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高速道路では初の水素ステーションを利用してみた!水素ステーションが抱える問題点とは?

電気自動車は、発電所が発電した電力をバッテリーに蓄積して走行するのに対して、燃料電池車の場合は自らが発電して走行する特徴があります。

電気モーターで走行する点は電気自動車と燃料電池車とも同様ですが、燃料電池自動車を走行させるためには水素ガスの定期的な充填が必要です。イメージとしては、ガソリン車におけるガソリンと同じ位置づけとなる水素ですが、残念ながら水素ステーションはまだまだ数が少ないのが実情です。

高速道路では、2023年9月に待望の水素ステーションが誕生して、燃料電池車のユーザーから注目を集めています。本記事では、高速道路では初の水素ステーションをカースモーラ編集部員Sが実際に利用した体験談などを詳しく紹介します。

2023年9月に高速道路で初の水素ステーションが誕生!

日本で初めて高速道路に水素ステーションが誕生したのは、静岡県御殿場市にある足柄サービスエリア(以下、SA)です。


2023年現在では全国163ヶ所に存在していた中で、初めて誕生したというのは遅すぎる印象があります。


足柄SA下りは、箱根の山々を一望しつつフルーツジュースが味わうことができる足湯カフェが有名です。また、足湯だけでなく本格的な温泉施設として「あしがら湯」があり、人気を博しています。


東名高速の中では海老名に次ぐ広さを誇っているサービスエリアとしても有名であり、東京までは100km程度離れた位置にあります。


足利SAへ水素ステーションを出店したのは岩谷産業です。当初は2023年春のオープンを見込んでいましたが、実際にオープンしたのは2023年9月15日です。


オープニング時には、水素ステーションのオープンを記念してノベルティが配布されるなど、各種プロモーション活動が展開されました。

イワタニ水素ステーション 足柄SAの特徴

イワタニ水素ステーション 足柄SAの概要をまとめると、以下のようになります。



事業者

岩谷産業株式会社

敷地面積

約1,000平方キロメートル

供給方式

液化水素貯蔵(オフサイト型)

供給能力

平均300Nm3/h

充填圧力

82MPa

充填口数

2口(2か所)



特徴として、供給能力が比較的高めである点が挙げられます。平均300Nm3/hの供給能力があり、大型トラックへの供給もスピーディーにおこなえます。


また、充填口は2か所あるので、乗用車でも5分程度で充填可能です。なぜ足柄SAの下りに設置されたのかと言えば、岩谷産業が保有していた土地だったためです。東京から100km程度の位置にあり、旅行先などからの帰りに利用する方をターゲットにしたかったものの、下りで開設された経緯があります。


営業時間は8時から20時までとなっていて、定休日は特に設定されていません。

イワタニ水素ステーション 足柄SAを利用してみた!

イワタニ水素ステーション 足柄SAを利用してみた!

日本で初めての高速道路の水素ステーションを編集部員Sが利用したところ、良い面もあれば改善が望まれる面もあったといいます。ここでは、実際に利用した上での感想を紹介します。

直前に看板やカーナビへの表示はない

高速道路では、サービスエリアなどが近づくと看板に表示されるのが一般的です。


また、カーナビを利用していても最寄りのサービスエリアの施設紹介が表示されます。


ガソリンスタンドがある場合、看板やカーナビにマークが表示されているので容易に確認できますが、残念ながら水素ステーションがある旨の表示は一切見られなかったそう。


今後普及すれば看板などが設置される可能性がありますが、現時点では知る人ぞ知る存在となっています。

利用者は少なくほぼ順番待ちせず利用できた

足利SAに到着して、編集部員Sは、早速水素ステーションに向かいました。車は1台も並んでおらず、スムーズにレーンに入ることができました。


当然、オープンしたばかりで施設自体はとても綺麗な印象でした。

利用者は少なくほぼ順番待ちせず利用できた

充填は自分ではできない

充填機の前に止まると、スタッフさんが充填対応してくれました。ガソリンの場合、セルフスタンドが広く普及していますが、現状では水素の充填は有資格者でなければ対応できません。


基本的な流れは、ガソリンを入れる際と同じで、スタッフさんに充填量を伝えて充填してもらいます。なお、今回はクレジットカード払いを利用しました。

充填は自分ではできない

気になる充填時間は、ガソリンの給油よりも若干かかる印象とのこと。また、充填中は窓拭きや車内のゴミ回収などのサービスはありませんでした。

高速道路にあるのに価格が安い点に驚き!

充填が終わったあとに編集部員Sが気になったのが、価格です。一般的には、高速道路で給油すると周囲よりも高い価格設定となっているので、損した気分になることが多いです。


一方で、今回利用した足利SAの水素ステーションの場合、ほかの水素ステーションと比較しても安い価格設定となっていました。とてもお得感があり、ぜひまた利用したいと感じたそうです。

水素ステーションの今後の動向

現在、水素ステーションは首都圏や中京圏、関西圏、九州圏の4大都市圏を中心として、整備が進められている状況です。


これは脱炭素社会の実現に向けての施策である「水素基本戦略」に従ったものであり、政府は2030年度までに水素ステーションを1,000基整備する目標を掲げているのです。


また、2023年11月7日の閣議において、高速道路のサービスエリアの駐車場などで水素ステーションを設置できるようにする政令を決定しました。


従来は店舗を含んだ民有地などに限定されたものが、より多くの場所に設置できるようになったのです。今回水素ステーションが設置された足柄SAの利用状況や燃料電池自動車の普及状況などを鑑み、サービスエリアやパーキングエリアにおける整備が進む予定となっています。


ただし、2024年4月現在ではまだ新規での設置計画はなく、足踏み状態が続いています。

水素ステーションのさらなる普及が期待される

水素ステーションのさらなる普及が期待される

編集部員Sの場合、わざわざ御殿場ICで高速道路を出てイワタニ水素ステーション御殿場インターをよく利用していましたが、イワタニ水素ステーションは、高速道路の足柄SAであっても金額が同じなので、使い勝手が良いと思ったそう。


東京から関西地方や東海地方に行き、その帰りに水素が足りなくなることが多いため、足柄SAの上りにあった方が便利といいますが、日本初の高速道路の水素ステーションということで便利にはなったとのことでした。


直近での高速道路のSAやPAに水素ステーションの出店計画はないものの、今後増加していくことを期待します。

著者プロフィール

【UnoDosTres】バイク好きで、学生時代は原付自動車でバイク雑誌に乗るのが夢でした。その後、大人になって普通運転免許証を取ってからはずっとスバル車に乗り続けていて、今でもボクサーサウンドに心地よさを感じていています。週末には車で遠出することが多く、愛車で旅行に出かけるのが趣味です。最近では、電気自動車にも興味を持っており、知識をブラッシュアップ中です。

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