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家庭用ソーラーパネルで行うEV充電は快適!EV充電するメリット・デメリットも解説

家の中で家電製品に電力を供給するのと同じように、ソーラーパネルを使って電気自動車を充電できます。ただし、身近にEV車に乗っている方も少ないことから、「ソーラーパネルでEV充電するメリットってなに?」と疑問に思う方もいるでしょう。

そこで今回は、家庭用ソーラーパネルでEV充電をしている静岡県浜松市在住のけんごさん(49歳)にメリット・デメリットを聞いてみました。「EV充電ってお得なの?」と気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. ソーラーパネルはいつ取り付けたの?
  2. 家庭用ソーラーパネルでEV充電している使い心地は?
  3. ソーラーパネルでEV充電をするメリット・デメリット
  4. 補助金や助成金を使用する
  5. ソーラーパネルで発電した電力は自家消費するのがおすすめ
  6. まとめ

ソーラーパネルはいつ取り付けたの?

けんごさんは11年前に家を建てた際に、ソーラーパネルを取り付けています。初期費用は、8kW弱で約300万円ほどです。


けんごさんが電気自動車を選んだ理由の1つは、ソーラーパネルがついていたからです。長期的に見ると家庭の電気代を節約できる上、車の維持費も抑えられます。

家庭用ソーラーパネルでEV充電している使い心地は?

家庭用ソーラーパネルでEV充電している使い心地は?

ガソリン代よりも電気代の方が維持費を抑えられる上、簡単に充電できて快適です。上記の画面で充電する時間をタイマーで設定すれば、時間になり次第、自動的に充電してくれます。


けんごさん私は夜の23:00〜朝の7:00に設定しており、通勤などで約15kwの容量が減ったリーフ車を3kWの出力で充電すると、約5時間の充電で満タンになっています。また日中に晴れていれば、太陽の光で充電できて電力代を節約可能です。蓄電池を備えれば日中に太陽光で得た電力を夜間のEV充電に使用でき、さらに電気代を抑えられます。


以下、インタビューの内容をまとめていきます。

ソーラーパネルでEV充電をするメリット・デメリット

ソーラーパネルでEV充電をするメリットとデメリットを紹介します。車の維持費を抑えたい方は、参考にしてください。

メリット

ソーラーパネルでEV充電をするメリットは、下記の3つです。


・車の維持費が安くなる
・環境負担を軽減できる
・EVが災害時の非常用電源(蓄電池)になる


EV充電をすることで車の維持費が安くなります。


たとえば走行距離を年間1万km走った場合の燃料代は、それぞれ下記のとおりです。


・EV車:約1,666kWh×31円=51,646円
・ガソリン車:約666L(カローラ)×165円=109,890円


上記のとおり、EV車はガソリン車に比べて2倍ほど維持費が安くなります。家にソーラーパネルがある方は、EV車をあわせて導入するのがおすすめです。


太陽光発電をすることでCO2を排出せず、環境負担の軽減に貢献できます。世界共通の課題となっている地球温暖化問題の対策として、再生可能エネルギーへの電力シフトがされています。再生可能エネルギーとは、自然界に常に存在するエネルギーのことです。


自然の太陽光で充電できるソーラーパネルとEV車なら、二酸化炭素(CO2)を排出せず、地球温暖化問題の気温上昇や干ばつによる食糧不足などを防げます。


さらにソーラーパネルなら太陽光が出ている間は繰り返し充電して使えるため、災害時の非常用電源にもなります。たとえば台風や地震で停電をした際、車に充電した電気で家庭の冷蔵庫を動かせます。夏の暑い日の停電でも、冷えた飲み物を飲んで熱中症対策ができるでしょう。

デメリット

ソーラーパネルでEV充電をするデメリットは、下記の3つです。


・車を非常用電源にするには「V2H」を購入する必要がある
・ソーラーパネルに初期費用がかかる
・充電時は自宅に電気自動車を長時間置く必要がある


車を非常用電源にするには、「V2H(Vehicle-to-home)」と呼ばれる機器を購入する必要があります。V2Hとは、「車(Vehicle)から家(Home)」を意味し、電気自動車に蓄えられた電力を家庭用に活用するための機器です。


V2Hの導入には、本体価格と設置工事費用がかかります。商品や設置場所にもよりますが、おおよその価格は30万〜40万円ほどです。しかし、電気自動車やV2H関連の補助金を使用することで、初期費用の負担を軽減できます。


またソーラーパネルの導入にも初期費用がかかります。太陽光発電の価格相場は、1kWあたり28万円前後です。


参考:経済産業省「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」


FIT制度のスタートした2012年から20万円程度安くなっているので、導入しやすい環境といえるでしょう。FIT制度とは、再生可能エネルギーによって作られた電気を電気事業者が買い取る、固定価格買取制度(FIT)のことです。電気の買取期間は設置してから10年間で、制度は現在もなお続いています。


また家のソーラーパネルで車を充電するには、長時間置かなければなりません。バッテリー容量30kWのリーフ(日産)を例に紹介すると、バッテリー残量がほぼ0kWの状態から3kW充電した場合、100%(30kW)まで約10時間かかります。


旅行先や長距離移動で家庭充電できない場合、公共の急速充電器を使用すると1kmあたりの維持費がガソリン代に比べて高くなる傾向です。


たとえば、浜松日産自動車(浜北インター店)の急速充電をビジター(契約を結んでいない)で利用した場合、30分で2,970円(税抜)かかります。


参考:浜松日産自動車「浜北インター店」


上記を利用して15kW充電できた場合、1kWあたりの走行距離をEV車の平均6kmで計算すると、1kmあたりの電費は33円です。ガソリンの16円に比べて、維持費は17円高くなります。


公共のEV充電は時間で清算されるので、思った以上に充電ができなければ損してしまうでしょう。


仕事や買い物で街乗りをし、車を最大10時間ほど家に置ける方は、ソーラーパネルとあわせてEV車の導入を検討してみてください。

補助金や助成金を使用する

2024年現在、太陽光発電の補助金は各自治体の事業として支給されています。ただし、すべての自治体が補助金事業を行っているわけではありません。


たとえば、東京23区の補助金事業の例は下記のとおりです。


補助金額
新宿区10万円/kW(上限30万円)
港区20万円/kW(上限80万円)

北区

8万~9.6万円/kW(上限20万~24万円)
中央区20万〜30万円/kW(上限70万〜84万円)

また都道府県だけでなく、市町村でも独自に補助金事業を行っている場合もあります。補助金の利用を考えている方は、自分が住んでいる自治体の公式サイトで補助金情報を確認してみてください。

ソーラーパネルで発電した電力は自家消費するのがおすすめ

現在は発電したすべての電力を、自家消費するのがおすすめです。自家消費とは、自宅に設置した太陽光発電システムで発電した電力を、自分の家庭で消費することです。


太陽光発電した電力は、固定価格買取制度(FIT制度)を利用すると10年間電力会社に売ることができます。ソーラーパネルを導入した11年前は、1kWhあたり42円で売った方がお得でした。


2024年現在、FIT制度の売電価格は16円まで下がっています。


参考:経済産業「買取価格」


発電した電気をFIT制度を利用して売電するよりも、自家消費した方が経済的メリットが大きい傾向です。ソーラーパネルを導入している人またはこれから備えようとしている人は参考にしてください。

まとめ

今回は、家庭用ソーラーパネルでEV充電をしている方にメリット・デメリットを聞いてみました。


まとめると下記のとおりです。


ソーラーパネルでEV充電をするメリット


・車の維持費が安い
・環境負担を軽減できる
・EVが災害時の非常用電源(蓄電池)になる


ソーラーパネルでEV充電をするデメリット


・車を非常用電源にするには「V2H」を購入する必要がある
・ソーラーパネルに初期費用がかかる
・充電時は自宅に電気自動車を長時間置く必要がある


ソーラーパネルとあわせて電気自動車を導入すると、ガソリン車に比べて約2倍も維持費を節約できます。日本は地震や台風などの災害が多い国としても有名なため、万が一の非常用電源になるのも魅力的でしょう。


この記事でEV車が気になる方は、自宅に車を最大10時間ほど置けるのかどうかを考えてみてください。

著者プロフィール

【堀川 嵩矢】静岡県浜松市在住のフリーランスライター。車と新しいものが好きなことから始まった電気自動車サイトでの執筆は、体験系やインタビュー系などと多岐に渡ります。車に関する記事は、4社の企業さまから継続案件をいただき活動しています。車のライト専門記事が多いものの、さまざまな面から電気自動車を勉強中。今後の目標は、ユーザーのEVへの新たな課題や悩みに寄り添いながら、不安を解消していくことです!

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