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電気自動車(EV)って本当にエコなの?
公開日:2024/04/15更新日:2024/04/15
2050カーボンニュートラルの実現に向け、世界各国でEVの普及が推進されています。
しかしながら、生産過程での二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量に関してはガソリン車より多いとされ、問題視されているのです。
そこで、今回は「本当にエコなのか」という観点から、現在EVが抱えている問題や、今後の課題について解説します。
目次
カースモーラちゃんポイント
- EVは走行時に温室効果ガスを排出しないから、ガソリン車よりもエコな乗り物だと言われているよ。
- 一方、生産の過程で排出する温室効果ガスはガソリン車よりも多いみたい。
- EVは環境に優しいって言われているけれど本当なのかな?
EVは本当にエコなの?
現時点で、EVは本質的な意味でのエコとは言えないでしょう。
EVの普及が推進されている背景にあるのが、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすることを目標とする「カーボンニュートラル」。自動車による二酸化炭素の排出量は、日本国内の二酸化炭素排出量のおよそ15%と大きな割合を占めます。そのため、走行時に二酸化炭素を排出しないEVがガソリン車の替わりとして注目されているのです。
しかしながら、製造の過程で排出する温室効果ガスに関しては、ガソリン車よりも多いのがポイント。EVを製造する過程で多くの温室効果ガスを排出する原因とされているのが、EVには欠かせないバッテリーです。ガソリン車の製造時に排出する倍の温室効果ガスを排出すると言われています。
さらに、現時点でEVのバッテリーはリサイクルの仕組みが整っていないため、利用されなくなったバッテリーは廃棄する必要があります。そのため、バッテリーの廃棄時にも温室効果ガスを排出するのです。
また、EVに使用される電力を供給する過程で排出される温室効果ガスも問題視されています。現在、日本では電力供給の70%以上が、温室効果ガスを多く排出する化石燃料による火力発電です。
EVは製造・廃棄時に加え、電力供給の過程にも問題を抱えていると言えるでしょう。
EVの今後の課題
EVの今後の課題としてまず挙げられるのがライフサイクルにおける二酸化炭素排出の抑止です。前述の通り、製造・廃棄する過程での二酸化炭素排出量は、ガソリン車と比較して多いのが特徴。
EVのライフサイクル全体で見た二酸化炭素排出量はガソリン車と比べて少ないとされているものの、カーボンニュートラルの実現に向けて、今後さらに減らしていく必要があります。
バッテリーの製造技術の向上やリサイクルできる環境づくり、製造過程での二酸化炭素排出を抑止するための取り組みが求められるのではないでしょうか。
そして、電力発電時の二酸化炭素排出に関しては、日本が火力発電に依存していることが大きな原因です。国内では火力発電による電力供給が全体の70%以上と多くを占める中、再生可能エネルギーの割合は20%程度と少ないのが現状です。
しかしながら、日本政府は2021年、カーボンニュートラルに向け「2030年度までに再生可能エネルギーの割合を36〜38%にする」という目標を設定しています。国をあげて再生エネルギー推進に取り組むことで、今後は改善していくのではないでしょうか。
EVのバッテリーやエネルギー問題は、カーボンニュートラルを実現させる上で、避けては通れない課題と言えるでしょう。
カースモーラちゃんまとめ
さらに、日本では電力供給の多くを化石燃料による火力発電で賄っているから、EVが走行するために必要な電力を生み出す時にもたくさんの温室効果ガスを排出するみたい。
EVが本質的にエコな乗り物になるには、温室効果ガスの抑制が大切なんだ。これからの政府や企業の取り組みに期待が寄せられているよ。
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