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電気自動車(EV)はデメリットしかない?問題点や欠点、課題を紹介

電気自動車(EV)のデメリットとしては、以下が挙げられます。

・車両価格が高いため消費者の負担が大きい
・電気自動車の充電時間が長いため、時間がない時には不便
・EV充電スポットが少ないため、電気自動車の充電が少ないと不安になる

そこで今回は、電気自動車(EV)のデメリットから、問題点や欠点、普及するための課題まで詳しく解説します。

目次

  1. 電気自動車のデメリットの前に|エンジン車との違い
  2. 電気自動車(EV)のデメリットや問題点として多い内容
  3. 電気自動車(EV)のデメリットや問題点に関する誤解
  4. 電気自動車(EV)のデメリットや欠点・課題の解決策
  5. 電気自動車(EV)はデメリットしかない?メリットは?
  6. 【Q&A】電気自動車(EV)のデメリットに関する質
  7. 電気自動車(EV)のデメリットについておさらい

電気自動車のデメリットの前に|エンジン車との違い

電気自動車のデメリットの前に|エンジン車との違い

ここでは、電気自動車のデメリットの前に、エンジン車との違いを紹介します。

ポイント
  • 電気自動車とエンジン車の構造の違い
  • 電気自動車がエンジン車より価格が高い理由

電気自動車とエンジン車の構造の違い

電気自動車とエンジン車の構造で大きく違うところは、走行に使用する燃料です。電気自動車は、バッテリーに貯蓄している電力を使用して走行してます。

一方、エンジン車は、ガソリンや軽油を使用して走行しています。電力の力を使用するか、ガソリンや軽油を使用するか、とシンプルな違いに思いますが、この違いによって、駆動力を生み出す装置が異なります。

そのため、それらの装置を補助する部品や、走行時に排出される物質も異なります。電気自動車が走行するのは、以下の仕組みです。

  • バッテリーに電気を充電する
  • 電力でモーターを動かすことで、駆動力を生む
  • 車が走行する(排出ガスが出ない)

一方、エンジン車が走行するのは、以下の仕組みです。

  • ガソリンタンクにガソリンを補充する
  • ガソリンでエンジンを動かすことで駆動力を生む
  • 車が走行する(排出ガスが出る)

電気自動車がエンジン車より価格が高い理由

電気自動車がエンジン車より価格が高くなる最大の理由としては、バッテリーを生産するコストが高いからです。電気自動車に使用されているバッテリーは、「リチウムイオン式」が主流となっています。リチウムイオン式で使われている材料は、その名の通り「リチウム」という金属です。

リチウムは、レアメタルすなわち希少金属で、生産できる主要国はオーストラリア・チリ・アルゼンチンの3か国です。そのため、日本の場合では、輸入に頼ることしかできない状況なので、電気自動車がエンジン車より価格が高くなっています。

また、リチウムイオン電池には、コバルトなどの高価なレアメタルも使用されていることも、電気自動車のバッテリー生産コストが増大する原因になっています。

電気自動車(EV)のデメリットや問題点として多い内容

電気自動車(EV)のデメリットや問題点として多い内容
ポイント
  • デメリット1. 車両価格が高い
  • デメリット2. 充電時間が長い
  • デメリット3. EV充電スポットが少ない
  • デメリット4. 航続距離が短い点が不安
  • デメリット5. バッテリーが劣化する
  • デメリット6. リセールバリューが悪い
  • デメリット7. 販売車種が少ない

デメリット1. 車両価格が高い

電気自動車は、ガソリン車・ハイブリッド車と比べて、バッテリーを生産するコストが高いため、その分、車両価格が高くなっています。

たとえば、電気自動車の日産「リーフ」(40kWhモデル)の車両価格は、比較的、リーズナブルな価格設定になっており、その価格は370〜420万円程度です。

一方、日産「リーフ」(40kWhモデル)と同じ条件のガソリン車・ハイブリッド車の車両価格は215〜285万円程度です。このように、電気自動車(EV)は、ガソリン車・ハイブリッド車と比べて車両価格が高いことがデメリットになっています。

デメリット2. 充電時間が長い

電気自動車の充電時間は、自宅で充電率20〜100%にする場合において、一般的に最短でも5時間以上、最長で一晩から丸1日かかるケースもあります。

EV充電スポットで充電する場合は、充電の出力、残りの充電量などで多少は異なりますが、急速充電を使用する場合でも30分程度はかかります。

たとえば、バッテリー容量が100kWhの電気自動車を電池残量50%から満充電にする場合は「100kWh×50%=20kWh」の電力量が必要になります。出力2kWで満充電にする場合には「20kWh÷2kW=10時間」かかる計算になります。そのため、電気自動車の充電時間が長いことが、デメリットになっています。

デメリット3. EV充電スポットが少ない

EV充電スポットが少ないことも電気自動車のデメリットの1つになっています。車が走行するためには、ガソリン車の場合、エンジンを補給することが必要なように、電気自動車の場合、充電をすることが必要です。

電気自動車の充電する方法には「普通充電」「急速充電」の2種類があります。急速充電は、高速道路のサービスエリアや、ショッピングモール、コンビニエンスストアなどに設置されています。

しかし、急速充電器を設置するための諸費用や維持費用のコストがかかることから、 EV充電スポットが少ないという状況になっています。

デメリット4. 航続距離が短い点が不安

電気自動車は、ガソリン車・ハイブリッド車と比べて航続距離が短いことが、デメリットの1つになっています。

航続距離とは、車を1回燃料の補給をすることで、走行できる距離のことを言います。電気自動車(EV)の場合においては、車を1回充電することで走行できる距離のことを指します。電気自動車で、日常生活を送っていくにあたり、通勤や買い物など、短い距離を走行する場合は、特に問題はありません。

しかし、旅行などの長距離をドライブする場合においては、電気自動車の航続距離が短い点がデメリットとして挙げられています。

デメリット5. バッテリーが劣化する

電気自動車は、ガソリン車と違いバッテリーに、リチウムイオン電池を使用するので、バッテリーの劣化という問題があります。一般的には、電気自動車のバッテリーに使用されている、リチウムイオン電池の寿命は「8年または16万キロ」と言われています。

しかし、リチウムイオン電池の劣化は、使用方法、時間経過、充電方法、走行方法などによって異なります。そのため、電球のように電池がなくなったら急に消えてしまうものではなく、時間の経過と充電回数によって徐々に劣化していき、バッテリーの機能が低下していきます。

デメリット6. リセールバリューが悪い

電気自動車のデメリットの1つにリセールバリューが悪いことが、挙げられています。リセールバリューとは、売手にとっての売却希望価格を意味します。リセールバリューが悪いことが、電気自動車の売れ行きに影響しています。

車種によって異なりますが、HEVの場合において5年後のリセールバリューは新車価格の35〜50%程度が相場と予想されています。電気自動車の場合、バッテリー劣化問題が影響して、HEVのリセールバリューを下回ると予想されています。そのため、リセールバリューが悪いことがデメリットになっています。

デメリット7. 販売車種が少ない

電気自動車は、エンジン車と比べて車両価格が高いだけでなく、販売車種が少ないこともデメリットの1つになっています。電気自動車はミニバンより、欧州や中国など電気自動車が普及している国では、高級感がある大型SUVやセダンなどのほうが人気になっています。

そのため、日本国内で人気の高いミニバンタイプの電気自動車は、国産車メーカー・輸入車メーカーどちらも2023年5月の時点で、日本で販売されていません。現時点で国内導入されるEV車種が少ないことが電気自動車のデメリットになっており、販売車種が少ないことが普及が進まない原因にもなっています。

電気自動車(EV)のデメリットや問題点に関する誤解

電気自動車(EV)のデメリットや問題点に関する誤解

電気自動車(EV)のデメリットや問題点に関する誤解について3つ紹介します。

ポイント
  • 「車両価格が高い」→補助金を活用できる
  • 「EV充電スポットが少ない」→全国2万か所以上ある
  • 「航続距離が短い」→航続距離300km以上の車体も

「車両価格が高い」→補助金を活用できる

電気自動車は車両価格は高いですが、購入する際は、補助金を活用することが出来ます。補助金の上限額、活用するための条件、申請期間は以下の表の通りです。


国の補助金上限額条件申請期間
EV85万円・指定されている期間内に新車を購入すること

・購入した電気自動車の一定期間保有の間(原則として4年間)
・4月1日~4月30日までの初回登録は5月31日まで

・5月1日以降は初回登録から1か月以内
軽EV・PHEV55万円・指定されている期間内に新車を購入すること

・購入した電気自動車の一定期間保有の間(原則として4年間)
・4月1日~4月30日までの初回登録は5月31日まで

・5月1日以降は初回登録から1か月以

※2023年の4月1日以降の場合において。
また、自治体からの補助金を併用して活用することも可能です。

「EV充電スポットが少ない」→全国2万か所以上ある

「EV充電スポットが少ない」ことがデメリットの1つとして挙げられていましたが、実は、全国に2万か所以上、EV充電スポットは存在しています。

また、EV充電スポットの中には、無料で充電できるところもあります。たとえば、高速道路のサービスエリアや、ショッピングモールといった商業施設です。

商業施設は、電気自動車を無料で充電をしている間に、商品を見てもらう、食事をしてもらうなど利益拡大に繋がるため充電が無料になっています。そのほか、無料のEV充電スポットを簡単に検索できるサービス、充電器の種類や台数、予約の必要性まで確認できるサービスもあります。

「航続距離が短い」→航続距離300km以上の車体も

電気自動車の販売台数は、2035年には新車販売台数の57.1%を占めると予想されており、年々、増加傾向にあります。

比例して、電気自動車の航続距離も年々長くなっており、中には1回の充電で走行距離が300km以上の車体も販売されています。たとえば、航続距離300km以上の車体は、以下が挙げられます。

  • 日産「リーフ e+」(バッテリー容量:60kWh)450km走行可能
  • スバル「ソルテラ」487~567km走行可能
  • メルセデス・ベンツ「EQC」400km走行可能
  • ボルボ「C40 Recharge Plus Single Motor」502km走行可能

しかし買い物や送迎といった日常生活で使用する程度なら、航続距離300km以下の車体でも問題ないでしょう。

電気自動車(EV)のデメリットや欠点・課題の解決策

電気自動車(EV)のデメリットや欠点・課題の解決策

ここでは、電気自動車(EV)のデメリットや欠点・課題の解決策を3つ紹介します。

ポイント
  • 「充電時間が長い」→必要な充電のみで充電時間を短縮
  • 「バッテリーが劣化する」→バッテリーのメーカー保証がある
  • 「リセールバリューが悪い」→補助金を活用すればHEVとほぼ同じ

「充電時間が長い」→必要な充電のみで充電時間を短縮

「充電時間が長い」という問題点に関しては、必要な充電のみで充電時間を短縮することで解決できます。

ガソリン車の場合は、ガソリンスタンドで給油をする際に「満タン」にすることが多いでしょう。しかし、電気自動車を充電する場合は、「満充電」にすることが良いとは限りません。

先述しましたが、電気自動車のバッテリーには、リチウムイオン電池が使用されています。使用されているリチウムイオン電池の種類によっては、満充電にすることで電池の劣化原因になる場合があるので、日常的には80〜90%くらいの充電量が良いとされています。

そのため、満充電にする必要がないので、「充電時間が長い」という問題点に関しては、必要な充電のみをすることで解決が可能です。

「バッテリーが劣化する」→バッテリーのメーカー保証がある

「バッテリーが劣化する」という問題点に関しては、バッテリーのメーカー保証を活用することで解決することが可能です。

保障されている期間や条件は、電気自動車の車種によって異なります。そのため、自身が乗っている電気自動車もしくは、購入を予定している車種の保障をしっかりと確認することが大切です。

プジョーの場合は、公式サイトに以下のように記載されています。EVの場合は、新車登録日より8年間または16万km走行時のいずれか早いほう。PHEVの場合は、新車登録日より6年間または10万km走行時のいずれか早いほうの期間中は保障され、不具合等の発生時バッテリーの交換、修理あるいは補修に要する工賃及び部品代金を負担します。

「リセールバリューが悪い」→補助金を活用すればHEVとほぼ同じ

電気自動車の「リセールバリューが悪い」という問題点に関しては、補助金を活用すればHEVとほぼ同じなので、解決することが可能です。

補助金の上限額、活用するための条件、申請期間は以下の表の通りとなっています。

国の補助金上限額条件申請期間
EV85万円・指定されている期間内に新車を購入すること

・購入した電気自動車の一定期間保有の間(原則として4年間)
・4月1日~4月30日までの初回登録は5月31日まで

・5月1日以降は初回登録から1か月以内
軽EV・PHEV55万円・指定されている期間内に新車を購入すること

・購入した電気自動車の一定期間保有の間(原則として4年間)
・4月1日~4月30日までの初回登録は5月31日まで

・5月1日以降は初回登録から1か月以

また、自治体からの補助金を併用して活用することも可能です。

電気自動車(EV)はデメリットしかない?メリットは?

電気自動車(EV)はデメリットしかない?メリットは?

これまでは、電気自動車(EV)のデメリットや問題点、課題について詳しく解説してきました。しかし、電気自動車(EV)にはメリットも数多く存在しています。

ここでは、電気自動車(EV)のメリットについて3つ紹介します。

メリット
  • 二酸化炭素を排出しないので、地球温暖化の防止に繋がる
  • 走行中の振動や騒音が少ない
  • エンジン車と比べて走行時にかかるコストが低い

電気自動車はエンジン車と異なり、燃料にガソリンではなく電気を使用しているので、二酸化炭素を排出しません。そのため、地球温暖化の防止につながり、環境に優しいといえます。

また、電気自動車はモーターを駆動させて走行するため、走行中の振動や騒音が比較的、少なくなっています。電気自動車は、エンジン車と比べて走行時にかかるコストが低いこともメリットの1つと言えるでしょう。電気自動車とエンジン車が同じ距離を走行した場合、一般的にガソリン代より電気代の方が安くなります。

さらに、電気自動車を自宅で充電する場合は、契約している電気代プランを安くすることで、走行時にかかるコストを抑えることが可能です。

【Q&A】電気自動車(EV)のデメリットに関する質

【Q&A】電気自動車(EV)のデメリットに関する質問

ここでは、電気自動車(EV)のデメリットに関する3つの質問について答えていきます。

デメリット
  • 電気自動車は環境に悪いって本当?
  • 電気自動車の安全面の注意点や課題は?
  • 電気自動車が普及しない理由は?

Q. 電気自動車は環境に悪いって本当?

電気自動車は、太陽光など再生可能エネルギーや原子力で発電、充電が可能なので、二酸化炭素の排出を防ぎ、環境に良い車になっています。

しかし日本は、火力発電があらゆる生活基準の基盤となっているので、電気自動車に必要な電気を作る際に、発電所で大量の二酸化炭素を排出しています。そのため、電気自動車を製作する段階においては環境において悪いことになります。しかし長期的な視点では、電気自動車では排気ガスを出すことがないため結果的に、電気自動車の方が環境には良くなっています。

Q. 電気自動車の安全面の注意点や課題は?

電気自動車の安全面の課題としては、火災による事故の発生を下げることです。電気自動車で使用しているリチウムイオン電池は、内部に残ったエネルギーを利用して発熱、再燃します。そのため、内部に熱がこもりやすくなるので、発火する原因となります。

また、1度発火したリチウムイオンは大災害に繋がるリスクが高く、消火することが困難と言われています。しかし近年では、バッテリー火災を防ぐ技術が進歩してきているので、火災発生率は減少しています。そのため注意点としては、電気自動車を利用する際にはバッテリーが上がらないように充電時間や使用頻度などを常に意識しておくことが重要でしょう。

Q. 電気自動車が普及しない理由は?

電気自動車(EV)が普及しない理由はいくつかあります。

  • EV充電インフラが足りていない
  • 電気自動車の車両価格が高い
  • 電気自動車の充電時間が長い
  • 電気自動車の航続距離に不安
  • EV充電器が整っている集合住宅が少ない
  • バッテリーの故障や寿命が不安

などが電気自動車が普及しない原因となっています。しかし、今後、電気自動車(EV)は普及していくと予想されています。なぜなら、電気自動車の普及しない要因のほとんどは、改善の見込みがあるからです。

電気自動車(EV)のデメリットについておさらい

本記事では、電気自動車(EV)のデメリットから、問題点や欠点、普及するための課題まで詳しく解説しました。

電気自動車は、車両価格が高い・充電時間が長い・EV充電スポットが少ない・航続距離が短い点が不安などのデメリットが存在しています。しかし、二酸化炭素を排出しないので、地球温暖化の防止に繋がる・走行中の振動や騒音が少ない・エンジン車と比べて走行時にかかるコストが低いなどのメリットも多数あります。

電気自動車のデメリットは、改善の見込みがあるものが多いので、これから更に普及が進むと予想されています。

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