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現行型トヨタ MIRAI(ミライ)本音インプレッション!~カースモーラちゃんねるより~
公開日:2024/03/15更新日:2024/03/15
目次
2020年発売ゆえに?ちょっと保守的な外装
清水編集長のMIRAIはモデリスタ仕様
分厚めのフロントマスクは「男らしい」との評価
まずMIRAIのフロント前にしゃがみこんだ2人、分厚いフロントマスクに切れ長のヘッドライトでバランスの取れたデザインもさることながら、注目したのはフロントグリルです。
エンジンの冷却系が必要ないEVではエンジン車のフロントグリルとなる部分はフラットなパネルで覆われるデザインを採用していることが多い中、MIRAIでも開口部は部分的、しかしデザイン上はガソリン車と似た立派なフロントグリルとなっており、らいあん氏は「男らしい」という評価。
清水編集長のMIRAIはモデリスタ仕様ということもあり、バンパー下端のフロントスポイラースポイラーがさらに存在感を増していると、かなり好印象です。
ドアノブは保守的だが、使いやすさ重視
いけぺろ社長は格納式ではないドアノブの方が、今までのユーザーには使いやすいと評価
次にサイドへ回り、意外と扁平率が高くて乗り心地重視な19インチホイールとタイヤ、4輪ディスクブレーキをチェックしつつ、注目したのはドアノブでした。
最新のEVは空気抵抗も意識して、使う時だけ飛び出す収納式ドアノブの採用が増える中、MIRAIはオーソドックスな形状で、らいあん氏は「2020年発売の車だし、今のレベルに比べたら遅れているかも」という意見。
しかし、今までEVとの接点が少なかったいけぺろ社長は「普段がガソリン車で馴染がある人には、むしろ扱いやすい感じ」と逆の評価…最新EVを追う立場のらいあん氏と異なり、これからEVに馴染もうという多数派ユーザーの意見の違いが面白いですね。
閑話休題…水素はちょっと減ったくらいでは継ぎ足せない!?
えっ…水素は「ちょっと走ったら継ぎ足し」ができない?
サイド周りチェックでは、水素充填口の確認でらいあん氏から思わぬ情報も。
らいあん氏:「満充填での航続距離は公称値(約850km)に対して、市街地だと500km程度で、しかも途中、(充填率)90%くらいで継ぎ足そうとしても、気圧の関係で入っていかないんです。」
ガソリンや軽油の感覚で充填できると思っていた水素ですが、そうでもいかないようです。
燃料電池車にはMIRAIのように水素を高圧充填するほか、水加ヒドラジンなど水素以外の燃料でインフラ整備が簡便、補給も容易で希少金属も使わない方式も研究されており、いずれ面倒な水素を使わない燃料電池が主流となる可能性も、まだあります。
ゴルフバッグが2~3つ入るトランク
編集長のゴルフバッグ1つは余裕で入るも、3つは厳しそうな…実際は2つ?
リアに回ってトランクを開けると、ゴルフバッグが1つ…清水編集長の私物でしょうか?
MIRAIの場合、ゴルフバッグは2つまでと思った方が良いです。
3つ入るという話もありますが、着替えなどのバッグを入れることを考えると2つまでですかね。
トランク容量は十分で開口部も極力大きく取ってあるものの、最近の欧米車で多い、リアウィンドウごと大きく開く4ドアクーペスタイルではありません。
ただ、らいあん氏は「これなら出し入れはしやすい」という評価でしたので、昔のセダンよりは使いやすそうです。
トランク関連では他にも、内部にコンセントのあるAC100V/1500W電源は、らいあん氏曰く「小さな電化製品だったら使えると思います」とはいうものの、実は東日本大震災で炊飯器すら使えた実績から、HEVなど電動車では定番になったお役立ちアイテム。
トランクリッドを軽く閉めるだけで完全にロックしてくれるソフトクローズなど、セダンのトランクは確実に進化しています!
シュッとしたLEDテールは、外観で数少ない「EVらしいポイント」
「シュッとしてる」という表現は便利ですねー
ただしこのへんは特に「EVならでは」というポイントでもなく、その意味でもっとも高評価だったのは「最近のEVでもよくある」スタイリッシュなLEDテールでした。
いけぺろ社長:「かっこいいですね、このシュッとしたLEDテールが」
ショーファードリブン的?内装インプレ
おもてなしには最高のデュアルシートヒーター
前後左右席のシートヒーター、ベントシートを独立操作できるのは快適性の面で高ポイント
内装は革張りが多用されて高級感にあふれているほか、2人が共通してお気に入りポイントに上げたのは「前後デュアルシートヒーター」。
いけぺろ社長:「デートの時とか、男性はともかく女性寒いとか、そういうのにならないのがいい。」
前後左右独立で設定可能で、シートヒーターだけでなくシートからの送風で接触面の不快な蒸れを解消してくれる「ベンチレーテッドシート」機能もあり、後席中央の背もたれを倒すと出てくるアームレストには、後席用のシートパネルもあり…あれ?後席中央のシートヒーターは?
水素タンクのおかげで5人乗りには無理がある後席には不満も
中央席の背もたれを前に倒すと出てくるアームレストは便利だが、中央席に乗ろうとすると肩身が狭すぎで実質4人乗り
実は2人揃って「不満点」としたのが後席中央で、初代MIRAIと違って後席3人がけの定員5人となった現行MIRAIですが、後席中央は背もたれがアームレスト兼用、座面も一応座れる程度で、しかも足元には高圧水素タンクを収めた巨大なセンタートンネルが。
昔のファミリーセダンだと、FRでなくとも4輪駆動のためプロペラシャフトが通るセンタートンネルがたいていあって、後席中央は文字通り「肩身が狭い」以上のガマンを強いられましたが、MIRAIのセンタートンネルはそれ以上、現代っ子世代のお2人には辛いでしょう。
「後席中央は、あくまでどうしても5人乗らなきゃいけない時の補助席ですね」、というのが共通した評価でした。
(清水編集長コメント)
東京から箱根や福島県往復で5人で行ったこともありますが、事前に後部座席は広くない、と伝えていればそこまで問題にはならなかったです。
ただし、他のセダンと比較しても狭い、という印象は否めないですが。
「街乗り用」という評価のらいあん試乗
こう言われたら買うしかない
既に数々のEVを試乗しているらいあん氏、注目するポイントをEVならではの静粛性、特にバッテリーのみのBEVと、燃料電池で発電するFCEVの違いにおいて、エコモードでの走りです。
らいあん:「燃料電池が発電する音がするかと思ったらそんなことはなく、すごく静か!」
トヨタらしく遮音性に優れた設計でインバーター音もさほど気にならず、助手席のいけぺろ社長が、むしろタイヤのロードノイズを気にした程度。
運転席からしか見えないため、動画では様子がわからなかったものの、HUD(ヘッドアップディスプレイ)に制限速度や現在の速度が表示されるのが、便利だったようです。
ちょっとアクセルを踏み込んでみたものの、エコモードではさほどの加速感、トルク感は感じられず、純粋に街乗り用の動力性能という感想でした。
EV初体験の登坂路でご満悦!いけぺろ社長試乗
いけぺろ社長、本日最高の笑顔
続いて燃料電池車どころかEVの運転自体が初体験、テスラ車に同乗した経験はあったらしく、エコモードでの加速が物足りないと言っていた、いけぺろ社長の試乗ですが、実際にステアリングを握ってみると…。
いけぺろ社長:「初めて電気自動車を運転してるんですけど、ちょっと物足りないのかなと思ってたら全然変わらないです、逆に違和感全くないですね。」
らいあん氏:「アクセルペダルの感触とか、ブレーキとか同じ感じですか?」
いけぺろ社長:「ブレーキがすごくなめらかな気がして、カンって止まらないし、逆に止まらなすぎないわけでもない、アクセルもこれといって物足りなさとか、ホントにないかも。ちょっとなめてました。」
実はらいあん氏の試乗でもブレーキフィーリングのよさを高く評価しており、30プリウスの頃までトヨタ電動車のひどく不快な弱点だった、「回生ブレーキから油圧ブレーキへ切り替わる時のカックン感」は、完全に解消された模様。
続いて「ノーマル・エコ・スポーツ」の3つあるドライブモードから「スポーツ」を選択すると、レスポンスもトルク感も全く異なり、踏んでからラグのあったエコやノーマルに対し、踏んだだけ加速するのが気持ちいいようです。
さらに今回いけぺろ社長がもっとも顔を輝かせていたのが、登り勾配。
いけぺろ社長:「今エコモードで坂登ってるんですけど、めちゃくちゃスムーズです!
ガソリン車って坂登ると回転数がうわっと上がって、うなるんですけど、ウォーンって、ヌルっと…これはなんか結構今20分試乗した中で一番、EVだ!って感じがしました。」
ほぼ静止状態からトルクフルなモーターの恩恵という、電動車の特性を、実によく言い表してくれました。
今回のインプレッション動画を見ての統括
プリウスのPWRモードもそうだったが、スポーツモードではエコモードとは違う車に激変しそう
2人のインプレッション動画を客観的に見ていると、現行モデルのMIRAIがどんな車かハッキリしてきます。
懸念点
- 2010年代半ばに導入されたプラットフォームは、時代の変化に追いつけておらず、パッケージングやデザインの面で更新が求められています。
- 高圧水素タンクの収納により、車体が拡大したものの、5人乗りのセダンとしての快適性には課題が残ります。
- 充電ステーションに比べ水素ステーションの普及が遅れているため中、購入の際は生活圏の中に水素ステーションがある場合に限られるという課題が残ります。
- クラウンセダンFCEVが発売された現在においてMIRAIの立ち位置を考えると混在してしまうため、SUVに形状変化させるなどにより水素タンクのレイアウトに柔軟性を持たせる必要が出てきます。
優れている点
- 登坂時の性能やスポーツモードのレスポンス、トルクにおいて、ガソリン車のスポーツカーに近い楽しさを提供しています。
- 街乗り向きと評価されつつも、大都市間の長距離移動に適したトルクの余裕や快適性を備えています。
MIRAIはらいあん氏やいけぺろ社長のやり取りを通じて分かりやすく紹介されていますので、動画もぜひご覧ください。
トヨタMIRAI(ミライ)内外装レビュー
トヨタMIRAI(ミライ)試乗動画 本音レビュー
このブランドについて
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TOYOTA
トヨタ
常に世界の最多生産台数を争い、日本のみならず世界を代表する自動車メーカー、トヨタ。多くの日本車メーカーと深い関わりを持ち、グループ全体で超小型車からバス・トラック、産業車両まで網羅したフルラインナップ・メーカーであり、近年は実用性やコストパフォーマンスのみならず、スポーツ性など走る楽しみにも力を入れています。世界初の量販ハイブリッドカー「プリウス」から電動化技術では最高の蓄積を持ち、自動運転技術の実用化、新世代モビリティと都市生活の在り方を模索する「ウーブン・シティ」へ多大な投資を行う一方、電動化だけがエコカー唯一の選択肢ではないというスタンスも崩さず、死角のない全方位戦略が現在の特徴です。