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スバルの電気自動車(EV)「ソルテラ」の性能・スペック・価格
公開日:2024/04/27更新日:2024/04/27
目次
スバルの電気自動車「ソルテラ」の概要
Santi Rodríguez - stock.adobe.com
スバルの電気自動車「ソルテラ」は、2012年に軽自動車の自社独自生産を終了して以降、同社独特の水平対向エンジンや、それを活かした左右対称でバランスのよいシンメトリカルAWD、「アイサイト」など安全技術が売りだった同社がトヨタと共同開発したSUV。
燃費性能の向上や排ガス規制に対応した電動化技術は大きく出遅れていたスバルが、新たに提携したトヨタにAWDの制御技術という面で協力し、2022年5月に発売されました。
トヨタ bZ4X/レクサスRZの姉妹車ですが、AWDシステムやサスペンションの制御はスバル独自の味付けで、同時期発売のbZ4Xと異なり、当初からリースではなく一般販売をしていたのが特徴とされています。
スバルの電気自動車「ソルテラ」の外観・内装デザイン
Jan Kliment - stock.adobe.com
「フォレスター」を除けば、スバルは独自開発のSUV専用モデルを持たず、ソルテラもトヨタとの共同開発となっていますが、その外観や内装デザインには「スバルの電気自動車らしさ」が現れているのでしょうか?
外観:ヘキサゴングリルは健在
基本的には姉妹車のトヨタ bZ4Xやレクサス RZと同様のフォルムで、特に車格が同じbZ4Xとは同じボディカラーで並べると、遠目には「似たような車の顔違い」程度の差しかありません。
しかし、最新のスバル車やコンセプトカーでは脱却の兆しが見られるとはいえ、ここしばらくの間スバル車のデザインアイデンティティだった六角形の「ヘキサゴングリル」はソルテラでも健在!
左右を幅広く見せるためヘッドランプやテールランプに採用される「Cシェイプ」もしっかり受け継いでおり、ヘキサゴングリルの開口部が少ないところで、電気自動車らしさも出ています。
それ以外の部分については、「ダイナミックな造形を意図した」と言っても並べればbz4Xと同じとわかるので、フロントマスクとテールランプで目一杯「スバルらしい個性」を出したということでしょう。
内装:視界と各部の視認性に配慮
内装については外観以上にbZ4Xと共通で、電気自動車専用プラットフォームの利点を活かしたロングホイールベースと、それにより生まれた前後に長い空間をフルに使ったパッケージや、視認性に配慮されたドライバー用ディスプレイや大型センターディスプレイが特徴。
運転席と中央のディスプレイは、高さや奥行きを最近の電気自動車で流行しているような無理な合わせ方をせず、全体的な視認性の高さを追求したような配置になっており、特にドライバー用ディスプレイは奥まった位置で、ドライバーからの情報把握が最優先です。
12.3インチの大型で横長のディスプレイは、ドライバーからも助手席や後席からの乗員かも視認性が高く、ドライブ中に映し出すさまざまな情報で、同乗者の退屈感を紛らわせたり、ドライブのサポートも可能なように感じられました。
スバルの電気自動車「ソルテラ」のサイズ・室内スペース
スバル車でも海外専用車に見られるような、「日本では持て余すサイズ」になっていないか、そのうえで室内スペースは現代の車に要求される基準になっているか、ソルテラは電気自動車という特殊な事情も考えつつ、見てみます。
ボディサイズ:日本でもギリギリ扱いやすい範囲
ソルテラのスリーサイズは全グレード共通で、全高4,690mm×全幅1,860mm×全高1,650mmと、トヨタならハリアー、スバルならフォレスターより少々大きいくらいです。
特に全幅は狭い道も多い日本で、さほど運転に慣れていないドライバーでも不安なく扱うにはギリギリ許容範囲ですが、全長は4.7m(小型車枠の上限)に収まっていますし、何とか「取り回しで難儀するほどではない」と言えるでしょう。
ほとんどのタワーパーキングにも入れる全高(1,550mm)とはいきませんが、床下の重いバッテリーで十分に重心は低いと感じられる高さなので、全体的には「ワイド&ロー」なフォルムを実現したボディサイズと言えそうです。
室内スペース:前後で広さを演出した空間
室内スペースは、前席が適度な包まれ感による運転席や助手席の安心感の実現に成功していますが、後席は快適性の確保に苦心した跡が見られます。
後席とラゲッジは床下バッテリーの影響で低床とはいかず、座面と天井との余裕がない点は後席足元空間を最大限に取りつつ、寝かせ気味の背もたれにより前後スペースで広さを演出しており、極力ルーフを低く、ワイド&ローなフォルムにしたい意図がありそうです。
その結果、やや寝かせ気味に座った後席乗員が座面から床面の高さが不足しているのを感じさせないよう、足を少し投げ出すような姿勢に誘導しており、結果的にヘッドスペースで圧迫感を感じさせないような配慮となっています。
これ以上はルーフを上げた時にズングリムックリしたデザインにならないよう、全長をもう少し伸ばさないといけませんし、技術的限界による床下バッテリー容積の問題がクリアにならないうちは、このようなパッケージが標準となるのかも?
収納スペース:荷室高は2段調整式!
まずリヤバンパー下に足を入れれば自動でバックドアが開閉する、「キックセンサー付パワーバックドア」で、両手がふさがっていても荷室へのアクセスは楽ちん!
荷室は後席を前に倒さなくとも、ET-SSグレードなら4つ、ET-HSグレードなら3つのゴルフバッグ入るほどの容量があり、後席の背もたれを倒せばさらに長尺物も搭載可能な、最低1,810mm(前席シート位置最後端の時)の奥行きが生まれます。
なお、荷室床面のデッキボードは2段階の高さで固定可能となっており、下段に固定すれば荷室高は757mmから828mmへ広がって、高さ方向にかさばる荷物を積むのに便利です。
後席使用時は、寝かせ気味の背もたれで奥に積む荷物の高さが制約されはするものの、快適性と実用性の両立ということで、許容できる範囲でしょう。
スバルの電気自動車「ソルテラ」の性能・電費・装備
miro - stock.adobe.com
トヨタと共同開発したとはいえ、GR86に対するBRZのごとく「味付けはスバル流」と言われるソルテラですが、性能や電費、装備面の充実度に、スバルの電気自動車らしさはあるのでしょうか?
走行性能:走行安定性に優れたAWD-GT
床下に走行用バッテリーを敷き詰めたという電気自動車の特性上、低重心で常時安定した挙動を示すというのはソルテラでも共通ですが、姉妹車のbZ4Xに対してはFWD車ならセッティングも共通となります。
ただし、スバルがその歴史を通じて力を入れてきたAWDについてはセッティングが丸っきりスバル流となっているようで、ソルテラはやや硬めのサスペンションに、駆動力配分こそするもののFWD状態は作らないフルタイム4WDというか、トルクスプリット型!
そのため舗装路での高速走行では安定性が高く、逆に非舗装路では4WDらしくどこからでも力強いトラクションが得られるセッティングとなっているほか、電動パワーステアリングもソルテラの方がやや安定志向のようです。
安全性能:予防安全・衝突安全は抜かりなし
スバルの予防安全装備といえば有名なのはステレオカメラ式の「アイサイト」ですが、ソルテラはトヨタとの共同開発らしく「SUBARU Safety Sense」、つまり単眼カメラ+ミリ波レーダー式のTSS(TOYOTA Safety Sense)をそのまま搭載しているようです。
今やこの種の予防安全装備は、衝突被害軽減ブレーキやハンドル制御、急発進抑制など「ぶつからない系」、車線変更時や降車時の後側方監視など「警告する系」、車線からのはみ出し某氏など「運転支援系」がどこでも充実しており、ソルテラにも当たり前の装備。
さらに衝突安全は6つの乗員保護エアバッグや衝突安全ボディに加え、バッテリーの損傷を防ぐ保護構造は電気自動車専用プラットフォームらしいところでしょう。
電費性能:低電費で車格の割によく走る!
エンジン車やハイブリッド車での「燃費」に相当する、1kmあたり何Whの電力を消費したかを示す交流電力消費率を「電費」と呼びますが、ソルテラでは下位グレードET-SSのFWD車で126Wh/km(航続距離567km)、AWD車で133Wh/km(同542km)。
AWDのみの上位グレード、ET-HSでも148Wh/km(同487km)と、車重2t級SUVとしてはかなりの「低電費」で、航続距離の割にバッテリー容量も71.4kWhと少なめで済んでいます。
軽自動車やコンパクトカーでもっと電費のいい電気自動車はあるものの、輸入車では高性能な代わりに200Wh/km超はザラで、よくても100Wh/km台後半だと思えば、国産のソルテラのような電気自動車こそ、本当の意味で環境に優しい電気自動車と言えるでしょう。
装備・機能:国産電気自動車らしい装備が充実
電気自動車らしい装備面としては、バッテリーのおかげで低重心ゆえに装備しやすいということなのか、電気自動車で定番となりつつあるパノラマルーフは「パノラマムーンルーフ(電動ロールシェード付)がET-SSのFWD車を除きメーカーオプション設定。
冬季にエアコンの暖房フル稼働でバッテリーの負担増を避けられる、シートヒーターやステアリングヒーターが全車標準装備なのは電気自動車としてありがたい装備です。
他に、国産電気自動車らしい装備としては荷室にAC100V/1500Wコンセントがあって、家電製品などが使えるV2Lや、家屋などの電源と慣れるV2Hなど、外部給電機能も充実しており、アウトドアや災害時にも安心して使えるのは魅力的なポイントでしょう。
スバルの電気自動車「ソルテラ」の価格・スペック
bilanol - stock.adobe.com
メーカー | SUBARU |
車種 | ソルテラ |
モデル・グレード | ■ET-SS(FWD/AWD) ■ET-HS(AWDのみ) |
全長×全幅×全高 | 4,690×1,860×1,650mm |
車両重量 | ■ET-SS FWD:1,910kg ■ET-SS AWD:2,000kg ■ET-HS:2,030kg |
乗車定員 | 5人 |
最小半径 | 5.6m |
電力消費率 | ■ET-SS FWD:126Wh/km(WLTCモード) ■ET-SS AWD:133Wh/km(WLTCモード) ■ET-HS:148Wh/km(WLTCモード) |
一充電走行距離 | ■ET-SS FWD:567km(WLTCモード) ■ET-SS AWD:542km(WLTCモード) ■ET-HS:487km(WLTCモード) |
総電力量 | 71.4kWh |
最高出力 | ■ET-SS FWD:150kW(203ps) ■ET-SS AWD/ET-HS:160kW(218ps) |
最大トルク | ■ET-SS FWD:266N・m(27.1kgf・m) ■ET-SS AWD/ET-HS:338N・m(34.5kgf・m) |
価格(税込) | ■ET-SS FWD:627万円 ■ET-SS AWD:671万円 ■ET-HS:715万円 |
公式サイト | SUBARU 公式サイト |
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今回はスバルがトヨタと共同開発した電気自動車(EV)、ソルテラを紹介しましたが、何しろ燃費の面であまり褒められないスバルにとって、ソルテラのような電気自動車が今後はとても重要になります。
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