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電気自動車(EV)の主電源であるリチウムイオン電池とその課題
公開日:2024/03/12更新日:2024/01/23
本記事では、リチウムイオン電池がもたらす利点や特徴を中心に、今後のリチウムイオン電池の課題についても考えていきます。
目次
カースモーラちゃんのPICK UP
- リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高い二次電池だよ。
- 小型軽量化や大容量化が容易なので、電気自動車で使われているよ。
- 発火や破裂などを防ぐために厳重な安全対策が必要だよ。
EVに使われているリチウムイオン電池って何?
EVは内燃機関を使用せず、電気モーターで駆動します。このモーターを動かすためには多くの電力が必要で、その電力を供給する主要な源がリチウムイオン電池です。このリチウムイオン電池は 1991年に日本のソニー・エナジー・テックが世界で初めて量産化した二次電池。
従来の鉛蓄電池やニッケル水素電池に比べてエネルギー密度が高いこと、小型で軽いこと、充電サイクル寿命が長いことなどもメリットとして挙げられます。リチウムイオン電池はEVの核心技術であり、その性能とコストがEVの普及と発展に直接影響を与えています。
EVにリチウムイオン電池が搭載されている理由
EVはエンジンを持たず、電気エネルギーを動力源として走行する車なため、大容量の電気エネルギーを蓄える高性能な電池が必要不可欠となります。リチウムイオン電池は、以下の特長によりEVの主要な電源として利用されています。
- 高エネルギー密度:リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を持ち、軽量でありながら多くのエネルギーを蓄えることができるため、EVの航続距離を確保可能。
- 長い寿命:リチウムイオン電池は長いサイクル寿命を持ち、充放電サイクルを繰り返しても劣化しにくいという特性がある。
- 高効率な充放電特性:リチウムイオン電池は高い充放電効率を持ち、急速充電にも対応できるため、EVの充電時間を短縮できる。
これらの特性により、リチウムイオン電池はEVに適したバッテリーとして広く採用されています。
実はEV以外にもさまざまな用途に使用されている
リチウムイオン電池はその高いエネルギー密度と長寿命の特性から、EV以外にも多岐にわたる用途で使用されています。例えば、以下のような用途でも使用されています。
- 携帯電子機器:スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピューターなどの携帯電子機器
- 電動工具:コードレスドリル、ソー、サンダーなどの電動工具
- 医療機器:携帯型の医療機器やインプラント
- 非常用電源:無停電電源装置(UPS)や非常灯などの停電時バックアップ電源
これらの用途に加えて、さまざまな分野で新たな利用方法が模索されています。
リチウムイオン電池には課題も
リチウムイオン電池にはいくつかの大きな課題があります。これらの課題を克服することで、さらなるEVの普及が期待されています。主にどのような課題があるのかご紹介していきましょう。
耐用年数
充電と放電の繰り返しによって劣化すると寿命が短くなります。特に高温や過充電などの厳しい条件下では劣化が進行しやすいため、電池の安全性や性能維持が課題となっています。
高いコスト
リチウムイオン電池の製造にはリチウム、コバルト、ニッケルなどの貴重な金属が使用されていることや、製造プロセスが複雑であることなどから製造コストが高い傾向にあります。
結果としてEVそのものの値段にも影響してしまうため、今後の技術開発や製造工程の効率化によってコストを低減することが期待されています。
環境への影響
リチウムイオン電池の製造には、リチウムやコバルトなどの限られた貴重な資源が必要になりますが、これらの資源を採掘する際や、製造過程での環境負荷や人権問題が懸念されています。
より環境に優しく、持続可能な電池の開発が求められています。
カースモーラちゃんのまとめ
リチウムイオン電池は自動車産業の発展や環境保護への貢献を期待できる存在と言えるけど、その実現に向けた技術革新や資源確保の取り組みが鍵になりそうだね。
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