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社用車を電気自動車(EV)化するメリットって?

国際的に脱炭素社会に向けた動きが活発化する現代。その影響を受けるのは大手企業だけではありません。近い将来、中小企業にもカーボンニュートラルに向けた取り組みが求められる時代が来るでしょう。

それに向けた取り組みとして増えてきているのが、社用車を電気自動車(EV)化する動き。その流れは近年営業車だけではなく、運送業界のトラック、さらにはバスをはじめとした交通機関にまで波及しています。

しかしながら、いくら多くの企業が導入しているとはいえ、それだけの理由ではよほど大きい規模の企業でない限りなかなか踏み切れないのも事実。

そこで今回は社用車のEV化が企業にもたらすメリットに焦点を当てていきます。

目次

  1. 社用車をEV化する際の前提知識
  2. 社用車にEV導入を検討する企業が増えているって本当?
  3. EVを社用車に採用するメリットってなに?
カースモーラちゃんポイント
  • 脱炭素社会の実現に向けて、さまざまな企業がEVを社用車に採用しているよ。
  • EVはガソリン車よりも車両価格が高く、航続距離が短いとされているんだ。
  • 企業がEVを導入する際は、補助金制度や減税制度を利用するのが良いみたい。

社用車をEV化する際の前提知識

社用車をEV化する際の前提知識

初期費用について

社用車のEV化を検討する企業にとって、ネックとなるのが高額な初期費用です。


ガソリン車と比べて燃料代は安価とされているEVですが、車両本体は高額なことで知られています。そんなEVを社用車として導入するためには、充電設備の有無が重要な課題となります。外出先で充電することも可能ですが、時間のロスを考慮すると駐車場をはじめとした自社の車を保管するスペースで効率的に充電したいところ。


しかしながら充電設備まで設置するとなると、高額な車両価格も相まって企業から見ても決して少なくはない出費です。いくら燃料費を削減できるとはいえ、短期間で回収できる金額ではありません。


そのため、EVを社用車として導入する際は、企業向けの補助金制度や減税制度を有効活用するのがおすすめ。


時期によって内容は異なるものの、2023年度は国による商用車の電動化促進に対する補助金や、地方自治体によるEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)に対する補助金をはじめとしたさまざまな補助金制度が用意されていました。社用車としてEVの導入を検討する際は、補助金や減税制度について調べるのが良いでしょう。

航続距離の課題

EVはガソリン車と比較すると、航続距離が短いとされています。現在主流とされているのは航続距離200km程度の車種と、500km程度の車種。年々長くなってきてはいるものの、長距離を移動する機会が多い場合は、まだまだ不便に感じる機会もあるのではないでしょうか。


そしてEVは充電時、ガソリン車のように短い時間で給油できないのも注意したいポイント。充電時間はモデルや充電器の出力によって異なるものの、急速充電器で30分程度、普通充電器では1時間以上充電するのが一般的です。40kWhのバッテリーのEVを3kWの出力で充電した場合には、およそ12時間かかります。


そのため社用車をEV化する際は、使用目的や普段の平均的な走行距離など自社が必要とする条件をあらかじめリストアップしておきましょう。それらの条件を踏まえた上でモデルやバッテリー容量、航続距離と照らし合わせて検討する必要があります。

社用車にEV導入を検討する企業が増えているって本当?

社用車にEV導入を検討する企業が増えているって本当?

2020年、日本政府によってカーボンニュートラルを目指す意向が発表されて以来、EVを社用・商用車として導入することで、SDGs貢献を目指す動きが進んでいます。


それに先駆けて2017年に発足したのが国際イニシアチブ「EV100」です。その内容は2030年までに事業活動で使う車両を100%EV化を目指すというもの。


2024年4月現在、参加している企業は以下の七社。


  • イオンモール株式会社
  • アスクル株式会社
  • 日本電信電話株式会社
  • 東京電力ホールディングス株式会社
  • 株式会社 髙島屋
  • 株式会社 関電工
  • ニチコン株式会社

企業としてEV化に対して高い関心・意欲を持っていることが伺えます。


さらに、社用車のEV化を進めているのは、国際イニシアチブ「EV100」に参加している企業だけではありません。


2023年EV化に対する意向を発表し、話題となったのが大和ハウス工業。同社は2027年3月までにグループの全社用車をEVに切り替え、事業所の駐車場敷地内にEV用充電器を設置すると宣言しました。さらに、2030年度までに従業員の自家用車の約3,000台をEVに切り替えることを目標に、大和ハウス従業員のEV購入や維持に対する手当制度を設けるなど、精力的な取り組みを行なっています。


そして意外なのがEVが抱える航続距離にまつわる問題から、一見するとEVの導入が難しそうな運送業界もEV化を進めているということ。運送業界大手3社のヤマトホールディングス、SGホールディングス、日本郵便株式会社を筆頭に、軽EVはもちろんのこと、EVトラックの導入を進めています。


他にも、西日本鉄道は2020年にEVバスを導入したことで有名です。2030年度にEVバスを約250台まで増やす計画に向けて2024年時点で23台と、着々とその数を増やしています。


このように現時点では規模の大きい企業の導入事例が目立つものの、今後は中小企業にもEV化を求められる時代が来るのではないでしょうか。

EVを社用車に採用するメリットってなに?

EVを社用車に採用するメリットってなに?

社用車をEV化するメリットとしてまず挙げられるのが、カーボンニュートラルに貢献できるという点。環境への配慮はもちろんのこと、副次的なメリットとして企業の社会的な信頼性や評価の向上も期待できます。近い将来訪れるEV化の流れに先んじて導入することで、今後必要となるコストを先払いするという考え方もできます。


そして、初期費用は高額なものの、走行・維持コストを削減できる点もEVを社用車に導入するメリットです。


EVの燃料となる電気代は、ガソリンと比較して安価なため、走行コストの削減が期待できます。加えて、エンジンの代わりにモーターを利用するEVは消耗品が少なく、維持にかかるコストも安価です。ブレーキの仕組みも異なるため、ガソリン車と比べてブレーキパッドの減りも少なく、交換回数が少なく済みます。


さらに、EVには減税制度も用意されているため、ガソリン車と比較して税金面で優遇されるのもメリットと言えるでしょう。自動車税の減税や、新車購入時と初回の車検時に自動車重量税が非課税になる、環境性能割が非課税になるなどさまざまな制度があります。


また、V2Hを導入することで災害時や停電が起きた際、EVを非常用電源として利用することができます。いざという時の備えにもなるのです。

カースモーラちゃんまとめ

今回は企業が社用車にEVを導入するメリットについて紹介したよ。

現在、日本政府が発表したカーボンニュートラルを背景に、さまざまな企業が社用・商用車としてEVを導入しているんだ。

EVを社用車として導入すると、カーボンニュートラルへの貢献はもちろん、走行・維持コストの削減や、税金面での優遇、非常用電源としての活用などのメリットがあるよ。ただし、EVはガソリン車と比べて車両代が高額なうえに、運用効率を考えると充電設備も用意したほうが良さそう。

EV導入を検討している企業は国・地方自治体による補助金制度や、減税制度を有効活用してみてね。

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