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電気自動車(EV)の仕組み|部品・構造や他のエコカーとの違いなど

近年、多くの自動車メーカーでは、電気自動車(EV)の販売・生産に力を入れており、販売台数も年々増加傾向にある現状です。電気自動車という言葉をよく耳にするようになりましたが、実際に電気自動車の仕組みを理解している方は意外と多くありません。

そこでこの記事では、電気自動車の仕組みや部品・構造、他のエコカーとの違いを徹底解説していきます。

目次

  1. 電気自動車(EV)とは
  2. 電気自動車(EV)が動く仕組み
  3. 電気自動車(EV)と他のエコカーの仕組みの違
  4. 電気自動車(EV)の仕組みに関わる主な部品
  5. 電気自動車(EV)の充電方法の種類と仕組み
  6. 電気自動車(EV)の仕組みによるメリット
  7. 電気自動車(EV)の仕組みについておさらい

電気自動車(EV)とは

電気自動車(EV)とは

電気自動車(EV)とは、搭載したバッテリーから電動モーターに電流を流し、モーターが回転する力を活用して走行する自動車です。現在、様々な自動車メーカーでは「高性能バッテリーの開発」に力を入れています。

電気自動車は、ガソリン車とは異なり、電動モーターを活用して車を動かすため、燃料代を軽減できる効果も期待できるでしょう。2020年には、電気自動車だけでも100万台以上の保有台数を記録しており、現在注目を集めています。

電気自動車(EV)が動く仕組み

電気自動車(EV)が動く仕組み

電気自動車は、エンジンの代わりにモーターと駆動用バッテリーを活用して車を動かします。具体的には、バッテリーから伝達される電流が電動モーターを駆動させ、モーターが回転する仕組みです。減速時や下り坂などに発生する回生エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに充電することも可能です。

ハイブリッド車も電気自動車と同じく、電動モーターを活用して車を動かしますが、エンジンを使用しないことが電気自動車との違いです。ガソリン車はガソリンを燃料源としています。

一方、電気自動車は電気を燃料源とするため、ガソリンよりも燃料代を安く抑えられるメリットがあります。燃料代は月額で計算するとおおよそ半分以下になる計算です。まさに環境にも経済的にもお得な車とも言えるでしょう。

電気自動車(EV)と他のエコカーの仕組みの違

電気自動車(EV)と他のエコカーの仕組みの違

電気自動車と他のエコカーの仕組みの違いについて、以下の表にまとめました。

種類動力源動く仕組み
電気自動車(EV)電気モーターバッテリーに電気を充電して、モーターを駆動させる
ハイブリッド車(HV)ガソリンエンジンと電気モーターエンジンを動かし、バッテリー内に電気を充電する
プラグインハイブリッド車(PHV)電気モーターとガソリンエンジンバッテリーに充電した電気を利用して、モーターを動かす
燃料電池自動車(FCV)電気モーターと燃料電池燃料電池内で水素と酸素を化学反応させて発電した電気エネルギーでモーターを動かす

ハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の動力源は基本的に同じです。燃料電池自動車(FCV)は、燃料電池内で酸素と水素を化学反応させることで、電気エネルギーを作り出し、モーターを回します。

電気自動車(EV)の仕組みに関わる主な部品

電気自動車(EV)の仕組みに関わる主な部品

電気自動車(EV)の仕組みに関係する主な部品を以下で解説します。具体的に解説する部品は以下3つです。電気自動車に関する各部品の特徴を詳しく解説します。

ポイント
  • モーター
  • バッテリー
  • コントローラー

モーター:電気を駆動力に変換する

電気自動車の中でも「モーター」は、電気を駆動力に変換する重要部品の1つです。モーターには、直流モーターと交流モーターの2種類がありますが、電気自動車には、交流モーターが採用されていることがほとんどです。

交流モーターとは、モーターに電気を流すと、内部にあるコイルがN極とS極に変化し、コイルを回転させることです。コイルを回転させる力で電気を作り、駆動力を生み出します。モーターは電気自動車にはなくてはならない部品であり、車種によって性能や容量が大きく異なります。

バッテリー:充電した電気を貯めておく

バッテリーとは、充電した電気を一時的に貯めておく貯蔵庫のような部品です。ガソリン車で言い換えると、燃料タンクに該当する部品でもあります。電気自動車に搭載されるバッテリーは、スマートフォンやパソコンにも搭載される「リチウムイオン電池」であり、車種によって容量が大きく異なります。

一般的にバッテリー容量が大きいものほど、航続可能距離が長い傾向があります。電気自動車の航続可能距離が気になる方は、バッテリー容量の大きい車を選ぶことをおすすめします。

コントローラー:電気の形を変換する

コントローラーとは、電気の形を変換する重要部品です。具体的には、バッテリーに充電された電気を交流の電気に変換するインバーターや電圧を調整するコンバーターなどを1つに組み合わせた部品のことです。

ガソリン車の場合、燃料の供給量を調整して駆動力を制御する仕組みですが、電気自動車では、モーターに流す電流を制御することで駆動力である電気を調整している特徴があります。さらに電気自動車は、駆動力の調整がしやすく、加速が滑らかかつスムーズです。

電気自動車(EV)の充電方法の種類と仕組み

電気自動車(EV)の充電方法の種類と仕組み

電気自動車(EV)の充電方法の種類と仕組みを理解している方は、意外と多くはありません。実際に電気自動車を購入しても、充電方法を理解していなければ、すぐに使用できないでしょう。電気自動車の充電方法の種類と仕組みを詳しく解説します。

外部からの充電

電気自動車(EV)の充電方法の種類と仕組みを詳しく解説します。電気自動車の具体的な充電方法は以下の3つです。それぞれの充電方法の種類について詳しく解説します。

  • 普通充電
  • 急速充電
  • 回生充電

普通充電

普通充電とは、一言で説明すると、自宅にあるコンセントを使用して電気自動車に充電する方法です。普通充電の充電には、200Vのコンセントが使用されます。

普通充電による充電時間には、車種によって時間が異なりますが、バッテリー容量40kWhのリーフである日産リーフであれば、3kWの普通充電器で約16時間、6kWの普通充電器で8時間で満充電にできます。

普通充電は、電気自動車を自宅で充電する場合に使用する充電方法ということを覚えておきましょう。

急速充電

急速充電とは、言葉の通り「短期間で急速に充電する方法」です。普通充電と比較して高出力の充電器を使用して電気自動車に充電します。急速充電器は、高速道路のサービスエリアや自動車カーディーラー、公共施設、大型ショッピングモールなどに設置されています。

充電時間の目安は、容量40kWhのバッテリー容量である日産リーフで計算すると、バッテリー容量80%までに約40分の時間が必要です。急速充電の場合、長時間の充電ができず、最長でも1回30分までしか充電できません。満充電する場合には、最低でも2回以上急速充電を使用する必要があります。

回生充電

回生充電とは、減速時にタイヤが駆動する際に生み出される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する充電方法です。運転手がアクセルから足を離すと、新しいエネルギーを生み出す駆動力はなくなりますが、電気自動車が完全に停止するまで運動エネルギーを電気エネルギーに変換できる特徴があります。

回生充電により充電された電気は、駆動力の一部として利用できる仕組みです。回生充電については電気自動車だけでなく、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などにも搭載される充電方法であり、モーターを搭載する全ての車に共通しています。

電気自動車(EV)の仕組みによるメリット

電気自動車(EV)の仕組みによるメリット

電気自動車(EV)の仕組みによるメリットを4つ紹介します。それぞれのメリットを詳しく解説します。

ポイント
  • 電気自動車に所有する際に発生する維持費が安い
  • 車を使用しない時には「非常電源」として活用できる
  • 二酸化炭素(CO2)の排出量を減らせる
  • お得な補助金や減税措置が適用されている

電気自動車に所有する際に発生する維持費が安い

電気自動車の維持費として特に紹介するのが「燃料代の安さ」です。電気自動車の場合、動力源はモーターであり、モーターを動かすには電気を活用します。一般的に燃料代はガソリンよりも電気の方が安く設定されており、同じ走行距離を走る場合でも、電気代はガソリン価格の半分以下の費用まで抑えられるでしょう。

一度の充電だけでも費用が大きく異なるため、年間で計算すると車の維持費は数十万単位も違いが出てきます。実際にトータルのランニングコストを考慮して、ガソリン車から電気自動車に乗り換えるユーザーも中にはいます。

車を使用しない時には「非常電源」として活用できる

電気自動車のモーター内部に充電された電気は、自然災害などで電気の供給ができない環境下において非常電源として活用できるメリットがあります。車種によって非常電源として使用できる期間は異なりますが、一人暮らしであれば6日〜9日、4人世帯では3日〜4日ほど、家庭用電源として活用できるでしょう。

電気自動車の電気を自宅に送るためには「V2H」と呼ばれる変換器が必要になりますが、万が一の災害時に電気が使用できない不安を解消できます。

二酸化炭素(CO2)の排出量を減らせる

電気自動車(EV)は走行中に二酸化炭素を排出しないエコな車です。現状、二酸化炭素の排出による地球温暖化が世界的に問題視されています。その状況下、電気自動車は地球温暖化の対策案として注目されており、数多くの自動車メーカーが高性能バッテリーを搭載した車作りに力を入れている最中です。

電気自動車は、電気を燃料源としており、走行中はタイヤが坂道を駆動する回生エネルギーを電気エネルギーに変換することで充電できる特徴もあり、環境に優しい乗り物といえるでしょう。

お得な補助金や減税措置が適用されている

電気自動車を購入する際には、国や地方自治体のお得な補助金制度、減税措置が適用されているメリットがあります。補助金は地方自治体によって金額が異なりますが、国の補助金と地方自治体の補助金を重複して申請できることも電気自動車を所有する魅力です。

場合によっては、電気自動車を定価以下でお得に購入できるチャンスでもあります。希望する電気自動車にどのような補助金や減税措置が用意されているのかを購入前に確認しておきましょう。

電気自動車(EV)の仕組みについておさらい

電気自動車の仕組みは意外と理解しているようで、実はあまり知られていない知識や部品が搭載されています。電気自動車を購入する前に電気自動車の仕組みを理解しておくことで、購入後に後悔することがあるとしたら、それを最小限に抑えられるでしょう。

特に航続可能距離は、電気自動車に搭載されるバッテリー容量によって大きく異なります。電気自動車の購入を検討している方は、電気自動車を所有するメリットとデメリットを理解した上で購入を前向きに検討してみてください。

この記事の内容を参考にして、是非電気自動車の知識を深めていきましょう。

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