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現代でも活躍している二次電池の祖、鉛蓄電池って?
公開日:2024/03/14更新日:2024/03/14
安定性、信頼性、経済性に優れた鉛蓄電池は、エネルギー効率と環境持続可能性を追求する現代のEVに、どのように貢献しているのでしょうか?この記事では、EVにおける二次電池の役割を中心に、なぜ鉛蓄電池が今もなお重要な存在であるのか、その理由を探ります。
目次
カースモーラちゃんのPICK UP
- 鉛蓄電池は長い歴史があるよ。
- 初期のEVでは鉛蓄電池が駆動用バッテリーとして使われていたんだ。
- EVではメインバッテリーとしては使われず、鉛蓄電池は補助用バッテリーとして活躍しているよ。
そもそも「二次電池」ってなんだろう?
二次電池とは「充電可能な電池」のことを指します。二次電池は使用して放電した後、外部から電力を供給して再び充電することが可能です。すなわち、何度も繰り返し使用することができて経済的なのです。
これに対して、一次電池(使い捨て電池)は、一度放電すると再充電できないため使い捨てる必要があります。二次電池にはいくつかのタイプがありますが、主なものには以下のようなものがあります。
- 鉛蓄電池:当記事でご紹介する電池です。車のスターターバッテリーや非常用電源、バックアップシステムなどで長年にわたり使用されています。安価で信頼性が高いものの、重く、エネルギー密度が低いのが特徴です。
- リチウムイオン電池:現在、スマートフォンやラップトップを始め、EVなどでも使用されています。高いエネルギー密度と長いサイクル寿命を持ちます。
- ニッケル・カドミウム(NiCd)バッテリー:以前は携帯電話やビデオカメラなどで広く使われていましたが、環境に有害なカドミウムを含むため、現在は使用が減少しています。
- ニッケル・メタルハイドライド(NiMH)バッテリー:NiCdバッテリーよりも環境に優しく、高いエネルギー密度を持つため、一部の電子機器やハイブリッド車で使われています。
実は歴史が深い鉛蓄電池
鉛蓄電池は、1859年にフランスの科学者ガストン・プランテによって発明された歴史ある二次電池技術です。この技術は、鉛シートと希硫酸を用いた電気化学反応によってエネルギーを蓄える仕組みとなっています。
長い寿命、低温環境への強さ、自己放電の少なさ、制御の容易さといったメリットがあり、自動車のエンジン始動や産業用途に広く用いられてきました。
しかし、環境問題への関心の高まりやリチウムイオン電池などの新技術の登場により、鉛蓄電池の使用は減少傾向にあります。鉛のような有害物質の使用は、環境負荷が大きいとされているためです。
それでも、鉛蓄電池は信頼性と安定性に優れているため、非常用電源や太陽光発電システムなど特定の分野では今後も活躍が見込まれています。
鉛蓄電池は、古い技術でありながらも、新しい技術と並行して現代社会に貢献し続けているのです。
現代のEVではどう活躍しているのだろう
かつて自動車において実用的な二次電池といえば、鉛蓄電池が主流でした。現在は、EVの普及に伴い、鉛蓄電池よりもリチウムイオン電池に注目が集まっています。
高いエネルギー密度を持つリチウムイオン電池は、EVの動力源として欠かすことのできない存在です。
一方、鉛蓄電池は、重量とエネルギー密度の低さからEVの主動力源にこそ適していませんが、今もなお、EVの動力システムにおいて重要な役割を担っています。例えば車両の照明、インフォテインメントシステム、デジタルディスプレイ、そのほかの電子機器を動かす補助電源として鉛蓄電池が用いられています。
さらに鉛蓄電池を、バッテリー問題発生時の緊急バックアップ電源として機能させることで、車両の基本的な機能を維持することも可能です。このように、リチウムイオン電池が高エネルギー密度と軽量性でEVの主力となっている一方で、鉛蓄電池もまたEVのシステムに不可欠な部分を担っているのです。
カースモーラちゃんのまとめ
エネルギー密度の向上や性能向上を図る新しい材料の開発、環境負荷の低減が進めばEV業界でより重要な役割を担うことになるのかもしれないよ。進化するEVの中で鉛蓄電池がどのような役割を担っていくのか、今後も注目だね。
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