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電気自動車(EV)の電池切れ時に実施できる対処法や防止策について

電気自動車(EV)を購入する際の不安材料の一つとして挙げられるのが、走行中の電池切れです。日本自動車連盟(JAF)のデータでは、2022年におけるロードサービスのうち電池切れによる対応件数が700件を超えるなど、EVの普及に比例して電池切れによる救援対応の増加も目立っています。

EVはガソリン車と比べて航続距離も短いため、ドライバーは日頃から走行中に電池切れを起こさないよう注意を払う必要があるでしょう。今回は、EVの電池切れを示すサインや電池が切れた場合の対処法、電池切れを防ぐための方法について解説します。

目次

  1. そもそもEVの「電池切れ」ってどんな状態?
  2. EVの電池が切れた場合、どのように対処したら良い?
  3. EVの電池切れを防ぐには?

そもそもEVの「電池切れ」ってどんな状態?

そもそもEVの「電池切れ」ってどんな状態?

EVの電池切れは、ガソリン車の「ガス欠」に相当する状態です。ガソリン車ではガソリンメーターを見ることでガス欠に近いかどうか判断できますが、EVでは電池切れを一体どのように確認するのでしょうか。

電池切れサインはディスプレイやメーターを確認

EVの電池切れが近づくと、ディスプレイやメーターに電池残量が低下したことを示す警告が表示されます。バッテリー残量が少ない状態のまま走行を続けると、出力制限モードに切り替わる場合があります。


出力制限モードに切り替わると、モーターへの電力供給が制限され、結果として車の減速やハンドル操作の重たさなどが生じることも。電池切れを示すサインが表示されているにもかかわらず走行を続けると、最終的には電池が完全に切れてしまい、EVが走行不能となる可能性があります。

駆動用バッテリーと補機用バッテリー

EVには、駆動用バッテリーと補機用バッテリーの2種類が搭載されています。駆動用バッテリーは、EVが走行するための動力を供給するバッテリーです。


対して補機用バッテリーは、システムの起動、スマートキー・オーディオといった電飾品を駆動させる役割を担っています。いずれかの電池が切れた場合であっても、EVが走行不能に陥ってしまうため注意が必要です。

EVの電池が切れた場合、どのように対処したら良い?

EVの電池が切れた場合、どのように対処したら良い?

EVの電池が切れた場合はどのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、EVの電池切れ時に実施すべきアクションについて解説します。

まずは安全な場所に移動する

EVは電池切れになると完全に停止し、走行できなくなってしまいます。もし道路上など安全でない場所で停止してしまった場合は、シフトを「N」(ニュートラル)に入れて、手動で車を移動させなければなりません。


ほかの車と接触しないよう、細心の注意を払いながら車を路肩へ移動させましょう。ちなみに、駆動用バッテリーが電池切れでも、補機用バッテリーに残量がある場合はハザードランプを作動させることができます。


安全を確保するためにも、ハザードランプを点灯させておくことが重要です。なお高速道路上では、道路交通法により駐停車が禁止されています。


高速道路の真ん中で電池切れを起こすことのないよう、電池不足のアラートが表示される前にこまめな充電を心がけましょう。もし高速道路上で電池が切れてしまいそうな場合は、走行不能になる前にパーキングエリアやサービスエリアに移動しておくことが大切です。

ロードサービスに連絡する

EVの電池が切れてしまった場合は、ロードサービスに連絡しましょう。ロードサービスを利用すれば、レッカー車を手配して最寄りの充電スポットまでEVを移動させてもらえます。


バッテリーの残量が少なく、かつ近くに充電スポットがない場合は、EVが完全に停止する前に安全な場所に移動し、ロードサービスの手配をすることが重要です。


ちなみにJAFでは、電池切れになったEVをその場で応急的に充電可能な「EV充電サービス」を提供しています。こうしたサービスを利用して、万が一の事態に備えておくことも大切です。

電源をオフにしておく

EVが電池切れに陥った場合は、できるだけ電源をオフにしておきましょう。駆動用バッテリーが充電切れでも、補機用バッテリーの充電が残っている場合があります。


補機用バッテリーに残量があれば、ハザードランプの点灯など最低限の対応が可能です。可能な限り補機用バッテリーの残量を節約し、必要な時に使用するよう心がけましょう。

EVの電池切れを防ぐには?

EVの電池切れを防ぐには?

EVの電池切れは、定期的な充電や充電スポットの位置を把握しておくことで防止できます。ここからは、EVの電池切れを防ぐ方法を見ていきましょう。

定期的な充電を心がける

EVを使用する際、電池切れを防ぐためには定期的な充電が非常に重要です。もし渋滞に巻き込まれ、予想以上に電池を消耗してしまうと予期せぬ充電不足に陥ってしまうかもしれません。


また、EVの航続距離はガソリン自動車よりも短いため、給油と同じペースで充電を行っていると、残量が追いつかないこともしばしば。EVを運転する際には、電池の残量に注意を払いつつ、公共施設や商業施設に設置されている充電設備を積極的に利用することをおすすめします。

充電スポットの位置を把握しておく

EVを運転する際には、外出先の近くに充電スポットがあるか事前に確認しておきましょう。特に長距離移動や祝日・休日の際は、渋滞や事故によって予定通りに充電ができない可能性も考慮する必要があります。


EVでのスムーズな移動のためには、スマートフォンアプリなどを活用して、あらかじめEV充電設備の位置や設置数を確認しておくと良いでしょう。

ポータブル充電器を用意しておく

走行中に電池切れになるリスクに備えて、車内にポータブル充電器を常備しておくのもおすすめです。ポータブル充電器を使って応急的に充電を行い、最寄りの充電スポットを目指すことで、道路上で電池切れを起こすリスクを軽減できます。

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