同志でありライバル

それぞれのスピーチの後は、質疑応答のパートへ。記者からはサプライチェーンに与える影響について質問があがった。

SUBARU・マツダ・トヨタ、脱炭素へエンジンで"共創"と"競争"

佐藤社長


未来をつくっていくための、まず「ベクトルを宣言する」ということが大事だと思い、今日の場を持たせていただいています。


「内燃機関の未来を一緒につくりましょう」という宣言です。


今の内燃機関が、そのままでいいわけではないんです。変わっていかないといけない。「内燃機関もソリューションだよね」と技術開発の手が止まってはいけない。


どんな未来をつくっていくのかということを、OEM(自動車メーカー)として責任を持ってお示しして、一緒に変えていくということだと思います。


3社にそれぞれサプライチェーンがあります。サプライチェーンの中でも共創テーマがあるんじゃないかなと思っていますので、そこまで視野に入れて取り組みを進めていきたいと思っています。




毛籠社長


1社だけで「内燃機関を頑張るぞ」と言っても、受け取る側から見ると「本当かしら」と思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。


こういった公式の場で、3社で将来を見据えて「自動車産業の国際競争力を高めていきたい」というお話をさせていただくことで、道しるべ、基準といったものをお示しできる。


今後のサプライヤーさんとの対話にとって、非常に重要なメッセージになるんじゃないかと考えています。




大崎社長


内燃機関は、おそらく今のままでは、これから先のソリューションにはならないだろうと(思います)。やはり電動化技術と組み合わせて、内燃機関自身も変わっていかなければいけない。


そういう意味では、カーボンニュートラル燃料も同じで、今のガソリンを単純にカーボンニュートラル燃料にしても、やはり内燃機関は生きない。だから、内燃機関も磨いていかなきゃいけない。


さまざまなサプライチェーンにも、これからも我々と一緒になって、技術開発をやっていく。そういうメッセージを強く出して、ともに未来をつくっていくということを出していきたいと思っています。




また、「『協調』ではなく、『共創』という言葉を使ったのは、ハードウェアをつくることも考えているのか?」という質問には、佐藤社長が代表して回答。



自動車産業の未来を「共創」する点では同志だが、モータースポーツの現場では「競争」するライバル。そんな一面をのぞかせた。

SUBARU・マツダ・トヨタ、脱炭素へエンジンで"共創"と"競争"

佐藤社長


共創(競争)という言葉には、文字通り両方の側面があると思います。


モータースポーツの現場で、「負けないぞ」という気持ちがあればこそ技術が進むと非常に実感しています。


特にSUBARUさんとの間では、先代の中村(知美)さん、(豊田)章男さんのころから、ずっと「仲良く喧嘩」しようと言っております。決して仲良しクラブにならない。


我々は「SUBARUに負けないぞ」と思っていますし、SUBARUさんも「トヨタになんか負けないぞ」と思っています。その競争心こそが、やはり技術を進めていく原動力になり、現場の、特にエンジニアのエネルギーになると思います。


一方で、競っていく中で一緒にやった方がスピードが上げられるものや、よりアイディアが深められるものがあるとわかったのも事実でして、その両方があることが、エンジンの今後の未来をつくっていくときの(3社の)あり方だろうと(考えます)。


我々のこれまでの体験から共創(と競争)という文字を重ねて使っています。両面が大事だと理解しているということでございます。




会場には、3社の開発中のエンジンも展示され、各社CTO(Chief Technology Officer)が解説。その模様については、次回の記事でレポートする。

SUBARU・マツダ・トヨタ、脱炭素へエンジンで"共創"と"競争"

2024.05.28 トヨタイムズニュースより

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    トヨタ

    常に世界の最多生産台数を争い、日本のみならず世界を代表する自動車メーカー、トヨタ。多くの日本車メーカーと深い関わりを持ち、グループ全体で超小型車からバス・トラック、産業車両まで網羅したフルラインナップ・メーカーであり、近年は実用性やコストパフォーマンスのみならず、スポーツ性など走る楽しみにも力を入れています。世界初の量販ハイブリッドカー「プリウス」から電動化技術では最高の蓄積を持ち、自動運転技術の実用化、新世代モビリティと都市生活の在り方を模索する「ウーブン・シティ」へ多大な投資を行う一方、電動化だけがエコカー唯一の選択肢ではないというスタンスも崩さず、死角のない全方位戦略が現在の特徴です。

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