フォルクスワーゲン グループ、2023年に堅実な業績を記録 - パフォーマンス プログラムと記録的な数の新製品の導入により、将来の成長を安定化

●2023年の堅調な財務結果は、チャレンジの多い環境でもグループが確実に成果を上げていることを示す

●すべてのブランド グループが226億ユーロの営業利益に貢献:コモディティ ヘッジによる評価の影響を調整すると、営業利益は258億ユーロに増加

●2023年はTOP-10プログラムの継続的な実行による再編の年

●包括的な収益プログラムを開始:電気自動車専用のプレミアム プラットフォーム(PPE)のデビューと記録的な数のモデルを導入することにより、自信を持って2024年に臨む

●「regenerate+」により、グループは総合的な持続可能性戦略を確立し、社会的責任を果たす

●フォルクスワーゲン グループCEO、オリバー ブルーメ:「魅力的な製品と戦略の実行に明確に焦点を当てることにより、私たちは自信を持って2024年を見据えています。フォルクスワーゲン グループは、力強いポジショニングから、変革という長距離レースに参加しています。同時に、私たちは現在の課題を認識しており、フォルクスワーゲン グループの大きな可能性を活用するために、一貫した態度でそれらの課題に取り組んでいます。」

●フォルクスワーゲン グループCFO兼COO、アルノ アントリッツ:「チャレンジの多い環境の中で、フォルクスワーゲン グループは2023年に堅実な業績を達成し、これを踏まえて今年さらなる発展を目指します。持続的な成功を確実に維持するため、私たちは、2024年にニューモデルの投入、コストの削減、グループ内の相乗効果のさらなる活用、そして北米でも収益性の高い成長を続けることなどにより、さらに強固な地域的ポジショニングを確立することに注力していきます。」

フォルクスワーゲン グループ、2023年に堅調な財務結果を達成

ウォルフスブルグ、2024年3月13日 – フォルクスワーゲン グループは、チャレンジの多い市場環境の中、2023年に堅調な財務結果を達成した。電動化の推進と柔軟な製品戦略により、グループは世界中のお客様のニーズに対応することが可能になっている。同時に、2023年はフォルクスワーゲン グループにとって再編の年でもあった。TOP-10プログラムの多くの分野で、グループは当初の計画を前倒しで達成した。30を超える新製品が登場する2024年は、新しいPPEプレミアム プラットフォームをベースにした高性能な電気自動車を含む、新車ラッシュの年となる。これにより、フォルクスワーゲン グループは2024年および2025年以降の事業拡大の加速に自信を持っている。グループの包括的な目標は、これまでと同様、持続可能で価値を生み出す成長を達成することだ。



フォルクスワーゲン グループ最高経営責任者(CEO)のオリバー ブルーメは、次のように述べている。「魅力的な製品と戦略の実行に明確に焦点を当てることにより、私たちは自信を持って2024年を見据えています。フォルクスワーゲン グループは、力強いポジショニングから、変革という長距離レースに参加しています。同時に、私たちは現在の課題を認識しており、フォルクスワーゲン グループの大きな可能性を活用するために、一貫した態度でそれらの課題に取り組んでいます。現在、グループが持続的に前向きな発展を遂げられるよう準備を進めています。私たちは、広範囲で継続的に成長する製品ポートフォリオにより、他のメーカーとは異なり、世界中のすべてのお客様の要望を満たすことができます。この柔軟性は将来の成功を可能とする競争上の利点であると考えています。」

堅実な財務結果とパフォーマンス プログラムにより、将来の成長を安定化

2023年、フォルクスワーゲン グループは厳しい環境の中で堅実な業績を達成し、グループが力強いブランドとともに確実に成果を上げていることを証明した。販売台数は12%増加して924万台となった。すべての地域が、この増加に貢献。売上高は3,223億ユーロ、営業利益は226億ユーロ、税引後利益は179億ユーロとなり、グループのビジネスモデルのレジリエンス(回復力)を実証した。特別項目を除く営業利益率は、前年の営業利益にまだプラスの影響を与えていたコモディティ デリバティブ(原材料のヘッジ取引)による大きな逆風にもかかわらず7.0%に達した。コモディティ デリバティブの評価の影響を調整した営業利益は258億ユーロだった。これは8%の営業利益率に相当する。自動車部門のネットキャッシュフローは、107億ユーロに増加。自動車部門の純流動性資産は年末時点で403億ユーロに達しており、グループは非常に堅調な財務状況にある。優先株1株当たりの利益は2.26ユーロ増加し、31.98ユーロ(前年比8%増)となった。

なお、フォルクスワーゲン グループは、2024年3月1日に昨年度の主な業績と2024年度の見通しを発表している。

取締役会と監査役会は、年次総会で普通株1株当たり9.00ユーロ、優先株1株当たり9.06ユーロの配当を提案している。これは、前年の数値と比較して、普通株および優先株1株当たり、それぞれ0.30ユーロの増加となる。配当性向は28%に相当する。

販売台数における電気自動車のシェアが継続的に増加

過去1年間で電動化が大幅に推進された。すべての四半期を通じて、販売台数に占めるバッテリー式電気自動車(BEV)の割合は継続的に増加し、第4四半期には約10%に達した。通年では、BEVのシェアは、過去最高の8.3%に達した。具体的な数字で見ると、フォルクスワーゲン グループは昨年、77万1,100台のバッテリー式電気自動車を販売。この数値は、すべての地域で販売が成長したことにより、2022年と比較して35%の増加に相当。グループは、ヨーロッパの電気自動車セグメントにおける主導的な地位を改めて確認した。

フォルクスワーゲン グループ最高財務責任者(CFO)兼最高執行責任者(COO)のアルノ アントリッツは、次のように述べている。「チャレンジの多い環境の中で、フォルクスワーゲン グループは2023年に堅実な業績を達成し、これを踏まえて今年さらなる発展を目指します。グループは良好なポジショニングを確立しており、強固な財務基盤により事業を運営しています。私たちは、これを基盤として、e-モビリティとデジタル化に向けた変革を一貫して推進していきます。持続的な成功を確実に維持するため、私たちは、2024年にニューモデルの投入、コストの削減、グループ内の相乗効果のさらなる活用、そして北米でも収益性の高い成長を続けることなどにより、さらに強固な地域的ポジショニングを確立することに注力します。」

投資金額は今年ピークに達し、その後は減少

グループは、競争力をさらに高め、もっとも魅力的な成長市場での事業活動を拡大し、製品ポートフォリオ全体を強化するために、戦略的な投資計画を一貫して追求し続けている。同時に、グループの相乗効果をさらに活用することで、2025年から2029年までの次期5か年計画への投資額を1,700億ユーロに制限することが可能になる。この資金は主に新製品、地域の強化、バッテリー事業とバッテリー式電気自動車用のプラットフォーム、およびハイブリッド化が進む最新の内燃エンジン搭載モデルのために投資される予定。投資金額は2024年にピークに達し、2027年までに売上高の11%という目標レベルに近づくと予想している。

財務結果に持続的な効果をもたらすパフォーマンス プログラム

フォルクスワーゲン グループは、グループ史上最大規模の収益プログラムを実施しており、2024年末までにグループ全体で100億ユーロを超える持続可能な効果を目指している。これにより、インフレやコストの増加といった悪影響を緩和することもできる。グループは、原材料および製品コストの最適化、固定費および生産コストの削減、セールスおよびアフターセールスの両方での収益の増加により、業績を向上させ、コストを削減するための対策に注力している。

すべてのブランドを対象に開発されたこのパフォーマンス プログラムにより、3つの対策に貢献する狙いがある。グループの競争力を強化し、効率を向上させるだけでなく、長期的に世界中のお客様の要件をより適切に満たすために、製品や新しい事業分野に投資するための資金を確保することも目的としている。さらに、長期的には、雇用や拠点を維持できるためにも役立つ。これらのプログラムは、日々変化する市場で成功裏に機能するように、継続的に見直されている。

パフォーマンスと柔軟性を向上させるためのPPEプラットフォーム導入

再編の最初の成果として、パフォーマンス、柔軟性、拡張性を向上させる電気自動車専用のプレミアム プラットフォーム(PPE)の導入が挙げられる。MEBプラットフォームを参考に開発されたPPEプラットフォームにより、プレミアム セグメントとラグジュアリー セグメントでの相乗効果を効率的に利用できる。

また、2024年に最新のハイブリッドテクノロジーなどを含む「Golf(ゴルフ)」、「Tiguan(ティグアン)」、「Passat(パサート)」、「Octavia(オクタヴィア)」、「Superb(スペルブ)」などの主要なベストセラーカーでアップグレードされたポートフォリオ、そして、電気自動車のMEBファミリーは、グループのポジショニングを一層強化する。さらに、プレミアム プラットフォーム エレクトリック(PPE)をベースにしたポルシェ「Macan Electric(マカン エレクトリック)」およびアウディ「Q6 e-tron(Q6 eトロン)」1、MEBベースの「ID.7(アイディ.7)」2や「ID.7 Tourer(アイディ.7 ツアラー)」3、クプラ「Tavascan(タヴァスカン)」4、ロングホイールベース仕様の「ID. Buzz(アイディ.バズ)」5など、完全に新しいEVモデルもラインナップに加わる。

数多くの製品ハイライトにより、グループは西ヨーロッパでの受注が、今後数か月以内に前年と比べて加速的に増加すると予想している。これは、すでに発売されている電気自動車にも当てはまり、フォルクスワーゲン グループは前年同期と比較して、明確なプラス基調の中で新年を迎えた。

全体として、グループは、2024年はニューモデルの導入に関して記録的な年になると見込んでおり、パワフルなプラットフォームをベースにした30以上の新製品の発売が計画されている。好調な事業活動に支えられ、グループはバッテリー事業へのさらなる投資や地各域の強化も計画している。

柔軟な戦略

フォルクスワーゲン グループは、モビリティの未来は電気自動車が主役になると確信している。一部の国では引き続き目覚ましい変革のペースを示していますが、他の地域ではe-モビリティの普及は予想よりも遅いペースで進んでいる。そのため、フォルクスワーゲン グループの戦略は柔軟に策定されている。
e-モビリティの拡大には大規模な投資が行われていますが、競争力が高く、効率的で魅力的な内燃エンジン搭載モデルは、移行段階でも製品ラインナップの一部として存続する。改良された、そして新たに開発された新しいプラグイン ハイブリッドは、多くの市場でラインナップを補完する。

すべてのブランド グループが営業利益の拡大に貢献

乗用車部門では、2023年にすべてのブランド グループが優れた業績を記録した。売上高が順調に伸びただけでなく、コモデティ ヘッジの影響を調整した特別項目を除く営業利益も全ブランドで増加した。

ブランド グループ コア(フォルクスワーゲン、フォルクスワーゲン商用車、シュコダ、セアト/クプラ)の営業利益率は5.3%(前年:3.6%)に上昇した。これは主に、前年比21%増の1,378億ユーロという大幅な売上高の増加によるものだ。この営業利益により、ブランド グループ コアは営業利益率の戦略的目標である8%に向けて重要な第一歩を踏み出した。

ブランド グループ プログレッシブ(アウディ、ランボルギーニ、ベントレー、ドゥカティ)の売上高は、2023年に699億ユーロ(前年比13%増)に増加。営業利益は63億ユーロに減少。コモデティ ヘッジによる評価効果を除くと、営業利益は77億ユーロに増加する。営業利益率は9.0%(前年:12.3%)でした。14億ユーロの評価効果を調整すると、営業利益率は11.0%(前年:10.6%)に上昇する。

ブランド グループ スポーツ ラグジュアリー(ポルシェ)は、引き続き良好な業績を記録。売上高は373億ユーロ(前年:346億ユーロ)に増加し、製品ローンチコストの増加や生産コストの上昇による逆風にもかかわらず、営業利益率は前年と同水準の18.6%を維持した。

ファイナンシャル サービス部門の営業利益は38億ユーロで、グループの業績に貢献したが、高水準となった前年の利益を約3分の1ほど下回りった。これは、中古車価格の正常化によるものだ。2021年から2022年にかけて、半導体の供給減による新車不足により、中古車の残存価値が前例のない水準に上昇した。同グループは、このレベルが持続可能ではないことを早い段階で認識し、それに応じて計画を立てた。

ブランド グループ トラック(TRATON:MAN、スカニア、ナビスター、フォルクスワーゲン トラック&バス)は、販売台数の増加、好調な市場環境および製品ミックス、単価の向上、車両サービス事業の成長により、売上高が457億ユーロ(前年:395億ユーロ)に増加した。TRATONグループの営業利益率は8.1%(前年:4%)に大幅に改善し、営業利益は37億ユーロ(前年:16億ユーロ)となった。

CARIADでは、計画どおり、同社のソフトウェアがグループ車両で使用されるケースが増えたため、契約ライセンスからの収益は約30%増加して11億ユーロとなった。CARIADは将来のソフトウェア アーキテクチャに対して多額の前払いをしており、その報酬はライセンス支払いを通じて支払われている。このビジネスモデルにより、同部門は24億ユーロの営業損失を記録。事業面では、ソフトウェア分野のこのグループは今年、ポルシェ「Macan Electric」やアウディ「Q6 e-tron」などの重要な製品の発売に注力してきた。

バッテリー事業の発展も引き続き進んでいる。しかし、投資の増加とさまざまな国でのチーム設立費用により、営業損失は4億ユーロ、ネットキャッシュ アウトフローは8億ユーロとなった。これは、電気自動車の生産拡大を成功させるために不可欠な、グループのバッテリー事業活動への投資に関連している。

「regenerate+」を通じた持続可能性への総合的なアプローチ

フォルクスワーゲン グループは、自然、従業員、社会と共生し、価値を生み出す起業家精神の観点から、持続可能性に対して総合的なアプローチをとっている。そのため、グループは総合的なサステナビリティ戦略を確立した。この戦略は、グループ全体に適用され、すべてのグループ ブランドの野心的な持続可能性プログラムの基礎となる。

排出量削減の鍵となるのは、e-モビリティの普及だ。サステナビリティ戦略により、フォルクスワーゲン グループは、2024年に業界を先導し、責任を持って戦略を実施する。たとえば、すべてのセグメントにわたって、自動車業界においてもっとも野心的な電動化攻勢の一つを推進している。

生産におけるサステナビリティ戦略は、ますます注目を集めている。フォルクスワーゲン グループは、計画より10年早い2040年までに、世界中のすべての拠点でカーボンニュートラルな生産を達成することを目指している。目標は、2018年と比較して、すべての温室効果ガス排出量の90%を削減することだ。グループは、エネルギー供給の転換やエネルギー効率の向上などにより、これを達成したいと考えている。たとえば、2030年までに、中国を含むすべての拠点における外部電力供給の100%は、CO2ニュートラルな電源から供給される。ヨーロッパのすべての拠点では、すでに100%グリーン電力を使用している。ヨーロッパの8つの工場は、すでにカーボンニュートラルな方法で稼働している。


フォルクスワーゲン グループの年次記者会見の資料は、以下のウエブサイトで公開されています: https://www.volkswagen-group.com/en/volkswagen-group-annual-media-analyst-and-investor-conference-on-march-13-2024-18144


1.Near-production prototype

2.Volkswagen ID.7 Pro – power consumption combined 16.3 – 14.1 kWh/100 km; CO₂ emissions combined 0 g/km; CO2 class: A

3.Volkswagen ID.7 Tourer Pro – power consumption combined 16.8 – 14.5 kWh/100 km; CO₂ emissions combined 0 g/km; CO2 class: A

4.CUPRA Tavascan Endurance – power consumption combined 15.6 kWh/100 km; CO₂ emissions combined 0 g/km; CO2 class: A

5.Near-production prototype


2024/03/15 VOLKSWAGEN Group (Global)Press Releasより

このブランドについて

  • VOLKSWAGEN

    フォルクスワーゲン

    不朽の名車、タイプ1「ビートル」や現在の「ゴルフ」を代表作とする、ドイツを代表する大衆車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)。安価なコンパクトカーであろうと走行性能や経済性、安全性に優れたクルマづくりで急成長し、現在は多くのメーカー、ブランドを傘下に持つ巨大なVWグループの中核となり、ドイツのみならず世界の自動車メーカーの時流をリードする旗振り役でもあり、「ID」シリーズのBEVをリリースするなど新時代のモビリティを次々と生み出している最中です。ただし、従来どおり大衆車メーカーのまま先進技術の塊を実用化する事に限界を感じたらしく、大衆車メーカーからプレミアムメーカーへの転換を宣言しています。

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