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電気自動車(EV)におけるJAF加入の必要性について

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、2035年までに新車販売における電動車の比率100%を目指すことが掲げられています。日本国内におけるEVシフトが増す一方で、実際に電気自動車(EV)の利用を検討するならば、より現実的な問題についても考えなくてはなりません。

その一つが、JAF(日本自動車連盟)のロードサービスについてです。今後普及が見込まれるEVも、普通車と同様にJAFのロードサービスの対象となります。

では、従来のガソリン車とEVではロードサービスの内容に違いはあるのでしょうか?今回は、EVを導入する前に知っておきたい、JAFの展開するEV向けロードサービスの詳細について解説します。
カースモーラちゃんのPICK UP
  • JAFではEVを対象にしたロードサービスが充実し始めているよ。
  • 代表的なのは2023年8月に開始された「EV充電サービス」だよ。
  • 普通車と同じようにパンクやキーの閉じ込み、けん引にも対応しているの。

EVは必ずJAFに加入しなければならないの?

EVは必ずJAFに加入しなければならないの?

EV車に乗るからといって、JAFに必ず加入しなければならないわけではありません。


とはいえJAFもまた、近年加速するEVシフトの状況を鑑み、EVを含む多種な車種を対象にした救援サービスを提供する体制を整えています。


EVはもちろん、燃料電池自動車(FCV)やハイブリッド車(HV)なども救援サービスの対象です。ガソリン車以外もサービスの対象にも含まれるようになったことで、今後増加する多様なニーズにも対応できるようになりました。


こうしたEVを対象としたJAFのサービスが充実してきていることを考えると、加入は必須ではないものの、EVを購入する場合はJAFへの加入が望ましいと言えるでしょう。

JAFでEVを対象としたサービスが本格化した背景

JAFでEVを対象としたサービスが本格化した背景

JAFは2023年8月1日から、運転中に充電切れで停止してしまったEVを対象に、その場での充電が可能な「EV充電サービス」の試験運用を開始しました。EVの購入を検討する方の中には、走行中に充電が尽きて道路上で車が停止することへの懸念があるかもしれません。


従来も、JAFはEVの充電切れによる救援要請に対し、最寄りの充電設備まで車両を搬送する対応を行っていました。


一方、新たに導入された「EV充電サービス」では、充電切れで停止した場所までサービスカーが出向くため、現場で急速充電を行えるようになっています。ちなみに、2020年にJAFが対応したEVのロードサービス件数は5,804件で、そのうち573件(全体の約10%)が充電切れによるものでした。2022年には700件を超えたとのこと。


2020年度にJAFが対応したEVのロードサービス内容とその内訳は、以下のようになっています。


対応内容

件数

構成比(%)

タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足

1,691

29.1

過放電バッテリー

1,329

22.9

充電切れ

573

9.9

落輪・落込

405

7.0

事故

235

4.0

その他

1,571

27.1

合計

5,804

100


出典:一般社団法人日本自動車連盟|JAFロードサービスからみた電動車の対応について

JAFに加入したEVはどんなサービスを受けられる?

JAFに加入したEVはどんなサービスを受けられる?

JAFでは、EVを含むさまざまな車種に対応した多岐にわたるサービスを提供しています。


ガソリン車と同じように、タイヤのパンクやキーの閉じ込み、故障したEVのけん引などの救援作業はもちろんのこと、路上で充電切れになったEVに対しては状況に応じた特別なサービスも提供しています。


例えば、前述した「EV充電サービス」はEV充電対応サービスカーを使用することで、その場での応急的な急速充電を可能にするものです。加えて、最寄りの充電ステーションまでの搬送作業も行っています。


一方、燃料電池自動車(FCV)については、現場での補給ではなく、最寄りの水素ステーションまで車両の搬送対応までがサービスの提供範囲です。

EVを対象としたJAFのロードサービスの現状

EVを対象としたJAFのロードサービスの現状

EVを対象としたJAFのロードサービスの現状を見てみましょう。


2023年4〜10月の半年間における救援サービスの出動理由を見てみると、タイヤのパンクやバーストの次に、充電せずに長期間放置したことが原因で起こる過放電バッテリー、そして充電切れがランクインしています。


対象年月

EV車を対象とした救援件数

充電切れの救援件数

出動理由

2023年4月

618

53

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:185件
  2. 過放電バッテリー:152件
  3. 充電切れ:53件
  4. 事故:35件
  5. 落輪・落込:34件

2023年5月

590

35

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:166件
  2. 過放電バッテリー:149件
  3. 落輪・落込:38件
  4. 充電切れ:35件
  5. 事故:33件

2023年6月

571

38

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:190件
  2. 過放電バッテリー:101件
  3. 充電切れ:38件
  4. 落輪・落込:37件
  5. 事故:30件

2023年7月

657

64

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:208件
  2. 過放電バッテリー:125件
  3. 充電切れ:64件
  4. 落輪・落込:46件
  5. 事故:23件

2023年8月

767

95

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:242件
  2. 過放電バッテリー:118件
  3. 充電切れ:95件
  4. 落輪・落込:38件
  5. 事故:36件

2023年9月

636

59

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:235件
  2. 過放電バッテリー:94件
  3. 充電切れ:59件
  4. 落輪・落込:31件
  5. 事故:22件

2023年10月

681

70

  1. タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足:219件
  2. 過放電バッテリー:131件
  3. 充電切れ:70件
  4. 落輪・落込:39件
  5. 事故:37件

特に充電切れに関しては、EV充電設備の不足はもちろん、ドライバー自身の不注意により起こることもあるはずです。


こうした通常利用の範囲内でも発生しうるリスクに対応するためにも、JAFへの加入が望ましいと言えるでしょう。

カースモーラちゃんのまとめ

EVを購入するうえでJAFの加入は必須ではないよ。でも、EVを対象としたサービス内容も充実してきているから、万が一の時に備えて加入しておくのがおすすめだよ。

もちろん普通車と同様に、パンクやキーの閉じ込み、けん引にも対応できるんだ。中でも、EVが充電切れした場所までサービスカーで来てくれて、その場で急速充電をしてくれる「EV充電サービス」は注目のサービスだね。

実は、この「EV充電サービス」2023年8月1日に試験運用が開始されたばかりの新しいサービスなんだ。ほかにも最寄の充電スポットへの搬送など、EVに関連した救援内容が充実し始めているよ。
航続距離等で不安の残るEVだけど、JAFが味方なら今後も安心してドライブを楽しむことができそうだね。

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