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電気自動車のミニバンはいつ日本で発売される?最新情報をお届け

急増中のSUVを筆頭に、電気自動車(EV)にはハッチバック、セダン、ステーションワゴンとさまざまな新型車が登場していますが、一時はミニバン王国だった日本で電動ミニバンの新型車が具体的にいつ登場するかの情報がありません。意外な話ですが、既に海外では登場しているミニバン電気自動車の最新情報をお届けします。

目次

  1. 電気自動車のミニバンはいつ日本で発売される?
  2. 欧州などの海外では電気自動車のミニバンが発売されている
  3. なぜ日本では電気自動車のミニバンの発売が遅れている?
  4. 国内自動車メーカーの電気自動車のミニバン最新情報
  5. 電気自動車のミニバン発売がいつか期待される

電気自動車のミニバンはいつ日本で発売される?

電気自動車のミニバンはいつ日本で発売される?

日本ではハイブリッド車なら比較的早めにミニバンが登場しましたし、経済性が重視される車種でもありますから、もう電気自動車版の1台や2台発売されてもよさそうですが、まだそういう話はありません。いつ頃日本でも発売されるのでしょうか?

2024年3月時点では電気自動車のミニバンは発売されていない

2024年3月現在、日本では国産車メーカーだと、トヨタ、日産、ホンダ、三菱がミニバンを販売していますし、輸入車でもメルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン、プジョー、フィアットなどが販売していますが、まだ「ミニバンの電気自動車」は発売されていません。


中には既に海外でミニバンの電気自動車を発売しているメーカーもあり、むしろ日本勢は出遅れているほどですが、実際のところ、国産車で新型として準備されていたり、輸入車でも正規輸入販売が間近だったりするのでしょうか?

日本でも各自動車メーカーより電気自動車のミニバンが発表

実を言うと、日本でも電気自動車で初のミニバンは2014年10月に発売されていました。


それも国産でこそなくスペインからの輸入車ですが、レッキとした日本車メーカーの電気自動車ミニバンで、その名も「e-NV200ワゴン」、2列5名乗りワゴンと3列7名乗りミニバンの2種類で、ミニバン仕様の価格帯はおおむね480万円前後。


キャブオーバー商用車NV200の電気自動車版で、ベース車同様ミニバンの設定もあったのですが、高価すぎて販売不振だったか、2019年10月で販売を終えています。


その後もジャパンモビリティショー2023で、日産がエルグランド後継となりそうな「ハイパーツアラー」、三菱がデリカD:5後継としてPHEVながら「D:X Concept」と、電気自動車が得意な2社から電動ミニバンのコンセプトを発表。


トヨタもヨーロッパでは既にプジョー パートナーのOEM供給を受けて、ミニバン電気自動車仕様の「プロエースシティ・バーソ・エレクトリック」を販売中のほか、2022年3月にはインドネシアのモーターショーで「イノーバEV」を発表済みです。

欧州などの海外では電気自動車のミニバンが発売されている

欧州などの海外では電気自動車のミニバンが発売されている

環境負荷の低いハイブリッド車や高効率エンジンで出遅れ、クリーンディーゼルもフォルクスワーゲンのディーゼルゲート事件で将来性を絶たれた形の欧州では、急激な電気自動車への転換が進んでいます。


決まった距離しか走らず、乗用車より電気自動車化が容易で歓迎される小口のルート配送用商用バンなどもその急先鋒で、商用車に電気自動車版が設定されるなら、乗用ワゴン/ミニバン仕様も電気自動車化されるのは当たり前。


ミニバン以外にも3列シートのSUVやMPVの類で電気自動車が普通にありますし、電動3列シート車の開発・販売実績で欧州や中国が先進国です。

なぜ日本では電気自動車のミニバンの発売が遅れている?

なぜ日本では電気自動車のミニバンの発売が遅れている?

2014〜2019年に日産 e-NV200ワゴン(3列7人乗り)を販売して以降の日本で、なぜミニバンの電気自動車が販売されなかったかといえば、理由はいくつか考えられます。


  • 経済性が重視される多人数乗車カテゴリーなのに高価なため、補助金が増額されるまで見向きもされなかった。
  • 人気カテゴリーでリセールバリューも高いミニバンなのに、バッテリーの劣化を懸念されてリセールバリューが低め推移。
  • 充電設備の設置補助金が車両本体ほど充実しておらず、特に国からは皆無、地方自治体ですら補助金が出ない地域では、導入費用がさらに割高となる。
  • 元から車重が重い車種へ大容量バッテリーを積むと、車重が簡単に2t、3tを超えてしまい、利用できない駐車場や通れない橋が出てくる。

これらの理由から、国産はもとより輸入車の正規販売すらなかなか実現していませんが、補助金の増額やバッテリー技術の進化、電気自動車専用プラットフォームの開発で、今後は増えるかもしれません。

国内自動車メーカーの電気自動車のミニバン最新情報

国内自動車メーカーの電気自動車のミニバン最新情報

それでは国内自動車メーカーは、電気自動車のミニバンを2024年3月現在でどのような扱いとしているのでしょうか。


日本では新車販売の予告すら皆無ですが、ユーザーの反応を見ようという動きなら皆無ではありません。

「ハイパーツアラー」を発表した日産

2023年10月にジャパンモビリティショー2023でミニバン型電気自動車のコンセプトカー、「ハイパーツアラー」を発表した日産ですが、同社は2010年発売の大型ミニバン、3代目エルグランドを細々と販売している状況で、トヨタのライバル車に全く対抗できていません。


そこでハイパーツアラーもハリボテなのが明らかな姿からも、どちらかといえば「次期エルグランドのデザインスタディ」と考えられており、実際に販売されるとしても、まずはエクストレイルのようなVCターボ搭載e-POWER車、というのが現実的でしょう。


日産では同コンセプトで全固体電池によるパッケージング革新もアナウンスしており、2028年度に登場すると同社が発表した、全固体電池を積む新型電気自動車として、「ハイパーツアラー」の市販型が日産として久々の電気自動車ミニバンとなるかもしれません。

三菱 D:X ConceptにBEV版はあるか?

見た瞬間に一目でわかる、「デリカD:5後継車」で、三菱のデリカらしくミニバンとSUVを融合し、さらに三菱お得意のPHEVとして仕上げられた、「D:X Concept」は、ジャパンモビリティーショー2023で発表されたコンセプトカーです。


BEVとして発表されていないため、「電気自動車のミニバン」ではないかもしれませんが、今の三菱はルノー日産アライアンスの一因ですし、軽自動車と同じようにデリカD:5とエルグランドの後継車を共同開発する話もあります。


デリカD:5は屈強なボディ構造のSUVミニバン、エルグランドは都市向けハイウェイスターとコンセプトは全く異なりますが、「D:X Concept」の広々とした車内空間は日産のコンセプトカー、ハイパーツアラー同様に全固体電池によるパッケージ革新が不可欠です。


あるいは電動4WDのe-4ORCEや全固体電池を日産といったパワートレーンを日産と共通化した、BEV版があるのかもしれません。

EVの可能性もあるトヨタ車体のX-VANコンセプト

多数のグループ企業を抱えるトヨタですが、同社に代わってトヨタグループ各社からも電気自動車ミニバンにつながる魅力的な提案が行われています。


トヨタ車体が海外向けハイエースのBEVコンセプト(これも将来、次期グランエースEVとして国内販売の可能性は否定できない)とともに展示した「X-VAN GEAR CONCEPT」も典型的な例で、まだパワーユニットすら市場の反応を見て決めるという段階です。


しかし、機械式4WDでは実現が難しそうな、車体サイズの割に広大と言ってよい低床フラットフロアのキャビンなど、床下に薄く敷き詰めたバッテリーで燃料タンクが不要な電気自動車向き。


数年後にトヨタのミニバン電気自動車として市販される可能性は、大いにありえるでしょう。

KAYOIBAKOで多様なニーズに応えたいトヨタ

トヨタは傘下グループ企業のほか、自身でも多用途の1BOXタイプモビリティ「KAYOIBAKO」をジャパンモビリティショー2023で発表しています。


全長4m足らず(3.99m)のボディはコンパクト過ぎるようにも思えますが、かつてはダイハツ アトレー7など軽1BOXベースの3列シート7人乗りミニバンが存在したと思えば、床下バッテリーで低床フラットフロアが容易な電気自動車なら、もっと広くて便利になります。


KAYOIBAKOそのものは、ビジネスからプライベートまでユーザーの好みに応じたパッケージをこれ1台で、という提案であり、3列シートミニバンがあったとしても数あるコンセプトの1つに過ぎません。


しかし、反響次第で市販型へ発展する際には商用バンとミニバンの2本立てとなるかもしれず、コンパクトで扱いやすいサイズからも人気が出そうです。

ホンダはゼロシリーズで「スペースハブ」を創造

2024年1月に米ラスベガスで開催された「CES2024」で、「ゼロから全く新しいEVを創造する」という「ホンダ 0(ゼロ) シリーズ」EV2車種を発表したのは、ホンダ。


そのうち3列シート7人乗りミニバンが「SPACE HUB(スペースハブ)」で、継ぎ目の少ないシームレスなデザインや、ボディ後端を覆うように巨大な楕円形テールランプが特徴ですが、スライドドアを備えた低床フラット&広大なキャビンは電気自動車ならでは。


あくまで市場の反応を見るためのスタディモデルであり、将来的にどの程度まで新型車に反映されるかはわかりませんが、ルーフの低いスポーティなミニバンとなると、3代目から4代目のオデッセイを思い出させます。


生産可能な国内工場の閉鎖で中国製となった現行の5代目オデッセイ後継として、スペースハブの市販型が実現すると、ハイルーフミニバンに飽きたユーザーに歓迎されそうです。

電気自動車のミニバン発売がいつか期待される

今まで日本で、特に国産メーカーのミニバンが日産 e-NV200ワゴン以来発売されなかったのは、2010年代当時の技術だと「やたらと高い割にエンジン車とパッケージが変わらず、購入する意味が無い」ということだったと思います。


ならばいつならいいかと言うと、専用プラットフォームに高密度で劣化しにくい全固体電池を搭載、パッケージング革命が起こる2020年代後半も末頃なら、「高くてもこれはいい」とユーザーをうならせる、電気自動車のミニバンが発売されるのを期待してよいでしょう。

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