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水素ステーションの種類とそれぞれの特徴について
公開日:2024/03/12更新日:2024/02/22
日本ではすでに160台以上の水素ステーションが設置されており、脱炭素社会を目指す日本の将来において、その数はさらに増加することが予想されます。今回は、日本に設置されている水素ステーションの数や、各種ステーションの特徴について解説します。
目次
カースモーラちゃんのPICK UP
- 水素ステーションは日本全国で約160か所に設置されていて、一番多く設置されているのは愛知県だよ。
- 水素ステーションには定置式と移動式があって、それぞれ特徴があるんだ。
- 定置式水素ステーションはさらに、オンサイト式とオフサイト式に分類されるよ。
- 水素の充填方法はガソリン車と似ているけれど、水素の特性上、気圧の調整などが必要になるよ。
- 普及を進めるうえで水素自体の価格がボトルネックになるかもしれないんだ。
日本全国に設置されている水素ステーションの数は?
2023年12月7日時点で、日本全国には161か所の水素ステーションが設置されています。特に多くの水素ステーションが設置されている都道府県を、設置数の多い順にリストアップしてみると、地域的な特徴が見えてきます。
- 愛知県:34か所
- 東京都:19か所
- 神奈川県:13か所
- 福岡県:11か所
- 埼玉県・大阪府:9か所
情報出典:一般社団法人次世代自動車振興センター|水素ステーション整備状況
大部分の水素ステーションは、主要な四大都市圏を結ぶ線路沿いに集中しているのが特徴です。中でも、突出した設置数を誇るのが愛知県。
同県ではエネルギー分野を担当する専門部署「水素社会実装推進室」をいち早く設置することで、水素の活用を軸に脱炭素化に向けた取り組みを強化しています。
定置式水素ステーション
定置式水素ステーションは、その名の通り特定の場所に固定されているスタンド型の水素供給設備です。ガソリンスタンドと同様に特定の場所に設置され、燃料電池自動車に必要な水素ガスを充填する役割を果たします。
定置式水素ステーションは、オンサイト式とオフサイト式の2種類に分類されます。
オンサイト式
オンサイト式の水素ステーションは、設備内で都市ガスやLPガスを原料にして水素を製造し、その場で充填する定置式水素ステーションの一種です。
オンサイト式であれば水素製造工場からの輸送が不要となり、現地で直接水素を生成し供給できる点が大きな特徴と言えるでしょう。
最近では、環境への配慮を重視し、再生可能エネルギー由来の電力を活用して水素を生成する「グリーン水素」と呼ばれる取り組みも進んでいます。
オフサイト式
オフサイト式水素ステーションでは、製油所や化学工場などであらかじめ製造された水素を、ガソリンスタンドのように水素ステーションに輸送して供給します。
さまざまな規模のプラントで製造された水素を輸送し、効率的かつコスト効果的に水素を供給することが目的とされています。
オフサイト式は、オンサイト式のように都市ガスやLPガスを使用して現地で水素を生成するのではなく、既に製造された水素を運び、供給できる点が大きな特徴です。
移動式水素ステーション
移動式水素ステーションは、特定の場所に固定されていない可動型の設備で、トラックなどの車両に搭載され、必要な場所へ移動しながら水素を供給する方式です。移動式水素ステーションは、燃料電池自動車に必要な水素を迅速に必要な場所へ届けられるため、応急的な水素供給が必要な場面などに適しています。
また、定置式ステーションとは異なり、地域やイベントなどのニーズに応じて柔軟に対応することも可能です。定置式ステーションと比較して省スペースでの運用が可能な点も、移動式水素ステーションの大きな特徴の一つと言えるでしょう。
水素ステーションはどうやって水素を供給しているの?
燃料電池自動車は、ガソリン車に似た方法で水素ステーションから水素を充填可能です。車両の充填口のロックを解除し、供給用のノズルを差し込むまではガソリンスタンドとほとんど変わりません。
ただし、水素という特性上、車載タンクと貯蔵タンクの気圧調整等が必要なため、基本的には専門スタッフが対応を行います。充填は高圧で行われ、一回の充填にかかる時間は約3分程度。
同様のエコカーに分類される電気自動車(EV)と比べ、スピーディーに充填できる点も特徴的です。
FCVに供給する水素の販売価格
経済産業省によると、2022年6月の時点で、水素の販売価格は1Nm3(ノルマルリューベ)あたり約100円であり、1kgに換算すると約1,200円となります。
たとえば、トヨタの「MIRAI」の水素タンクには最大5.6kgの水素が入るため、空のタンクを満タンにすると、1,200円×5.6kgで約6,720円の費用がかかります。そのため、現在の価格設定では、水素はガソリンに比べて割高であると言えるでしょう。
こうした状況から、経済産業省は2030年までに水素の価格を1Nm³あたり30円にまで下げることを目指しています。水素の価格を低下させる計画が実現すれば、燃料電池自動車の維持コストはより手頃になり、多くの人が燃料電池自動車を利用できるようになるでしょう。
カースモーラちゃんのまとめ
水素ステーションには定置式(オンサイト式・オフサイト式)と移動式の2種類があって、それぞれ水素の供給方法や利用シーンが異なるよ。どちらの種類にもメリットがあるけれども、肝心の水素の価格はガソリンに比べて割高なんだ。
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