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ホンダ電気自動車(EV)ラインナップ|今後発売予定の最新モデル情報
公開日:2024/06/25更新日:2024/06/25
目次
日本国内で発売されているホンダの電気自動車(EV)
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中国市場を中心として、海外では積極的に電気自動車を展開しているホンダですが、2024年5月現在の日本市場ではたった1車種のみ、それも既に生産を終えていますが、まだ販売は続いてるその1車種を紹介しましょう。
軽EV「Honda e」は2024年1月に生産終了
2024年5月現在、日本で販売が続けられているホンダの電気自動車はこの「ホンダ e(イー)」1台のみ、それも2024年1月に生産を終えて在庫販売のみとなっていますが、なかなか販売終了となっていません。
2022年9月の発売当時は親しみやすいデザインや、駆動レイアウトの自由度が高い電気自動車のメリットを活かした後輪駆動と、それにより前輪の切れ角が大きくなって小回り性能が良好なことを称賛するインプレッション記事が出たものの、そこまでです。
WLTCモード一充電走行距離259kmはあくまでヨーロッパなどで都市部~近郊向けシティコミューターを想定したもので、充電インフラが未発達の日本では長距離用途には短すぎ、近距離用途にが大きすぎ、定員4人は実用性も限られます。
中央の12.3インチ2枚を含む5枚のディスプレイを水平配置し、両端はサイドミラー代わりのカメラ映像を映し出す「ワイドスクリーン Honda CONNECT ディスプレー」など先進性は認められつつも、ついに人気車種とはなりませんでした。
初代シビックを思わせる台形デザインの現代版と言えるスタイルには、実用的な性能さえ伴えばヒットする要素すらありえただけに、日本向けとしては中途半端になってしまったことが惜しまれます。
メーカー | ホンダ(HONDA) |
車種 | ホンダ e |
モデル・グレード | ■Advance |
全長×全幅×全高 | 3,895×1,750×1,510mm |
車両重量 | 1,540kg |
乗車定員 | 4人 |
最小回転半径 | 4.3m |
駆動方式 | RWD |
電力消費率 (WLTCモード) | 138Wh/km |
一充電走行距離 (WLTCモード) | 259km |
総電力量 | 35.5kWh |
最高出力 | 113kW(154ps) |
最大トルク | 315N・m(32.1kgf・m) |
価格(税込) | 495万円 |
公式サイト |
2024年秋に軽バンEV「N-VAN e」が発売予定
ホンダ eについては不完全燃焼となったホンダですが、同社の日本における電気自動車の展開はむしろこれからが本番で、2024年秋には軽商用車「N-VAN」の電気自動車版である「N-VAN e:」が発売予定で、5月に予約開始、6月に詳細が公開というスケジュール。
本来なら2024年春に発売予定のところ、バッテリーなど一部の部品で供給が間に合わないため延期されている同車ですが、2023年6月からヤマト運輸の集配用に使われて実証実験が進んでおり、N-VAN自体も人気のある車種のため、ユーザーからは期待されています。
ただし、ホンダはこれまでの電気自動車販売、充電器の設置といった「電気自動車普及への貢献度」が足りないとみなされてCEV補助金も満額が出ない状況のため、補助金こみでも日産 サクラや三菱 eKクロスEVのように軽自動車の満額(55万円)が出るかは不明です。
それでも、商用ナンバーとはいえスーパーハイトワゴンタイプのBEVは日本初となることから、うまくいけばホンダの日本国内向け電気自動車にとっていい起爆剤になるかもしれません。
ホンダの電気自動車(EV)ラインナップ(※2024年5月時点)
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日本ではまだまだこれからというホンダの電気自動車(EV)ですが、海外では積極的な展開が見られることもあり、以下に中国やヨーロッパ、北米で展開中、あるいはこれから展開するラインナップを紹介しましょう。
e:Nシリーズ(中国、欧州)
2022年に中国で発売後、中国で生産しヨーロッパにも輸出しているのが「e:N」シリーズで、第1弾はコンパクトSUVのヴェゼルの電気自動車版を中国の合弁企業で生産・販売したe:NS1(東風ホンダ)とe:NP1(広汽ホンダ)、ヨーロッパ版のe:Ny1など。
第2弾としてより大型のe:NP2が2024年4月に東風ホンダから発売され、同6月には広汽ホンダからもe:NP2が発売予定となっています。
中国向けでは、さらにYeシリーズとしてYe P7(広汽ホンダ)とYe S7(東風ホンダ)が2024年に発売予定となっていて、ワイド&ローの4ドアクーペ的なYe GTコンセプトも発表されていますが、今のところは全車SUVです。
PROLOGUE/Acura ZDX(北米)
日本車メーカーとしては独立独歩のようでいて、近年はさまざまな提携を進めているホンダですが、北米ではGMと提携した共同開発車、ホンダ プロローグとアキュラ ZDXを2024年3月に発売しました。
基本的にはGMが「シボレー」や「キャデラック」ブランドで採用している電気自動車向けプラットフォームやバッテリーを採用し、ホンダで内外装のデザインや味付けなどを行ってGMの工場で生産するため、純然たるホンダ車というわけではありません。
しかし、これからのホンダが最先端の電気自動車メーカーへ転換していくためには、このような提携や「ホンダ以外で生産されたホンダ車」が不可欠でもあり、プロローグ/ZDXが成功するかどうかが、新時代のホンダにとってはカギとなるでしょう。
2026年にホンダ新型EV「Honda 0シリーズ」が発売予定
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中国や北米で「新時代のホンダ」をスタートさせているホンダですが、さらにグローバル展開する新型EVとして、2026年から北米市場を皮切りにスタートする予定の「Honda 0シリーズ(ゼロシリーズ)」があります。
次世代のホンダにとって新たな起点を意味する「ゼロ」
2024年1月にアメリカのラスベガスで開催されたCES2024で最初の0(ゼロ)シリーズコンセプト、「SALOON(サルーン)」、「SPACE-HUB(スペース ハブ)」を公開、いかにもショーモデル的な姿からは、現実感が希薄にも思えます。
ただ、「ゼロ」の意味としてホンダが常々かかげてきた「M・M(マン-マキシマム・メカ-ミニマム)思想」、すなわち乗車スペースの最大化による快適性や実用性の追求や、「操る喜び」、「自由な移動の喜び」といった走りの追求を体現したのが、この2台です。
これまでホンダが大切にしてきた、そしてこれからも変わらない思いの原点に立ち返るという意味での「ゼロ」であり、次世代のホンダにとって新たな起点になります。
「ゼロ」から創造していく新たな価値
CMでも流れるため、英語を解さずとも自然と耳に入っている人も多いであろう、「The Power of Dreams — How we move you.」というホンダのグローバルスローガン。
常に「夢」を動機として、「ゼロ」からの新たな、そして独創的な発想で、新価値を創造していき、ユーザーへも新たな起点を提供することで、人を、そして心を動かしていこうというホンダの決意をも、「ゼロ」シリーズにはこめられています。
2026年からグローバル展開する「ゼロ」は、ホンダにとって原点であると同時に、新たな価値への再出発でもあるのです。
社会に向けた取り組みで達成すべき「ゼロ」へ
まだ2台のショーモデルが発表されたのみで、具体的にどのような市販車が登場するのか、単なるデザインスタディに過ぎぬのか、あるいはほぼこのままの姿で発売されて革命を起こそうというのか、ホンダ自身を取り巻く全てに哲学的な解釈を要求する「ゼロ」。
しかし目指すべきものは明確で、ホンダの企業活動を含めたライフサイクルにおける「環境負荷をゼロ」、そして2輪・4輪を問わずホンダが関与するモビリティにおいて、「交通事故による死者ゼロ」を達成するという、社会に向けた取り組みです。
新たな取り組みというよりは、ホンダがこれまで目指し続けてきたものを、一度「ゼロ」に戻って再出発するのが「Honda 0(ゼロ)シリーズの本質」であり、市販車が具体的にどのような形やスペックになるのかは、些細な話なのでしょう。
今後発売されるホンダの電気自動車(EV)に注目!
ホンダでは他にもソニーとの合弁会社SHM(ソニー・ホンダモビリティ)で付加価値の高い電気自動車(EV)を開発するプロジェクトを進めるなど、積極的な提携、合弁を進めつつもホンダらしさを失わない発展に向け、努力されています。
自転車用補助エンジンに始まり、4輪でも2輪でもさまざまな革新を起こしてきたホンダですが、新たな血を入れつつも原点を忘れないことで、どんな「新時代のホンダ車」が生まれるのか、その答えとして今後のホンダが発売していく電気自動車に、注目です。
このブランドについて
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HONDA
ホンダ
現存する日本の主要自動車メーカーでは1960年代に最後発で四輪へ進出、大手の傘下に入ることもなく独立独歩で成長したホンダ。初期のスポーツカー「S」シリーズやF1参戦でスポーツイメージが強い一方、初代シビックの成功や、可変バルブ機構を採用した高性能なVTECエンジンで実用的かつスポーティな大衆車メーカーとして発展、1990年代にはミニバンのオデッセイやステップワゴン、SUVのCR-Vをヒットさせ、2010年代には軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」の大成功で軽自動車ブームの中心になっています。先進技術の開発にも熱心で、ハイブリッドカーやBEVなど電動化、運転支援システムの実用化にも積極的。