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EV補助金の申請手順や注意すべきポイントについて

近年、注目を集める電気自動車(EV)。その普及促進に向け、現在、国や自治体によるさまざまな施策が行われています。
今回スポットを当てるEV補助金もまた、普及促進における目玉施策の一つです。

EV補助金とは、国や自治体が一定の条件を充足した方に向けて、購入金額の一部を交付する補助金のこと。上手に活用すれば、EVをお得に購入できるかもしれません。そこで今回は、EVを購入する際に知っておきたい補助金制度について、対象車両や申請から交付までの流れに至るまで詳しく解説します。

目次

  1. そもそもEV補助金の目的とは?
  2. 国と自治体から交付されるEV補助金
  3. CEV補助金の対象車と上限について
  4. 補助金の申請から交付までのフロー
  5. CEV補助金利用時の注意点
カースモーラちゃんのPICK UP
  • EVを購入する際は、補助金を活用することでお得に車を購入することができるよ。
  • 国が交付する補助金と、各自治体が交付する独自の補助金が用意されているんだ。
  • 補助金には対象車種が決まっていて、車両の種類や価格帯に応じた補助金が交付されるの。
  • 補助金申請を行う際は、利用条件や処分制限期間についても注意が必要だよ。

そもそもEV補助金の目的とは?

そもそもEV補助金の目的とは?

現在日本では、温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、EVを含むクリーンエネルギー自動車の普及を促進しています。その促進施策の一つとして、新たに始まったのがEV補助金制度です。当制度は、EV購入価格の一部を補助することで、クリーンエネルギー自動車を普及させ、結果として環境負担を低減させることが主な目的です。


EV補助金の種類については、後ほど詳しくお伝えしますが、経済産業省が交付する国からの補助金となる「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」と、地方自治体独自が交付する補助金の2種類があります。国から交付される補助金と地方自治体が交付する補助金の併用も可能で、個人はもちろん地方公共団体や企業も受給対象です。

国と自治体から交付されるEV補助金

国と自治体から交付されるEV補助金

冒頭でも触れた通り、EVを購入する際に受けられる支援として、国からの補助金であるクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)と、地方自治体独自の補助金の2種類があります。ここでは、それぞれの概要についてお伝えします。

国から交付される補助金(CEV補助金)

国(経済産業省)が交付する補助金は、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)と呼ばれます。対象車両は、EV(小型・軽EV含む)、FCV、PHEV、超小型モビリティ、ミニカーの五つ。


車両の種類や価格帯に応じて、補助金が交付されます。申請期間は、原則初度登録日から1か月以内かつ、残高による受付終了までとなっています。尚、本記事では、国から交付されるEV補助金をCEV補助金と呼んで区別します。

自治体から交付される補助金

地方自治体によっては、補助金を交付しているケースもあります。なるべくお得にEVを手に入れるのであれば、前述したCEV補助金と自治体独自の補助金を併用するのが理想的です。ちなみに、次世代自動車振興センターの公式サイトでは、全国の地方自治体の補助制度・融資制度・税制特例措置を概観できます。


自分の住まう地域の自治体がどのような補助金制度を用意しているのか、おおまかに確認する際におすすめです。ただし、掲載内容は最新の情報とは異なる可能性もあるため、実際に申請を行う際には、各地方自治体の公式ウェブサイトを確認しましょう。

CEV補助金の対象車と上限について

CEV補助金の対象車と上限について

CEV補助金の対象は、EV(小型・軽EV含む)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、超小型モビリティ、ミニカーの五つです。


対象車両が下記2点の条件を満たしている場合は「条件付き」の上限が適用され、条件を満たしていない場合は「ベース」の上限が適用されます。


  • 条件1 : 外部給電機能としてのV2Xに対応、または1,500W車載コンセント装備を有していること
  • 条件2 : 購入車両が「省エネ法トップランナー制度」の対象車両(型式指定自動車)であること

実際に交付される補助金の金額は、車種やグレードに応じて変動するため注意が必要です。


種別

ベース

条件付き

EV

上限65万円(小型・軽EVは45万円)

上限85万円(小型・軽EVは55万円)

PHEV

上限45万円

上限55万円

FCV

上限230万円

上限255万円

超小型モビリティ

25万円(定額)

35万円(定額)

ミニカー

20万円(定額)

30万円(定額)


※当記事掲載の補助金の上限金額は、2023年度時点の情報に基づくものです。

電気自動車(EV)

EVの補助金上限は、普通自動車と小型・軽自動車で異なります。普通自動車の場合、ベースで上限65万円、条件付きで上限85万円です。


一方で、小型・軽自動車の補助金上限は、ベースで45万円、条件付きで上限55万円。普通自動車よりも、若干少なめに設定されています。

燃料電池自動車(FCV)

FCVは、燃料電池内で水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使ってモーターを駆動させる車両のこと。FCVに交付される補助金の上限は、ベースで上限230万円、条件付きで上限255万円。


燃料電池の原料として希少なレアメタルが使用される関係で価格が高騰しやすいことから、FCVのみ補助金の上限も高めに設定されています。

プラグインハイブリッド車(PHV)

PHVは、モーターを動力として走行するEVと、エンジンを動力として走行するハイブリッド車(HV)の機能を兼ね備えた車両のこと。PHVに交付される補助金の上限は、ベースで上限45万円、条件付きで上限55万円。前述した小型・軽自動車と同様の金額となっています。


ちなみに、PHVは時にPHEVと呼称されることがありますが、メーカーによって呼び方が異なるだけに過ぎず、いずれも同じプラグインハイブリッド車を指しています。どちらの表記であっても、今回のCEV補助金の対象です。

超小型モビリティ

超小型モビリティは、コンパクトで小回りが利く1~2人乗り程度の小型自動車です。補助金の金額は、ベースで25万円、条件付きで35万円。


他の車両と比べると補助金は低く設定されていますが、いずれも「定額」で交付される点がメリットです。

ミニカー

ミニカーは、超小型自動車の規格の一つ。補助金額はベースで20万円、条件付きで30万円です。


これまでご紹介してきた車両の中で補助金の金額が最も低い分、いずれも「定額」で交付される点がメリットと言えるでしょう。

補助金の申請から交付までのフロー

補助金の申請から交付までのフロー

ここでは、CEV補助金の申請から交付までの一般的な手順を確認していきましょう。

新車登録・届出

まずは、購入するEVの新車登録及び、車両代金の支払いを完了させましょう。新車登録する際は普通車であれば運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査登録事務所に届出が必要です。


ちなみに車両代金については、全額の支払いが完了しているのが原則。とはいえ、ローン、クレジット、保証、割賦等により後払いする場合であっても、申請者が契約者となっている契約書を確認書類として提出できれば問題ありません。

申請書類の提出

新車登録が完了したら、次世代自動車振興センター宛に補助金交付申請書を提出します。提出方法はオンラインもしくは郵便・宅配便での申請も可能ですが、持ち込みによる申請はできないので注意しましょう。


補助金交付申請書の提出期限は、原則として新規登録日から1か月以内です。例えば、7月15日に登録した場合の申請書提出期限は8月14日となります。ただし、車両登録までに支払い手続きが完了していない場合は、例外として登録日の翌々月末日が提出期限となります。


期限ギリギリにならないよう、あらかじめ余裕を持って申請しましょう。

審査

補助金の申請書類を提出すると、交付審査が行われます。申請書類に不備がないか、応募要件を満たしているかなどの審査が行われます。


審査期間は原則2か月程度ですが、申請が集中している場合は時間がかかることもあります。

交付決定

上述した交付審査を無事通過すると、記載した住所宛に「補助金交付決定通知書兼補助金の額の確定通知書」が送付されます。確定通知書の送付後、1週間程度で申請書類に記載した口座に補助金が振り込まれます。

CEV補助金利用時の注意点

CEV補助金利用時の注意点

CEV補助金の利用時には、申請期間や対象はもちろん、購入したEVを一定期間保有しなくてはならない処分制限期間など注意すべき点がいくつかあります。

受付は先着順

EV補助金申請は先着順です。申請が集中した場合は、発表されている終了日時よりも早く受付を終了する場合があります。


また、仮に受付期間内に申請を行ったとしても、予算上限に達してしまった場合には、交付が受けられない場合もあるため注意が必要です。

対象は新車のみ

補助金が交付される対象は、新車と新車カーリースのみです。中古車や新古車(登録済みの未使用車)は、補助金が交付されないため注意しましょう。

処分制限期間がある

EV補助金には、処分制限期間内があることも注意すべきポイントの一つ。EVを購入後、3年または4年の保有期間が設定されており、その間は車を保有し続ける必要があります。


保有期間内に車を手放す場合は、事前の手続きが必要な上に、購入のために受け取った補助金を返納しなければなりません。

高額車両の場合は補助金が減額される

2023年度より、税抜きの価格が840万円を超える「高額車両」については、補助金が8割に減額されることになりました。具体的な金額イメージがしづらい方は、以下の表を参考にしてください。


種別

ベース

条件付き

EV

上限52万円(小型・軽EVは36万円)

上限68万円(小型・軽EVは44万円)

PHEV

上限36万円

上限44万円

FCV

上限184万円

上限204万円

カースモーラちゃんのまとめ

今回は、EVを購入する際に役立つ補助金についてまとめてみたよ。EVを始めとした地球に優しい車の購入時には、補助金が利用できるの。

ちなみに補助金には、国が交付するCEV補助金と、各自治体が交付する独自の補助金の2種類があるんだ。併用すればもっとお得になるかもしれないね。補助金の対象車両や条件は、自治体によって異なるから事前に確認しておくのがおすすめだよ。

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