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電気自動車(EV)の自宅充電用200Vコンセントの工事費用

今回は電気自動車(EV)を自宅で充電用200Vを設置する際の工事費用を探ります。電気自動車を所有するオーナーが増え、高速道路のパーキングや、ガソリンスタンド、スーパー、コンビニなどでも充電器を設置するところが増えています。

自宅でも充電できれば、なお安心ですが、200Vの充電設備を設置するのにどれだけの手間がかかるのかをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 200VのEV充電用コンセントの取付工事の費用相場
  2. EV充電用コンセントの取付工事の費用が高くなるケース
  3. EV充電用コンセントの取付工事で使える補助金
  4. EV充電用コンセントとその他の自宅充電設備を比較
  5. EV充電用コンセントの取付工事の流れ
  6. EV充電用コンセントの工事業者の選び方
  7. 200VのEV充電用コンセント取付工事の費用をおさらい

200VのEV充電用コンセントの取付工事の費用相場

200VのEV充電用コンセントの取付工事の費用相場

実際に、200VのEV充電用コンセントを設置する際の、取付工事費用相場がどのくらいかご紹介します。設置の際の費用相場は30万〜100万円以上です。詳細を下記にまとめました。

項目コンセント型スタンド型
使用電源単相交流100or200V単相交流200V
1台の価格数千円数十万円
電気設備充電器設置工事費用数十万円数十万円
充電器導入費20〜50万円40〜100万円
合計金額30万円〜50万円〜

自宅に設置できる200Vの電気自動車の充電用コンセントには「コンセント型」と「スタンド型」があります。どちらにもメリットデメリットがありますが、大きな違いはそれぞれの1台の充電器の値段と導入費の違いです。

コンセント型は数千円から手に入りますが、スタンド型になると数十万円ほどかかります。また、導入費もコンセント型と、スタンド型で倍以上変わることも頭に入れておきましょう。

EV充電用コンセントの取付工事の費用が高くなるケース

EV充電用コンセントの取付工事の費用が高くなるケース

実際に、EV充電用コンセントを自宅に取り付けるためには工事が必要です。さらに、その工事費用が上がるケースがあります。具体的に、工事の内容を詳細にみてみましょう。

ブレーカーが100V対応の場合は200V対応への増設工事が必要

自宅に、電気自動車の充電器を設置するためには、200V対応のブレーカーが必要になります。そのため、自宅のブレーカーが100Vの場合、200Vへ増設するための工事が必要になります。

ブレーカーには、分岐ブレーカーがいくつか設置されています。設置している分岐ブレーカーに加えて、大容量充電器や、エアコンの専用回路を増やしたいというときに、ブレーカーを増設する必要があります。

充電器を設置する前にアンペア数の確認も必要

一般に、自宅で電気を使用するためには、電力会社と契約して電気を使用しています。契約内容に契約アンペア数(A)があり、一般家庭の場合、大体30〜40Aとなっています。電気自動車の200V充電器を設置するには、現状のアンペア+20Aあると安心でしょう。現状の契約アンペア数が30Aの場合は、50Aとなります。

最近では、オール電化のご家庭も増えているため、契約アンペア数を確認して、必要に応じてアンペア数を調整しましょう。

設置場所とブレーカーの距離によっては配線工事の費用が別途かかる

電気自動車の家庭用充電器設置工事は、充電器の設置場所からブレーカーの距離が15m以内であれば、配線工事費用も基本料金に含んでいる業者がほとんどです。しかし、15m以上の場合、基本料金に配線料が加算される可能性があります。その価格は業者によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

また、実際の充電器設置場所をどこにするのかにより、ブレーカーとの距離が変わります。玄関や、車の出入り口を避けると遠くに設置することになるので、業者にも相談しつつ、設置場所を慎重に決めるようにしましょう。

配線のために外壁や地面の工事が必要な場合は工事費用が別途かかる

電気自動車の家庭用充電器を設置する際、配線のために外壁や地面の工事が必要な場合、別途料金がかかり、費用が高額になる可能性があります。

  • 配線を地面に埋設する場合
  • 外壁に穴を開けて配線を外にしてコンセントを設置する場合

具体的に上記の場合、それぞれ料金が別途かかってくる可能性が高いです。


スタンドタイプの充電器で外壁から設置場所まで離れている場合は、配線をコンクリート下に埋設するため、工事内容が大掛かりになり、数十万円単位での追加費用が発生する場合があります。

EV充電用コンセントの取付工事で使える補助金

EV充電用コンセントの取付工事で使える補助金
  • 自宅にEV充電用コンセントを取り付けるための工事で使える補助金について紹介します。EV充電用コンセントの取り付け工事で補助金が支給されれば、工事に踏み切るきっかけの一つになると言えます。

    EV充電用コンセントを取り付けるための工事で使える補助金は、
  • 国による補助金制度
  • 地方自治体による補助金制度

の2つの種類があります。それぞれに役割や使用するための条件があるので、以下で詳しく解説します。

集合住宅の場合は国の補助金が使える

EV充電器を集合住宅に設置する際、充電設備の設置に対して、国から補助金が交付されます。
集合住宅や、施設や事業所なども対象になり、補助の内容は下記のとおりです。

  • 充電設備費の50%の補助
  • 工事費の100%の補助

工事費については100%補助ということは、設置を迷っている方には大きな後押しになります。充電設備費の半分を補助してもらえるので、自己負担額について大幅に抑えられるでしょう。


しかし、先に説明した充電設備設置場所によっては追加費用がかかる可能性があるので、注意が必要です。集合住宅に住んでいる個人の場合は、管理会社やオーナーに相談してみましょう。

戸建て住宅の場合は地方自治体の補助金が使える

EV充電器を、個人の戸建てに設置する際には、国が展開している補助金制度は利用できません。そのかわり、個人の戸建てにEV充電器を設置する際は、地方自治体の補助金制度が活用できるので利用しましょう。

補助率は地方自治体によって制度内容が異なるため、補助率や金額は一概には言えません。お住まいの地方自治体のEV充電器取り付け工事費に対する補助金制度を確認しましょう。

100Vコンセントより200VのEV充電用コンセントを選ぶ人が多い理由

実際にEV充電器を自宅に設置する際に、なぜ。100Vコンセントよりも、200VEV充電用コンセントを選ぶ人が多いのでしょうか。それは、200VのEV充電用コンセントの方が短時間で充電できるからです。

100Vのコンセントと、200VのEV充電用コンセントは数字だけ見ても倍違うため、例えば40kWhの電気自動車の場合、出力3.0kWの200Vだと12時間程度で満充電されるのに対し、1.5kW100Vの場合、12時間で半分程度の充電となります。

一概に比較はできませんし、車の使用頻度にもよりますが、より短時間で満充電したい場合、200VのEV充電用コンセントを選択する人が多いです。

EV充電用コンセントとその他の自宅充電設備を比較

EV充電用コンセントとその他の自宅充電設備を比較

EV充電用コンセントと自宅充電設備では充電の差はどの程度あるのか比較してみましょう。それぞれにメリット・デメリットがありますが、自身にあった方を選択してください。

EV充電スタンドの特徴と本体価格・工事費用の相場

V2Hの特徴は、EV充電設備に加え、電気自動車を蓄電池として利用できる機能を備えている点です。住宅用蓄電池とEV充電設備を備えるとなると、2つの場所をとります。

また、それぞれ本体費用と工事のための時間と費用がかかりますが、V2Hで2つの用途を満たすことができます。

V2Hの本体価格は40万〜100万円以上とさまざまで、工事費は、30万〜50万円ほどかかります。EV充電用コンセントの費用(本体価格・工事費用)と比較してみましょう。上記でも説明しましたが、壁つけコンセントの本体価格は3,500円〜となっており、上記のスタンドタイプと違い大幅に本体価格を抑えることが可能です。

工事費用については上記のタイプと同様4万〜12万円となっており、金額だけ見ると壁つけのコンセントタイプが圧倒的に安くなります。しかし、充電速度については、EV充電スタンドに比べ倍程度時間がかかるでしょう。

EV充電用コンセントの取付工事前に確認したいこと

EV充電用コンセント取付工事前に確認したいことについて解説します。EV充電用コンセントの工事は分電盤から電線を引き、充電用コンセントを取り付ける工事です。そのため、工事の前に充電用に十分な電力が、供給できる契約になっているかを電力会社に確認しましょう。

EV用充電コンセントを設置する場所を決める

EV用充電コンセントの設置場所によって、工事費が大きく変わる可能性がありますので、下記のポイントをよく確認しましょう。

ポイント
  • 分電盤からEV用充電コンセントの距離
  • 玄関等邪魔にならない場所か
  • EV用充電コンセント周りが、車の出入りで邪魔にならないか

分電盤から、EV用充電コンセントまでの距離が15mを超えてしまうと、追加料金がかかる可能性が高くなります。意外に盲点なのが玄関近くに設置する点です。防犯上の点から玄関周りに置くことを考える方が多いのですが、観葉植物やポストなどが置いたりしていないか、また、出入りに邪魔になったりしないかを確認しましょう。

EV用充電器がスタンドタイプの場合、駐車スペース周りで車の出し入れに、邪魔にならないか確認しましょう。

コンセントを決める

EV用充電器は、設置場所によりタイプが異なるので、注意が必要です。

  • 「壁掛けタイプ」と「スタンドタイプ」を選択する
  • コンセントを選択した際、コンセントにカバー装着が必要か、ケーブルの収納はどうか等、必要事項を確認する

EV用充電コンセントを設置する場所が決まったら、コンセントのタイプを決めます。設置場所に合ったコンセントを選びましょう。また、コンセントは設置場所により、雨や砂埃が当たりやすい場合、カバーなどを追加でつけたほうが、防滴防塵の効果が増すのでおすすめです。

他にもケーブル収納方法等はどうするのかを決めて、車の出し入れの際に邪魔にならないようにしましょう。

分電盤からの配線経路をどうするか決める

分電盤からEV用充電機までの距離が決まったら、配線経路を考えます。

  • 「壁に穴をあける必要があるのか
  • 配線を埋設する場合、土の下かコンクリート下なのか

分電盤は一般家庭では多くの場合、室内に設置されています。そのため、EV用充電器まで配線を通す際に室内から屋外に配線を通す穴を開けなければならない可能性があります。

外に引き出した配線をEV用充電器まで繋ぐ経路は、自身の住宅周りが芝生などの土か、コンクリートかにより工事方法や費用が変わってきます。分電盤からEV用充電器までの距離と合わせて、慎重に確認しましょう。

EV充電用コンセントの取付工事の流れ

EV充電用コンセントの取付工事の流れ

EV充電用コンセントの取り付け位置等、準備が整ったら、工事業者へ連絡し、見積もりや工事の説明を受けます。説明や、見積もり金額、内容に納得したら、実際にEV充電用コンセントを取り付けるための工事へと進みます。

1. 設置工事を依頼する施工業者を選ぶ

ポイント
  • 導入に必要なサービスを提供している業者を選ぶ
  • 信頼できる業者を選ぶ
  • 契約内容を十分に確認して納得してから契約する

EV充電用コンセントを設置するための業者の選び方を紹介します。補助金以外に、業者がそれぞれ行っているサービスがあるか確認しましょう。

本体料金も高額なため、金額を抑えられるところは抑えたいものです。実際に、見積もりを出したり、工事内容を説明してもらったりして、その後の業者の対応をみつつ内容をチェックして信頼をおけるのかを見極めましょう。ここで、対応が不適切な業者を選択すると、工事の内容も期待できません。

業者が説明する内容を、十分に確認して理解し、不明点、不安点はここで解決し、納得してから契約することが大切です。

2. 現地調査を依頼して、費用の見積もりを出してもらう

EV充電用コンセントを設置する業者を決めたら、現地の調査を依頼して見積もりを出してもらいます。基本的には、工事日は依頼者の希望日にあわせてくれますが、人気の業者の場合、すぐに予約が取れない場合がありますので、日程の候補日を数日間設けると安心です。

現地調査では、依頼者がEV用充電コンセントを設置したい場所を、業者が下見にきます。下見は、工事内容や見積もり金額を具体的に進めるための重要な工程です。

現地調査の際に、ケーブルや配線経路、長さ、工事内容が決まると、詳細を業者が依頼者に説明します。不安点・不明点は、ここで業者に相談しましょう。

現地調査が終わり、EV用充電コンセントの選定をはじめ、工事プランが決まれば、詳細見積もりを提示してもらい、最終確認します。

3. 契約が完了後、実際に自宅充電設備の設置工事へ

契約が完了したら、工事に進みます。EV用充電コンセントの取り付け工事の際、一時的に騒音が出たり、道路をふさいだりする可能性がありますので、事前に近隣の住宅に挨拶しておくと安心です。

工事の際の注意点は、次のとおりです。

  • 天候悪化による工事遅延の可能性がある
  • 予備日を過ぎてしまう可能性もある

EV充電用コンセントの取り付け工事は屋外で行う工程がほとんどです。天候は当日にならないとわからないので、予定通り作業が進まない可能性があります。

日程調整の段階で、遅延が起こっても対応できる予備日を設定しても、予備日以降に作業が続く可能性もあります。

EV充電用コンセントの工事業者の選び方

EV充電用コンセントの工事業者の選び方

実際に、EV充電用コンセントは高額な料金を払い長く使う機器だからこそ、業者も慎重に選びましょう。EV充電用コンセントの取り付け工事業者の選び方について、三つほど紹介します。

第一種電気工事士か第二種電気工事士の免許を持っているか

EV充電用コンセントの、取り付け工事業者を選ぶ際のポイントの一つ目は、「第一種電気工事士」または「第二種電気工事士」の免許を持っているかどうかです。

一見簡単に設置できそうなEV充電用コンセントですが、配線作業や電気の切り替え工事を行うには、資格が必要です。資格のない人が行うと、感電や漏電事故の可能性も否定できません。資格のある業者に依頼することが、一番スムーズで安心です。

EV充電用コンセントの取付工事の実績が豊富か

次に、EV充電用コンセントの取り付け工事業者を選ぶ際のポイントの二つ目は「取り付け工事の実績が豊富かどうか」という点です。

料金を低く設定して提示したり、サービスをアピールしても、実績がなければ安心して任せることはできません。どの世界でも実績が必要なことは言うまでもないことです。業者がどの程度、取付工事の実績があるのかを調べましょう。これは、業者を選ぶ際の重要なポイントです。

EV充電用コンセントの取付工事に関する口コミや評判

EV充電用コンセントの取り付け工事業者を選ぶ際のポイントの三つ目は「業者の取り付け工事に対する口コミや評判」を見ることです。

実際に依頼した人の口コミや評判は、業者を決めるひとつの基準とも言えます。口コミ等で、具体的にどのような作業をしたのかがわかるので、ひとつの目安になります。口コミの内容や評判が7〜8割以上、高評価があれば作業を安心して依頼することができます。

200VのEV充電用コンセント取付工事の費用をおさらい

ここまで200VのEV充電用コンセント取付工事の費用について紹介しました。電気自動車(EV)を導入するにあたり、200VのEV充電用コンセントを設置することにより、自宅でより短時間で充電することが可能になります。

工事の費用については、業者のサービスや、国や自治体の補助金をうまく利用し総額を抑えることも可能です。電気自動車の充電設備を考えている方はぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

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