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電気自動車の充電時間は?普通充電・急速充電の時間・料金目安
公開日:2024/01/31更新日:2024/05/13
各自動車メーカーがガソリン車から電気自動車にシフトしている現在、車の充電時間を詳しく知りたいというニーズが高まっています。
そこでこの記事では、電気自動車の充電時間について、普通充電と急速充電に分けて解説します。電気自動車の充電時間が気になる方は、是非参考にしてください
目次
電気自動車の充電時間はどのくらい?
電気自動車の充電時間について、普通充電と急速充電に分けて解説します。下記内容では、各充電方法にかかる充電時間のほか、充電時間を計算する方法についても紹介しています。
電気自動車の充電時間の基本的な計算方法
電気自動車の充電時間は以下の計算式で求められます。
充電時間(h)=充電量(kWh)÷充電器の出力(kW)
上記計算式の中で「充電量」とは、各メーカーが販売する電気自動車に搭載される「バッテリー容量」のことを言います。「充電器の出力」とは、普通充電器、EV急速充電器、コンセントごとの性能を表すものです。他にも、電気自動車に搭載されるバッテリーの性能によっても満充電できる電力量が異なるため注意が必要です。
普通充電・急速充電の違いと時間目安
普通充電と急速充電によって満充電するまでの時間が異なります。まず、普通充電は、3〜6kWの出力を活用して電気自動車に充電する方法です。普通充電は、自宅で充電する際に使用される充電方法であり、40kWh÷3kWで約13時間、60kWh÷3kWで約20時間の充電時間が必要です。
コンビニエンスストアなどで利用できる普通充電スタンドも6kWほどの出力であり、自宅充電と比べると、満充電になるまでの必要な時間は半分ほどでしょう。
一方急速充電は、普通充電よりも出力が高く、普通充電と比べて満充電までに必要な時間を短縮できます。急速充電によって出力が異なりますが、おおよそ50〜90kWほどの数値でしょう。充電時間は、40kWh÷20kWで約2時間、40kWh÷50kWで約50分ほどの時間です。
必ずしも満充電が正解ではない
ガソリン車の場合、燃料を満タンにしておくことで心のゆとりや安心感を得る方が中にはいます。しかし、電気自動車の場合、必ずしも満充電が正解とは限りません。リチウムイオン電池の種類によっては、満充電のまま長時間放置することで電池劣化の原因になるケースも考えられます。
リチウムイオン電池の劣化を考慮して、充電量は「80〜90%」ほどに抑えておくのがおすすめです。長距離ドライブを行う際には、ロングドライブに備えて可能な範囲、満充電にしておくと良いでしょう。
電気自動車の普通充電にかかる時間の目安
電気自動車の普通充電にかかる時間の目安を、日産リース・サクラ・アリアを例に解説します。普通充電に必要な時間を把握することで、電気自動車を所有後のイメージが今以上に想像できるでしょう。
例:日産リーフ・サクラ・アリアの普通充電にかかる時間の目安
日産リーフ・サクラ・アリアの普通充電にかかる目安時間を以下にまとめました。日産リーフのバッテリー容量は40kWh、サクラは20kWh、アリアは66kWh、自宅充電3kwで満充電時間を計算しています。
車種 | バッテリー容量 | 出力 | 充電時間 |
---|---|---|---|
リーフ | 20kWh | 3kW | 約6時間 |
サクラ | 40kWh | 3kW | 約13時間 |
アリア | 60kWh | 3kW | 約22時間 |
自宅で日産の電気自動車を満充電にする場合、バッテリー容量が大きい車種ほど満充電に必要な時間が必要であることが分かります。
とくに日産アリアの場合、バッテリー容量が66kWあり、3kWの自宅充電では約22時間と満充電にするまでに約1日かかるでしょう。
普通充電にかかる電気料金の目安
普通充電に必要な電気料金の目安を、以下で解説します。車を使用しない時間帯で自宅で充電できることに利便性を感じる方も中にはいますが、実際に満充電にかかる費用がどのくらい発生するのかを理解しておくことが重要でしょう。
以下では、バッテリー容量20〜60kwhまでの容量で自宅充電の出力3kWで電気料金30円kWhで計算してみました。
バッテリー容量 | 充電時間 | 電気料金 |
---|---|---|
20kWh | 6.6時間 | 600円 |
40kWh | 13.3時間 | 1,200円 |
60kWh | 20時間 | 1,800円 |
普通充電の充電時間を短縮する方法
普通充電の充電時間を短縮する方法を解説します。具体的には2つです。
- 充電設備の出力を上げて充電時間を短縮する
- V2H機器を設置して充電時間を短縮する
充電設備の出力を上げて充電時間を短縮する
自宅充電で補える充電量は一般的に3〜6kWほどであり、普通充電で充電する時間を短縮する際には、充電設備の出力を可能な限り上げる方法がおすすめです。
具体的には3kWで使用している自宅充電を6kWに出力変更するだけでも、充電時間は半分になる計算です。ただし、高電力を使用する場合には、感電するリスクやブレーカーが落ちないよう工夫することが重要になるでしょう。
自宅で使用する充電器の出力を変更したい場合は、現在契約している電力会社にまずは相談してみることをおすすめします。
V2H機器を設置して充電時間を短縮する
EVと家庭の電気系統を繋ぐ「V2H機器」を設置することも重要です。V2H機器は、機器内で蓄えた電気を家庭内で使用することもできます。
V2H機器の中には、6kWの出力を扱う高性能機器もあります。V2Hを効率的に活用することで、普通充電で充電できる時間を最小限に抑えられるでしょう。ただし、V2H機器に対応できる車種は決まっています。今後、電気自動車を購入検討する方は、まずV2H機器に対応している車種なのかを事前確認することをおすすめします。
電気自動車の急速充電にかかる時間の目安
電気自動車の急速充電にかかる時間の目安を解説します。日本国内にある急速充電は変速30分以内の条件がほとんどです。
また、急速充電でも車種やバッテリーごとに充電時間が異なります。それぞれ詳しくみていきましょう。
日本国内の急速充電器は、原則「30分まで」がほとんど
現在、日本で導入されている急速充電器の出力は、おおよそ20〜50kW程度であり、出力50kWでバッテリー容量が50kwであれば約1時間で満充電にできます。
日本国内にある急速充電器は、原則「30分以内」と決められている関係上、満充電にならない状態でも、30分使用した時点で停止するよう設定されています。
急速充電50kWでも30分の使用制限があるため、最大25kWしか充電できない計算です。そのため、バッテリー容量50kWの電気自動車を満充電にしたい場合には、最低2回に分けて充電する方法を行う必要があります。
急速充電の出力が少ないほど、30分以内に充電できる充電量も少なくなることを理解しておきましょう。
急速充電でも車種やバッテリーによって充電時間は異なる
電気自動車の車種やバッテリーによって充電時間や受入可能な最大電力が異なります。バッテリー容量が同じ50kWの車種でも、受入可能な最大電量が40kWと30kWであれば、充電量は変動してくるでしょう。
日本国内の急速充電器は原則「30分以内」と定められているため、急速充電を使用しても満充電になるまでの時間は想像している以上にかかります。
公共の急速充電器を使用する場合「譲り合いの精神」も重要です。満充電になるまでその場を動かない姿勢は周囲に悪影響を与えてしまうでしょう。
現在、市販で販売されている電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池は、満充電に近づくと、急速充電の受入電力を抑える特性もあるため注意してください。
例:日産リーフ・サクラ・アリアの急速充電(30分)の充電量目安
急速充電で充電できる充電量の目安を日産リーフ、サクラ、アリアごとに詳しく解説します。
車種 | バッテリー容量 | 最大出力 | 急速充電出力 | 充電時間 |
---|---|---|---|---|
リーフ | 40kwh | 50kW | 50kW | 20分 |
サクラ | 20kWh | 30kW | 50kW | 10分 |
アリア | 60kWh | 130kW | 50kW | 約1時間10分 |
車種ごとに充電できる最大出力は異なります。リーフやサクラであれば、1回の急速充電で満充電まで充電量を満たせる状態にできるでしょう。
アリアの場合、バッテリー容量が60kWhと大きく、急速充電でも数回に分けて満充電にする必要があるため注意が必要です。国内では、1回の急速充電が30分以内と定められています。
そのため、1回ごとにどのくらいの充電量を充電できるのかを確認しておくことは重要なポイントです。
急速充電にかかる電気料金の目安
急速充電にかかる電気料金の目安を分かりやすく以下の表でまとめました。表では、充電料金330円/10分、充電出力50kWで計算しています。
車種 | バッテリー容量 | 最大出力 | 充電時間 | 充電料金 |
---|---|---|---|---|
リーフ | 40kwh | 50kW | 20分 | 660円 |
サクラ | 20kWh | 30kW | 10分 | 330円 |
アリア | 60kWh | 130kW | 約1時間10分 | 2,310円 |
上記表を確認すると、バッテリー容量が大きい車種ほど、1回の満充電に必要な充電料金が高めに設定されることが分かります。
アリアの場合、バッテリー容量60Wに対して、1回の充電にかかる充電料金は2,310円とガソリンの給油代と比較するとお買い得に感じるでしょう。しかし、車種ごとに比較すると、割高に感じる可能性も考えられます。
電気自動車の充電時間と対応出力・充電性能の関係
電気自動車の充電時間と対応出力・充電性能の関係を詳しく解説します。電気自動車が対応できる出力は充電時間によって変動します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
電気自動車の対応出力によって充電時間が変わる
電気自動車ごとに対応できる出力によっても充電時間が異なります。以下の表は、日産の各車ごとに対応できる対応出力を分かりやすく表にしたものです。
車種 | バッテリー容量 | 最大出力 |
---|---|---|
リーフ | 40kwh | 50kw |
サクラ | 20kWh | 30kW |
アリア | 60kWh | 130kW |
出力を高めた場合でも、車種ごとの対応出力以上の電力を一度に充電することはできません。また、急速充電以外にも普通充電で出力できる最大量が車種ごとに定められています。普通充電と急速充電ごとに対応できる出力を比較した上で、車種を選ぶことをおすすめします。
単純計算で3kWよりも6kWの方が充電できる訳ではないため注意してください。電気自動車ごとの充電時間と対応出力を把握した上で、希望する車を購入検討してみてみましょう。
電気自動車の充電性能によって充電時間が変わる
電気自動車の充電性能によっても充電時間が異なります。いくら大容量バッテリーを搭載した輸入電気自動車でも、日本では最大出力50kWのチャデモ規格に対応している車種が数多くあります。
150khWなどの高出力急速充電器を使用した場合でも、最大50kWでしか充電できない設定の結果、充電時間は長くなってしまうでしょう。充電量は、充電器の出力や充電時間を計算することで正確な数字が算出できます。
しかし、具体的には、充電器の出力部分の中に「電気自動車の充電性能」の条件が関係してくるでしょう。電気自動車を購入する際には、車種ごとの充電性能を念入りに確認しておくことが重要です。最大出力も把握しつつ、最適な電気自動車を選んでみましょう。
電気自動車の充電時間にストレスを感じないために
電気自動車の充電時間にストレスを感じないためにも、自宅で充電する場合と外出先でEV充電スタンドを活用して充電する方法を詳しく解説します。それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
電気自動車を自宅で充電する場合
電気自動車を自宅で充電する場合のポイントは3つです。
- 必ずしも満充電しなくてもOK
- 夜間に充電すれば時間を気にする必要なし
- タイマー充電機能を活用する
必ずしも満充電しなくてもOK
電気自動車を自宅で充電できる設備があれば、自宅ガレージにて充電することも可能です。電気自動車を充電する場合には、必ずしも満充電にする必要がないことを覚えておきましょう。
リチウムイオン電池の種類によっては、満充電にすることで電池劣化の原因になる可能性も考えられるため、充電量は「80〜90%」ほどで抑えておくことがおすすめです。
夜間に充電すれば時間を気にする必要なし
夜間に自宅の充電スポットを活用して充電を行うと時間を気にすることなく、電気自動車の充電が満充電に近い状態になるでしょう。
また、夜間の電気使用は日中に比べて、利用料金が安く設定されています。外出先での充電は割高に設定されているため、可能な限り、夜間に充電することで、電気代の節約にも繋がります。電気代をお得に利用したい方は是非参考にしてみてください。
タイマー充電機能を活用する
電気自動車には、普通充電をタイマーで設定する機能が備えられています。
タイマー機能を活用すれば、電気代がお得になる深夜を活用した充電や寝ている間に充電できる「寝ながら充電」も実現可能でしょう。
お得な時間帯や利用方法を活用して、電気代を最小限に抑えられるよう対策してみてください。1つ1つの対策が大きな節約に繋がります。
外出先のEV充電スタンドで充電する場合
外出先のEV充電スタンドで充電する場合、ストレスを感じない充電方法は以下の通りです。
- 高速道路のSAなど休憩の「ついで」に充電する
- 事前に移動ルートのEV充電スポットを確認して余裕ある充電計画を
高速道路のSAなど休憩の「ついで」に充電する
高速道路のSAで休憩ついでに電気自動車を充電する方法も外出先では効果的です。SAには電気自動車に対応した急速充電が導入されています。
急速充電は1回30分以内と定められており、SAでの休憩時間を活用することは賢い充電方法と言えるでしょう。SAにあるレストランなどで飲食すると、30分の充電時間はあっという間に感じます。
事前に移動ルートのEV充電スポットを確認して余裕ある充電計画を
移動ルートのEV充電スポットを事前に確認しておくこともストレスフリーの状態で電気自動車を充電する方法の1つです。アリアのような大容量バッテリーを搭載する自動車では、30分の急速充電で30%ほどしか充電できません。
目的地に到着するまでの電力量を準備しておくためにも、外出前にはEV充電スポットの確認をおすすめします。
電気自動車の技術開発によって将来的に充電時間が短くなる可能性も
電気自動車は現在、急速に普及している最中です。世界中の自動車メーカーが電気自動車に関する技術力を高めている中、将来的には、今以上の技術開発により、充電時間が短くなる可能性も考えられます。
現状、急速充電は1回30分以内と定められていますが、どんな車種の充電においても30分以内で満充電にできる未来はそう遠くありません。この記事の内容を参考にして、電気自動車の充電時間や充電料金を理解してみてください。