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アメリカとカナダの国境を跨ぐ「EV回廊」とは

2023年5月、アメリカとカナダは、二国間を結ぶ主要な高速道路沿いに「EV回廊」というインフラを構築するプロジェクトを発表しました。この回廊は、両国間を跨ぐ長距離にわたって、ドライバーが電気自動車(EV)を充電できるステーションや、代替燃料供給施設を設けることを目指しています。

加えて、交通、貿易、製造をより活性化させることも目的の一つです。ドライバーが国境を越えても燃料補給の心配がないため、国際間の移動がスムーズになり、両国の経済的なつながりを強化することも期待されています。

今回の記事では、EV回廊が具体的にどのようなものなのか、また、アメリカとカナダがEVシフトにどのように取り組んでいるのか、その一例を簡単に紹介していきます。

目次

  1. アメリカ・カナダが取り組むEV回廊ってなに?
  2. アメリカにおけるさまざまな取り組み
  3. 実はインフラ整備に積極的なカナダ
カースモーラちゃんのPICK UP
  • EV回廊はアメリカとカナダを結ぶ大規模な燃料補給インフラのことだよ。
  • バイデン大統領はクリーンエネルギーに対して積極的に投資をしているの。
  • 実はカナダもEV化には積極的で、インフラ整備に多くの予算を計上しているよ。

アメリカ・カナダが取り組むEV回廊ってなに?

アメリカ・カナダが取り組むEV回廊ってなに?

アメリカ・カナダ間におけるEV回廊(Electric Vehicle Corridor)とは、EV、燃料電池自動車(FCV)などのクリーンエネルギー自動車や商用車の移動性を向上させることを目的に、アメリカ・カナダ両政府が共同で取り組むプロジェクトのこと。


アメリカのピート・ブティジェッジ運輸長官は2023年5月16日、カナダのオマール・アルガブラ運輸相、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事、同州デトロイト市のマイク・ダガン市長らとともに、アメリカとカナダを結ぶ872マイル(約1,403km)の幹線道路を二国間代替燃料回廊(EV回廊)として設定すると発表しました。


二国間でのEV回廊はミシガン州カラマズーを起点に、カナダのケベックシティまでを結びます。国境を跨いで大規模なインフラを整備するこの取り組みは両国間の移動を容易にし、ドライバーが長距離を移動する際の充電の心配を減少させます。


結果、国境を越えた商業活動や人の移動がスムーズになり、経済的な交流が促進されることが予想されます。そのため、このプロジェクトでは主要な高速道路沿いに指定された充電ステーションや代替燃料供給施設などのインフラを整備することを目指しています。


全体で7万5,000マイル以上に及ぶネットワークが構築されるとのこと。さらに50マイルごとに直流急速充電器を設置する予定です。この取り組みにより交通、貿易、製造の分野において大きな活性化をもたらすことが期待されています。

アメリカにおけるさまざまな取り組み

アメリカにおけるさまざまな取り組み

バイデン大統領が推し進める政策の一つとして挙げられるのが、クリーンエネルギー領域への投資強化です。


次世代を担うエネルギー領域への投資を通じて、製造促進やサプライチェーン強化、そして新たな雇用を創出することで、アメリカ全体として国際的な競争力を高める狙いがあります。その一環としてアメリカ政府は、2030年までに国内の新車販売の50%をEV、FCV、プラグインハイブリッド車(PHV)にするという目標を設定。


目標達成を支援するため、2021年11月15日に成立した超党派のインフラ投資雇用法に基づき、EV用充電器の設置に総額75億ドルが割り当てられています。


また、この資金の一部としてEV回廊のスタート地点であるミシガン州には1億1,000万ドルが供与されることに。大規模な充電インフラの拡充により、車両の充電時間や利便性の向上に寄与することで、消費者のEVへの移行を促進することが期待されています。

実はインフラ整備に積極的なカナダ

実はインフラ整備に積極的なカナダ

EVと充電インフラの普及に積極的な姿勢で取り組む国の一つとして、カナダが挙げられます。カナダ政府は、2026年までに新車販売台数の20%をEV、FCV、PHVとするという目標を設定。


目標達成に向けて、EV回廊の施策を含む充電インフラの設置に約1,500万カナダドルを拠出する予定です。2016年以降から、約10億カナダドルを投資しており、すでに3万5,000基以上のEV充電器の設置が進んだと言われています。


さらに、カナダ政府はゼロエミッション車(ZEV)用充電器を5万基設置する目標を掲げると、2022年の予算では、カナダ天然資源省およびカナダ・インフラストラクチャ銀行に9億カナダドルの追加予算を計上。


こうした政府の積極的な取り組みにより、より多くの人々がEVを始めとした環境に優しい交通手段を選択することが期待されています。

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