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フォーミュラE、初の東京開催!EVレースの面白さはどこにある?
公開日:2024/04/01更新日:2024/04/01
目次
FIA フォーミュラE世界選手権の日本開催
2024年3月30日に東京有明地区にある『東京ビッグサイト』周辺の公道を使用した、国内初の市街地レースが行われました。フォーミュラEは『ABB FIAフォーミュラE世界選手権』で『国際自動車連盟(FIA)』が主催しており、2014年から開催されています。
フォーミュラEの最大の特徴は、動力が電気なのでマシンからのCO2排出量がネット・ゼロ・カーボンに認定されていることです。ネット・カーボンは、人が活動することで排出される二酸化炭素(CO2)の量が、自然や人がCO2を吸収したり除去したりする量が差し引きゼロになることをいいます。つまり地球規模で見た時に、CO2 の全体量が変わらないことになり、フォーミュラカーでの認定は驚きです。
フォーミュラカーレースとはどんなものなのかを分かりやすくするために、F1レースと比較してみましょう。
F1 | フォーミュラE | |
レース名 | Grand Prix(グランプリ) | E-Prix(イープリ) |
パワートレイン | ガソリン V6ハイブリッドエンジンに内燃機関、電気モータ、バッテリ、エネルギー回生装置 | バッテリ+モータ ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングの共通バッテリ モータ:フロント回生用250kW+リア駆動350kW |
車体 | 全長(4.5~5m)・幅2m・高さ95㎝以下 | 全長5m・幅1.7m高さ1.0m 現在のGen3は「空力効率に優れた戦闘機のデルタウイングデザイン」をイメージ |
車体重量 | 燃料抜きで最低重量798㎏ | ドライバーを含めて840㎏ |
最高速度 | 380㎞/h | 322㎞/h |
タイヤ | タイヤサプライヤー:ピレリ ウルトラソフト(C5)・スーパーソフト(C4)・ソフト(C3)・ミディアム(C2)・ハード(C1)・インターミディエイト・ウェットの7種類 | タイヤサプライヤー:ハンコック |
ピットレーン | タイヤとパーツの交換 | マシンの交換(各チーム2台用意)バッテリそのものが25分しか持たない 決勝レースでは11チームでドライバー22人に対してマシン44台使用している |
レース開催日程 | 金曜日~日曜日 レース時間:2時間 | 土曜日のみ プラクティスセッション(2回)・予選・E‐Prix(決勝)が同日開催 レース時間:1時間 |
レース数 | シーズンによって異なるが、約23戦(3月~11月) | シーズンによって異なるが約16戦(1月~8月) 第6戦が日本初開催(東京) |
ポイント | TOP10に25/18/15/12/10/8/6/4/2/1 ファステストラップ1ポイント | ほぼ同じシステム ポールポジションに3ポイント |
F1と比較すると、何となく迫力に欠ける気がしてしまうのは、ライターだけでしょうか。瞬発力のある走行性能は認めても、音の魅力はどこにもない。そんなレースが面白いのか、まだまだ半信半疑な人も多いのではないでしょうか。
歴代マシンと新型マシンの違いは?
現行マシンは2023年に開発された第3世代の「Gen3」です。歴代のマシンに進化をご紹介します。
仕様 | スパーク・ルノー・SRT01E | Gen2 | Gen3 |
全長(mm) | 5000 | 5200 | 5016.2 |
全高(mm) | 1250 | 1063.5 | 1023.4 |
全幅(mm) | 1800 | 1800 | 1700 |
ホイールベース(mm) | 3100 | 3100 | 2970.5 |
最小重量(ドライバー含む)(kg) | 898 | 900 | 840 |
最大出力(kW) | 200(268馬力) | 250(335馬力) | 350(470馬力) |
最大回生電力(kW) | ― | 250 | 600 |
エネルギー回生 | 約25% | 約25% | 40%以上 |
最高速度(km/h) | 225 | 280 | 320 |
パワートレイン | ― | リアのみ | フロント・リア |
世代が進むにつれて速度が速く、軽量化されています。現行のGen3では最高速度が300㎞を超えて、F1に近くなってきました。また新世代マシンは、戦闘機のデルタウイングデザイン」をイメージして作られています。また市街地サーキットレース専用マシンとしてタイトな市街地サーキットでの接触を改善するために全長を短縮しました。
最高速度が300㎞の大台に乗り『F1』並みの早さに至っており、しかもそのスピードで市街地を走行するとなると、ちょっとワクワクしてきませんか。
EVレースの面白さはどこ?
どんな場所でどのようなマシンを使用してレースが行われるのかが理解できると、少し見方が変わってくるのではないでしょうか。『フォーミュラE』の面白みを、他の角度からご紹介してみます。
マシンのレギュレーションがある程度同一条件となっている
タイヤはワンメイクとなっているように、同一規格なパーツが多いことがレースの行方を分からなくさせていることがあります。シャシー、フロントサスペンション、フロントモータなどが同一規格の採用です。
チームで用意するのは後輪用のドライブトレイン。モータ、インバータ、ディファレンシャルギアは各チームで異なっています。
市街地開催
またサーキット会場よりも間近で見ることができるので、すぐそばを時速300㎞にも達するマシンが疾走していく姿は迫力のあるものになるでしょう。幅の狭い特設コースは見どころも満載。また「アクティベーションゾーン」といわれる短い区間は「アタックモード」となっており、300kWから350kW へとパワーアップして走行するところもあります。
ゼロエミッションの知的ゲームが見どころ
勝敗を決めるのはエネルギーマネジメントといっても過言ではありません。全開走行で行われる予選よりも周回数が多く設定されているため、綿密なマネジメントが必要です。最後まで走りきることを念頭に置きながら、ドライバーはバッテリー残量と戦うことになります。順位を上げるためのオーバーテイクを繰り広げる駆け引きは大きな見どころのひとつになるでしょう。
E-Tokyo Festival 2024の開催
2024年3月30〜31日に『FIAフォーミュラE世界選手権』が開催されます。この2日間に「東京ビッグサイト」では、『E-Tokyo Festival 2024』を実施。パブリックビューイングでフォーミュラEの観戦ができたり、次世代モビリティの試乗でZEV(ゼロエミッション・ビークル)の体感イベントが行われました。
2023年から行われているプロジェクト「TOKYO ZEV ACTION」では、丸の内にフォーミュラE車両の展示やZEVの試乗を実施したほか、フォーミュラE のデモ走行が行われてきました。
3月30日には第3弾となる『E-Tokyo Festival 2024』が開催され、家族みんなで楽しみながらZEVを学ぶことができます。アリアンツ・ファンビレッジのステージではNOAさん、YOU MATUZAKIさんなどがライブを行い、貴島明日香さんやDa-ice、古坂大魔王さんが登場。また「仮面ライダーガッチャードショー」や「わんだふるぷりきゅあ!ショー」などが行われました。
31日にはフォーミュラEgaokonawareta コースを実際に歩いて体感できる「フォーミュラEコースウォーキング」や、シュミレーターを使用した「e-Motorsports」のエキシビジョンマッチも開催されました。実際に参戦しているレーシングドライバーと、国内トップレベルのeスポーツドライバーのレースを楽しむこともできました。
フォーミュラEへ行ってみよう!
パワーの駆け引きとライン取りの難しさは、ある意味サーキット走行とは異なる次元の走行を見る機会になるかもしれません。3月30日、東京が熱くなる一日になったのではないでしょうか。その瞬間を見逃さないようにしたいですね。
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