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液体水素エンジンGRカローラ 最終戦での新たな可能性の拡がり
公開日:2024/11/25更新日:2024/11/25
また今回、走行中に発生するボイルオフガス*活用を想定したコンセプトモデルを展示し、ともに技術開発に挑戦する仲間を募る。
*ボイルオフガス:タンクに貯蔵されている液体水素燃料が外部からの自然入熱などで気化してしまう水素のこと
走行中のボイルオフガス活用への挑戦と仲間づくり
液体水素は、気体水素に比べて密度が高く、同じ容量のタンクに沢山の水素が入る一方で、ボイルオフの課題がある。これまで走行中に燃料タンク内で発生したボイルオフガス(気化した水素)は、活用されることなく大気中に放出されていた。
今回、ボイルオフガスの活用に関する新たなコンセプトモデルを展示する。現在はコンセプト段階ですが、実現すればボイルオフガスをエネルギーとして回収・活用することで、液体水素システム全体のエネルギー効率の向上が期待できるため、この技術の実用化に向けて仲間づくりを行っていく。
ボイルオフガス活用の全体像
①ボイルオフガスを燃料として再利用
タンク内の液体水素から発生したボイルオフガスを自己増圧器(外部からのエネルギーに頼らず圧力を高める装置)に送ることで、再利用できる燃料を作り出す技術開発に取り組んでいる。ボイルオフガスも圧力を加えることで水素燃料としての再利用(エンジンなどへの燃料噴射)が可能ですが、通常であれば増圧には電力などのエネルギーを必要とする。今回展示した自己増圧器では、ボイルオフガス自体が持つ圧力を操作することで、新たにエネルギーを使うことなく約2~4倍に増圧し、再利用燃料を作り出す。
ボイルオフガスを増圧する自己増圧器(左のメーターに表示された圧力が増圧後、右が増圧前)
②ボイルオフガスを活用した発電
①のボイルオフガス(気化した水素)の再利用を行う際の増圧工程では、一定の割合で余ったボイルオフガスが排出される。これを、今回開発した小型の燃料電池パッケージ(FCスタック)に送り、水素を化学反応させて発電する。生み出した電力は、液体水素ポンプ用のモーターなどの動力としての活用を想定している。実現すれば本来オルタネーター(小型発電機)での発電量に相当する電力をボイルオフガスから補うことが可能になり、エネルギー効率の向上が期待できる。
ボイルオフガスで発電する小型FCスタック
③触媒を通じて余ったボイルオフガスを安全に放出
②の発電工程で使いきれなかったボイルオフガスは、これまでと同様に触媒を通じて水蒸気に変換し、車外に安全に放出される。
余ったボイルオフガスを処理する触媒
トヨタは引き続き、モータースポーツの厳しい環境を通じてクルマと人を鍛え、カーボンニュートラルの実現に向けて仲間とともに進化を続けていく。
2024年11月16日 トヨタニュースリリースより
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TOYOTA
トヨタ
常に世界の最多生産台数を争い、日本のみならず世界を代表する自動車メーカー、トヨタ。多くの日本車メーカーと深い関わりを持ち、グループ全体で超小型車からバス・トラック、産業車両まで網羅したフルラインナップ・メーカーであり、近年は実用性やコストパフォーマンスのみならず、スポーツ性など走る楽しみにも力を入れています。世界初の量販ハイブリッドカー「プリウス」から電動化技術では最高の蓄積を持ち、自動運転技術の実用化、新世代モビリティと都市生活の在り方を模索する「ウーブン・シティ」へ多大な投資を行う一方、電動化だけがエコカー唯一の選択肢ではないというスタンスも崩さず、死角のない全方位戦略が現在の特徴です。