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日産の電気自動車(EV)「サクラ」の性能・スペック・価格

日産の軽自動車としては初の電気自動車(EV)として2022年5月に発売されるや、シティコミューターとしては十分以上の性能と、増額されたCEV補助金込みでは200万円切りの現実的な価格で国産EV軽自動車として初の大ヒット作となった、日産 サクラ。今回はその性能やスペック、価格から、サクラの魅力を紹介します。

目次

  1. 日産の電気自動車「サクラ」の概要
  2. 日産の電気自動車「サクラ」の外観・内装デザイン
  3. 日産の電気自動車「サクラ」のサイズ・室内スペース
  4. 日産の電気自動車「サクラ」の価格・スペック
  5. 日産の電気自動車「サクラ」を試乗予約しよう

日産の電気自動車「サクラ」の概要

日産の電気自動車「サクラ」の概要

Ned Snowman - stock.adobe.com

日産の電気自動車「サクラ」は、姉妹車の三菱 eKクロスEVともども発売と同時に注文が殺到した、日本の電気自動車では初の大ヒット作であり、電気自動車の普及に大きな役割を果たしつつある重要なモデルです。


日産が三菱との軽自動車合弁会社NMKVで開発した軽トールワゴン、2代目「デイズ」(2019年3月発売)がベースの電気自動車版で、シティコミューターとしては十分な航続距離と走行性能、急速充電やV2H/V2Lによる「走る蓄電池」にも対応しているのが特徴。


CEV補助金が増額されるタイミングでの発売で、実質200万円以下から購入できるという追い風もあって、日本では街でもっともよく見かける電気自動車となりました。

日産の電気自動車「サクラ」の外観・内装デザイン

日産の電気自動車「サクラ」の外観・内装デザイン

日産 サクラはそのフォルムや基本的なレイアウトはベースのデイズから変わっていませんが、電気自動車ならではの特徴を感じさせる外観や内装デザインのポイントがいくつかあります。

外観:電気自動車らしい前後デザイン

各ドアや前後フェンダー、ルーフなどは骨格が同じデイズと基本的に共通ですが、メッキパーツが目立ち開口部の大きいフロントグリルではなく、開口部が小さく日産エンブレムが光るブラックのシールドと、継ぎ目を少なく見せたシームレスなフロントマスクを採用。


バックドアのLEDリアコンビネーションランプも横一文字の大型なもので、高級感とスポーティさを感じさせる前後バンパーも、サクラのオリジナル。


姉妹車のeKクロスEVと異なり、「デイズEV」ではなく「サクラ」としてのアイデンティティを追求した、未来的な前後デザインとなっています。


ボディカラーは春(ブロッサムピンク/ブラック)、夏(ソルベブルー/チタニウムグレー)、秋(暁-アカツキ-サンライズカッパー/ブラック)、冬(ホワイトパール/チタニウムグレー)と、四季の彩りとなる2トーンのシーズンズカラー4色を含む15色。

内装:水平基調で落ち着いた内装

内装もデイズとは全く異なり、前左右席の前を一直線に横切る水平基調の内装は、空調の吹き出し口も四角い形状など直線を徹底したものです。


メーターパネルに代わる7インチの「アドバンスドドライブアシストディスプレイ」と、「EV専用NissanConnectナビゲーションシステム(地デジ内蔵)」の9インチワイドディスプレイ」は、ドライバーの視線移動が少なく済むよう、同じ高さの水平方向にレイアウト。


電制シフトやタッチパネル式のインパネ周りも、直感的な操作がしやすいよう配置されてストレスの少ないもので、シフトレバーの右側というドライバーからもっとも使いやすい位置へe-PedalのON/OFFスイッチをさりげなく設けたあたりも、よく考えてあります。


落ち着いたファブリックの内装も快適性が高く、全体的に軽自動車の枠を超えた高級感を感じさせており、「小さな高級車」とも言えるでしょう。

日産の電気自動車「サクラ」のサイズ・室内スペース

日産の電気自動車「サクラ」のサイズ・室内スペース

軽自動車の枠を超えた質感を内外装から感じさせる電気自動車とはいえ、あくまで「軽自動車」である日産 サクラですが、ボディサイズや室内スペースの感覚や、収納スペース(荷室)の使い勝手はどうでしょうか。

ボディサイズ:扱いやすく低重心

軽自動車枠いっぱいの全長・全幅に、軽トールワゴンのデイズがベースなので全高1,665mmとやや背の高いサクラですが、軽自動車らしく日本の狭い道でも非常に取り回しがしやすいサイズなのはもちろんのこと、見た目よりどっしり低重心が特長です。


これは容量20kWhと他の電気自動車に比べてささやかながら、軽自動車としては十分に重いバッテリーを床下に搭載した効果で、背の高い軽自動車にありがちな腰高感は一切感じさせず、体感ではもっと背の低い車を運転しているような感覚が得られます。


そのため、走るのに気を使う都市部の細い脇道などもスイスイ走れるのはもちろん、アップダウンやタイトなコーナーが続く山道でも、前後重心位置へ近いバッテリーのため路面へ吸い付くような動きで軽快に曲がって鋭く加速し、運転して楽しい車なのがポイントです。

室内スペース:デイズと同等以上

室内寸法は長さ2,115mm、幅1,340mm、高さ1,270mmと、ベースのデイズと幅や高さは同じで、長さはインパネ形状の違いもあってかデイズ(2,065mm)よりホンの少し、50mmほど上回っています。


軽自動車サイズでは大容量バッテリーを積んでいる電気自動車にも関わらず、ベースとなったエンジン車と同等以上のスペースを確保しており、足を組んでもゆったり座れる後席や、余裕があって卑屈さを感じさせない頭上スペースは完全にデイズ譲り。


運転席もインパネシフトのため足元は広く、ベンシートでゆったり座れる一方、統合型インターフェースディスプレイやインパネに囲まれて適度な包まれ感もあり、落ち着いて運転に集中できます。

収納スペース:必要十分で多彩

荷室の容量は107L(VDA法)と、109Lのデイズより微妙に小さいものの誤差の範囲で、デイズではオプションのラゲッジアンダーボックストレイも、「ラゲッジアンダーボックス」として標準装備し、補助金抜きでの価格が高いなりの車格差を魅せています。


左右分割可倒式シートの後席も同様で、デイズのように後席を倒せばゴルフバッグ4個を積めるとまではいかないものの、2名乗車で2つ、3名乗車で後席片側を倒せば1つ積めるなど、十分な実用性を持つラゲッジスペースを確保しました。


なお、収納スペースは他にもボックスティッシュなどを収納できる助手席前のインストスライドボックスや、その下のグローブボックス、脱いだ靴などを収納できる助手席シートアンダーボックスなど、多彩です。

日産の電気自動車「サクラ」の性能・電費・装備

単に「補助金込みなら現実的な価格で」というだけが理由ではない、日産 サクラの大ヒットですが、ならば電気自動車としてはどんな優れた面があるか、走行性能(動力性能)や電費(電力消費率)から見てみます。

走行性能:2L級の大トルク

サクラはフロント1モーター式のFWD車で、モーターの最高出力こそ47kw(64ps)と、軽自動車の馬力自主規制値上限で抑えていますが、最大トルクには自主規制などないので実に195N・m(19.9kgf・m)と、エンジンでいえば2リッター自然吸気ガソリンエンジン並!


車重も1,070~1,080kgと軽自動車としてはかなり重い部類で、最高出力の制約もあるため、「圧倒的な加速性能で高速域までグングン伸びる」とまではいきませんが、60km/h前後という一般道の速度域ではかなり活発に走ります。


「e-Pedal」をONにしたワンペダル走行に慣れれば、アクセルペダルだけで加減速からカーブを曲がるための減速とフロントへの荷重移動、曲がった後の加速まで自在ですし、シティコミューターとしては十分以上の高性能車です。

安全性能:最高評価の賞を獲得

発売時の新総合評価(自動車安全性能2022)で最高評価となる、「ファイブスター賞」を日本の自動車アセスメント「JNCAP」から受賞、電気自動車としてだけではなく、自動車としても優秀なことを証明したサクラ。


光学カメラ/ミリ波レーダーなど各種のセンサーを搭載し、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止、踏み間違い防止アシストなど予防安全装備の基本が充実しているほか、最上級の「G」に標準、「X」にオプションでレベル2運転支援機能「プロパイロット」を搭載します。


万一の衝突時にも乗員を守る高強度安全ボディと、グレードにより標準またはオプションで追加される各種のエアバッグ、ぶつかった相手の被害にも配慮した歩行者傷害軽減ボディと、衝突安全性能も優秀です。

電費性能:小型軽量が活きている

1km当たりの電力消費率を示す「交流電力量消費率」、すなわちエンジン車でいう燃費にあたるサクラの「電費」は、WLTCモード124kWh/km。


同じ日産の電気自動車でも、リーフ(155~159kWh/km)やリーフe+(161~164kWh/km)、SUVのアリア(166~187kWh/km)よりも格段に低く、軽自動車登録の超小型モビリティ(型式指定車)やミニカーを除けばトップクラスです。


トヨタのe-TNGA採用車など、電気自動車専用プラットフォーム車ならサクラに匹敵、あるいはさらに良好な電費の車もありますが、エンジン車の電気自動車版であるサクラがそれだけ効率に優れるのは、軽自動車ならではの小型軽量による恩恵でしょう。

装備・機能:V2Hで走る蓄電池

他にもサクラは、駐車支援機能「プロパイロット パーキング」や、電気自動車には欠かせない充電器の位置をナビ上に表示してくれるなど、情報関係でも充実した「NissanConnect」など、軽自動車とは思えないほど装備や機能が充実しています。


中でも「ニッポンの軽自動車」として欠かせない、外部への給電が可能なV2H(Vehicle to Home)、V2L(Vehicle to Load)機能もキチンと備えており、大災害などで長期の停電時には自宅への電力供給が可能です。


さらに太陽光発電パネルが自宅にあるなら、昼は発電した電力を蓄電池へ充電し、夜には受電した電力を自宅へ給電して、非常時でも平常時に近い暮らしを可能にするシステムへ、サクラを蓄電池として組み込むこともできます。

日産の電気自動車「サクラ」の価格・スペック

日産の電気自動車「サクラ」の価格・スペック

メーカー

日産自動車(NISSAN)

車種

サクラ

モデル・グレード

■G


■X


■S

全長×全幅×全高

3,395×1,475×1,655mm

車両重量

■G:1,080kg


■X/■S:1,070kg

乗車定員

4人

最小半径

4.8m

電力消費率

124Wh/km(WLTCモード)

一充電走行距離

180km(WLTCモード)

総電力量

20kWh

最高出力

47kW(64PS)

最大トルク

195N・m(19.9kgf・m)

価格(税込)

■G:304万400円


■X:254万8,700円


■S:249万3,700円

公式サイト

■G/■X:日産自動車(NISSAN)公式サイト


■S:日産自動車(NISSAN)公式サイト

日産の電気自動車「サクラ」を試乗予約しよう

日産では、公式サイトの「試乗車・展示車検索」で最寄りのディーラーから必要な試乗車の検索が可能となっており、サクラは多くの日産ディーラーで試乗予約が可能となっています。


さらに「日産サクラ 軽EV 1day お試しノリ」というユニークな企画を実施しており、ディーラーの担当者が同乗して決まったコースを走るだけではなく、本当に丸1日借り出して自由に乗り、電気自動車を存分に体験できるのです。


もう10年以上電気自動車を販売している日産ディーラーの中には、その経験から電気自動車について親切丁寧に教えてくれる店舗もあるのが、サクラの魅力をさらに高めています。

このブランドについて

  • NISSAN

    日産

    かつては日本第2位の自動車メーカーであり、自他ともに求める「技術の日産」として、真剣なクルマ選びに値する玄人好みのクルマがユーザーに支持される日産自動車。フェアレディZやスカイライン、GT-Rといった歴史と伝統を誇るV6DOHCターボエンジンのハイパワースポーツをイメージリーダーとして大事にする一方、2010年に発売したリーフ以降、SUVのアリア、軽自動車のサクラなど先進的なBEVをラインナップ。さらにエンジンを発電機として充電いらず、従来どおり燃料の給油で乗れる「e-POWER」搭載車を増やしており、モーターのみで走行するクルマの販売実績では、日本No.1の実績を誇るメーカーでもあります。
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