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電気自動車(EV)の維持費が安いって本当?ガソリン車との比較を交えて解説

環境にやさしいことや、維持費の安さなどの理由から注目を集めている電気自動車(EV)。

EVは、ガソリン車と比較して安価な電気を利用して走行します。

充電費用だけでなく、「エコカー減税」や「グリーン化特例」をはじめとした税金面で優遇されているのも特徴です。また、走行にエンジンを必要としないため、メンテナンス費用に関してもガソリン車と比べて安いと言われています。

登場して間もない頃と比較すると選択肢が増えたことから、EVに乗り換えようと検討している方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではEVの購入費から走行に関連する費用、保険や税金、充電ポートの設置費用まで、EVの維持費について解説します。

目次

  1. そもそもEVの維持費はどのくらい?
  2. ガソリン車との違いは?
  3. EVの購入費はどのくらい?
カースモーラちゃんポイント
  • ガソリン車と比べるとEVの維持費は安いと言われているよ。
  • 環境にやさしいEVは税金面でも優遇されているんだ。
  • エンジンがないからメンテナンス費用も安いんだね。

そもそもEVの維持費はどのくらい?

そもそもEVの維持費はどのくらい?

EVの維持費は大きく分けて、充電費用、走行に関する費用、税金、保険料の四つです。

充電費用

EVはガソリンを燃料に走行するガソリン車とは異なり、EVが走行するにあたって必要なのがEVを充電するための電気代です。


そして、充電費用に関しては通常の充電か急速充電か、自宅か外かなどの条件によって異なります。


自宅で充電する際の料金は満充電まででおよそ数百円から2,000円程度。安価ではあるものの、多くの家庭用充電器は急速充電に対応していないため、満充電までに時間がかかってしまうのが特徴です。


一方で、外充電の場合は出力が大きく、急速充電に対応した充電器もあることから、家庭で充電するよりも短時間での充電が可能です。しかし、外充電の場合はサービスごとに異なる月会費に加えて、充電毎に料金が発生します。一般的に通常の充電と比べて、急速充電の料金は割高に設定されています。


どちらも充電時間単位で料金が発生し、料金もサービスごとに異なるため、事前の確認が大切です。

メンテナンスにかかる費用

ガソリン車と同じく、EVにも車検や法定点検、消耗品などのメンテナンス費用がかかります。


しかし、EVは電気モーターを利用して走行するため、ガソリン車と比較すると消耗する部品が少ないのが特徴。そもそもEVの場合は、走行にエンジンを利用しないため、エンジンオイルやオイルフィルターの交換が不要です。


さらに、減速時にモーターを利用する回生ブレーキを利用するため、ブレーキパッドの減りが少ないのもポイント。


EVはガソリン車と比較して、基本的なメンテナンス費用は安く済むと言えるでしょう。

税金

EVはガソリン車と比較して、税金面でも優遇されています。


自動車の維持にかかる税金は主に「自動車重量税」と「自動車税」の二つです。


EVの自動車重量税は、2026年4月30日新規登録分まで「エコカー減税」が適用されるのがポイント。自動車重量税が新車登録時の車検に加えて、初回車検時にも免除されます。


2回目以降の車検時にかかる自動車重量税に関しても、ガソリン車と比べて安くなるのが特徴です。さらに、EVは排気量に対して支払う税金の金額が変動する自動車税でも優遇されています。


通常、排気量がゼロのEVが支払うべき自動車税は、最安の2万5,000円です。しかし、2026年3月31日までは、グリーン化特例によって新車登録年度と翌年度分のEVの自動車税はおよそ75%軽減され、本来の2万5,000円から6,500円となります。

保険料

EVの保険に関してはガソリン車と同じく、加入義務のある自賠責保険と、任意保険の2種類があります。


任意保険への加入は義務付けられてはいないものの、万が一に備えて加入しておくべき保険です。任意保険の費用に関しては、ガソリン車と比較してEVの車両価格が高いこともあり、高くなることがあります。


しかし、加入する保険会社がエコカー割やEV割などのキャンペーンを実施している場合もあるため、一概にEVの方が加入費用が高いとは言えないでしょう。

ガソリン車との違いは?

ガソリン車との違いは?

EVとガソリン車の大きな違いは、走行に必要な燃料です。


ガソリン車がkm /Lあたりの燃料消費率を「燃費」と言うのに対して、電気自動車はkm/kWhあたりの電力消費率「電費」と言います。


自動車の年間走行距離の平均、1万kmで比較してみましょう。


燃費が19km/Lのガソリン車の場合は、ガソリン価格170円/Lとすると8万9,000円程度です。一方で電費6km/kWhのEVの場合は、電気代31円/kWhとすると5万1,000円程度。年間でおよそ4万円もの差があります。


そして、EVは走行にエンジンを利用しません。そのため、メンテナンス費用も安くおさえられるのがポイント。モーターを利用して走行するEVでは、ガソリン車を維持するのに欠かせないエンジンオイルやオイルフィルターを交換する必要がありません。


また、減速時にモーターを利用する回生ブレーキを利用するため、ブレーキパッドの減りも少ないのが特徴です。

EVの購入費はどのくらい?

EVの購入費はどのくらい?

EVはガソリン車と比べると車両価格が高いのが特徴です。


EVの平均価格はおよそ300〜600万円、軽EVはおよそ200万円。ガソリン車の平均価格はおよそ100〜300万円と比較すると、非常に高額なのがおわかりいただけるかと思います。


そして、EVの車両価格を高額にしている最大の原因は、「リチウムイオンバッテリー」と呼ばれるバッテリーです。リチウムやニッケル、コバルトをはじめとしたさまざまなレアメタルが使用されているため、その生産コストは高額です。そのため、バッテリー容量が増えると、同車種でも車両価格に100万円以上の差が生まれることも…しかし、充放電を繰り返しても容量の低下が少ないことや、高電流・高電圧などの特徴を持つ、EVになくてはならない存在なのです。


さらに、EVを購入するにあたって、忘れてはならないのが充電ポートの問題。自宅で充電するためには充電設備を用意しなくてはいけません。充電自体の料金は安いものの、充電ポートの設置にかかる費用はおよそ10万円からと高額です。


このように高額なEVですが、CEV(クリーンエネルギー車)補助金をはじめとした、購入を補助する制度があるのもポイント。CHV補助金とは、EV FCV PHVをはじめとしたCHVに該当する車の購入費用を補助するための制度です。対象者の購入に対して、上限85万円の補助金が受け取れます。他にも、自治体の支援制度などを利用することで、購入費用をおさえることが可能です。


EVの購入を検討する際は、事前に補助金等の制度を確認し、積極的に利用しましょう。

カースモーラちゃんまとめ

ガソリン車と比べて、EVは維持費がとっても安いんだね。

エンジンを使わないからメンテナンス費用がおさえられるのはもちろん、エコカー減税やグリーン化特例で税金面でもお得だよ。ただし、EVのリチウムイオンバッテリーには、色々なレアメタルが使われているから車両価格は高額みたい。

EVの購入を検討する時は、事前にCEV補助金や自治体の支援制度を調べてみよう。

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