ステーションとモビリティは「花とミツバチ」

株主からはこのほか、ガソリンに代わる燃料開発が進む一方で、それらのステーション整備が進んでいないため、ガソリン車ユーザーは将来クルマに乗れなくなるのではないか、と心配する声があがった。


水素ファクトリーの山形プレジデントは、「化石燃料の時代から、電気と水素を使っていくような時代に切り替わっていくのではないか」と展望を示しつつ、「ただ…」と続けた。

山形プレジデント

「『もっといいクルマ』ってなんだろう」変わってきたモノづくり

ただ、この過程の中で合成燃料、バイオ燃料といった、さまざまな燃料もうまく使いこなしながら、電気の力とうまく組み合わせる。ハイブリッド、プラグインハイブリッドも、世界中の皆様の状況に合わせて使っていくことで、早く広い範囲でカーボンニュートラルを実現して広げていくことができると信じて進めております。

「『もっといいクルマ』ってなんだろう」変わってきたモノづくり

その中で、ステーションについて「いろいろな燃料が開発されているが大丈夫なんだろうか」というご質問だったと思いますが、例えばブラジルなどでは、バイオ燃料と言われる穀物からつくるエタノールがあります。実は既に日本でも、このエタノール(から合成するETBE)は、ある割合でガソリンの中に混ざって使われています。


この辺りを燃料業界の方々とも相談しながら、徐々に増やしていくということも検討できると思います。


水素についても、ステーションも大きな課題で、セットでないと(開発を)進めていけません。我々は燃料電池という水素を電気に変えて走る技術を持っており、MIRAIという世界初の量産型の燃料電池車をつくっております。

「『もっといいクルマ』ってなんだろう」変わってきたモノづくり

この技術を使って、大型トラックや商用車にも使う範囲を広げて、ステーションもどんどん普及していけるような姿をつくっていきたいと思います。


ステーションとモビリティは常にセットです。これを「花とミツバチの関係」にして、みんなで将来のカーボンニュートラルを広げていけるように、協力しつつ進めていきたいと思いますので、何卒ご理解賜りますよろしくお願いいたします。



「すべての人に移動の自由を」を理念に掲げるトヨタ。山形プレジデントは、燃料開発だけでなく、インフラ整備も両輪で進めていく重要性を示した。


全4回にわたってお届けしてきた2024年の株主総会特集。最後はクルマの未来を危惧する株主に対する、新郷執行役員、山形プレジデントの回答を紹介した。


「喜んでいただけるクルマを、全社一丸となってつくっていきたい」(新郷執行役員)


「みんなで将来のカーボンニュートラルを広げていく」(山形プレジデント)


2人の言葉からは、自動車業界が100年に一度の大変革期にあっても「誰ひとり置いていきたくない」、そんな想いがにじんでいるようだった。

2024.06.28 トヨタイムズニュースより

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    トヨタ

    常に世界の最多生産台数を争い、日本のみならず世界を代表する自動車メーカー、トヨタ。多くの日本車メーカーと深い関わりを持ち、グループ全体で超小型車からバス・トラック、産業車両まで網羅したフルラインナップ・メーカーであり、近年は実用性やコストパフォーマンスのみならず、スポーツ性など走る楽しみにも力を入れています。世界初の量販ハイブリッドカー「プリウス」から電動化技術では最高の蓄積を持ち、自動運転技術の実用化、新世代モビリティと都市生活の在り方を模索する「ウーブン・シティ」へ多大な投資を行う一方、電動化だけがエコカー唯一の選択肢ではないというスタンスも崩さず、死角のない全方位戦略が現在の特徴です。

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