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都道府県別のEV普及率から考える日本の電気自動車(EV)普及が進まない理由

日本で販売された電気自動車(EV)の台数は、2023年1月から7月の間で5万台を超えました。2022年の約3万台という販売台数と比較すると増加傾向にあると言えます。

しかしながら、日本の自動車市場全体で見るとまだまだガソリン車が主流です。2022年段階で日本のEV普及率は1.4%、販売台数の伸びた2023年ですら2.33%に留まっています。

なぜ日本のEV普及率はここまで伸び悩んでいるのでしょうか?今回は、日本のEV普及率を都道府県別にまとめ、普及が進まない背景についても考えます。

目次

  1. 都道府県別のEV普及率はどれくらい?
  2. 日本のEV普及率は海外より低い?その理由ってなんだろう
  3. 日本で行われているEV普及率を高める取り組みを知ろう
  4. EV普及に向けた取り組みは海外でも行われている
カースモーラちゃんのPICK UP
  • 日本でのEVの普及率は、都道府県別に見てもあまり高いとは言えないの。
  • アメリカやヨーロッパ、中国では日本よりも大幅に普及率が高くなっているよ。
  • EVの普及率を上げるために、日本ではさまざまな取り組みが行われているの。

都道府県別のEV普及率はどれくらい?

都道府県別のEV普及率はどれくらい?

まずは、2023年1〜7月までの都道府県別のEV普及率を見ていきましょう。


都道府県

販売台数(台)

EV普及率(%)

東京

6,433

4.5

佐賀

487

3.0

大分

747

3.0

京都

1,331

2.9

山梨

506

2.9

滋賀

952

2.7

岡山

1,227

2.7

神奈川

3,744

2.7

岐阜

1,266

2.5

福岡

2,442

2.5

福島

909

2.5

兵庫

2,375

2.5

静岡

2,156

2.4

鹿児島

691

2.4

長崎

547

2.4

大阪

2,980

2.3

和歌山

456

2.3

愛知

4,267

2.3

愛媛

572

2.3

奈良

542

2.2

長野

1,042

2.2

香川

465

2.2

栃木

996

2.2

埼玉

2,713

2.2

徳島

321

2.2

千葉

2,259

2.2

宮崎

442

2.2

三重

1,011

2.1

石川

584

2.1

富山

506

2.1

山口

683

2.0

茨城

1,212

2.0

熊本

732

2.0

福井

377

1.9

群馬

1,028

1.9

山形

465

1.9

島根

315

1.8

沖縄

457

1.7

高知

222

1.7

広島

909

1.4

鳥取

179

1.3

宮城

566

1.3

新潟

574

1.2

岩手

272

1.2

秋田

208

1.2

青森

134

1.1


出典:日刊自動車新聞|2023年1~7月の都道府県別EV販売、軽EV登場を追い風に大都市圏以外でも普及


日本で最もEVが販売されていたのは東京都ですが、普及率だけを見ると決して高い数字とは言えません。


また、東京都以外の地域におけるEVの販売台数が多くないことも、日本全体のEV普及率が伸び悩んでいる理由と考えられるでしょう。

日本のEV普及率は海外より低い?その理由ってなんだろう

日本のEV普及率は海外より低い?その理由ってなんだろう

モーターインテリジェンスによると、アメリカのEV普及率は6.6%。この数字は、日本の約3倍に匹敵します。2030年までにEV普及率が50%を超えることが予想されており、乗用車の半数がEVになる時代もそう遠くはありません。


他にも、ヨーロッパの全体でのEV普及率は約21%、中国は約29%などと、日本より遥かにEVの普及が進んでいる状況です。


ではなぜ海外と比べて日本のEV普及率は伸び悩んでいるのでしょうか。その背景には、EVの車両設定や、航続距離の短さ、充電設備の不安などがあると考えられます。

車両価格の高さ

日本におけるEVの価格帯はおおよそ300〜600万円の範囲で販売されていますが、100〜300万円で購入可能な従来のガソリン車と比較すると、どうしても価格面がネックに。


またガソリン車に比べてまだまだバリエーションが少ない点なども相まって、購入の心理的ハードルをさらに高めてしまっていると考えられます。

航続距離の短さ

EVの航続距離は最短で約200kmに対し、一般的なガソリン車は最短でも約500km。


また、EVの航続距離は、運転の仕方や気温、充電状態によってメーカーが発表している数値以下となるケースも少なくありません。

充電設備の不安

前述した航続距離の短さに加えて、充電設備の不安が普及の足枷になっていると考えられます。


2023年時点における日本のEV充電設備の数は、ガソリンスタンドの約6割程度に留まっています。充電設備の数は徐々に増加しているものの、ガソリンスタンドと比べるとまだまだ少ないのが現状です。


ガソリンスタンドと同じくらい気軽に充電できるインフラが整えば、普及率の向上に大きく寄与するかもしれません。

日本で行われているEV普及率を高める取り組みを知ろう

日本で行われているEV普及率を高める取り組みを知ろう

EV普及率に伸び悩む日本のEV市場。そんな日本では現在「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に基づき、2035年までに乗用車の新車販売の全てをEVにする試みが始まっています。


実現は決して容易なことではありませんが、補助金や税制優遇を始め、EV普及促進に向けた各種施策が注目を集めています。

EVに関する補助金制度の充実

日本では、EVを対象にした補助金制度が充実しつつあります。例えば、国の展開するCEV補助金の場合、EVを始めとした次世代自動車を対象として、購入費用の一部を補助として受けることが可能です。


車両価格がネックでEVの購入まで至っていない場合は、適用条件などを確認のうえ補助金を利用することで、EVがより身近なものになるかもしれません。

エコカー減税などの税制優遇

EVの普及率を高める取り組みとして、各種税制優遇が挙げられます。環境性能の良い車両を対象に自動車重量税が免税となる「エコカー減税」や「環境性能割」、自動車税が軽減される「グリーン化特例」などが代表例です。


EVは車両本体の価格が高いからこそ、維持コスト削減につながる施策の充実が、今後もさらに重要になってくることでしょう。

充電インフラの整備

EVが普及しづらい理由のひとつに、充電インフラの不足が挙げられます。経済産業省は2035年までに新車販売のすべてをEVにする目標の達成に向け、その一環として2030年までに充電インフラの数を15万基にする施策を発表しました。


急激な増加こそ難しいものの、充電インフラ整備を中心に、ユーザーが安心してEVを利用できる土台づくりに向けて着実に取り組んでいることがわかります。

EV普及に向けた取り組みは海外でも行われている

EV普及に向けた取り組みは海外でも行われている

日本と比べてEV普及率が高い各国でも、普及率をさらに上げるための取り組みが展開されています。全世界でEVを普及させる機運が高まっていると言えるでしょう。


国名・地域名

EV普及率向上に向けた取り組み

アメリカ

  • 2030年までに販売される新車の50%以上を、EVとする大統領令
  • EV購入時に購入者が受けられる税額控除

EU

  • 温室効果ガス55%削減目標達成のための政策パッケージ
  • 新車とバンのCO2排出量目標を強化

中国

  • グリーン社会に向けて炭素排出量を抑制へ
  • 新エネルギー車の車両取得税減免政策の延長と最適化に関する公告

カースモーラちゃんのまとめ

都道府県別のEV普及率で見ると、東京都が一番高いけれども、EVシフトの進む世界各国と比べるとまだまだこれからと言えそうだね。

日本でEVの普及率が伸びない理由には、EV自体の車両価格の高さや航続距離の短さに加え、充電設備の不足などが挙げられるよ。現在、日本ではそんな状況を変えるために「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」やEVに関わる補助金制度など、普及率を高めるための取り組みが行われているんだ。

時間はかかるかもしれないけれど、今後徐々にでもEVの普及率が高まっていくと良いね。

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