「柔軟性と拡張性の観点で大変革期に向き合う」SUBARU・大崎篤社長
佐藤さんありがとうございます。皆様こんにちは、SUBARUの大崎です。
本日は佐藤さん、毛籠さんという、「志」を同じくする仲間とこのような場を持てたことを、大変うれしく思います。そして、皆様に「エンジンの未来への想い」についてお話しできることにとてもワクワクしています。
さて、私たちSUBARUが「ありたい姿」は、「笑顔をつくる会社」です。もともとは、お客様を笑顔にすることが出発点でしたが、お取引先様、従業員、株主などステークホルダーの皆様、日本、アメリカなど私たちが事業を営む世界各国の地域社会、そして、私たちの子や孫、未来の世代に至るまで、あらゆる人々を笑顔にする。それが私たちの使命です。
未来の世代を含む、あらゆる人々に笑顔を届けるための活動の一つが、「カーボンニュートラル社会の実現」を目指す取り組みです。かけがえのない地球環境を、未来の世代に引き継ぐために、自動車産業が今やらねばならないことは、クルマのライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを、世界各国の実情に合わせて、現実的かつ着実に進展させることです。
カーボンニュートラルを達成する技術の可能性は多様です。どの技術を選ぶかは、あくまでも手段の問題であり、さまざまな事情・条件に合わせて柔軟に対応することが求められています。
そのことを踏まえて、我々SUBARUは、「『柔軟性と拡張性』の観点で大変革期に向き合う」と申し上げています。
BEVに関する技術、サービスを進化・発展させるのは論を待たないことです。しかし、最終的にどんなクルマを選ぶのかは、お客様が決めることです。クルマ社会のカーボンニュートラル実現に向けてお客様・社会に対して「SUBARUらしい選択肢」を示し、柔軟で多様な対応が求められている、そう認識をしています。
SUBARUにとって、内燃機関イコール水平対向エンジンです。
先人たちが自動車の動力源として、合理的かつ理想的だと考えた水平対向エンジンの縦置きレイアウトは、軽量・コンパクト・低重心・低振動、そして衝突事故時の安全性といった水平対向エンジンの特徴と、左右対称のパワートレーンレイアウトを活かした、優れたパッケージングを持つ、SUBARU独自の「シンメトリカルAWD(All Wheel Drive、全輪駆動)」に発展し、私たちは長年にわたって、その技術を磨き続けてきました。
それはお客様へいつまでも「安心と愉しさ」という価値を提供し続けたい、私たちSUBARUの今も昔も変わらない想いです。
その「安心と愉しさ」という提供価値が、このように多くのお客様の笑顔、そしてクルマのある豊かな暮らしをつくりました。
世界のお客様に笑顔を届けられてきたことを誇りに思っています。
水平対向エンジンとAWDは、歴史や独自性があるだけではなく、SUBARUが大切にする「安心と愉しさ」を支えるコア技術であり、まさにSUBARUのシンボル・アイコンとなっているゆえんです。
だからこそ、私たちは水平対向エンジンとAWDこの2つの技術にこだわり続けています。SUBARUらしいBEVを生み出すと同時に、水平対向エンジン・AWDに高い信頼を寄せ、これを愛してやまないお客様の期待にこれからも応え続けていきます。
カーボンニュートラルの時代に、水平対向エンジンを輝かせ続けるためにも、クルマの電動化技術に、より一層の磨きをかけていきます。もう一方で、カーボンニュートラル燃料の活用に向けて、水平対向エンジン自身にもさらに磨きをかけていきます。
SUBARUの次世代ハイブリッドシステム
カーボンニュートラル燃料については、すでにスーパー耐久レースの場でも、我々3社を含む日本の自動車メーカーなどが協力し合い多くの知見を得ていますが、その実用化に向けて我々もさらに研究を進めていきます。
そして先ほど佐藤さんからお話があった、カーボンニュートラル燃料の普及に向けた取り組みについては、私たちSUBARUもぜひ協力したいと考えています。
カーボンニュートラル社会の実現は、本日集まった3社だけでなく、オールジャパン、日本の産業界、社会全体で取り組む課題です。自動車に関しても、我々完成車メーカーだけではなく、自動車産業を支えるサプライチェーン全体、さらには自動車を取り巻く産業界全体で働く仲間を「誰一人置いていかない」。そして、多様な嗜好を持つお客様も「誰一人置いていかない」。そういう姿勢で取り組んでいきます。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、特にエンジンについて、一緒にできることは手を携えて、ともに未来を創ろう。そして競い合うところは、大いに競い合ってエンジンを盛り上げていこう。この呼びかけに私たちSUBARUも賛同し、本日に至りました。
これからの日本のクルマづくり、SUBARUのクルマづくりに、ぜひご期待ください。
ありがとうございました。続いては、マツダ・毛籠さんから「エンジンの未来への想い」をお話しいただきたいと思います。毛籠さんよろしくお願いします。