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日本で電気自動車(EV)が普及しない理由|課題と今後の将来予測

電気自動車(EV)が、日本で普及しない理由としては以下のような理由が挙げられます。

・EV充電インフラが足りていない
・電気自動車の車両価格が高い
・電気自動車の充電時間が長い

しかし、電気自動車(EV)は、電力で走行することから排気ガスが出ないため、地球温暖化対策として世界各国では普及が進んでいます。そこで今回は、日本で電気自動車(EV)が普及しない理由から、普及するための課題、今後の将来予測まで詳しく解説します。

目次

  1. 電気自動車(EV)の普及が求められている背景
  2. 日本の電気自動車(EV)普及率が低い現状
  3. 日本で電気自動車(EV)が普及しない理由
  4. 日本の電気自動車(EV)普及に関する課題
  5. 日本で電気自動車(EV)は今後普及するか
  6. 日本で電気自動車(EV)が普及しない理由をおさらい

電気自動車(EV)の普及が求められている背景

電気自動車(EV)の普及が求められている背景

電気自動車(EV)の普及が求められている背景としては、大きく分けて2つあります。

ポイント
  • 世界各国の地球温暖化にむけての対策
  • 産業育成のための国策

気温上昇により北極の氷が溶けたり干ばつによる水不足になるなど、さまざまな環境問題を引き起こす地球温暖化の進行は、過去100年と比べて近年では約2倍に相当しています。

上記の理由から、地球温暖化による環境問題は、年々深刻化していることが分かります。そのため、排気ガスを排出しない電気自動車(EV)は、地球温暖化の対策として世界各国で普及が求められています。

また、走行する燃料にガソリンを使用しない電気自動車の普及は、産業育成のための国策としても急務となっていると言えます。

日本の電気自動車(EV)普及率が低い現状

日本の電気自動車(EV)普及率が低い現状

ボストンコンサルティンググループ(BCG)の報告によれば、2030年までに、電動車(EV)の新車販売台数におけるシェアは、ガソリン車を上回り、その割合は51%に達すると予測されています。

この電気自動車(EV)には、完全に電動化された電気自動車(BEV)だけでなく、電気と他の動力を組み合わせて走るハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)も含まれます。しかし日本の国内メーカーでは、長年の間ハイブリット技術に多大な時間と費用を投資しているため、電気自動車(EV)の駆動システムがシェアを上回ることは容易ではありません。

また、2017年に経済産業省が公表したデータによると、充電設備設置は新築戸建ての60%、新築マンションの99%で非設置という状況です。そのため、都市部ではマンションへの充電設備の設置が進まなければ、普及は難しいと考えられます。

日本で電気自動車(EV)が普及しない理由

日本で電気自動車(EV)が普及しない理由

日本で電気自動車(EV)が普及しない理由はいくつか存在します。ここでは、7つの理由について紹介します。

ポイント
  • EV充電インフラが足りていない
  • 電気自動車の車両価格が高い
  • 電気自動車の充電時間が長い
  • 電気自動車の航続距離に不安
  • EV充電器が整っている集合住宅が少ない
  • バッテリーの故障や寿命が不安
  • 日本の場合、電気自動車はゼロエミッションではない

EV充電インフラが足りていない

日本で電気自動車(EV)が普及しない理由としては、EV充電インフラが足りていないことが挙げられ、問題視されています。ガソリン車が走行するためには給油が必要なように、電気自動車も走行するためには充電が必要です。電気自動車の充電方法には「普通充電」と「急速充電」の2種類があります。

急速充電器は、高速道路のサービスエリアや、ショッピングモール、コンビニエンスストアなどに設置されています。しかし、急速充電器の設置や維持に要する費用が高額なことから、エリアによっては充電インフラの設備状況に差が出てしまいます。そのため、日本で電気自動車(EV)が普及するためには、EV充電インフラを増やす必要があります。

電気自動車の車両価格が高い

電気自動車はガソリン車・ハイブリッド車と比べて車両価格が高いことが日本で普及しない理由となっています。たとえば、日産「リーフ」(40kWhモデル)は、電気自動車の中でも比較的、リーズナブルで、その価格は370万〜420万円程度です。

一方で、日産「リーフ」(40kWhモデル)と同じ条件のガソリン車・ハイブリッド車の価格は215万〜285万円程度です。このように、電気自動車(EV)は、ガソリン車・ハイブリッド車と比べて車両価格が高いので、日本で普及しない原因となっています。

電気自動車の充電時間が長い

電気自動車の充電時間は、自宅で充電する場合は一般に最短でも5時間以上、最長で10時間前後と長くなっています。EV充電スポットで充電する場合は、充電の出力で多少は異なりますが、自宅で充電する時と同等ぐらいの時間がかかります。

たとえば、バッテリー容量が50kWhの電気自動車を電池残量20%から満充電にする場合は「50kWh×80%=40kWh」の電力量が必要になるので、出力6kWで満充電にする場合には「40kWh÷6kW=6.6時間」かかります。そのため、電気自動車の充電時間は長く、日本で普及しない理由となっています。

電気自動車の航続距離に不安

電気自動車は、ガソリン車・ハイブリッド車と比べて航続距離が短いため、日本で普及しないもう一つの理由となっています。航続距離とは、車が一回の燃料補給で走行可能な距離のことを言います。

電気自動車(EV)の場合においては、一回の充電で走行できる距離のことを言います。電気自動車で、通勤や買い物などの日常生活で走行する場合は問題ありません。しかし、旅行などの長距離ドライブの場合においては、充電インフラの設備が普及していないことから不安を感じる方が多いです。

EV充電器が整っている集合住宅が少ない

日本で電気自動車(EV)が普及しない理由としては、EV充電器が整っている集合住宅が少ないことも挙げられます。電気自動車を購入する際は、自宅で充電できるかどうかが大きな影響を与えます。

しかし、電気自動車(EV)は、世界各国と比べてそれほど普及していないことから、EV充電器が整っている集合住宅が少なくなっています。日本は比較的、集合住宅が多い国の一つです。そのため、EV充電器が整っている集合住宅が少ないことが、日本で電気自動車(EV)が普及しない理由となっています。

バッテリーの故障や寿命の不安

電気自動車(EV)は、その名の通り電力で走行する自動車ですから、バッテリー容量は重要です。そのため、日本で電気自動車が普及しない理由として、バッテリーの故障や寿命の不安などが挙げられています。

電気自動車のバッテリーは、「パック電池」「BMS」「コンタクター」「バッテリークーラー」「バッテリーヒーター」など多く存在しています。これらが故障することは、エンジン故障と同様なので、電気自動車が走行不能に陥る可能性があるのです。

日本の場合、電気自動車はゼロエミッションではない

電気自動車は、太陽光など再生可能エネルギーや原子力で発電、充電が可能なので、CO2を排出しないため、「ゼロミッション・ヴィークル(排気ガスゼロの乗り物)」と呼ばれています。しかし、日本は、火力発電を主力として生活をしているので、電気自動車に必要な電気を作る際に、発電所で大量のCO2を排出しています。

そのため、日本の場合、電気自動車はゼロエミッションではないので、日本で普及しない理由の一つになっています。

日本の電気自動車(EV)普及に関する課題

日本の電気自動車(EV)普及に関する課題

日本で電気自動車(EV)が普及するための課題としては、以下が挙げられます。

ポイント
  • EV充電インフラを増やす
  • 電気自動車の車両価格をリーズナブルにする
  • 電気自動車の充電時間を短くする
  • 電気自動車のバッテリー容量を増やし、航続距離の不安を無くす
  • EV充電器が整っている集合住宅を増やす
  • ゼロエミッションの電気自動車を作る

それぞれ克服しなければならない課題ですが、「EV充電インフラを増やす」「電気自動車の充電時間を短くする」の2つは主に重要視されています。

「EV充電インフラを増やす」に関しては、電力で走行する電気自動車には充電が必要不可欠なので、重要視されています。また、電気自動車の充電時間に関しては、ガソリン車が給油する場合5分で終了するところ電気自動車の充電では、急速充電器を使っても30分程度、普通充電の場合は数時間以上かかります。

それぞれの課題を克服することが、日本で電気自動車(EV)が普及することに繋がります。

日本で電気自動車(EV)は今後普及するか

日本で電気自動車(EV)は今後普及するか

今後、日本で電気自動車(EV)は普及すると予想されます。電気自動車の普及を妨げる要因のほとんどは改善の見込みがあります。たとえば、生産技術は画期的に革新されることが予想されているので、電気自動車の航続距離の問題は解消できます。

また、電気自動車を造る際の部品の1つで高価とされているリチウムイオン電池の価格は、ここ10年で1/4以下まで下がりました。今後さらに高性能の電池が開発されれば、電気自動車の車両価格はさがり、航続距離も長くなるでしょう。更に、日本政府が「脱炭素社会の実現」へと舵を切っていることから、今後はインフラ問題も解消することが予想されます。

上記の理由から、日本で電気自動車(EV)は普及すると予想されます。

日本で電気自動車(EV)が普及しない理由をおさらい

本記事では、電気自動車(EV)が、日本で普及しない理由を紹介しました。電気自動車は、「EV充電インフラが足りていない」「電気自動車の車両価格が高い」「電気自動車の充電時間が長い」などさまざまな問題を抱えています。

しかし、そのような問題を解消する政策も進んでいるので、今後は電気自動車(EV)が、日本で普及していくと予想されます。

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