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今後はどんな業界でEVの導入が加速するんだろう?
公開日:2024/06/29更新日:2024/06/29
それに伴い、日本国内では業種を問わず電気自動車(EV)を導入する企業が増えています。その中でも特に温室効果ガスの排出割合の大きい物流業界は、積極的にEV化を進めていることで有名です。
しかしながら、いまだに企業が導入する要件を充分に満たしているとは言えないEVもあり、課題点も多いのがポイント。
そこで今回は企業がEV導入を進める背景や物流業界のEV導入事例から、今後の日本国内のEV化の動向を紐解きます。
目次
カースモーラちゃんポイント
- カーボンニュートラルによってEVを導入する企業が増えているよ。
- 物流業界でもEV化は進められているみたい。
- 米調査会社は今後数年でEVの生産コストが下がると予測しているんだ。
脱炭素社会の実現に向けて増加するEV導入企業
近年、日本国内では脱炭素社会の実現に向け、EVを導入する企業が増えています。そのはじまりは2021年1月、菅 義偉元総理大臣が発表した「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と言う目標です。
そもそもEVシフトが推し進められている背景には17の目標と169個のターゲットから成る「SDGs(持続可能な開発目標)」があります。SDGsとは2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された目標のこと。持続可能な開発とは、現在必要とされる要求を満たしつつ将来必要とされる資産を損なわない開発を指します。
それにより同年12月にフランス・パリで開催されたCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)で「パリ協定」が合意されました。その内容は「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度より低くたもつのを目標に、1.5度に抑える努力をする」というもの。この流れを受け、世界中で温室効果ガスを減らす脱炭素社会実現に向けた動きが活発化します。
日本政府も例外ではなく、パリ協定の実現に向け2020年10月、2050年を目標に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を発表。それにより日本国内では業種を問わず、EVを導入する企業が増えているのです。
物流業界で加速するEV化
2022年度の二酸化炭素排出量のうち18.5%を占める日本の運輸部門。そんな温室効果ガスの排出割合の多い物流業界では長距離の走行が必要に成るケースも多く、航続距離の点でガソリン車に劣るとされているEVの導入は難しいとされています。
しかしながら近年では「ヤマトホールディングス」、「SGホールディングス」、「日本郵便株式会社」の運送大手3社を筆頭にEVシフトへの取り組みが進められています。
運送業界もEV化を進めているということ。運送業界大手3社のヤマトホールディングス、SGホールディングス、日本郵便株式会社を筆頭に、軽EVはもちろんのこと、EVトラックの導入を進めています。
ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸では2023年10月、八幡営業所のすべての集配車両でEVを導入し、初の全車両EVで営業所の稼働を始めたことで話題を集めました。
SGホールディングスでは百貨店や大規模小売店向けの納品代行・店内配送サービスにEVトラックを初めて導入したことや「イケア・ジャパン」と連携して17台のEVトラックを導入するなど、小型車両だけではなく、大型車両にEVを導入する取り組みも見られます。
配送に軽車両を多く用いる日本郵便株式会社では一般的な軽貨物車両だけではなく、EV二輪車も1万台以上導入されてきました。
このように、いずれの企業も導入台数を年々伸ばしているのが特徴です。しかしながら高額な車両価格や長距離運用、充電時間の課題、ディーゼル車と比較すると寿命が短いなどの理由から、EVトラックの導入に関しては充分とは言えません。今後の技術発展による物流業界のEV化の加速が、日本の脱炭素社会実現に大きく関わってくるのではないでしょうか。
今後、日本企業のEV導入は進むのか
2050年のカーボンニュートラルに向けて、EVシフトを見据えた取り組みが求められています。その影響を受けるのは一般ユーザーはもちろんのこと、企業も例外ではありません。
ラインナップするモデル数の増加や政府が交付するCEV補助金の影響もあり、EVの普及台数は年々増え続けています。
とはいえEVは車両価格が高額なことに加え、航続距離や充電時間、充電インフラ整備をはじめとした運用面においても様々な課題を抱えています。それらが中小企業にとって、EV導入になかなか踏み切れない原因となっているのは言うまでもありません。実際のところ、現在積極的にEV化を進めているのは、前述の運送業界大手3社をはじめとした規模が大きい企業が中心です。
一般、中小企業レベルでの普及を目指すにあたって、EVの課題解決は必須となります。航続距離に関してはEVが登場した当初と比べると格段に伸び、現在ではガソリン車の航続距離にわずかに届かない程度です。長距離を運転する機会の多い業種を除いては充分に対応が可能だと言えるでしょう。
充電インフラや充電時間に関しては、日本政府が2030年までに公共用の急速充電器3万口を含む30万口の充電器設置を目指していることから、徐々に増えていくことが予測されます。ガソリン車には及ばないものの、急速充電器の増加によって時間の短縮も期待できるでしょう。
そして、現在EVを導入するにあたってネックとなっている価格に関しては、米調査会社のガートナーがEVは新たな製造手法によって2027年までに同等のガソリン車よりも平均して安く生産できるようになるとの予測を発表したことから、数年以内には解決する兆しを見せています。
このように、数年以内に解決可能な予測が立っている課題も多いため、今後は規模が大きい企業だけではなく、中小企業レベルでのEV化の実現も現実的だと言えるのではないでしょうか。
カースモーラちゃんまとめ
そもそも企業のEVシフトが始まったきっかけは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された目標「SDGs」なんだ。
日本政府も2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を発表したよ。それにより日本国内では業種を問わず、EVを導入する企業が増えているんだ。
そんな日本の二酸化炭素排出量のうち18.5%を占めるのが日本の運輸部門。そんな物流業界ではEVの導入が難しいとされているけれど、運送大手3社を筆頭にEVシフトへの取り組みが進められているよ。
現在EV化を積極的に進めているのは、規模が大きい企業が中心みたい。しかしながら現在抱える課題には解決可能な予測が立っている課題も多いから、今後は中小企業レベルでのEV導入も進むかもしれないね。