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ユーザー体験も配慮した北米における大規模EV充電ネットワーク構築
公開日:2024/03/15更新日:2024/03/13
都市部や高速道路を中心に3万基のEV充電器を設置する目的で立ち上げられたプロジェクトである「EV充電ネットワーク構築」は、どのような目的で実施され、何を行うのでしょうか。今回は、自動車メーカー7社の連携により行われている取り組みについて紹介していきましょう。
目次
カースモーラちゃんのPICK UP
- 主要道路沿いに急速充電器も含むEV充電器を設置して、広範囲で充電インフラを整備する取り組みとして「EV急速充電ネットワーク構築」が推し進められるみたい。
- ホンダモーターやメルセデス・ベンツなど、有名な7社の自動車メーカーが合弁会社を作って施策を行うんだって。
- ユーザーの利便性にも配慮した取り組みが成功すれば、もっとEVが普及するかも。
北米のEV充電ネットワーク構築を目指した合弁会社が誕生
2023年7月26日、ホンダのアメリカ現地法人であるアメリカン・ホンダモーター社を含む、BMWグループ、ゼネラルモーターズ(GM)、ヒョンデ、キア、メルセデス・ベンツグループ、ステランティスNVの七つの著名な自動車メーカーが協力し合うことを決定。
アメリカとカナダにおけるEV用の充電インフラの新規構築を目指す、合弁会社の設立についての合意を公表しました。この新しい合弁会社は2024年の夏には最初の充電ステーションを開業する予定とのこと。
その後、大都市圏や主要幹線道路沿いを始点として充電網を段階的に拡大していく計画であり、最終的には北米全域にわたって、少なくとも3万箇所のEV用高出力充電ステーションの設置を目指しています。なお、各社の投資額や合弁会社の名称は、現時点で発表されていません。
加速するEV普及に対して求められるインフラ整備
北米のEV充電ネットワーク構築を目指す7社の発表によると、EVは2030年までにアメリカの自動車販売台数の50%超を占めると予想されています。試算によれば、2030年までにアメリカにおけるEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの数は実に3,000万台から4,200万台に達するとのこと。
2023年7月の時点でのアメリカには約3万2,000基の急速直流(DC)充電器が設置されているようですが、その数はこれからより加速するEVの普及に対しては十分とは言えないようです。
これからより拡大するであろうEVをサポートするためには、まずは18万2,000基のDC充電器が必要とされており、信頼性の高い充電インフラの拡大がさらに重要になると考えられるでしょう。
北米のEV充電ネットワーク構築プロジェクト当初の計画では、大都市圏と連絡通路や休暇ルートを含む主要幹線道路沿いに充電ステーションを設置することを考えているようです。
充電時間をより豊かにするための施策も
この取り組みは単にインフラを拡充させるだけではなく、ユーザーの利便性も考慮されています。7社が設置を進めるステーションは「ユーザーにとって便利な場所に設置されること」を重視しているのです。
例えば、ステーションには可能な限り屋根を備えるという取り決めもその一つ。これにより、天候に左右されない充電が可能になります。
加えて、トイレや飲食サービス、小売店が近隣にあるかどうかも設置基準の一つとなるようです。より充実したサービスを提供するフラッグシップ型の充電ステーションも一部展開するなど、充電中のユーザー体験向上が期待されます。
シームレスな決済のために合弁会社に参加する自動車メーカーの車載システムやアプリを利用
充電ステーションの利用では予約、決済プロセスがスムーズかどうかも重要なポイント。そこで今回、合弁会社に参加する自動車メーカーの車載システムやアプリを通じて、シームレスな利用体験を実現するとのこと。
また、当取組では「プラグ&チャージ(PnC)技術」の活用も明言されています。この技術により、充電プラグを差し込むだけで自動的に車両を識別し充電を開始することが可能に。
テスラ車が既に実現しているこのシステムですが、テスラ以外のEVユーザーも使用可能となるのは朗報と言えるでしょう。このような技術の導入は、EVの普及と利便性向上に大きく寄与すると期待されています。
カースモーラちゃんのまとめ
各社がそれぞれの技術を用いて推進するこの施策が、アメリカでのEV普及を加速させると良いな。
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