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2035年までにガソリン車の新車販売が禁止されるって本当?
公開日:2024/04/14更新日:2024/04/14
温室効果ガスの排出量への対策という意図は理解できるものの、「本当に実現可能なのか?」、「ガソリン車はどうなるのか?」と言う疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では2035年のガソリン車販売規制についてまとめます。
目次
カースモーラちゃんポイント
- 近年、ガソリン車を規制する動きが世界中で広まっているよ。
- 日本政府も2035年までにガソリン車の販売を規制する方針を発表したんだ。
- 本当に実現できるのか疑問に思っている人も多いよね。
ガソリン車が販売禁止されるって本当?
ガソリン車の販売規制
2035年にガソリン車の販売が禁止されるのではなく「電気自動車(EV)の割合を100%にする」という内容です。そして、技術開発やEVインフラの整備の進捗状況によって、実現する時期や、方針は変わって行く可能性があります。
政府が方針を発表してから今日まで、補助金をはじめとしたEVの販売や充電スポットの設置を推進するなど、EVの普及に向けた動きが多く見られます。
しかしながら、現在EVはバッテリーや充電スポットをはじめとした、さまざまな問題を抱えているのが現実。EV100%を実現するにはまず、それらの問題点を解決しなくてはなりません。
つまり「ガソリン車の販売を禁止にする」とは、現状の問題点を解決した後の結果だということです。
ガソリン車規制の背景
政府が掲げた方針には2020年に日本政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」が関係しています。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするという取り組みのこと。”全体として”とは、排出せざるを得ない温室効果ガスは、吸収量・除去することで、実質的にゼロにするということです。
そして、日本政府がカーボンニュートラルを宣言したのには「パリ協定」が関係しています。
パリ協定とは、国際的な取り決めについて協議を行うCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)で合意された協定のことです。その目的は「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度より低くたもつのを目標に、1.5度に抑える努力をする」という内容。
このパリ協定を実現するための日本政府の取り組みがカーボンニュートラルなのです。
また、ガソリン車に対する規制を発表したのは、2016年のノルウェーが始まり。ノルウェーをきっかけに北米、中国、EUと、国際的に目標年数を設けたガソリン車の販売規制の流れが広がりました。
2035年以降はどうなるの?
では「2035年以降はガソリン車以外は乗れなくなるのか?」というと、そうではありません。
2035年までに規制されると言われているのは、あくまでも「新車でのガソリン車の販売」のみです。中古車市場に流通する、ガソリン車の販売に関しては規制されません。
そして、政府の「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」の”電動車”にはハイブリッド自動車(HV)も含まれています。そのため、ガソリンスタンドがなくなる心配もないと言えるでしょう。
ただし、増税や法整備によって、ガソリン価格の高騰や、ガソリン車の維持費が高くなってしまう可能性を視野に入れておかなくてはなりません。
2035年以降もガソリン車を利用できなくなる日は、当分来ないのではないでしょうか。
しかしながら、日本政府は2050年カーボンニュートラルにて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする方針を掲げています。今後、EVに関する技術開発やインフラ整備が政府の目標通りに進行した場合、ガソリン車が利用できなくなる可能性は十分にあると言えるでしょう。
EV化に向けた課題
EV生産時に温室効果ガスを排出する問題
EVはガソリンを使わないため、環境に優しいとされています。しかしながら、まだまだ技術面での問題が多いのも事実です。
まず挙げられるのは、EVの生産時に排出する温室効果ガスの量がガソリン車と比較して多いこと。
さらにEVを廃車にする際、使用されているバッテリーのリサイクルも課題の一つ。現段階のリサイクル技術では、廃棄時に環境汚染を引き起こす可能性があり問題視されています。
また、EVに使用される電力を供給する過程で排出される温室効果ガスの問題も忘れてはいけません。日本では現在でも電力を生み出す方法として、石炭や天然ガスをはじめとした化石燃料による火力発電が用いられ、電力供給の70%以上という非常に大きな割合を占めています。
温室効果ガスの発生抑制のためにも今後、非化石燃料による発電量を増やしていくことが求められます。今後、技術が進歩することで、本質的な改善が期待されるEVの課題だと言えるでしょう。
充電スポットの問題
現時点でEVは、ガソリン車と比較して航続距離が短いとされています。EVの割合を100%にするためには、不自由なく長距離の移動が可能なことが必要条件です。そのため、EVユーザーにとっては、充電スポットの普及率が非常に重要だと言えるでしょう。
しかしながら、現在普及しているガソリンスタンドの数に対して、EVの充電スポットはまだまだ充分だとは言えない状況です。
日本政府が2030年までに充電器を30万機設置する方針を発表しており、今後設置数が増加していくのではないでしょうか。
価格問題
日本市場でのEV新車販売割合は、2022年でおよそ1.4%、2023年で約2.4%と、非常に少ないことがわかります。EVの販売価格がガソリン車と比較すると高額なことも、大きな原因の一つなのではないでしょうか。
新車で自動車を購入した場合、普通車の平均価格が100〜300万円なのに対し、EVの平均価格は300〜400万円と高額です。高級車として分類される価格帯のEVも多く、購入に補助金が出るとはいえ手が出しにくい印象を受けます。
しかしながら、EVはガソリン車よりもパーツが少ないことや、日々バッテリーの技術が進歩していることから、今後はEVの普及とともに価格が下がっていくのではないでしょうか。
カースモーラちゃんまとめ
2035年の「EVの割合を100%にする」という目標の背景には「2050年カーボンニュートラル」があるんだね。規制されるのは「新車でのガソリン車の販売」だから、中古のガソリン車の販売に関しては規制されないの。
今はまだ問題があるけれど近い将来、技術が進歩することでいろいろな人がEVに乗る時代が来るかもしれないね。
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