NEW
戸建てに電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の充電コンセントを設置するには
公開日:2024/05/22更新日:2024/05/22
もし現在戸建て住宅にお住まいの方、またはこれから戸建て住宅に移住する予定の方が、EVやPHVの購入を検討している場合、ご自宅に電気自動車用の充電コンセントを設置することも選択肢の一つです。
そこで今回は、戸建て住宅にEV・PHEV充電用コンセントを設置するための方法や注意点などについて簡単に解説していきます。
目次
カースモーラちゃんのPICK UP
- EV・PHV充電用コンセントは、新築時に設置するのがおすすめだよ。
- 戸建て住宅にEV・PHV充電用コンセントを設置する際は、電気工事士の資格を持っていて、経験豊富な業者を探そう。
- 工事を依頼する前に、契約電力の確認もしっかり行っておこう。
EV・PHV充電用コンセントを設置するタイミング
戸建て住宅にEV・PHV充電用コンセントを設置するのであれば、新築時が理想的でしょう。新築時であれば他の工事と一緒にコンセントを設置できるため、後付けで別途工事を依頼するよりも費用を抑えることができるかもしれません。
実際の費用はハウスメーカーや設置するコンセントのタイプ、そのほかの状況によって異なりますが、新築時の工事では1万〜4万円前後で依頼できるケースが多いとされています。後付けで工事を行う場合、分電盤の変更や配線工事、壁に穴を開ける作業などが必要となり、費用は一般的に6万〜10万円ほどかかることが多いようです。
特にスタンド式の充電器の設置では、地面への設置工事も必要になります。また、設置に加え、EV・PHV充電用コンセント本体の費用もかかるため、設置するコンセント本体の価格と施工内容によって費用は大きく変動します。
マンションへの設置は可能?
マンションの場合、充電器の設置は戸建住宅よりも複雑な問題が伴います。駐車スペースは基本的にマンションの共有部分であるため、EV充電器を設置するには原則として住民全体の合意が必要なためです。
しかし、今後はマンションでEV充電を行うことは容易になるかもしれません。例えば、東京都の事例を見ると2030年までに都内のマンションに6万基のEV充電器を設置することを目標にしています。
この目標達成の一環として、2025年4月から施行される改正環境確保条例では、都内の新規建築物(マンションを含む)にEV充電器を設置することが義務化されています。これにより、2025年4月以降に東京都内で新築されるマンションでは、基本的にEV充電器が整備されるはず。
しかし、前述のように既存のマンションではEV充電器の設置には住民の合意が必要となるため、戸建と比較するとハードルは高いと言えるでしょう。
EV・PHV充電用コンセントはどうやって設置するの?
EV・PHV充電用コンセントを設置する基本的な流れは大きく3ステップに分けられます。簡単に流れを確認していきましょう。
施工業者の選択
まずは、コンセントの設置を依頼する業者を選定しましょう。施工業者を選ぶ際、特に注目すべきポイントは施工業者がEVやPHVの充電設備に関する豊富な施工経験を持っているかどうかでしょう。
また、EV・PHV充電用コンセントの設置には「第二種電気工事士」の資格が必要となるため、資格を有した業者に依頼することが重要です。
現地調査
施工業者が決定したら次は現地調査です。現地調査では、EV・PHV充電用コンセントの設置場所やブレーカーの容量、配線のルートなどを中心としたチェックが行われます。
充電設備の設置場所や自宅の環境を把握するためにも、依頼者が立ち会うことが望ましいでしょう。この現地調査の結果に基づき、工事の詳細や費用が決定されます。
契約締結・着工
現地調査が完了すると、施工業者から正式な見積もりが提出されます。戸建て住宅にEVやPHVの充電設備を設置する際の費用相場と比較し、見積もりに記載されている金額が費用相場と大幅に乖離していないか確認することが大切です。
提出された見積もりと契約内容に問題がなければ、契約を結び、着工となります。工事期間は施工内容などによって異なりますが、通常は約半日から2日程度が目安です。
EV・PHV充電用コンセントを設置するうえでの注意点は?
戸建てにEV・PHEV充電用コンセントを設置する際は、契約電力やDIYでの施工に関する内容を再度把握しておく必要があります。注意点について確認していきましょう。
契約電力の確認・見直し
自宅の契約電力に注意する必要があります。一般的な戸建て住宅の契約電力は約40〜60アンペア(A)程度であり、EVやPHVの充電には約15~30アンペアの電力を使用します。
ただし、出力の大きい家電製品を同時に使用するとブレーカーが落ちるリスクが高まるため、契約電力の点は特に注意が必要です。EVやPHVの充電に十分な電力が供給できるかどうかは、現地調査の際に把握することができます。
調査の結果、必要に応じて契約電力の見直しが必要になる場合があります。なお、現在の契約電力でEVやPHVの充電に必要な電力を確保できる場合は問題ありません。
DIYで施工しない
EV・PHV充電用コンセントの設置には約10万円程度の費用がかかることもあり、費用を節約するためにDIYでの設置を考える方もいるかもしれません。しかし、EV・PHV充電用コンセントの設置を含む電気工事は、電気工事士の資格がないと実施することができません。
DIYでの施工は思わぬ事故につながるリスクがあるので、安全を最優先に考え、資格を持った専門業者に設置を依頼することをおすすめします。
カースモーラちゃんのまとめ
自宅の契約電力によってはEVやPHVの充電に十分な電力が供給できない可能性があるかも。現地調査の際に把握することができるから、不安な場合は業者さんに聞いてみてね。
電気工事士の資格がないと工事自体ができないから、DIYで工事するのはNGなことも覚えておいてね。