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2024/2025 ABB FIAフォーミュラE世界選手権の開幕に向け、 JAGUAR TCS RACING、新型JAGUAR「I-TYPE 7」をサンパウロで発表
公開日:2024/12/18更新日:2024/12/18
先月マドリードで行われた公式プレシーズンテストでは、暫定的なデザインの車体でデビューしていたが、本日、チームカラーのブラック、ホワイト、ゴールドを使った今シーズン用の新たなリブリーを発表した。
「I-TYPE 7」に新次元の効率を:進化したリアパワートレインと熱管理技術
■ JAGUAR TCS RACING は、ABB FIAフォーミュラE世界選手権2024/2025シーズンの開幕に合わせ、初戦サンパウロ E-Prixのプラクティスセッションの前夜に新型 JAGUAR「I-TYPE 7」を発表
■ 2023/2024シーズンのチーム・チャンピオンシップを制した「I-TYPE 6」よりも「I-TYPE 7」は飛躍的に進化。
インバーター、モーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)、トランスミッションなどパワートレインを一新
■ 新しいフォーミュラ E GEN3 Evo レギュレーションに対応する「I-TYPE 7」は、350kWの全輪駆動トラクションと600kWの回生ブレーキ機能、新しいボディワーク、最新のハンコック製iONタイヤを装備
■ JAGUAR 専用設計のソフトウェアが全輪駆動を制御し、0-60mph加速は1.82秒(0-100km/h加速は1.86秒)を達成。「I-TYPE 7」は現行のF1マシンよりも加速性が向上
■ JAGUAR TCS RACING がトラックで実証したハードウェアとソフトウェアのテクノロジーは、JAGUARの次世代電気自動車(EV)にも反映
■ JAGUARの今後の方向性を示したDESIGN VISION CONCEPT「TYPE 00(タイプ ゼロゼロ)」を12月2日(現地時間)にマイアミで発表
JAGUAR TCS RACINGチーム・プリンシパルを務めるジェームズ・バークレーのコメント:
「2024/2025シーズンのタイトル獲得に向けた戦いを控え、ワクワクするような1週間でした。まずマイアミではDESIGN VISION CONCEPT『TYPE 00(タイプ ゼロゼロ)』を、続いてサンパウロでは公式リブリーを纏った『I-TYPE 7』を公開しました。この『I-TYPE 7』がニック・キャシディとミッチ・エバンスによってサーキットでデビューするまで24時間を切っています。JAGUARブランドにとっても、世界王者である私たちにとっても、とてもエキサイティングな時間を過ごしています。
『I-TYPE 6』でシーズン10のチーム・チャンピオンシップとマニュファクチャラーズ・タイトル獲得に向けた戦いと並行して、私たちは新しい『I-TYPE 7』の設計、開発、テストを行ってきました。新しいJAGUARのパワートレインの開発は始まったばかりですが、初期段階でもポジティブな手ごたえを感じており、すべてのチームとともに、フォーミュラEのGEN3 Evo時代に移行する際の、新しいレギュレーションと機能を最大限に活用するという挑戦を楽しんでいます。GEN3 Evoと新しいホモロゲーションにより、各チームは共通のボディワークと全輪駆動能力に加えて、パワートレインのコンセプトとコンポーネントを改良するチャンスを得ました。これらの変更によって、マシンのスピードがアップするだけでなく、ほとんどのグリッドが表彰台や優勝を争えるような、競争の激しいシーズンになることは間違いありません。
最も重要なことは、これらの新しいレギュレーションによって、電気自動車(EV)のテクノロジーを加速度的に開発および実証するチャンスがもたらされることです。そのメリットをJAGUARが将来的に提供するあらゆるEVに確実に反映させ、お客様の利益につなげていきます。」
JAGUAR TCS RACINGドライバー、ミッチ・エバンス(#9)のコメント:
「JAGUAR TCS RACINGの一員として再びレースに参戦でき、うれしく思っています。チーム・チャンピオンシップの王者としてサンパウロに向かうのは、最高の気分です。オフシーズンは新しいGEN3 Evoマシンのテストで忙しく過ごしていましたが、シーズン11でよいスタートがきれるよう、全力を尽くします。」
JAGUAR TCS RACINGドライバー、ニック・キャシディ(#37)のコメント:
「JAGUAR TCS RACINGでの2シーズン目が始まるのが、とても楽しみです。シーズン10はやり残したことがはっきりしています。マドリードで行われたプレシーズンテストでは、『I-TYPE 7』が大きく進歩を遂げていることが確認できました。この勢いを維持して、サンパウロで好スタートを切れることを期待しています。」
JAGUAR「I-TYPE 7」のテクノロジーフォーカス
シーズン11から導入されたフォーミュラEの新世代となるGEN3 Evoでは、すべての車両にFIAが定めるコア領域(共通コンポーネント)に大幅なアップデートが施され、各マニュファクチャラーに重要な新しいテクノロジーを開発するチャンスがもたらされた。
すべてのチームに共通するボディワークのアップデートには、新しいノーズと空力の改良が含まれ、これによって今まで以上にマシン同士が接近して走行することが可能になる。また、最新のハンコック製iONタイヤは5~10%グリップが向上しているが、その特性を理解することがすべてのチームにとって大きな鍵となる。
最高出力は350kWのまま変わらないものの、今回初めてフロント・パワートレイン・キット(FPK)も利用可能になった。つまり、デュエルステージやローンチ、アタックモードの各フェーズにおいて全輪駆動が許可されることになる。独自のソフトウェア制御システムによって、各フェーズでフロントおよびリアアクスルに350kWを配分する。特に後輪駆動と全輪駆動の切り替えが重要になり、ブレーキ時には、フロントおよびリアのパワートレインで合計600kWの回生エネルギーをバッテリーに供給する。
JAGUARはマニュファクチャラーとして、「I-TYPE 7」に多くの技術的アップデートを施した。そのなかで最も重要なのが、インバーター、MGU、トランスミッションで構成されるまったく新しいリアパワートレインだ。このパワートレインは、「I-TYPE 7」の全体的なハンドリングバランスを向上させるために、従来のモデルとはまったく異なるパッケージングになっているだけでなく、電気補助システムも軽量化した。
JAGUARのリアパワートレインでは、熱管理テクノロジーの強化により、新しいMGUの効率がさらに向上している。つまり、「I-TYPE 7」は利用可能なエネルギーを効率的に活用することで、より速く、より長く走ることができるのだ。これらのパワートレインのアップデートは、シーズン11のレギュレーションでマニュファクチャラーの自由度が拡大されたことから、新しいソフトウェアコントロールの開発が、「I-TYPE 7」のプレシーズンテストの重要な焦点となっていることを意味している。
その他の「I-TYPE 7」特有のハードウェアのアップデートには、再設計したリア・サスペンションが含まれている。まったく新しいパワートレインのパッケージングがバランスの改善を実現し、新しいリア・サスペンションがサーキット間のハンドリング特性の適応性を向上させる。
全体として、「I-TYPE 7」は、2023/2024シーズンのチーム・チャンピオンシップとマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得した先代マシン「I-TYPE 6」よりも、大幅に進化している。
JAGUAR TCS RACINGは、パートナーであるTata Consultancy Services(TCS)、Wolfspeed、Dow、Castrol、Google Cloudのサポートと専門知識を得て、新シーズンに臨む。これらのパートナーは、オール・エレクトリック・レースと次世代のEVの未来につながるイノベーションの発見と推進に取り組んでいる。また、チームにはAlpinestars、AERO、Refloといったオフィシャルサプライヤーも加わる。
ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11は、2024年12月7日14:05(現地時間)にサンパウロで開幕する。
エディターズ・ノート
JAGUAR TCS RACINGについて
JAGUARは2016年10月にモータースポーツ界に復帰し、電気自動車によるレーシング・シリーズ、ABB FIAフォーミュラE選手権に参戦した、最初のプレミアム自動車メーカーとなった。
2024年、JAGUAR TCS RACINGがABB FIAフォーミュラEのチーム・チャンピオンシップを獲得し、JAGUARにとって1991年以来となる世界選手権制覇を達成した。また、JAGUARはGEN3時代のフォーミュラEレーシングマシンである「I-TYPE 6」で、新設されたマニュファクチャラーズ・タイトルも獲得した。
JAGUAR TCS RACINGのドライバーであるミッチ・エバンスとニック・キャシディは、2023/2024シーズンのドライバーズ・ランキングでそれぞれ2位と3位となり、フォーミュラEがGEN3 Evo時代へと移行するシーズン11にも、チームの一員として再び参戦する。シーズン11と12にまたがるGEN3 Evoでは、新しいパワートレインや、クオリファイセッションおよびレースの一部のフェーズで全輪駆動を採用するなど、世界唯一のネットカーボンゼロの電動レーシングマシンは、さらなる技術的進歩が見込まれている。
また、2026年にスタートするシーズン13-16のGEN4時代への継続参戦することを決定し、ABB FIAフォーミュラE世界選手権への長期的なコミットメントを表明した。
フォーミュラEは、オール電動のコンセプトだけでなく、開催地の選択においてもモータースポーツ界ではユニークな存在だ。2024/2025シーズンの世界選手権では、サンパウロ、ディルイーヤ、東京、モナコなど、世界の主要都市の中心部に作られる仮設のストリートサーキットで多くのイベントが開催される予定。また、新たな開催地としてマイアミが加わり、シーズン最終戦は再びロンドンでダブルヘッダーのレースウィークエンドとして開催される予定だ。
JAGUAR TCS RACINGはフォーミュラEの公式マニュファクチャラー・チームとして、モーター・ジェネレーター・ユニット、トランスミッション、インバーター、リア・サスペンションを含むパワートレインを独自設計している。JAGUARは、フォーミュラEの長期的な技術パートナーであるフォーテスキューWAEを通じてENVISION RACINGにGEN3 Evoのパワートレインを供給する。
コストを抑えるため、カーボン・ファイバー・シャシーとバッテリーは、全11チーム共通となっている。これにより、効率的かつ軽量なパワートレインの開発に焦点を絞ることができ、未来のジャガー・ランドローバー(JLR)のフルバッテリー電気自動車(BEV)のパフォーマンスと航続距離の向上につながる。
フォーミュラEへの参戦は、JLRが掲げる「REIMAGINE」戦略の実現に向けた最重要事項であることに変わりはない。フォーミュラEは電気自動車による世界選手権の最高峰であり、チームは高性能が求められる環境で新しいEVテクノロジーをテストして開発することができる。チームのミッション「Race to Innovate(イノベーションのためのレーシング)」のテストベッドであり続け、そこから得られる「Race to Road(レースで得た知識や経験を市販車へ)」、そして「Road to Race(市販車からレースへ)」と相互の学びによって、JAGUARのEVの未来を切り開いていくのに寄与する。
JAGUAR TCS RACINGは、「Race to Inspire」というミッションのもと、レースプログラムを通じて地球や地域社会にポジティブな影響を与えることで、未来の世代にインスピレーションを与えることを使命としている。世界初のネットカーボンレースカーでの競争から、次世代のエンジニアやモータースポーツの専門家のサポートやトレーニングまで、さまざまな活動を行っている。
詳細については、https://media.jaguarracing.com/をご覧ください。
Tata Consultancy Services (TCS)について
TCSは、56年以上にわたって数多くの世界最大規模のビジネスをデジタルに変革してきた、ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューションを提供する企業だ。JLRの長年にわたる戦略的テクニカルパートナーであるTCSは、新しいテクノロジーを活用して、レースチームの電動化を促進し、レースで勝利して、より持続可能な未来を構築する活動をサポートしている。TCSはより良い未来の構築に取り組み、サーキットで得たノウハウを活用して、モビリティ・エコシステムを変革している。タタ・グループの一員であるTCSは、世界中に61万2,000人を超えるコンサルタントを擁している。
問い合わせ先
(フリーダイヤル)0120-050-689
(9:00-18:00、土日祝日を除く)
2024年12月6日 Jaguar Land Rover Japan Media Centreより
このブランドについて
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JAGUAR
ジャガー
英国が誇る名門メーカーであるジャガーは、1960年代のEタイプなどに代表されるスポーティでエレガントな高級車を多数輩出、レースシーンにも欠かせない存在であり、近年はF-PACEなどブランドイメージに恥じないスポーティなSUVもラインナップしてきました。フル電動SUVのI-PACEをはじめ、その他のモデルもパワフルな内燃機関からPHEVなど多彩なパワーユニットを揃えてきましたが、2025年にピュアEV(BEV)のラグジュアリーブランドへ転換することを宣言し、今後はBEVメーカーとして歩んでいくこととなります。新時代の電動モビリティと古き良き英国車の雰囲気をいかに融合させていくかに要注目です。