチに座っている友人たちに「まだ37%しか充電されてない」と伝えた時のみんなの顔を思い出すと、今でもトラウマになりそうです。
とは言いますが、ある程度この結果は想定していました。というのも、EV QUICK Charging Point(急速充電スポット)の出力は40kWh。1回に充電できる時間は30分間なので、20kWh分となります。i5 M60のバッテリー容量は83.9kWhなので、理論的には23.8%分充電できる想定でした。ですがMAXの出力で充電されることはあまりなく、だいたい35kWhほどで充電されることがほとんどです。その上で計算すると、今回の充電では20.8%分が充電される想定ができます。
つまり充電前に想定してた数値とほぼ誤差なく充電ができたということに!これを頭に叩き込んでおけば、次はもっと計画的なEVドライブを楽しめるのでは!?とまた1つ勉強になりました。
「んー、それでも20%かあ」と感じてしまったのは事実です。先程の検証で電力1%あたり約3.8229 kmの電費で走れることがわかっていたので、20%分ということは約76km分走れるということになります。どうしても少なく感じてしまいますね。
この充電残量ではあまりにも心許ないので、後ろで充電を待っている車もいなかったので、もう一度充電をすることにしました。結局、合計1時間充電する羽目に。
※通常このような行為は「おかわり充電」と言われ、充電スポットが限られるEV車ユーザーにおいては、とても敬遠される行為となりますのでご注意を!一度駐車場を離れて少し待ちましたが、他の車が入ってこなかったので、今回は連続で充電させていただくことにしました。
今回の結果を踏まえてですが、ある程度行き先が決まっている移動であれば、EVは全く問題ないと思います。パワーもあるし、乗っていて楽しいかつ快適。もちろん排気ガスがでないという環境的利点もあります。
がしかし、今回のような長距離での移動や、移動先での急な予定変更、1泊での旅行などにおいては、すこし不安要素が多すぎて、移動手段としてはまだ使いにくいという印象を受けました。
上川内SAを過ぎたら真っ直ぐ帰る予定でしたが、思いの外時間を食ってしまったので、食事や温泉に立ち寄るために宇都宮に寄りました。その際、「車を止めている間になるべく充電しよう」ということで、無料の充電スポットがあるコインパーキングを利用しました。そこから15分ほど歩いて温泉を済ませましたが、EV車の充電のために我々の行動が狭まってしまい、本来あるべきモビリティとしての役割とは違う存在なのかなと感じてしまったのが正直な感想です。温泉の駐車場に停められれば、湯冷めはしなかったと思います。
さらにショックだったのが、充電したポイントが急速充電対応ではなく、2時間近く停めていたのにもかかわらず、数%しか充電されていなかったことです。充電には2種類あり、日本国内の急速充電ではほとんどでCHAdeMO(チャデモ)という規格が使われています。コインパーキングにあったのは普通充電タイプだったので、ほとんど充電されない結果になってしまいました。
その充電の規格ですが、以下のようなタイプでした。
充電タイプ:200V(普通)
出力:3.2kW (最大電流値: 16 A )
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