4社が電動車のコネクティッド技術を活用したスマート充電サービスの実証事業を開始

三菱自動車工業株式会社(以下 三菱自動車)、MCリテールエナジー株式会社(以下 MCリテールエナジー)、Kaluza Ltd.(以下 Kaluza)と三菱商事株式会社(以下 三菱商事)の4社は、電動車のコネクティッド技術を活用した国内初となるスマート充電サービスの商用化に向けた実証事業を開始する。
スマート充電サービスとは、社会全体のエネルギーコスト低減と電動車ユーザーにとって魅力的な充電環境の提供を目的としたサービスで、本実証事業で得られる成果は、本サービス開発に活用される。

実証事業の概要

三菱自動車が販売する『アウトランダー』(PHEVモデル)を保有するお客様*1 を対象に、三菱商事の出資先であるOVOグループのKaluzaが提供するEV充電制御プラットフォームを通じて、通常の家庭充電においてお客様がスマートフォンのアプリ上で指定した時間までに、電力市場価格等が安い時間帯に充電が自動で最適化されるサービスを提供する。お客様は実証期間中、MCリテールエナジーが本サービスのために開発する実証専用の電力プランに加入することで、充電制御の結果に応じて充電コストを節約することができる。また、本サービスでは、Kaluzaのプラットフォームから三菱自動車のコネクティッドシステムを通じて、車両に対して直接の充電制御が可能となるため、通信機能が付いた充電設備(スマート充電設備)等が不要となる。

本実証事業のイメージ

画像:三菱自動車ニュースルームより

これまでの取り組み

三菱自動車及びKaluzaは、2023年2月からスマート充電サービスの開発に向けた協業を開始し、電動車のコネクティッド技術を活用した充電制御のシステム開発を進めてきた。*2


MCリテールエナジーは、経済産業省公募のEVダイナミックプライシング実証事業を主導し、自動車/エネルギー/通信系企業と共にEV充電に関する知見を蓄積し、夜間のEV充電を実質無料とするプランや、EV充電の昼間シフトを促進するプラン等、EV向け電力プランの実績を先駆的に積み重ねてきた。*3


Kaluzaは、2023年3月から英国電力小売事業者OVO Energyと共に既に類似のスマート充電サービスを提供しており、これまでお客様に4.6百万ポンド以上相当の電気代削減効果を還元している。加えて、同サービスを通じて146トンもの二酸化炭素排出量削減効果を創出しており、カーボンニュートラル社会実現への貢献にも寄与している。


三菱商事は、2022年にKaluzaおよび中部電力ミライズ株式会社と、モビリティ分野における脱炭素の取組みを推進させる、電気自動車のスマート充電実証事業に取り組み、日本市場における有用性や技術検証を実施した。*4また三菱自動車や、MCリテールエナジー、英国OVO/Kaluzaの出資者として、上述の各社取組を側面支援してきた。



*1…東京電力パワーグリッド株式会社または中部電力パワーグリッド株式会社の電力供給区域にお住まいで、三菱自動車が提供するコネクティッドサービス「MITSUBISHI CONNECT」に登録し、且つ自宅に普通充電器を設置している方が対象。


*2…三菱自動車ニュースリリース(2023年2月22日)「三菱自動車とKaluza、国内初のスマート充電サービスの開発に向けた協業を開始 ~電動車のコネクティッド技術を活用したスマート充電の実証実験を開始~」


https://www.mitsubishi-motors....


*3…MCリテールエナジーニュースリリース(2022年6月30日)「令和4年度「ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」について」


https://www.retailenergy.co.jp...


*4…三菱商事プレスルーム(2022年3月15日)「モビリティ分野におけるスマート充電実証事業の取組みについて」


https://www.mitsubishicorp.com...

実証事業参加企業の概要

三菱自動車


社名三菱自動車工業株式会社
本社東京都港区芝浦三丁目1番21号
代表者代表執行役社長兼最高経営責任者 加藤 隆雄
会社概要SUVづくりのノウハウとラリーで培った四輪制御技術、そして電動化技術に強みをもつ自動車メーカーです。日本をはじめ、世界各地に生産拠点があり、グローバルで約30,000名の従業員を擁しています。2009年には世界初の量産EVである「アイ・ミーブ」、2013年には世界初のSUVタイプのプラグインハイブリッドEVである「アウトランダーPHEV」を発売するなど電動車普及に取り組んでいます。三菱自動車らしいモデルをお客様にお届けするとともにカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
コメント三菱自動車 執行役員 モビリティビジネス本部長 岩本 和明「三菱自動車は、“モビリティビジネス”を車両販売、金融(リース)、アフターセールスという既存のビジネスに続く第4の収益の柱と位置づけ、“With Partners”の方針のもと、コネクティッド機能による車両データを活用した新しいビジネス開発などに取り組んでいます。電動車を活用したエネルギーマネジメントには、世界初の量産EV、PHEVの発売を開始した当初から取り組み、これまで車両側に必要な機能検証等を実施してきました。本実証事業を通じて、お客様の充電コストとCO2排出量の低減、そしてカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、電動車の充電を最適化するスマート充電サービスの開発に取り組んでまいります。」
URLhttps://www.mitsubishi-motors.com/jp/


MCリテールエナジー


社名MCリテールエナジー株式会社
本社東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル6階
代表者代表取締役社長 田中 浩平
会社概要三菱商事/中部電力ミライズ株式会社/株式会社ローソンを出資母体とし、「安心の中に新しい価値を」をミッションに電力小売事業を中心に再生可能エネルギー(以下 再エネ)、EV関連サービスを幅広く展開しております。当社はこれまで、サステナブルな未来を実現するため、再エネコーポレートPPA、VPP(仮想発電所)事業などのサービス拡大や、EVを活用したダイナミックプライシング実証の主導、他社に先駆けたEV向けプランのリリースなど先進的な取り組みを展開しております。今後もお客さまの声にお応えすべく、海外の進んだ知見も取り入れ、国内の有力なパートナーとタッグを組み、”新たな価値あるサービスの提供“を進めて参ります。
コメントMCリテールエナジー 代表取締役社長 田中 浩平「本取組において当社は、経済産業省公募の「ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」を3ヵ年に亘り主幹事として実行した知見、および他社に先駆けたEV向けメニューの開発力を活かし、これまでにない充電技術を活用してお手軽に電気料金を低減する新たな充電体験、太陽光発電増加に伴い発生する昼間時間帯の、自然由来の余剰電力を有効活用する事を通じて、新しい価値を提供して参ります。三菱自動車、Kaluza、三菱商事と協働して行う本邦初となる本取組や、新電力初となる需給調整市場への参入といった業界のパイオニアの実績を活かし、今後もEV向けサービスを始めとする、次世代エネルギーソリューションの提供に努めて参ります。」
URLhttps://www.retailenergy.co.jp/


Kaluza


社名Kaluza Ltd.
本社Floor 2, 69 Notting Hill Gate, London W11 3JS, United Kingdom
代表者CEO Scott Neuman(スコット・ニューマン)
会社概要三菱商事が出資するOVOのグループ会社であり、エネルギー事業者向けの革新的なソフトウェアを提供しています。顧客への料金請求からEVのスマート充電まで幅広いサービスプラットフォームを持ち、大手エネルギー事業者が数百万の顧客に魅力的なサービスを提供する支えとなっています。Kaluzaのリアルタイムクラウドプラットフォームを活用することで、エネルギー事業者は業務変革、サービスコストの削減、さらに、顧客との結びつきを向上させることが可能となります。その結果、エネルギー事業者は顧客のための新たな投資や脱炭素化を推進することができ、エネルギーコストを削減するだけでなく、より柔軟なエネルギーシステムの基盤を築くことができます。Kaluzaは、世界の7つの拠点で450人以上の従業員を抱えるB Corp認証*取得企業です。*…米国の非営利団体のB Labが運営を行う、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度。
コメントKaluza CEO Scott Neuman(スコット・ニューマン)「三菱自動車、MCリテールエナジー、三菱商事のような革新的なパートナーと協業し、日本における先駆者としてEVスマート充電のサービスを展開できることを嬉しく思います。EVの普及が進むにつれて、“スマート充電”は一層重要性を増し、社会全体の電力の需給バランスを支え、また、EVユーザーがより手間なく便益を得るために必要なものとなります。Kaluzaは日本のパートナーと協力し、既存および将来のお客様に魅力的なEVサービスを提供し、ひいては、日本のネットゼロ社会の実現に貢献いたします。」

URL

www.kaluza.com


三菱商事


社名三菱商事株式会社
本社東京都千代田区丸の内2-3-1
代表者代表取締役社長 中西 勝也
会社概要天然ガス、総合素材、化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループに産業DX部門、次世代エネルギー部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開しています。
コメント三菱商事 電力ソリューショングループ ユーティリティーリテイル本部長 小濱 雅典「当社は電力事業において、カーボンニュートラル社会の実現に向け、再エネを起点とした発電と販売を一体とする電力バリューチェーンの構築を図っております。再エネの導入が進む中で、電力需給バランスの安定化に向けた一つの取り組みとして、Kaluzaのシステムを日本に導入・活用し、EV/PHEVの充電時間の最適化を図ることが有効であると考えております。本実証において、Kaluzaの技術を用いて、三菱自動車およびMCリテールエナジーの技術・サービスを掛け合わせる仕組みを作り、EV/PHEVのオーナー向けに利便性・環境性・経済性を備えた顧客体験の創造を図ります。本実証を牽引・推進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献できるよう努めて参ります。」
URLhttps://www.mitsubishicorp.com/


2024年02月15日 三菱自動車ニュースルーム


    このブランドについて

    • MITSUBISHI

      三菱

      近年の三菱自動車は、ミニバン型のデリカD:5、軽スーパーハイトワゴンのデリカミニ、ピックアップトラックのトライトンに正統派のアウトランダーと、ラインナップのほとんどをSUVが占め、長年培った電子制御技術によって、AWDでも2WDでも優れた走行性能を発揮するのが特徴。軽BEVのeKクロスEVやミニキャブMiEV、アウトランダーやエクリプスクロスではPHEVタイプのSUVも好評で、規模は小さいながらもSUVや商用車の電動化では最先端を走るメーカーです。日本でのイメージリーダーは「デリカ一族」のデリカD:5とデリカミニですが、日本でも人気が再燃したピックアップトラック市場へトライトンを投入します。

      詳細

    新着記事