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電気自動車(EV)が家電製品のように販売される時代がすぐそこに?

電気自動車(EV)の台頭により、自動車販売のあり方も大きく変わりつつあります。

従来、ガソリン車は専門ディーラーや自動車専門店で購入、メンテナンスするのが一般的でした。その理由は車に多くのパーツが使用されており、構造が複雑だったことが挙げられます。

しかし、電子パーツが大部分を占め、構造がシンプルになったEVの登場により自動車が家電製品のように多様な場所で販売される時代が訪れようとしています。この記事では、自動車の「家電製品化」によって起こる販売方法の変化と影響などについて紹介していきます。

目次

  1. EVが家電製品化するってどういうこと?
  2. 大手家電量販店がEVを販売
  3. スーパーマーケットやコンビニがEVとより深く関わるように
カースモーラちゃんのPICK UP
  • 車体の大半が電子パーツで構成されているEVは、今後自動車専門店以外でも購入、メンテナンスができるかもしれないんだって。
  • 家電量販店大手のヤマダホールディングスがEVの発売を推進し始めているんだ。
  • イトーヨーカドーやイオンなど、スーパーマーケットやコンビニでもEV充電器の設置が進んでいるよ。

EVが家電製品化するってどういうこと?

EVが家電製品化するってどういうこと?

これまでガソリン車の購入やメンテナンスは、自動車専門店で行うことが一般的でしたが、EVの普及によりこの慣習が変わる可能性があります。車体の多くが電子パーツで構成されているEVにおいては、従来の自動車販売のルールに縛られない新しい形の販売形式が誕生しつつあるためです。


では、EVの普及は具体的にどのような変化をもたらしているのでしょうか。

「HEMS」と「V2H」により車が「移動する家電」に

政府はHEMS(Home Energy Management System)を将来の住宅標準装備と考えており、2030年までにすべての住宅にHEMSを導入することを目標としています。


HEMSは、家庭での電気やガスの使用をリアルタイムで管理することで、節電や二酸化炭素(CO2)排出の削減に寄与するシステムのこと。家電や


そのほかの電気設備と連携し、使用量を可視化し、自動制御する機能が搭載されています。このHEMSをEVと連携させることで、EVの電力を家庭でも使用できるようになるのです。


EVに保有している蓄電池の電力を家庭内でも利用できるようにするシステムであるV2H(Vehicle to Home)と連携することで、EVを蓄電池として活用することが可能になります。電気料金の節約に加え、停電時のバックアップ用電源としての活躍も期待できるでしょう。


このように、EVは単なる移動手段ではなく、家庭のエネルギーシステムと連携する「スマートデバイス」として機能することで、将来的には「移動する家電」としての役割を担うかもしれません。

家電量販店でEVを購入できる

自動車が家電製品のように扱われるようになれば、その販売方法も大きく変わっていくかもしれません。特にEVの場合、その構造のシンプルさに加え、多くの機能のデジタル化により、従来の自動車販売店以外の場所でも販売が活発化する可能性があります。


後述する例ですが、ヤマダ電機のような大手家電量販店がEVの販売に乗り出したことは、自動車の家電化を象徴する出来事と言えるでしょう。基本的な機能、安全性に関する知識などが一定基準を満たしている販売員が対応することが前提ではあるものの、自動車に関する専門知識を持たなくても顧客の購入を支援できるはずです。



自動車専門店以外でもEVのメンテナンスや修理ができるようになる?

EVは電子パーツの塊であり、その操作や更新の多くがソフトウェアによって制御されています。そのため、メンテナンスや修理もディーラーや修理工場ではなく、ソフトウェアの更新によって解決される時代が訪れるかもしれません。


家電製品を例に挙げてみましょう。かつての家電製品は故障することが多く、地元の電器店が修理や相談のパートナーとしての役割を果たしていた時代がありました。


しかし現代の家電は品質が向上したことで、昔と比べて設計寿命内での故障も減少しています。こうした品質の変化により、家電量販店が消費者にとっての主要な購入先となり、地元の電器店は減少の一途を辿っているのです。


この構図と同様の変化が、自動車業界でも発生するかもしれません。EVは構造がシンプルであることから、故障の可能性が低く、従来の自動車とは異なる販売方法やサービスモデルの提供が可能となっています。


というのも、EVの部品はガソリン車と比較するとパーツ点数が約半分から3分の2程度と、部品数が大幅に減少していることもその理由として挙げられます。


自動車の購入やメンテナンスに関しても、家電量販店のような新しい形態の店舗が重要な役割を担うようになるかもしれません。

大手家電量販店がEVを販売

大手家電量販店がEVを販売

自動車が家電製品としての性格を帯びる中、販売チャネルでも変化も起きています。特に注目されているのは、大手家電量販店「ヤマダ電機」を展開するヤマダホールディングスが三菱自動車のEVを販売する動きです。


ヤマダホールディングスは、EVを「新しい家電」と位置づけ、太陽光発電や住宅と組み合わせた独自の販売戦略を展開しています。最初に首都圏の「ヤマダ電機」5店舗で、軽EV「eKクロスEV」と商用タイプの軽EV「ミニキャブ・ミーブ」を法人向けに販売開始し、2023年秋までに販売店舗を11店舗に拡大する計画を掲げていました。


EVを販売する店舗では、修理や車検サービスも提供され、家電製品のように店頭での値引き販売も行われる予定です。


また、価格面でも多くの工夫を凝らしています。メーカーからの販売奨励金を活用しての値引き、保証サービス、ローン、自動車保険などを提供することで、コスト面での競争力を高めています。


今後は「スマートハウス」をパッケージ商品として展開し、住宅購入者にEVを提供する施策も推進していくようです。


このヤマダと三菱自動車にとっての取り組み、実は二度目の協業でもあります。2010年には量産EV「i-MiEV」の販売を行いましたが、当時は消費者のEVに対する関心が低かったこともあり、短期間で終了してしまいました。


今回の再挑戦がどのような成果をもたらすか、大きな注目を集めています。



スーパーマーケットやコンビニがEVとより深く関わるように

スーパーマーケットやコンビニがEVとより深く関わるように

現在、EV充電器を設置するスーパーやコンビニの数が徐々に増えてきています。


例えば、大型ショッピングセンターとして全国的に有名なイトーヨーカドーやイオンモールでもEV充電器の設置拡充を行っています。また、ユニーが運営するアピタやピアゴでは、名古屋市千種区のアピタ千代田橋店に始まり、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)用の充電器を順次設置。


ヨークベニマルも、栃木県宇都宮市の石井店にEV急速充電器を設置、運用を開始しました。さらに、ファミリーマートではテスラのEV用急速充電器「スーパーチャージャー」が次々と展開されています。


こうした流れから、これからもEV充電器を扱うスーパーやコンビニは増加していくと予想されます。EV充電サービス提供に加えて、今後は車の購入やメンテナンスもサービスとして提供される日も近いかもしれません。

カースモーラちゃんのまとめ

ディーラーや自動車専門店でしか購入できなかった自動車だけど、家電量販店で購入できる時代がすぐそこまで来ているんだね。それに、今まではガソリンスタンドでしか車の燃料は補給できなかったけど、すでにたくさんのスーパーやコンビニがEV充電器設置に積極的に乗り出しているみたい。

今後、EVは移動手段ではなくて、生活を支える家電の一つとして認識されていくのかもしれないね。各社がEVとどのように向き合っていくのか、これからの未来が楽しみだね。

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